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異世界BASARA-29


「まさかミス・ロングビルが土くれのフーケじゃったとは…」
学院長室でルイズ達の報告を聞いたオスマンは首をひねりながら答える。
「どうせ色仕掛けにでも騙されてホイホイと雇ってしまったんじゃろ?」
「い、いやだって…尻を触っても怒らなかったのじゃぞ?気があると思うじゃろうが…」
言い訳をするオスマンに、氏政だけでなく、その場にいたルイズ達やコルベールも呆れて物も言えなくなってしまった。

オスマンはバツが悪そうに自分の髭を撫でる。
「と、とにかくじゃ、君達はフーケを捕らえ、2つの宝も無事宝物庫に戻った。これで一件落着じゃ」
その言葉にルイズ達は礼をする。氏政だけは胸を張った。
「フーケは城の衛兵に引き渡しておいた。今回の件は宮廷も高く評価しておる。」
「君達3人には王室から何らかの褒章があるでしょう」
「王室からの褒章ですか!凄い」
それを聞いてキュルケは嬉しそうに答える。

だがそれを聞いて、眉を寄せた者がいた。氏政である。
「ちょっと待て、3人という事はわしには何も無いのか!?」
ルイズもハッとして尋ねた。
「あの…ユキムラには何もないんですか?」
その問いに、オスマンは申し訳なさそうな顔になる。
「…残念ながら彼等は貴族ではない…だがわしは使い魔諸君の働きにとても感謝している」
「な、何じゃと!?わしがいたから盗人を捕まえられたんじゃろうが!!」
オスマンの言葉に氏政は噛み付いた。
「済まぬのウジマサ………しかしお主のやった事って後ろからの不意打ちだけではなかったか?」
「ふふふ不意打ちでもとどめを決めたのはわしじゃもんっ!!」
オスマンがなだめるが、それでも氏政は駄々をこねる。
これにはオスマンだけでなく、隣にいたコルベールも溜め息をついた。

そんな中、口を開いたのが幸村であった。
「構いませぬオスマン殿。主の手柄は仕える武士にとっても喜ばしい事、拙者は労いの言葉だけで充分にござる」
幸村に続いて利家も言った。
「それがしも別にいいぞ。褒美が欲しくてやった訳じゃない。それに、それがし不覚を取ってしまったからな」
それを聞いていた氏政はうぬぬ…と唸っていたが、しばらくしてがっくりと顔を下げた。
やれやれと、オスマンは安堵の表情を浮かべる。

「さて、今日はフリッグの舞踏会じゃ。宝も戻った事じゃし、予定通り執り行う」
「そうでしたわ!フーケの騒ぎですっかり忘れていました!」
キュルケが思い出したように叫ぶ。
「今回の主役は君達じゃ、着飾って存分に楽しむがよい!」
ルイズ、キュルケ、タバサの3人は一礼すると学院長室から退出しようとする。

「幸村、それと氏政殿。ちょっと待ってくれ」
ところが幸村達が出ようとした所で利家が引き止めた。
何でも、オスマンに聞きたい事があるらしく、2人にも聞いて欲しいとの事らしい。
ルイズ達に先に戻るように言うと、利家は扉を閉めた。
そして、机に座っているオスマンの方へ振り返る。

「どうやら、何か聞きたい事があるらしいの…」
「うむ、あの破壊の杖と…禁断の聖書についてだ…」
いつにもなく、真面目な顔で利家は言った。
「うむ、そなた等には今回の件で何も礼を出来ぬからのぅ、わしが知っている事ならば何でも話そう。」
それを聞き、利家は頷くと一呼吸置いてから言った。


「あれを持っていたのは…ザビーという南蛮人ではないか?」

「…何故あの男の名を知っておる?」
「それがし、一度会った事があるのだ。ただし、この世界ではなく日本でだがな」
幸村はこれで納得が出来た。
会った事があるのだからあの武器を知っているのは当然である。
だから利家は廃屋であれを見つけた時に驚いていたのだ。
「しかし、オスマン殿は何処でその南蛮人と知り合ったのでござるか?」
幸村の問いにオスマンはしばらく考え込むと、昔を思い出すように語り始めた。
「…あれは…そうじゃな、ちょうど10年ぐらい前じゃった」



