あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

とある魔術の使い魔と主-15


当麻がルイズによってボコボコの中のボコボコにされていた頃……

「一体何者なのよあいつは!?」
フーケは独房の中で一人、先の体験を振り返りじだんだを踏んでいた。
もう少しで『破壊の本』――その一冊で誰にでも勝てるであろう最強の武器が手に入ったのに。
たまたま彼らに見つかってしまい、その結果、来週中には死刑の判決が下される状態にまで陥った。これが悔しくなければ一体どうなる?
いや、彼らではない。彼、だ。
自分が操る巨大ゴーレムも、最強の武器も、自分を殴ったのも皆ツンツン頭の少年が行った事。
フーケはそこに疑問を持っていた。一体どのようにすればあんな事が出来るのだろうか?
(まっ考えても無駄ね)
答えが浮かばない、というのも一つの理由ではあるのだが、なにより考えた所で意味がない。
どうせすぐにこの世とおさらばする命。ここから脱獄しようにも杖がない為魔法も打てない。
白馬に乗った王子様が来て助けてくる――なんてあったらちょっといいかも、と少し夢見ながら寝ようと思ったら……
足音がした。この一つ上の階から聞こえてくる。
最初は牢番かと思ったが、どうやら違う。かつかつという足音の中に、かしゃかしゃという拍車の音が混じっているからだ。
この階、最も監視と警備が厳重な牢獄にいるのはフーケだけ。つまり、フーケに用があるとしか思えない。
まさかね……と、自分が先程思い浮かべた人物を否定しながらも、ベッドから体を起こす。
と、鉄格子の向こうに、長身の黒マントを纏った人物が現れた。白い仮面を被り、長い魔法の杖がマントから突き出ている。恐らくメイジであろう。
白馬の王子様、というより暗殺者といった方が正しいかもしれない。
「はっ! こんな夜更けにお客さんだなんて一体何用だい?」
フーケは大方想像がついていた。一人で活動したが、これでもかなりの数のお宝を盗んできた。
その中には当然フーケの事を殺したくなる程憎んでいる貴族もいるであろう。
何故なら、公に広がってはならない宝物を当然フーケは盗んでいるからである。そんな貴族にとっては、来週中ではなく今すぐに死んで欲しいと思っているはず。
つまり口封じというわけだ。

「残念ながら、見てのとおりここには何にもないですわ。つまりあなたをもてなすことができないのですわ。それを承知でここにいらして?」
言いながらフーケは身構えた。もちろん暗殺にきました、はいどうぞ。というわけにはいかない。彼女なりのプライドがある。
一応体術の心得もある。といってもあの時は防ぎようがなかったが。
しかし、このまま鉄格子から魔法を放たれたら対処しようがない。フーケは、どうやって相手を中に入れようか作戦を練る。
すると、ようやく黒マントの男の口が開いた。若く、力強い声だった。
「『土くれ』だな?」
「まぁ世間ではそう呼ばれてるわね」
ふむ……、と男が呟くと、両手を広げて敵意のない事を示した。
「話をしにきた」
「話?」
「簡単な事だ。我らに仕えて欲しい。マチルダ・オブ・サウスゴータ」
フーケは男が言った名前に言葉を失った。ずっと前に捨てなければならなかった名前。誰一人知らない名前であるはずなのに……
「何を……求めてるの?」
平静を装うつもりであったが、明らかに声が震えている。しかし、男は気にせず話を進めた。
「なに、革命を起こすのさ、アルビオンにな。その為には優秀なメイジが欲しい。協力して欲しいのだがどうかね? 『土くれ』よ」
「随分ペラペラと喋るわね? 私が断らない理由でもあるのかしら?」
「もし断ったら――――」
「私を殺す、でしょ?」
フーケが割って答える。仮面ごしではあるが、恐らく笑ったであろうと感じた。
「さぁ、どうする?」
フーケに選択肢などなかった。


朝。ルイズは何かを引っ張りながら登校してきた。周囲の学生は、その何かに目がいってしまう。
それが何なのかは皆わかっている。ただ、それが何故首輪をつけられてルイズに引っ張られているのかがわからない。
そして何よりも、
「ねぇルイズ、一体何をしたらあぁなるの?」
香水のモンモランシーが、クラスの代表として聞く。上条当麻の、原型が見れない程変型している理由を。
「調教よ」
いや、どんだけしたんだよ……と何人かの貴族は心の中で突っ込む。当麻の顔は晴れ上がっていて、血も少量ばかりついている。

「なにしたの? 彼」
「わたしに襲い掛かってきたのよ、夜に」
「まぁ!」
モンモランシーは驚いた顔をすると、見事な巻き毛を振り乱し、大袈裟にのけぞった。
「はしたない! まぁ、そんな襲うなんて! まぁ! 汚らわしい! 不潔! 不潔よ!」
ち、違うんだけどなー、と伝えたい当麻だが、多分言った瞬間再びあの悪夢が襲い掛かると思うと、黙っているのが最良だと感じる。
一方のモンモランシーはそんな当麻の事など気にせず、ハンカチを取り出すと、噛み締めた。
オウとか、ヨヨとか当麻にとってよくわからない言葉を吐き出している。
そんな中、颯爽と自分の髪をかきあげて教室に入ってきたキュルケがルイズを睨んだ。
「あなたが誘ったんでしょ? エロのルイズ。大方いやらしい流し目でも送ったんじゃないこと?」
「なっ、そんなことするわけないじゃない! あなたじゃあるまいし!」
「可哀相なトウマ、私が治療してあげるわ」
こめかみから血管を浮かべて怒鳴ってくるルイズを、キュルケは無視して当麻を抱きしめる。
(うお、待て、胸が、く、苦しいけど、これはこれでラッキーイベント発生かー!?)
巨大な胸に顔を挟まれ、当麻は呼吸が出来なくなる。
しかし、なんというか悪くないかも、と思ってしまう当麻がいちゃったりする。
「大丈夫、あたしが『治癒』で治してあげるから」
「あんた『水』系統の『治癒』が使えるわけじゃないの。あんたの二つ名『お熱』でしょ。病気。熱病。少しは水で冷やしなさいよ」
ルイズが嫌味を込めてキュルケに向ける。
「微熱よ。び・ね・つ。あなたって記憶力までゼロなのね」
キュルケはルイズの胸をつついて言った。
「ゼロは胸と魔法だけにしたらいいわよ~」
ビキィ! とルイズのこめかみからとんでもない音がした。本人は至って冷静になっているが、逆に怖い。
この後、二人は討論するのだが。
いつもと変わらんな、と思う当麻であった。

いや当麻の顔は変わっている。念の為に。


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