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ゼロと人形遣い-2

ゼロと人形遣い 2


「へえ、アタシの名前は、阿紫花・・・、阿紫花 英良(あしはな えいりょう)でさぁ。」
「アシハナエイリョウ?変わった名前なのね。」

とりあえず返事を返してから、混乱する頭を落ち着かせる。
何をされたのかは分からないが、言葉が通じるようになったようなので質問をしてみることにした。

「ところで、お嬢ちゃんここはどちらで?見たところ地獄ってわけでもなさそうですが。」
「はぁ?地獄ですって、なにふざけたこと言ってんのよ!ここはトリステイン魔法学院に決まってるでしょうが!!」
「魔法学院・・ですか?お嬢ちゃん、お遊びなら他でやっておくんなせぇ。それよりもちゃんとした地名を・・・、見たところ、イタリアかフランスあたりですかねぇ・・・。」

阿紫花は、人垣の向こうに見える立派な城を見ながらぼやいた。

「お遊びですって!平民の癖にふざけんじゃないわよ!私だって、遊びや冗談だったらどんなに良かったか・・。なんでよりによって平民が使い魔なのよ!!」
「・・・平民って言われやしてもねぇ。アタシが平民だったら、あんたは何なんです?」
「私は貴族よ。だからメイジに決まってるじゃない。」

少女は無い胸をはって腕を組んでいる。
まだ言っているのか、と思いながら言葉を続けようとすると、

「ちょっと失礼。」

横から現れた男に左手を取られた。突然の事に阿紫花は身を硬くした。
が、それは単純に驚いたからだけではない。
この男はかなりの実力者だ。ちょっとした仕種や、動きの中にかなりの修羅場を渡ってきた雰囲気を滲ませている。
男は、しばらく阿紫花の顔と左手の甲に刻まれた奇妙な図形を見比べていたが、

「ふむ・・・、珍しいルーンだ。」

と、呟いてから立ち上がって、人垣のほうを振り返ると、

「それでは、全員コントラクト・サーヴァントを成功させたようなので、今日の儀式は終了です。
これから、教室に戻って使い魔との接し方などの指導があるので、各自教室に戻ってください。」

それだけ言って、またこちらに向きなおり、

「ミス・ヴァリエール。君の使い魔は人間のようだし、今日は次の授業で最後だ。だから今日はもう授業はいいので、部屋に帰って彼との交流を深めなさい。なにぶん人間を使い魔にするなんて前代未聞だからね。そのための、内容は用意して無いんだ。」
「わかりました。ミスタ・コルベール。ですが平民相手になにを話したって無駄じゃないですか。」
「そんなことはない。君はサモン・サーヴァントで、彼を召喚したんだ。それはまぎれも無い真実であり運命だよ。・・・それに彼はなかなか肝が据わっているようだしね。」

コールベルは、阿紫花のほうを見ながら笑顔で言った。
その仕種にルイズも不満そうに阿紫花を見て、しぶしぶといった感じで返事を返した。

「・・・わかりました。ミスタ・コルベール。」
「よし。ではほかの諸君は教室に向かおう。」

コルベールと呼ばれた男が周囲に声をかけると、周りでなにやら騒いでいた子供たちも動き始めた。

『そういや、魔法学院とか言ってましたねぇ。ってことは、あのハゲのおっさんは教師かなんかで、周りのガキどもは生徒なのか?・・・だとしたら、学院はともかく、魔法ってのはいったい・・・?』

いまだ状況について行けない亜紫花は、ぼんやりと周りを見守っていた。
すると、突然コルベールが宙に浮かんだ!それに続くように生徒らしき子供たちも次々と宙に浮かび始めたではないか!

「ルイズ、お前はその平民を連れて歩いてこいよ!」
「あいつ『フライ』はおろか、『レビテーション』さえまともにできないんだぜ。」

少年少女たちは去り際にからかうような捨て台詞を言いながら、城の方へと飛んでいってしまった。

「・・・いったい何なんですか、自動人形だってあんなふうには飛びやせんぜ・・・。」

亜紫花が唖然としていると、

「キィーーー、悔しい!ちょっと魔法が使えるからって!私だって、すぐにコモン・マジックくらい使えるようになるんだから!」

ピンク髪の少女だけが、残っていた。
なにやらブツブツと文句を言っていたが、亜紫花の視線に気づくと、

「まあいいわ。この際平民で我慢するしかないわね・・。それじゃあアンタ、とりあえず私の部屋に行くわよ。」
「・・・はぁ、それも良いんですがねぇ・・・。お穣ちゃん、さっきの人たちはどうやって飛んでたんですか?」

なんとなく答えを予想しながら質問をしてみると、少女は不満そうな顔をしながら、

「どうやってって、メイジなんだから魔法に決まってるじゃない。」
「そうですか・・、魔法じゃしょうがないですねぇ・・・。」
「んんっ?変な平民ね。まあいいわ。それじゃあさっさと行くわよ。」

あまりにも予想どうりの返答に呆れながら、亜紫花は納得した。
どうやら、自分は妙なことに巻き込まれたらしい。

「人形の次は魔法ですか・・・。まあ、死んだ後も退屈が続くよりはましですかねぇ。」

抜けるように蒼い空を見上げながら呟いた。
その様子を少女は苛立たしげに見ていた。

「行くって言ったでしょ!おとなしくついて来なさい!」
「へいへい、わかりましたよ。」

亜紫花は少女の後について行こうとする。そこでふと思いついた。

「そういやお穣ちゃん、あんたのお名前を聞いてませんぜ?」
「使い魔の癖に偉そうな聞きかたね!確かにご主人様の名前を教えてなかったわね。よく聞きなさい。
私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。呼ぶときは、ご主人様かルイズ様と呼びなさい。」
「ずいぶんと仰々しい名前ですねぇ。それじゃあ、ルイズの穣ちゃんでいいですね。」
「なっ!アンタ人の話を聞いてなかったの!私は・・・
「へいへい、聞いてますよ。」

亜紫花は、ルイズの言葉を無視して城の方へ歩き出す。

「ちょっと待ちなさいよ!まだ話は終わってないわよ!!」

それを追いかけるようにルイズもついてくる。
まだわめき続けるルイズを無視しながら考える。
こののどかそうな世界でも、少しは退屈を紛らわせる事があるかと。






亜紫花は知らない。これから彼が体験することは、元の世界の大戦にも見劣らぬ過酷なものになることを、そしてその後に待ち受ける結末も。

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