あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

破壊の杖うばわれる!!


「宝物庫の中に、入った事はありまして?」
「ありますとも」
「では、『破壊の杖』をご存知?」
「ええ。まあ、実物は見ておりませんが」
「と、いいますと?」
「箱に入っておりまして、それにはロックがかけられているのですよ。流石にアンロックで中を見るという訳にもいきませんのでね」
「まあ」

トリステイン魔法学院の宝物庫の前で、コルベールとロングビルが親しげに話していた。
少なくともコルベールはそう思っていた。
虚無の曜日とはいえ、学院内の巡回は怠ってはならない。むしろ、そんな日にこそ変事は起こるものだ。
そんな仕事熱心な職員が自分以外にもいた、しかもそれがよりによって、男性職員なら一度は恋心を抱く美貌のミス・ロングビルであったとなれば、嫌が応にも浮ついた気分になってしまうというものだ。

「ところでミスタ・コルベール。もっと宝物庫の事を教えて下さらない? 私、魔法の品々にとても興味がありますの」
「では、ちょっとご披露致しましょう。大した話ではないのですが……」
「是非とも、伺いたいわ」
「宝物庫は確かに魔法に関しては無敵ですが、一つだけ弱点があると思うのですよ」
「はあ、興味深いお話ですわ」
「それは……。物理的な力です」
「物理的な力?」
「そうですとも! 例えば、まあ、そんな事は有り得ないのですが、巨大なゴーレムが……」
「巨大なゴーレムが…」

その時、コルベールが注意深くミス・ロングビルの目を見ていれば、一瞬その目が怪しい輝きを放った事に気付いたかもしれない。
しかし彼は、自説を得意げに語るのに夢中であった。

「大変興味深いお話でたわ、ミスタ・コルベール」



ルイズは飛んでいた。
地面に向かって。悲鳴を上げながら。
これで二回目だ。
最初は、加速に耐えられなかったロープが切れた事によって。
二回目は、慌てて引き返してきた悟空によってサルベージされ、気を取りなおして再出発しようとしたら、追いついたキュルケのファイヤーボールによって再びロープを焼き切られた事によって。
そうして、キュルケとタバサは遥か先まで飛んでいってしまった。

「ひーあーあーあー!!!」

悲鳴が風切り音に吸い込まれる。
マットが下になっているおかげで空気抵抗が発生し、落下しているというよりも押し上げられている感覚なのが唯一の救いだ。
と、ルイズの身体にかかる負荷が消えた。

「大丈夫か? ケガしてねぇか?」

悟空が、捲きつけられたロープを掴んでルイズの顔を覗き込んでいた。
悟空の気に守られる事も無く、二度も高所から落下した事によって、ルイズの顔からは血の気が失われていた。

「な…な、い……」
「良かった。それにしてもあいつ、ひでぇことしやがんなあ」

風圧によりひび割れた唇でようやく言葉を紡いだルイズを見て、悟空のキュルケに対する株がまた下がった。

「ロープも随分短くなっちまったし、もう引っ張ってくのは無理だな」

そう言うと、悟空はルイズをロープごと抱きかかえた。
ルイズの身体とマットの間に手を差し入れられて、自由落下のショックからようやく立ち直りかけたルイズが我に返る。

「ちょ、ちょっとちょっと! なな何のつもりよ!?」
「仕方ねえだろ、こうでもしねえとまた落っこっちまうんだからよ。行くぞ!」

悟空に正面から抱きかかえられる形になったルイズの抗議を軽くいなし、再び悟空が飛ぶ。
(抱かれてる! わたし今抱かれてる! ワルドにも抱かれた事ないのに!)
父親以外の男性に抱かれたルイズの鼻腔が悟空の匂いを嗅ぎ取ると、意に反して鼓動が高まり、顔が火照るのを感じる。
(し…縛られた状態で殿方に抱かれるのって、な、何か不思議な感じ……! どうして…?)
思考回路がショート寸前なルイズの問いに答えられるのは、果たして誰か。



