あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

赤とピンクと使い魔と

「起きなさい、ルイズ」

朝。まばゆい太陽の光が燦々と降り注ぐ室内で。
目覚めたルイズが最初に耳にしたのは、自分をユサユサと揺さぶりながら起こそうとする、何者かの声だった。
一体誰だろう。誰でも良いからもう少し寝かせて欲しい。

「あと5分……」

体から抜け切らぬ眠気に心が負け、薄く開いた瞼が再び閉じられる。
だがルイズを起こそうとしていた小百合は、そんな怠惰なまどろみを許す程甘い性格ではなかった。
彼女は元メロスの戦士の隊長。年若い上に戦争で心の荒んだ戦士ばかりを相手にしてきたのだ。
甘くすればする程、我侭に付き合ってやればやる程、相手は付け上がる。小百合はその事を身に沁みて知っていた。
因みに年かさの戦士が居ないのは、戦いによって例外無く若い内にその命を散らしてしまうからだ。

「ベタな寝言を吐かない!」

言い、まるでテーブルクロス引きの様に勢い良くベッドのシーツを引き抜いた。
舞い上がる風に空気中の埃が蠢き、朝日を浴びてキラキラと光る。
そして、まるで独楽の様にくるくるときりもみ回転しながら、ルイズの体がフワリと浮き上がった。

「わきゃあ!?」

クルクルクル……ボフリ。
可愛らしい悲鳴を上げたルイズは、数度回転した後枕にキスをした。
寝ぼけていたルイズの頭が漸くゆるゆると回転を開始する。
思いだした。彼女は自分が召喚した使い魔で、昨夜は寝る所が無いから結局同じベッドで寝て。
朝になったら起こしてって頼んだった。それにしたって、それにしたって―

「もうちょっと起こし方ってもんがあるんじゃないの、サユリ!?」
「最初は優しく起こしたわよ?」

勢い良く起き上がり抗議するルイズにしれっと答える小百合。
舐められている。間違い無く自分は舐められている。
確かに彼女は自分より年上だし、召喚し無理矢理使い魔としてしまった事を今では申し訳なく思う。
それでも、自分と彼女は『主と使い魔』。あくまでも立場は自分の方が上だ。ルイズはワナワナと握り締めた手を戦慄かせ声を荒げる。

「だったら最初から最後まで優しくしなさい!使い魔なんだからもうちょっとご主人様である私を労わりなさい!敬いなさい!」
「優しくしてたら起きなかったでしょう。朝食の時間に遅れるわよ?」
「うっ」
「そうなってたら『もうちょっとちゃんと起こしなさい!』とか言うんじゃないの?」
「ううっ」
「大体労わって欲しければもうちょっとしゃんとなさい。敬って欲しければもっと毅然と皆の規範になる様努めなさい」
「うううっ…」

たたみかけるような反論が返って来る。
ルイズはうめき声を上げる事しか出来ない。亀の甲より年の甲とは良く言ったものだ。論戦では勝てる気がしない。
最も今回の場合ルイズの方に非があるので、口で争っても分が悪いのは当然だったが。
だがこのまま引き下がれない、というかもう引っ込みが付かないルイズ。
素早くベッドから降りると、ベッドの傍に下げられた乗馬用の見事な鞭を手に取り、振りかぶった。

「ううううるさい!もうあったまに来たわ!こうなったらコイツで―」
「盾となれ! 私のメロス!」

ぺちん。そんな情けない音を立て、ルイズが振り下ろした鞭は小百合に当たる寸前で止まった。
見れば、小百合の左の二の腕が光を発していた。
服の袖の下で―コルベールに言われた通り長袖のブラウスに着替えた―戦士の紋章が光っているのだ。
戦士の紋章は、メロスの戦士がその力を使う時光り輝く。
小百合は戦士の力を障壁として前面に放出する事で、ルイズの鞭を防いだのである。

