あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

レプリカ・ゼロ-8

 双月浮かぶ夜空の下にて、剣を手に素振りをする青年が一人。
 その剣の重心や癖等を何度も何度も確かめながら振る。
 それを見るのは、夜空に浮かぶ双月と本を片手に抱えた少女。

『相棒。なんで、こんな事するんだぁ?』

 ふと、剣からそう尋ねる声が青年の耳に入り相変わらず素振りしながらに答える。

「ガンダームとか良くわからねぇ。それに、能力の上に御座かいちまったら……終わりだ」

 ふっ! と、気合の入った素振りを締めとばかり振るい。その後でやや乱雑に剣を大地に突き刺し
 額をつたり落ちる汗を服の袖で拭い取り再び剣を握り、剣を正眼に構え瞼を閉じ何度か深呼吸をし呼吸を整える。

『おでれーたって程でもねぇが、まぁその通りだな。あと、ガンダームじゃなくてガンダールヴだぜ』

 剣の同意と指摘の声を尻目に、青年は瞼を開け何も無い場所を剣で突く。突きから流れる様に上段に斬り上げそのまま刃を返し
 下段へと斬り下ろす。そしてそのまま右上に斬り上げその次は、右から左へと斬り払い最後にまた突きを繰り出す。
 斬り上げと斬り下ろし。斬り払いと突きを出来る限り動作停止しない形で、繋げて行く事を思いつく限りのパターンで
 何度も何度も繰り返し、剣の有効範囲や剣で斬ると言う動作を行なう為の歩幅などを把握して行く。
 不意に後ろから何か飛来してくるのを察知すると、青年はソレを剣で薙ぎ払う。
 飛来して来た物は、小石。その小石を青年に向けて投げたのは、片手に本を抱き抱えた少女。
 少女は、青年が小石を薙ぎ払った事に少しばかり目を見開いたが、直ぐにもとの調子に戻ると
 スッと、青年と少女が外に出る為に使用した扉を指差す。

 それに怪訝な表情を浮かべる青年だったが、その扉が勢い良く開かれ桃色と自分と同じ髪色の紅が飛び出して来るのを見て
 まだやってたのかよ……と、ため息を一つ。
 その桃色と紅は、青年と少女を見つけるなり凄まじい速度で走り駆け寄ってくる。
 桃色と紅は、二人の少女で二人は青年の前に到着するなり、その場に立ち止まり……よほど疲れたのか肩で息をしながら
 青年に、ちょっとタイム。と、良くわからない提案をし数分かけて呼吸を整えた後で、二人はお互いの顔を見合わせる。

「私の勝ちね? ツェルプストー」
「いえ。私の勝ちよ? ヴァリエール」

 二人がそう言いながら睨み合う。もしかしたら、火花でも散ってるんじゃないだろうか? と、思わせるほどの睨み合いだ。 
 しばらく睨み合う二人だったが、不意に青年を見るや否や……

「ルーク! アンタは、デルフリンガーを使うのよね!?」
「いいえ! ダーリンは、このシュペー卿のを使うべきよ!!」

 噛みつかんばかりに、青年ことルークに近づき大声でそう告げる二人。キュルケの手には、いらねぇと突っ撥ねた大剣。
 それを強引に持たされ、左手にデルフリンガー。右手に大剣と言う即席ニ刀流な状況になってしまう。
 そんな彼を爛々……ではなくギラギラとした光を瞳に宿しながら二人は、ジッと見ていた。
 いったいなんなんだよ。と、ため息を一つつきながらとりあえず大剣の方は、いらねぇよ。と、投げ捨てちまうか?
 などと思い始めたと同時に、ルークは後ろを振り向いた。彼を見ていた二人もルークに釣られルークの背後を見る。
 其処には30メイルばかりの大きさを持つ巨大な影が、存在していた。


 ■


 魔法学院の五階には、宝物庫が存在する。その宝物庫の壁は、分厚くさらには強力な『固定化』の魔法が掛かっており
 『錬金』等の魔法では、壁を壊す事はほぼ不可能に近い。
 そんな宝物庫の壁を見て忌々しげに舌打ちをする存在が一つ。