「はあ…それにしてもいい天気ねえ……」

シルフィードの背で、キュルケが吐息をついた。
空には太陽が輝き、ぽつぽつと青空に浮かぶ雲を白く照らしている。
陽射しは少し強いものの、肌に当たる風がそれを心地よく冷やしていく。
と、それまで黙々と本を読んでいたタバサが顔を上げた。

「来た」
「え?」

タバサが後ろを振り向いてキュルケに告げる。つられてキュルケもその方角を見た。
ひときわ大きい雲が浮かんでいる。その白く光る雲を突き抜けFly Awayしてくる物体が一つ。
悟空だ。あの白い炎に身を包み、彼我の距離をグングン縮めている。

「嘘? いくら何でも速過ぎるわ! タバサ、もっと飛ばして!!」
「それ無理」
「どうして?」
「もうやってる」

タバサはキュルケがファイヤーボールでルイズを落とした頃から、ずっとシルフィードを最高速で飛ばしていた。
流石にそれだけの速度で飛ぶと人間の身体では耐えきれないので、タバサが風の魔法の応用で風防を作っていたため、上空で速度の比較対象となるものが無いキュルケはそれに気付いていなかった。
タバサが最高速で飛ばしていたのは、ひとえに悟空に怒られるのが嫌だったからだ。
可燃性の物質であるロープに縛り付けられたルイズに、切断のためとはいえファイヤーボールをブチかましたのだ、悟空はそれを見て無情な行為だと思っただろう。
とても悟空に謝るどころの話では無い。むしろ、それを止めなかった自分にも非はある。状況を少しでもプラスに働きかけるためには、まずこの勝負に勝つことが先決だった。
そんなタバサの努力も空しく、とうとう悟空が隣に並んだ。

「あ、あらぁ……。ず、ずいぶん早く追いついたのね」
「おめえ、綺麗な顔してっけど、やることがえげつねえな」
「え」
「学院に戻ったら覚えてろよ」
「い、いやねえ…たかがあれくら……!」

悟空の怒気を孕んだ声と視線に、キュルケの弁解が途中で止まる。
仕方なくルイズに仲介してもらおうと思ったが、何故かルイズは顔を真っ赤にして悟空の胸に顔を埋めていた。
悟空の身体を纏う炎がひときわ大きくなったと思うと、更に速度を上げてタバサのシルフィードを後方に残し、轟音を上げながら芥子粒の如き大きさになり、ついには視界から消えた。

「嘘……」キュルケが呟く。キュルケは気付かなかったが、シルフィードも同じ呟きを漏らしていた。
「とんだとばっちり」タバサが溜息をついた。



5分後、トリステイン魔法学院に到着した悟空は、少々飛ばし過ぎたかと頭を掻いた。
マットが風圧で変形し、ボンレスハムのようになっていた。大きさもだいぶ縮んでしまっている。
そしてそれに縛り付けられていたルイズは、顔を真っ赤にして何故か幸せそうな顔で気絶していた。
起こそうかと思ったものの、このまま部屋まで運んだ方が早いと考え直し、マットを抱えてルイズの部屋の前へと飛んで行き、窓を開けて――鍵がかかっていたのをキュルケが開けていたのだ――中に運び入れた。
ロープを解き、ぐったりしているルイズと剣をベッドの上に横たえると、悟空は再びマットを持って外に出た。
それを通りがかったギーシュが発見する。

「ゴクウじゃないか。そんなもの持ってどうしたんだい?」
「おう、ギーシュ。ちょうどいいや。ちょっと力貸してくれ」
「ああ、いいとも。実を言うと僕も君を探していたんだ」
「おめえが? 何だ?」
「いや、君の用が済んでからでいいよ」
「そうか。じゃ、早速だけどよ、こういう奴を作ってくれ」

悟空が地面に足で図を描く。棒の先にハートマークがついたようなそれを見て、ギーシュが悟空に尋ねる。

「何だい、これは?」
「こいつでこのフトンをぶっ叩いて、形を整えるんだ」
「なるほど…。そうだ。その役、僕に任せてはくれないか?」
「別に構わねえけど…、何でだ?」
「ワルキューレにやらたいんだ。僕の特訓にも繋がるし」
「そうか。じゃ、頼むぜ」