「…………………………あれ?」

呆然とするルイズ。彼女の頭の中でぐるぐると様々な考えが渦巻く。
なにこれ。見えない壁? 呪文詠唱もナシにどうやって? まさか先住魔法!? そう言えばメロスの戦士とか言ってたけど、何か特殊な力が?
もしかしたらもしかして意外と私、当たりを引いていたとか?いや、待て。そんな事より、私今…………………………大ピンチ?
首を動かし小百合を見る。ギギギギ、とそんな錆びついた音が聞こえそうなギクシャクとした動作だった。

「…………………………(ニコッ)」

小百合は、笑っていた。しかし、その眼は笑ってはいなかった。ルイズはそんな笑顔に見覚えが在った。
(確か、普段は温厚で優しいちいねえさまが本気で怒った時、こんな感じだった気がする)
滅多に見ない姉のそんな表情は、ルイズを心胆寒からしめた。と言う事はつまり、小百合も……怒っている。しかも、相当。
その証拠に、小百合から陽炎の様な怒りのオーラがゆらゆらと立ち上っているのが見える。羽虫位なら触れただけで気死しそうだ。
冷や汗を盛大に流しながら硬直するルイズから、小百合は難なく鞭を奪い取った。

「あっ」
「ルイズ、コレは何?」
「…………乗馬用の鞭デス」

鞭を指差しながら問う小百合に、唯々諾々と答えるルイズ。何故か敬語になっていた。
もう主と使い魔とか、自分の方が立場が上である事を思い知らせるとか、そんな事は頭の中から吹き飛んでいた。
まさに、蛇に睨まれたカエル。狼に追い詰められた野ウサギ。この瞬間、2人の力関係は完全に決した。

「で?その乗馬用の鞭が、何故こんな所にあるの?」
「……乗馬が得意なんデス」
「それがなぜ私に向けられているの?」
「……口で言って分からないなら叩いて解らせようと」
「そう。確かに動物を躾ける時はそうする事も大切なことだわ。でも、私は動物じゃなくて1人の人間よね?」
「……ソウデスネ」
「それに躾けるっていうのは、普通問題行動を取った時や正しい判断が出来なかった時にする事でしょう?」
「……ハイ」
「私は貴方に対して何か間違った事を言ったかしら?問題のある行動をとったかしら? ねえルイズ」
「……イイエ」
「なら。これを私に向けて良いかどうか、わかるわよね?」

ニッコリと、一際良い笑顔を浮かべる小百合。無論眼は笑っていないままだ。
答えの解りきっている小百合の問いに、それでもとルイズはすがる様な視線を向ける。

―ダメカナ?

一縷の望みを託したルイズの視線に、小百合は同じく視線で返した。
鞭を持っていない方の手を握り締め、はぁーと息を吹きかけながら。

―ダメダヨ。

「ですよね」

ごっちーん。
朝靄に包まれたトリステイン魔法学院の女子寮で、そんな小気味良い音と、きゃーんというまるで犬の鳴き声の様な悲鳴が響き渡った。

「いたたた……貴族に、しかもご主人様になんてこと……。いつか絶対思い知らせて……」

頭に出来た大きなたんこぶをさすりながら、ブツブツと恨み言を吐くルイズ。
余程痛かったらしい、眼の端には涙が浮かんでいた。そんなルイズの様子に小百合は苦笑した。

「馬鹿な事言って無いでさっさと着替えなさい。脱いだ服、一緒に洗濯するから」
「洗濯?」
「使い魔の仕事として身の回りの世話を頼んだのはあなたでしょう。なら洗濯くらいはしなくちゃあね。私だって、何もしないでご飯と寝床の面倒を見てもらうほど厚かましくないわよ」

肘の辺りまで腕まくりしながら、小百合。ベッドの脇に脱いで置かれた下着をテキパキと拾い集めていく。
ルイズは眉をひそめた。そう言えば昨日そんな事を言ったわね。なんだかんだ言って使い魔としての心がまえが出来ているのかしら。
いやいやでもさっき私にあんな事をしたし……あー痛い。まあいいわ、悪い事じゃないし。ルイズは小百合に向かって手を差し出した。

