「すまんなキュルケ、こっちの『御姫様』はどうやら月のものらしい。これ以上機嫌が悪くならん内に帰るぜ」
「ちょっ!!ちょっと何言ってるのよトニー!!」
「あらあら……」
よし、ルイズの暴言の事はキュルケも意味を知ってないのとそっぽ向いて何とかなったな。やれやれ、ルイズがまさかキュルケに
『公衆便所』と言い放つなど想像も出来なかったぞ。全く誰が教えたんだか……俺?違う違う、声に出していった覚えは一つもない。
上手い具合に隙が出来た今を狙って、ルイズの手を引いてこの部屋から出て、一目散にルイズの部屋に逃げる様に戻った。
「痛いっ!痛いってば……何でキュルケに恥ずかしいことを言ったのよ!!」
「何言ってやがる、お前の言い放った言葉の方が余程恥かしいわ!!お前は正面切ってキュルケの実家と抗争したいのか?」
「は?ツェルプストー家と?そんな挑発したかしら?」
この『御姫様』は当然の事ながら意味を知っていなかった。人に向って言う場合は確実に裏の意味だろ!……下手をすれば抗争も
起きかねない危険な挑発と言う事を理解できていなかったようだ。仕方ない、教えておく必要はあるな……。
「あのなルイズ、言葉にも表裏と言うものがあってだな、お前が言った『公衆便所』と言うのはな……(以下略」
軽く…ほんのジャブ程度に説明してやるとルイズは耳まで真っ赤に染めて反応し、頭を左右にブンブン振っている。無理もない。
こんな下世話な言葉を貴族の御姫様が知るはずもないだろうからな。
「何!?何その下品な意味!?」
「下品な意味って言ったって、お前が言ったんだろうが……」
その下品な言葉を、ライバルに向って言ったんだろ……と言うか誰から教わった……。
「まぁ、あのキュルケも意味知らなかったようだし、今後気をつけるんだな」
このルイズが愕然とした表情をしているのは正直吹くが、キュルケが意味を知っていたらと考えると冷汗ものだったぜ。
「うう……そうそう、明日は出掛けるわよ……明日は早いからもう寝なさい……」
「はいはい」
半分凹みながら、俺に寝る事を催す。ん?明日は出掛けるのか……そう言えば、この世界に来てこの学院以外の場所を見ていないな。
多少なりと気分転換になるか……。
「ちょっ!!ちょっと何言ってるのよトニー!!」
「あらあら……」
よし、ルイズの暴言の事はキュルケも意味を知ってないのとそっぽ向いて何とかなったな。やれやれ、ルイズがまさかキュルケに
『公衆便所』と言い放つなど想像も出来なかったぞ。全く誰が教えたんだか……俺?違う違う、声に出していった覚えは一つもない。
上手い具合に隙が出来た今を狙って、ルイズの手を引いてこの部屋から出て、一目散にルイズの部屋に逃げる様に戻った。
「痛いっ!痛いってば……何でキュルケに恥ずかしいことを言ったのよ!!」
「何言ってやがる、お前の言い放った言葉の方が余程恥かしいわ!!お前は正面切ってキュルケの実家と抗争したいのか?」
「は?ツェルプストー家と?そんな挑発したかしら?」
この『御姫様』は当然の事ながら意味を知っていなかった。人に向って言う場合は確実に裏の意味だろ!……下手をすれば抗争も
起きかねない危険な挑発と言う事を理解できていなかったようだ。仕方ない、教えておく必要はあるな……。
「あのなルイズ、言葉にも表裏と言うものがあってだな、お前が言った『公衆便所』と言うのはな……(以下略」
軽く…ほんのジャブ程度に説明してやるとルイズは耳まで真っ赤に染めて反応し、頭を左右にブンブン振っている。無理もない。
こんな下世話な言葉を貴族の御姫様が知るはずもないだろうからな。
「何!?何その下品な意味!?」
「下品な意味って言ったって、お前が言ったんだろうが……」
その下品な言葉を、ライバルに向って言ったんだろ……と言うか誰から教わった……。