その日、わしは森で強力なワイバーンと遭遇したのじゃ。
わしとした事が、不覚にも手傷を負ってしまっての。
その時、わしは死ぬのを覚悟した…


「ザ!ビイィィィィーームッ!!!!」


じゃが、わしの命運はそこで尽きなかった。
その男はまるで大砲のような武器を両手に持って立っておった。
それによってワイバーンは倒され、わしは助かったのじゃ。
男はボロボロで怪我もしておったので、わしは学院に連れて行った。
看護のおかげか、生命力が強かったのか、男は1ヶ月で元気になった。
その後も男はこのトリステイン学院にしばらく滞在する事となった。

「その頃からじゃったのぅ、学院で変な歌が聞こえると訴える生徒が出てきたのは…」
「変な歌?」
「いや、何でもない。話を続けるぞ。しばらく留まっていた男じゃったが、突然わしにこう言った」


『オスマンサン…ワタシは、ワタシはね、この世界の人間ではナイのですヨ。
別の世界からキタ…愛の使者なのデース!!』


男はその翌日に学院を去ると言った。
その時にわしは破壊の杖と禁断の聖書を貰ったのじゃ。
代わりに、男はマンドラゴラを大層気に入っていたのでそれをいくつか持って行かせた。

「…と、まぁこんな所じゃのぅ。わしとあの男との出会いと別れは…」
オスマンの話が終わった。
にわかには信じられなかった、自分達以外にもこの世界に来ていた者がいたとは…
「しかし前田殿、南蛮ではあのような武器を使うのでござるか?」
「うむ、他にも勝手に動くからくり人形もいて楽しかった…」

利家は奇妙な事に気づいた。
今の言葉を聞く限りでは、幸村はザビーと会った事がなさそうである。
ならば何故あのバズーカを使う事が出来たのであろうか?
「幸村、何故お前はあれを使えたのだ?」
「…それが拙者にもよく解らぬ。何故か使い方が頭に入ってきたのだが…」
「それはガンダールヴの力のせいじゃろう」
考え込んでいると、オスマンが口を挟んできた。
ガンダールヴ…確かフーケもその言葉を口に出していた。
「お主の左手の刻印、それは伝説の使い魔…あらゆる武器を使いこなすガンダールヴの印じゃ」
幸村は自分の左手を見る。
使った事のないバズーカを使えたのも、ゴーレムと戦っている時に湧き上がってきた力も…
全てはこの刻印のお陰であったのだ。

「さ、舞踏会の用意もあるじゃろう、戻ってはどうじゃ?」
オスマンはポンポンと手を叩き、幸村達に言った。
その言葉に、氏政は幸村と利家の格好を見た。
「そうじゃな、お主等の姿はこっちじゃ破廉恥な格好じゃからのう」
「何故だ?それがし全然恥ずかしくないぞ?」
「お主は良くてもあの娘が恥ずかしいじゃろうが!それ、早く戻って何か着てくるのじゃ!!」
半ば無理矢理に2人を追い出すと、氏政も学院長室から出ようとする。
ところがドアノブに手を掛けた所で、彼はある事を思いついた。
それは…オスマンに対する仕返し。彼の悪い癖であった…。

「…のぅオスマン、わしもお主に言う事があったんじゃ」
振り返った氏政は、妙ににやついた表情を浮かべていた。
「お主は今日のロングビル…いや、フーケの下着の色を知っておるか?」
「何を言っておる、今日はそのフーケの騒ぎで見てる暇など…」
オスマンはハッとする。
最終的にフーケを捕らえたのは氏政だと言っていた。
つまり、捕らえて無防備なフーケを調べる事が出来た。
……という事は。

「ううう氏政!!お主まさか!?」
「フォーッフォフォフォ」
机から身を乗り出したオスマンを氏政はさも面白そうに笑う。

「お、教えてくれ!今日の色は…」
「教えてやらん!わしに何もくれん奴には教えてやらんもんね~!!!」

そう言って氏政は勢いよく学院長室から出て行った。
後にはオスマン1人が部屋に残っている。
「うぅ…くやしいのぅ…くやしいのぅ!」
オスマンの目から涙が流れた。
悔し涙など、何年振りであっただろうか…


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