「服」
「ああ、これね。はい」

椅子に掛かっていた制服を渡す小百合。ルイズはそれを受け取ると自分の横に置き、ネグリジェを脱ぎだした。

「下着」
「……どこに入っているの?」
「そこのクローゼットの、一番下の引き出し」

それ位自分で取って欲しいと思いつつ、言われた通りクローゼットを開ける小百合。中には下着が沢山入っていた。
何気に良い生地を使ってるわね、高級品なのかしら。貴族、しかも公爵家って言ってたしお金持ちなんでしょうね。
などと考えながら下着を選び、取り出す。出来るだけ似た色とデザインの組み合わせで。

「ここに入っているのね。覚えておくわ」

言いながら、コレも渡す。ルイズは下着をもそもそと身に付けると、気だるげに呟いた。

「服」
「もう渡したでしょ? なにか他に着込むものでもあるの?」

怪訝そうな小百合にルイズは貴方が私に服を着せるのよ、と口を尖らせる。

「……自分で服を着ることも出来ないの?」

頭痛を堪える様に、こめかみを抑え眉間にしわを寄せる小百合に、ルイズはこれだから平民はと大袈裟な溜息をついた。
そして、講釈を垂れる教師の様に人差し指をピッと上に向かって垂直に立て、説明を始めた。

「いい、サユリ。貴族ってものはね? 下僕がいる場合自分で服を着ないものよ」

何処までも上から物を言うルイズ。先程痛い目を見たと言うのに、全く懲りていない。
喉元過ぎれば熱さ忘れるとはいうが、ルイズはどうもそれを忘れるのが人より段違いに早いらしい。

「あー……私のいた所でも貴族はそんな感じだったわね。でもね、ルイズ」
「何よ」
「いい歳なんだから、自分で服を着なさい。後、確かに身の回りの世話はするけれど、貴方のメイドになったつもりはないわよ?」
「そんな事言って良いのかしら? 仕事を怠ける使い魔には罰として朝ご飯抜き―」

そこまで言って、ハッと息を飲み口を噤む。小百合の額に、1つの青筋が。
漸くルイズは自分が彼女の逆鱗に触れた事に気付いたようである。握り拳を造り、小百合は再び先程の般若の様な笑みを浮かべた。

「ルイズ?もう一度言うわ。じ・ぶ・ん・で・き・が・え・な・さ・い」
「いい今直ぐそうさせていただきマス!」

ルイズは猛然と服を着込み始めた。



「それじゃあ、洗濯に行ってくるわ。それまでに朝の支度を終らせておくのよ?」
「…………………………行ってくれば」

吐き捨てる様に、ルイズ。完全に不貞腐れている。少しやり過ぎたかしらね、と心の中で少し反省する小百合。
小百合がドアを開けようと近づいた瞬間、外側からドアが開かれた。

「おはよう、ルイズ。……と、その使い魔さん」

中に入ってきたのは1人の少女だった。
褐色の肌に紅い髪と眼、彫りの深い顔立ち。身長は高く、小百合と同じ位はあるだろう。
胸元のボタンを開け、豊満なバストをこれでもかと誇示する彼女は艶かしい色気に満ち溢れていた。
なにもかもがルイズと対照的な彼女の名前は、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。
ルイズの級友であり、先祖代々の因縁に端を発する犬猿の仲のライバルでもある。

「おはようキュルケ。何しに来たのかは分からないけれど、さっさと消えて頂戴」

苦虫を噛み潰したような顔で、ルイズ。キュルケは刺々しい言葉を華麗にスルーし、小百合に向きなおった。

「そう言えば聞いてなかったんだけど、貴方お名前は?」
「音無 小百合よ」
「オトナシサユリ? 変な名前ね」
「遠い所から来たから。住む場所が違えば名前のつけ方も違ってくるものよ」

私からすれば貴方達の名前こそ長くて奇妙に感じるわ、という小百合の言葉に得心顔で頷くキュルケ。
彼女もまた、ゲルマニアからの留学生としてここに来ている1人の異邦人である。習慣の違いに戸惑った経験も一度や二度ではない。
隣国から来た自分すらそうなのだから、より遠くから来た人間なら多少名前が変でも可笑しくはない。そう考えたのである。