「まぁ、あのキュルケも意味知らなかったようだし、今後気をつけるんだな」
このルイズが愕然とした表情をしているのは正直吹くが、キュルケが意味を知っていたらと考えると冷汗ものだったぜ。
「うう……そうそう、明日は出掛けるわよ……明日は早いからもう寝なさい……」
「はいはい」
半分凹みながら、俺に寝る事を催す。ん?明日は出掛けるのか……そう言えば、この世界に来てこの学院以外の場所を見ていないな。
多少なりと気分転換になるか……。
――翌日。
「ちょっとっ!胸触らないでよ!!」
「仕方ないだろ、馬なんか初めて乗ったんだからよ」
出かけると言うので表に出てみれば、馬一頭繋がれているだけだった。正直嫌な予感がするが、案の定これに乗って出かけると言う。
俺は馬に乗った経験はないので当然ルイズの後ろに乗る羽目になるわけだが、掴まると言ってもこいつの体は小さいので掴まれば当然
胸の辺りに腕が行くわけだ。
「嫌なら車で行くか?」
「『アレ』で行ったら大変な騒ぎになるわよ!」
確かにな。しかしやりずらい……こいつちっちゃ過ぎるんだよ。馬は重さに耐えられそうだが、ルイズは状況に耐えられなさそうだ。
ひょいっとルイズを持ち上げ、俺が前になる。馬なんか乗った事ないが、モノは試しだ。ギャーギャー騒ぐルイズを後ろから聞いて
いるよりかは遥かにマシだろう。
「ちょっ……!冗談でしょ!?馬乗った事無いって言ってたじゃない!!」
「冗談なものか……お前の苦情を聞きながら乗っているよりかは遥かにマシだ」
おっ……我ながら上手く操れるじゃねぇか、この馬結構利口だな。少々ゆっくりだがこれで良いだろう。
「ちょっとっ!胸触らないでよ!!」
「仕方ないだろ、馬なんか初めて乗ったんだからよ」
出かけると言うので表に出てみれば、馬一頭繋がれているだけだった。正直嫌な予感がするが、案の定これに乗って出かけると言う。
俺は馬に乗った経験はないので当然ルイズの後ろに乗る羽目になるわけだが、掴まると言ってもこいつの体は小さいので掴まれば当然
胸の辺りに腕が行くわけだ。
「嫌なら車で行くか?」
「『アレ』で行ったら大変な騒ぎになるわよ!」
確かにな。しかしやりずらい……こいつちっちゃ過ぎるんだよ。馬は重さに耐えられそうだが、ルイズは状況に耐えられなさそうだ。
ひょいっとルイズを持ち上げ、俺が前になる。馬なんか乗った事ないが、モノは試しだ。ギャーギャー騒ぐルイズを後ろから聞いて
いるよりかは遥かにマシだろう。
「ちょっ……!冗談でしょ!?馬乗った事無いって言ってたじゃない!!」
「冗談なものか……お前の苦情を聞きながら乗っているよりかは遥かにマシだ」
おっ……我ながら上手く操れるじゃねぇか、この馬結構利口だな。少々ゆっくりだがこれで良いだろう。
ルイズの指示を聞きながら町に向ったものの、三時間も掛かるなど聞いてないぞ。お陰でケツが痛い。だが、この『御姫様』は平気に
つかつかと歩いていく。これは馴れだな、流石にこの世界の人間だ。
「やっぱり目立ってるわね」
「仕様が無いだろ」
面白い事にルイズの後に付いて来る俺はここでも大いに目立っているようだ。異様なのだろう、小さな女の子の貴族に付いて来るこの
世界に無さげな服装に身を包んだシシリアン。
つかつかと歩いていく。これは馴れだな、流石にこの世界の人間だ。
「やっぱり目立ってるわね」
「仕様が無いだろ」
面白い事にルイズの後に付いて来る俺はここでも大いに目立っているようだ。異様なのだろう、小さな女の子の貴族に付いて来るこの
世界に無さげな服装に身を包んだシシリアン。
mission:『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール:武器屋』
きょろきょろと辺りを見渡しながら何かを探しているようだ……数分歩くと路地に入り、お目当ての店が見つかったようだ。
