あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

スクライド・零-22


トリステイン魔法学院にギトーという教師がいる。『疾風』の二つ名を持つ風系統のメイジである。
長い黒髪に漆黒のマント、さらに目つき悪く若干陰険気味と、まだ若いのに正直に言って生徒からの人気は低い。
今日も今日とて
「最強の系統は知っているかね? ミス・ツェルプストー」
この有様だ。
「『虚無』じゃないんですか?」
「伝説の話をしているわけではない。現実的な答えを聞いているんだ」
ある意味、始祖ブリミルにケンカを売っているとも言える台詞である。
ちなみに、ミセス・シュヴルーズと違い一年時から授業があったため、まぁだいたいの意図は生徒の方でも
わかっている。すなわち『風』系統の自慢である。
「さぁ?『微熱』といたしましては『火』と答えたいところですが。少なくとも『風』に揺るがぬモノも
世の中にはあるかと思いますわ」
そう言うとキュルケはルイズをちらっと見た後、教室の後ろで退屈そうにしていたカズマに目配せをする。
「ほほぉ、では君がそれを見せてくれるのかね?」
不機嫌を隠しもせずにそういうと杖を向ける。ぶっちゃけ、この時点で【ものを教えるという資質】に
欠けているような気がしないでも無い。
「いえいえ、私がお見せできるのは『火』くらいなもの。
それでもよろしければ受けていただけますか?」
キュルケも挑発的に笑顔を作ると杖を構える。
「よかろう。君の炎、見せてみたまえ」

その言葉を合図にキュルケはルーンの詠唱を始める。即座に目の前に一抱えほども有る火の玉が出現するが、
それでもまだ足りぬとばかりに詠唱は続く。しかし、実はこれはこけおどしなのだ。本命は別のところにあるのを
今は察知されるわけにはいかない。威力はともかくなるたけ大きく、他のモノが何も目に入らないほど
大きくなれとばかりにつむがれる呪文に、生徒たちも机の下に身を隠す。
とうとう女生徒にしては大柄なキュルケの身長ほどの大きさにまで火の玉が膨れ上がると、それを一瞬押さえ込み
教壇へ向かって押し出す。ようやく解放された魔力は、元よりさらに大きな炎へと変化しながらギトーへ向かう。
ギトーは魔力の奔流とも感じられるそれを冷静に見据えながら薙ぎ払うように杖を振るい、果たして、
舞い上がった烈風によって巨大な火の玉ははじけとんだ。そしてそのままキュルケをも襲うかと思われた風は、
しかしその手前で炎の中から現れたゴツイ拳によってかき消されることとなる。

「なんなんだね、君は」
シェルブリットを振りぬいた姿勢でニヤリと笑いを浮かべるカズマにギトーが不機嫌そうに言う。それを見た
一部の生徒から『当てる気満々だったのかよ』的な呆れがこぼれているのに気がつかないのだろうか。
ちなみに、ルイズは「カズマは私の使い魔だって言うのに…」などとぼやいていたりする。まぁ、ギトーの
やり方をどう思うかといわれて、どうやっても好意的にはとれないので仕方なく貸しているような心境だ。
「風に揺るがぬ力ですわ、先生」
火の玉、そしてはじける炎を目くらましに、あらかじめアイコンタクトをしておいたカズマの背後に隠れていた
キュルケがひょっこりと顔を出して答える。
「私は『最強の系統を知っているか』と聞いたはずだ、ミス・ツェルプストー」
「あら、ご自慢の風は魔法を使えない彼にもかないませんの?」
キュルケはしれっと答えるが効果は抜群であったようだ。
「よかろう。風が最強である証、とくと見せてやろうではないか。
そこのお前、かかって来い」
言うとギトーはルーンを唱え始める。
「ユビキタス・デル・ウインデ…」

しかし、その呪文が完成する前に、たったの一蹴りで教室を縦断したカズマの一撃によりノックダウン
することになるのだが。

その後カズマへの喝采で沸く教室にいきなり現れたミスタ・コルベールによってアンリエッタ姫殿下の
行幸とそれに伴う授業の中止が告げられることになるのだが、ギトーのことはすっかり放置されたそうである。
合掌。


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