「成る程、そういうものかもね……。それより、なんて呼ぶ? そのままだとどうにも呼び辛いの」
「小百合でいいわ。ルイズもそう呼んでるから」
「わかったわ。それでサユリ、その服はどうかしら? 古着とはいえそれなりに良い物だから悪くはないと思うけど」

そう、今小百合が来ているブラウスはキュルケの持ち物だった。下半身にはスカートも履いているが、コレも同様。
召喚されたばかりで着替えのない小百合だったが、言うまでも無くルイズの服はサイズが合わない。
学院で働いている使用人の服をとも思ったが、平民に頭を下げることはルイズのプライドが許さない。
故に、ルイズは涙を呑み普段いがみあっている隣人の元を訪れた。
その頑なな性格からか交友関係の狭い彼女には、小百合に合いそうなサイズの服を持っている知人が他に居なかったのである。

「屈辱だわ……! ああ、申し訳在りませんお父様お母様御先祖様。私はにっくきツェルプストーの世話になってしまいました」

ぎゅっ、と胸元で両手を祈るように握り締め、大仰に嘆いてみせるルイズ。
だが、小百合とキュルケは何事も無かったかのように会話を再開していた。見事なまでの無視だった。

「ええ、とても着心地が良いわ。有難う、キュルケ」
「いいのよ別に。それ、地味だったから着ないでクローゼットの肥やしになってたヤツなの。それに面白い物も見れたしね。悔しそうに『この使い魔が着れる服はある?』って言うルイズの顔ったらなかったわ! あっはっは!」
「うるさいわね!笑いに来たんだったらもう気は済んだでしょ!? さっさと出て行ってよ!」
「ルイズ、服を貸してくれた友達にそれはないでしょう? キュルケもあんまりからかわないでね。この子がムキになりやすいのは貴方の方がよくわかってるんじゃないの?」
「いやぁねぇ。だからからかうんじゃない」
「趣味が悪いわね……」

苦笑する小百合。だが同時に微笑ましくも感じていた。彼女にルイズに対する悪意は無い。悪気は思い切り在りそうだが。
2人は今までもコレからも良きケンカ友達なのだろう。きっと、それを指摘すれば2人ともそれを否定するのだろうけれど。

「まあ、冗談はこの辺にして置きましょうか。実は私も昨日使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って一発で成功よ」
「だから?」

キュルケの嫌味にルイズの顔が引き攣る。
ピクピクと音が聞こえそうなそれは破裂しそうな風船を髣髴とさせた。

「折角だから紹介しておこうと思って。貴方だけ紹介したんじゃ不公平でしょ?」
「どうでもいいわよ、そんな事」
「出てきなさい、フレイム~」
「人の話を聞きなさいよ!」

激昂するルイズを余所にキュルケに呼ばれた彼女の使い魔が彼女の脇からのっそりと顔を出した。
それは全身が真っ赤なトカゲだった。熱気を放つその体は虎ほどの大きさがあり、尻尾では炎が燃え盛っている。
時折口からちろちろと火炎が迸っていた。

「凄いわね、これ。危なくないの?」
「大丈夫よ。私が命令しない限り人を襲ったりなんかしないわ」
「へぇ……お利巧さんなのね。触っても良いかしら?」
「いいわよ、別に」
「それじゃ、遠慮無く」

キュルケの言葉に、小百合がさわさわとフレイムの体を撫でる。
気持ちよさそうに目を細め、小さく鳴き声を上げるフレイム。

「うわ、暖かいのね……」
「でしょう? 火流山脈のサラマンダーだもの。この尻尾の鮮やかな炎からして間違い無いわ。ブランド物なのよ」
「魔物にブランドとかあるのねぇ……」

和気藹々と話すキュルケと小百合。そんな2人の様子に堪忍袋の尾が切れたのかバン! とテーブルを叩いた。
その音にルイズの方を振り向く2人。ルイズの顔は怒りで真っ赤に染まっていた上柳眉は逆立っていた。