「物理衝撃に弱いだって? 固定化に加えこの壁の厚さ……どれだけの衝撃を与えれば良いって言うのさ」

 壁の厚さを足で一度軽く蹴る事で確認し、腕を組んでしかめっ面……ローブに隠れて見えないが……を浮かべる。
 さて、どうしたものか? と、腕を組み考える。諦めるという考えは、浮かばない。
 何せ、この学院に潜入する前から宝物庫に保管された『破壊の杖』は、狙っていたのだ。
 宝物庫の弱点である物理衝撃にしても、己が魔法で生み出せるゴーレムで殴っても焼け石に水の様に思える。
 あまり派手なのは好まないのだけど……と、眉を顰めながらに思うのだが……しょうがない。と、懐から杖を取り出し振るう。

そして、出現したのは土で作られた30メイルばかりの大きさを持つゴーレム。
 そう、巷を騒がせている『土くれ』のフーケが、得意とする魔法の一つだった。
 そのゴーレムで、同じ場所をピンポイントで殴りつける。それが、フーケの出した答え。
 フーケの命で、ゴーレムはその腕を壁に向けて振るうのだった。


 ■


 BGM:Awkward Justice
 30メイルばかりの巨大な影が、動き出し建造物を殴り始めた時。
 まず、一番最初に動いたのは、ルークと共に外に出ていた少女ことタバサだった。
 唖然としているルイズとキュルケの頭を、己の杖で叩き正気に戻させるや否や影に向かって走り出す。
 次に動いたのは、ルークだった。左手にデルフリンガー。右手に大剣を持ったまま影に向かって走り出す。
 そして、月明かりに照らされその影が、土で出来た巨大なゴーレムだと認識するや否やタバサは、
 走りながら小さく呪を唱え始め、そのタバサの横をルークが駆け抜け接近し、
 ゴーレムに向けて大剣を気合の入った掛け声と共に投合するのだが……大剣は、ゴーレムに刺さるだけ
 牽制にも何にもなりはしなかった。寧ろ、ゴーレムがルークたちに気づき此方に向かって拳を振るってくると言う惨事に発展する。
 地面に巨大な岩が、落ちてくるが如くに振り下ろされるゴーレムの拳をルークは、
 大きく後ろに跳ぶ事で回避しそれをチャンスとばかりに、地を蹴りゴーレムの腕に飛び乗るや否や、ゴーレムの頭部目掛けて走りかける。

 その行為を見て、タバサは呪を唱えつつも驚き、ルイズにキュルケの二人も目を見開いて驚く。
 もっとも、一番驚いたのはゴーレムを作り出し操る人物。土くれのフーケなのだが……
 そんな驚いている面々なぞ関係無いとばかりに、雄叫びを上げながら走り駆け上がる。
 そして、ゴーレムの頭を視界に捕らえた所でデルブリンガーを、いつでも使用出来る様に左手で握り締めた。
 左手に刻まれたガンダールヴのルーンが、淡く輝きその恩赦をルークに与える。
 その恩赦は、世界を結果的に救う事となった旅で長く付き合う事となったセブンスフォニマーの女性が、
 戦闘支援の為に良く使用していた譜術であるホーリーソングに良く似た効果。
 でも、今はそんな事に驚いている暇は無い。今は戦闘中なのだから。

 ルークは、雄叫びを上げゴーレムの頭をデルフリンガーを貫く。
 まぁゴーレムの頭は、その巨躯に見合ったモノの為。貫くと言うよりは突き刺す。
 土で出来たゴーレムに、それは掠り傷にもならない。そう、ただ突き刺すだけならば掠り傷にもならない。
 しかし、ルークには短いながらも濃い旅の中で手に居れた技がある。
 そして、突きの動作から発動する技が一つ。

