あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ルイズとハート様

「あれは平民、にしてはむやみとデカイな」
「傭兵にもどこかの蛮族にも見えるが…大きすぎるぞ」
「巨人か?あれは」

ゼロのルイズと呼ばれ続けた少女、
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」が召喚の儀式の日に
幾度と無く巻き起こした爆発と立ち上る煙の中から現れたもの、
それはスキンヘッドで肥満体でどう考えても美しいとか
神聖とかいう言葉からはかなりかけ離れた、しかもサモン・サーヴァントなど
せずとも休日の夜のバーにいけば高確率で発見できるようなオヤジである。
半裸なのとただひたすらにデカイという点を除いては。
「あんた、誰…っていうか人なの?」
「ん?私は死んだはずでは…」
男は周囲を見回しては自分の体をぺちぺちと叩き、実に不思議そうにした後、
傍で男の巨体と見苦しさにポカンとしているルイズに状況を尋ねる。
ルイズ、そして立ち会っている教師のコルベールの説明により
ハートと名乗った男は自分が置かれた状況を理解し、一瞬渋い顔になるが
「なるほど、多少不本意ではあるが私は一度死んだ身。
そして君はいうなればある意味、私の恩人みたいなものだ。
こうなれば出来うる限りの事はさせてもらうつもりだよ」と
使い魔になる事をあっさり快諾してくれたのだった。

使い魔になったこのハートという男。
なりは大きく、力も凄いが性格はかなりアバウトでのんびり屋であったので
ルイズは使い魔というよりも近所の気のいいおっちゃん的な
感じがしてかなりの安堵と少々のがっかり感を同時に味わったりもした。
「ハート、洗濯は」
「ああ、洗濯かい?もう終わってるよ。他にも用があればなんでも言うといい」
「…やけに手際良いわね、あんた」
「こう見えてもそれなりの地位に居たから
人を使うことにも使われる事にも慣れているからね。
ルイズ君も将来にそなえて精神的な余裕をつけないとねぇ」
「大きなお世話よ」

だがある日、食堂にてトラブルが発生し、さらにそれが
ハートとギーシュの決闘という予想外の展開となり、
その予想外がさらなる予想外を生み出すという結果になる…
「君のお陰で二人もレディが傷つく事になった。どうしてくれるんだい?」
と自分の事を完全に棚に上げてメイドのシエスタを責めるギーシュを
「やめなさい!元はと言えば君が二股などという不誠実な
行動をしたのが事の発端ではないか。それを意図せずに
たまたま原因になってしまっただけでメイドさんを責めるとは何事かね?」
と至極まっとうなたしなめ方をしたらギーシュはその事と
周囲から笑いものにされた事でますます腹を立ててハートに決闘を申し込んだのだ。

その後、正直言ってギーシュは半分途方に暮れていた。
何故ならこのハートという男にワルキューレの攻撃が少しも効いていないのだ。
「どこからでもどうぞ」
と言われ、遠慮無くワルキューレの拳をハートの腹に直撃させた
にも関わらずハートは少しも苦痛を表情に表さずにニコニコと笑いながら言う。
「私は特異体質でね、多少の打撃や刺突、斬撃とかは
ゆる~く受け流してしまえるんだ」
さらにギーシュはワルキューレを全部出して総攻撃させるが
それでもなおハートの余裕の態度と笑顔は変わらない。
そんなこんなで小一時間…

「君、もうこれくらいで気が済んだかね?
私もいい加減そろそろ疲れて…!」
突如として蹲るハート。
何事かと思えばなんとワルキューレの一体がハートの頭を勢い良く強打していたのだ。
「よく考えればなにもムキになって体だけを攻撃する必要はなかったんだ。
流石の君も頭のてっぺんにまで脂肪も筋肉もつかなかったようだね」
してやったりとニヤリと笑うギーシュ。
「考えた物です。だがまだ……ん…これは…!?」
さらにそれすらも面白いと言わんばかりに不敵な笑みを返したハートだったが
頭にやった手を見てハートは顔面蒼白となる。そして…

「ち…血~~~!」

突如として錯乱状態になるハート。
コントラクト・サーヴァントの苦痛にも
ワルキューレの袋叩きにも笑って耐えた巨漢が
ごく僅かな傷で半狂乱になっている様はかなり異様であった。
にもかかわらずギーシュはそれを滑稽だとも溜飲を下げたとも思わなかった。
なぜなら次の瞬間…
「いてえ!いてえよ~~!!」
自分を取り囲むワルキューレをその豪腕で
次々と陶器か木製の人形のように容易く破壊していったからだ。
これに当たれば十中八九、いや、十中十命は無い。
もはや今の彼は近所の気の良いおっちゃんなどではなく、狂乱の死刑執行人であり、
やがてワルキューレを破壊し終わったハートはギーシュを猛禽のような目で見据える。
次の瞬間にやばいと感じたギーシュは脱兎の如く駆け出した。
さっきまでとは打って変わってもはや十代そこそこの若者が
貴族の誇りだのなんだの言わせてもらえる雰囲気では無い。

兎どころか馬にも追いつけるのではと思う程の速度で走り出すギーシュ。
蜘蛛の子を散らすように避難を始めるギャラリー。
そして太っているにも関わらずギーシュの俊足に負けずに彼を猛追するハート。
「待たんかい!このクソガキャー!」
「今まで本当に僕が悪かった…謝るよ!」
「世の中謝るだけで済むんだったら役人も軍隊もいらねぇんだよ!」
「無茶苦茶だー!」
二人はあっという間に広場に集まっていたギャラリー達の視界から姿を消し、
土煙とわめき声とたまに人を派手に巻き上げながら遥か彼方へと消えていく…

それを呆然と眺めるルイズ、いや、僅かに残ったその場の者全ては思った。
「これは使い魔として当たりなの?はずれなの?っていうかギーシュ大丈夫?」

なお、ギーシュとハートは一週間程して帰ってきたが
ただしギーシュは憔悴しきった姿で
ハートはなんだか血だらけの姿(ただし血は彼自身のではない)という
双方とも途中で何があったかは本人のみならず周りの人間もあまり考えたくないような姿での帰還である。

「いやあ、私は自分の血を見ると恐怖のあまりに他人の血を
見ないと収まらない殺人マシーンになってしまう悪癖があるんだ」
と少々困ったような笑顔で語るので余計に怖い事この上ない。
こうして騒動は終わり、学院は再び元の平和を取り戻したかのように見えたが
あの光景を見てしまっては誰もそうそうに前みたいな接し方など出来ようはずもなく
かつて居た場所で「拳法家殺し」と呼ばれた男はハルケギニアにおいて
「メイジ殺し」「脅威の二重人格」という新たなる称号も得る事となり、
さらにはマリコルヌを始めとした物好きから「ハート様」と崇められたりもして
畏怖と恐怖を学院、そしてハルケギニア全土に轟かせ、
良くも悪くも一躍有名人となる。そしてルイズは後に使い魔についてこう語る。
「あの例の悪癖さえなければ結構良い奴なのよね……」

終 「北斗の拳」からハート様

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