「私の部屋で私を差し置いて話してるんじゃないわよ! っていうかサユリ!」
「何?」
「ツェルプストーの女と仲良くするんじゃないの! あそこの家の人間はヴァリエール家にとって不倶戴天の敵なんだから!」
「……ああ言ってるんだけど。キュルケ、なんでそこまで仲が悪いの?」

ルイズを指差し、キュルケに問う小百合。
小百合の問いにキュルケはやれやれと肩を竦めた。

「振られた奴がやっかんでるだけよ」
「違うでしょう!? アンタの家系の人間は私の御先祖様の恋人を奪ってる色ボケだからでしょうがっ!」

ルイズは自分の先祖がいかにツェルプストーの人間に幾度と無く恋人を奪われ、苦渋を飲まされたかを懇々と語って聞かせた。
その内容に小百合は呆れた様に溜息をついた。

「要は痴情の縺れ? ……下らないことでいがみ合っているのね」
「下らなくなんか無いわよ!」
「下らないわ。少なくともそんな事で悩めたりケンカ出来たりするだけ羨ましいわ」
「どう言う事?」
「私の居た所で戦争が起こってた事は話したわね? 友人知人、家族や仲間が次々と死んでるのに恋愛どころなわけないでしょう?」
「……知らないわよ、そんな事」

決まり悪げなルイズに小百合はニッコリと笑いかけた。

「そうよね。そんなこと知ったこっちゃないわよね。なら、貴方と彼女の家の事情も私にはそうだって事も、分かるわよね?」
「うっ…………………………ご、御主人様の敵は使い魔の敵なのよ」

言葉に詰まるルイズ。
暫くの沈黙の後、苦し紛れにそう言ったが―

「キュルケ、これ着心地は良いんだけど、少し胸が緩いかも。最近の若い子は発育がいいのね」
「あら、とてもそんな風には見えないわ。そりゃあ私ほどじゃあないけど、貴方だって十分立派よ?」
「有難う。服、あとで洗って帰すわね」
「あげるわ。言ったでしょ、着てなかったって。そう言う服はまだあるから、何時でも言っていいわよ。あってもどうせ邪魔なだけだし」

その時2人は既に会話を再開していた。
ルイズに対する感心を完全に失ったのか、彼女などまるで居ないかのようだ。
だからルイズが発したぷちん、と言う音に2人は気付かなかった。
ルイズは全身をふるふると震わせ、近くに在った杖を手に取り、口を開いた。

「…………………………だ」
「「だ?」」
「だから私を無視するんじゃないわよー!!!!!」

怒鳴るルイズ。余りの自分に対する放置っぷりに、ついに切れたのである。
立ち上がり、杖を振り上げ呪文を詠唱する。

「げ! ちょっとルイズ! こんな所でやめてよ!」

血相を変え制止するキュルケ。
だが、走る車が急には止まれない様に一度切れたルイズもそう簡単には止まらない。
構わず呪文の詠唱を完了させ、ルイズは小百合達目掛けて杖を振り下ろした。

「『フライ』!」
「盾となれ!私のメロス!」

小百合達の目の前で起こる小さな爆発。とっさに小百合は再びメロスの力で見えない障壁を展開した。
行き場を失った爆風は逆流し、ルイズへと殺到する。
悲鳴を上げる暇すら無く、ルイズは爆風に巻き込まれた。
煙が晴れたあと其処に見えたのは。爆風で酷い惨状を呈している部屋。
そして煤で真っ黒になり、ぽてりと倒れこむルイズ。見た所怪我は無い様だ。

「何今の。先住魔法?」
「違うわ。……今私がやった事、内緒にしてもらえる? 一応タダの平民ってことになってるから」
「まあ良いけど……貴方が心配するのはそこなの?」

人差し指を口の前で立てる小百合に、ジト目でつっこむキュルケ。
復活に時間の掛かったルイズは遅刻し、朝食を食べ損ねた。


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