「雷神剣!!!」

 雲ひとつ無い夜空に、その声が響いたと同時にゴーレムの頭に突き刺したデルフリンガー目掛けて、空から一本の太い雷が降り注ぐ。
 その雷は、ゴーレムの頭をまるで凶悪な龍の顎で喰らいつくが、如くに元の土へと還す。
 しかし、ゴーレムは己の頭が雷に喰われた事など気にしないとばかりに、その巨躯を大きく揺らしルークを己の身から宙へと放り出す。
 突然の大きな揺れに、宙に放りだされ小さく舌打ちをしつつ、体勢を立て直し受身を取ったと同時に
 ゴーレムの腕が、ルーク目掛けその巨木の様な腕を横薙ぎに振り払おうとしたのだが、その腕は丁度人間で言う肘関節の辺りから
 ゴッソリと取れ土を振りまきながら地面に落ちる。
 それと共に、地面に着地したルークはゴーレムを見上げ、何故腕が落ちたのか? と、腕を睨む様に注視する。
 其処には、無数に突き刺さった氷の槍。“ウィンディ・アイシクル”と呼ばれるこの世界の魔法。
 そのウィンディ・アイシクルを、ゴーレムの肘関節辺りと言う範囲に絞り放ったが故の結果が、ルークを薙ぎ払おうとしていた腕が
 取れて地面に落下したのである。

「……後先考えないのは……己の首を絞める」

 そう呟きながら、ウィンディ・アイシクルを放った存在。タバサは、ルークの横に立ちそう告げる。
 そんなタバサを見つつ、ゴーレムを見やれば……雷によって砕かれた頭が、ウィンディ・アイシクルで取れた腕が……

「げっ……戻ってやがる」

 元通りになったゴーレムを見て、忌々しげにそう漏らす。

『作りだしたヤツの魔力が、ありゃぁ何度でも再生するんだぜぇ。だーから、土のゴーレムってぇのは厄介なんだ』

 あーやだやだ。と、ぼやくデルフリンガーを構えるルークと次の魔法の呪を唱えるタバサ。
 そんな二人の頭上を、巨大な火球が飛び越えゴーレムに直撃する。しかし、その火球はゴーレムに小さな焦げ跡を残すだけに留まる。

「あれだけ巨大だと、相性最悪ね」

 火球を放ったキュルケが、自慢の髪を一度掻き揚げながらにそう言いながら二人へと歩み寄り
 その後ろから「ファイアボール!」と、威勢の良い声が響く。響くと同時に、ゴーレムではなく
 ゴーレムが、最初殴りつけていた宝物庫が、盛大に爆発した。
 それと同時に、三人はそれを起した人物を一斉に見やる。

「ちょ、ちょっと狙いが外れちゃったわね」

 数日前、教室で錬金に失敗し、盛大な爆発を起したルイズが、あははははは。と乾いた笑い声を漏らしながらにそう告げるのだった。





 土くれのフーケは、忌々しげに舌打ちをし歯をカチリと噛み鳴らした。
 一体、なんなんだい? アレは? ゴーレムの頭にまるで柔らかい地面にスコップを刺す様に、突き刺さる剣。
 あのゴーレムは、確かに土で出来てはいるが、それなりの密度を持ち『突く』としても刃が通らないはずなのに……
 それに、剣が突き刺さった後の雷はなんだい? ライトニング・クラウドと言う魔法は、知っているが
 ライトニング・クラウドとは、方向性が違うし、剣を突き刺した後で魔法を唱えた形跡も無い。
 訳が分らない。ゴーレムに振り払えと命令を出し、ソイツを宙に放りだしてやったが、何故何も無い宙で体勢を整えられる?
 フライを使った訳でも誰かがレビテーションをソイツに唱えた訳でもない。
 腕で、薙ぎ払えと命令を出しソイツを薙ぎ払おうとすれば、腕が落ちる。
 忌々しい。実に忌々しい! と、フーケは静かに憤慨する。

 かなりの高さから落下したはずなのに、堪えた様子も無いソイツを見やれば……その隣には、小さい影が一つ。
 愚かだ。散漫すぎる。と、己を叱咤した所で、ゴーレムの頭が雷に呑まれた事も腕が落ちた事も変わりはしない。
 だから、今出来る事を……ゴーレムが失った部分を再び再生させる。
 火球が、飛来しゴーレムに直撃するが、無意味だ。と、ほくそえむ。
 そして、「ファイアボール!」と、この場所に居る私に聞こえるほどの大声で魔法を唱える声。
 先程のを見て火球は、意味が無いってわからないの? と、思った瞬間だった。
 凄まじい爆発が、宝物庫の壁を飲み込む。その爆発から離れていたゆえに助かったが……
 爆発により発生した突風に顔を顰め、もしソレが己に当ったのならばと考え、ギリッと歯を噛締める。
 ふと、その爆発に呑まれた壁を見やる。爆発に呑まれた壁には、亀裂が奔っている。