「秘薬の店の隣……ここね」
雰囲気的には……何と言うか『武器屋』とでも言うのか……現代で言う所のガンショップとでも言うべきものだろう。
「……で、ルイズが武器屋に何か用があるのか?」
「気がつかない人ね、トニーの武器を買いにきたのよ」
俺の為に武器を買うのか……嬉しいじゃないの。だが、俺がこんなの貰ったら良からぬ事に使いそうだぞ……しかしながら何だろうか、
裏社会に生きているから感じるのだろうか店の主人が極めて胡散臭ぇ、何か企んでそうな面だ。そんな事に気が付く由も無く、ルイズは
丹念に武器を探す。探すといっても直剣という種類だろうか、剣とにらめっこしている。
「最近では、宮廷でも下僕に武器を渡すのが流行でしてねぇ」
気に障るもの言いだな……だが、少し我慢だ。ここで短気を出すのはルイズの面子を潰しかねん。ルイズが持っているのは所謂『レイピア』
と言われるようなものか。
「もっと大きいの無いの?」
「御言葉ですが、その御仁にはそれ位が丁度いいかと……」
「大きくて太いのが良いと言ったのよ」
ルイズの恫喝とも取られかねない物言いに店主は『ただいま』とさっと後ろに下がる。嫌な予感がする。こう言う物言いをされると大体
人間は反感するものだ。それがこんな小娘なら尚更だ。そして剣を持ち出してルイズに見せると彼女は納得し買おうとする。だが、予想
通りとんでもない額を吹っかけられた。当然か。
「金貨100で買えるものは無いの?」
そう言って出て来たものは、正直俺でも分かるほどボロボロなものだった。
「はっ!まともな短剣なら200が相場ですがね」
馬鹿にした物言いだな。裏社会で生きている俺にはそれが全てブラフだと直ぐに気が付いた……よし。
「いくら世間知らずの貴族相手だからって、ちと度が過ぎやしねぇか?」
「ケチつけるならいいさ、帰った帰った」
「そうか……わかった」
「秘薬の店の隣……ここね」
雰囲気的には……何と言うか『武器屋』とでも言うのか……現代で言う所のガンショップとでも言うべきものだろう。
「……で、ルイズが武器屋に何か用があるのか?」
「気がつかない人ね、トニーの武器を買いにきたのよ」
俺の為に武器を買うのか……嬉しいじゃないの。だが、俺がこんなの貰ったら良からぬ事に使いそうだぞ……しかしながら何だろうか、
裏社会に生きているから感じるのだろうか店の主人が極めて胡散臭ぇ、何か企んでそうな面だ。そんな事に気が付く由も無く、ルイズは
丹念に武器を探す。探すといっても直剣という種類だろうか、剣とにらめっこしている。
「最近では、宮廷でも下僕に武器を渡すのが流行でしてねぇ」
気に障るもの言いだな……だが、少し我慢だ。ここで短気を出すのはルイズの面子を潰しかねん。ルイズが持っているのは所謂『レイピア』
と言われるようなものか。
「もっと大きいの無いの?」
「御言葉ですが、その御仁にはそれ位が丁度いいかと……」
「大きくて太いのが良いと言ったのよ」
ルイズの恫喝とも取られかねない物言いに店主は『ただいま』とさっと後ろに下がる。嫌な予感がする。こう言う物言いをされると大体
人間は反感するものだ。それがこんな小娘なら尚更だ。そして剣を持ち出してルイズに見せると彼女は納得し買おうとする。だが、予想
通りとんでもない額を吹っかけられた。当然か。
「金貨100で買えるものは無いの?」
そう言って出て来たものは、正直俺でも分かるほどボロボロなものだった。
「はっ!まともな短剣なら200が相場ですがね」
馬鹿にした物言いだな。裏社会で生きている俺にはそれが全てブラフだと直ぐに気が付いた……よし。
「いくら世間知らずの貴族相手だからって、ちと度が過ぎやしねぇか?」
「ケチつけるならいいさ、帰った帰った」
「そうか……わかった」
―――二度とナメたマネできないように思い知らせてやれ!