 分厚い壁に強固な固定化の魔法が、掛かった壁に亀裂?
 改めてその爆発の威力を知り、唖然としたが……丁度良かった。実に丁度良かった。
 私は、直ぐにゴーレムに命令をだし、ゴーレムと対峙するソイツらを無視し亀裂の奔った壁を殴らせる。
 すると、何度殴っても亀裂すら入らなかった壁があっけなく崩壊した。
 崩壊し出来上がった穴の中に、侵入し目的の物を目指し駆け寄る。
 それを手にした後で、何時も通りのメッセージを残す。
 『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』
 目的の物を手に居れたのならば問題ない。終りよければ総てよしだ。
 目的の物である『破壊の杖』を手にさっさと退散しなければ……と、今来た道を戻ろうと踵を返し……
 とある物が視界に入る。それは、多分衣服……何かしら名の有るマジック・アイテムなのだろうが……
 今は、必要ない。だが、凄く気になる。気づいたら、その衣服を手に取っていた。

ハッと、正気に戻りしょうがない! ついでだ! と、ばかりにその衣服を手にとり『破壊の杖』と共に来た道を戻る。
 壁に空いた穴から飛び出てゴーレムの肩に飛び乗り学院から、急いで離れる様命令。
 アイツらの相手なぞしてられない。時間がもったいない。




 ルーク達とゴーレムは、暫く……と、言ってもほんの数分。最初に動いたのは、ゴーレム。
 しかし、ゴーレムは、ルーク達に向かう事無く宝物庫に歩みその拳を振るい宝物庫の壁を殴りつける。
 すると見事に壁に穴が空き、その空いた穴へ進入する人影がひとつ。
 一体、なんなんだよ? と、宝物庫の事なぞまったく知らないルークが、気抜けた声を出せば
 タバサが、小さくあそこは宝物庫。と答える。
 土のゴーレム。宝物庫。宝物庫に侵入した人影。その三つによりキュルケの頭に一つの答えが浮かぶ。

「土くれのフーケ」

 土くれのフーケ? と、ルークは首をかしげ。タバサは、ただゴーレムを見て沈黙を保つ。

「宝物庫は、強力な固定化の魔法が掛かってるはずなのに……なんで、あんなにあっさり穴が」

 と、ルイズが呟くや否やルーク以外の視線が、ルイズに突き刺さる。 
 どう考えても、原因貴女でしょ? と、二人の視線がルイズを貫きルイズは、気まずい表情を浮かべる。

「おい。あのでっけぇヤツどっか行っちまうぞ?」

 その声に、ハッとして三人はゴーレムを見やる。ゴーレムは学院から離れてゆく後姿が、三人の目に映る。
 慌てる三人だったが、時既に遅し。かなり遠方に行ってしまったゴーレムを走って追うには、間に合わない。
 しかし、その時巨大な影が空から舞い降りる。それは、タバサの使い魔である風竜。
 何故、風竜が来たのかといえば、単にタバサが呼んだからである。
 舞い降りた風竜に、タバサは颯爽と飛び乗り直ぐに空へ飛び上がり、ゴーレムが去っていった方へと飛ぶ。
 取り残されたルーク、ルイズ、キュルケの三人は、少々呆気に取られていたが今の自分達に出来る事は、何も無い。
 ルークは、ため息一つつき眠い。と呟くや否や己の頭を軽く掻き学院内へと戻ってゆく。
 そんなルークにならってルイズとキュルケも学院内へ戻るのだった。
 後日、タバサに風竜に何故自分達を乗せなかったのか? と、尋ねれば「忘れてた」と答えたとか……




 ルークは称号『陰の努力家』『猪突猛進』を取得した。
 タバサは称号『ちょっとあわてんぼう』を取得した。
 ルイズは称号『当てずっぽう』『ちょっぴりおまぬけさん』を取得した。
 デルフリンガーは称号『解説役』を取得した。

 土くれのフーケは『破壊の杖』『???の衣服』を手にいれた。

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