ギーシュが3体のワルキューレを錬金する。その形状を見て、悟空が違和感を覚えた。

「あれ、ちょっと形変わったか?」
「少し実戦向きにアレンジしてみたんだ。実は僕の用事というのはそれでね。ちょっとこいつと手合わせしてみて欲しいんだ」
「ああ、そういう事か」

器用に2体のワルキューレがマットの両端を掴んで立ち、残りの1体が即席の布団叩きでバシバシと形を整える。
悟空はそれを見て感心した。

「へえ、力加減が随分上手くなったじゃねえか」
「わかるかい?」ギーシュが笑みを浮かべる。
「前はちょっとぎこちない動きだったけどよ、正直今度のは見違えたぞ」
「負荷の掛かる所と掛からない所とで、青銅の密度を変えてみたんだ。そうしたら強度だけでなく機動性も増してね。前より滑らかに動けるようになったんだ」

暫く叩き続け、マットの形が購入時の長方形を取り戻すと、悟空はその上に寝転んで感触を確認した。

「おー。こりゃ気持ちいいや。今夜からぐっすり寝られそうだ」
「このくらいでいいかい?」
「ああ、助かったぜ。じゃ、これちょっくら戻してくっからよ、そこで待っててくれ」

悟空がマットを担いでルイズの部屋に飛んでいった。
ギーシュが悟空との試合のために残りのワルキューレを練成していると、そこにシルフィードに乗ったタバサとキュルケがやってきた。

「おや、君達。虚無の曜日に揃って外出かい」
「ゴクウは? 彼を見なかった?」
「彼ならもうすぐここに来ると思うけど…そういえば遅いな」

悟空が行ってから、もう15分は経っている。

「君達は悟空に用があるのかい?」
「まあ…ね」
「うん?」

珍しくキュルケが言葉を濁す。
そこに、悟空とルイズが歩いてやってきた。
部屋に戻った時、ルイズが起きていたので、ついでにと連れて来たのだ。

「おめえら、戻ったのか。……ちょうどいいや、キュルケ」
「な、にかしら」
「おめえ、ルイズに謝れ」
「え?」
「ゴクウ!?」

ルイズが驚いて悟空を見上げる。悟空の表情は真剣だった。

「ルイズは身動きできねえ状態だったんだ。もし火がルイズに燃え移っちまったらどうすんだ」
「何よ。火のメイジである私が、ファイヤーボール如きでそんなヘマやらかすワケ無いじゃない」
「…………」
「……わ、わかったわよ。悪かったわね、ルイズ」

有無を言わさぬゴクウの気迫に気圧されたのか、はたまたこれ以上好感度を下げるのは得策ではないと感じたのか。
不満げな顔をしながらも、意外なほど素直に、キュルケがぺこりとルイズに頭を下げる。
使い魔は主人を守る。それを忠実に守った上での苦言を呈しただけであったが、ちい姉さま以外に、ここまで自分の身を気にかけてくれる人がいるという事に、ルイズは深く感動していた。

「ゴクウ……」
「さてと、ギーシュ。待たせちまったな」
「あ、ああ。…いったい何が何やら……」



中庭に、悟空とワルキューレが対峙した。
その数7体。
円陣を組んで悟空を取り囲んでいる。

「さっきとはまた形が変わってんな」
「今は速度重視さ。一撃の重さは足りないが、どうせ君に傷を負わせる事は不可能みたいだからね」
「それならよ、オラに一撃でも当てられたらおめえの勝ち。ってことでどうだ?」
「いいのかい? その言葉、後悔するなよ!」
「あ、じゃあ、ギーシュが勝ったらダーリンは私のものって事で」
「勝手に決めんじゃないわよ色ボケ!! しかもなに人の使い魔をダーリン呼ばわりしてるのよ!」

ワルキューレが地を蹴る。
言うだけあって、その速度は前回とは大違いだった。
一瞬で間を詰め、7対の腕が凄まじい速度で突きを繰り出す。
だが――

「くっ、これでもまだ足りないというのか!」

その突きは空しく空を切るだけだった。
ワルキューレの突きは確実に相手の死角を突いている筈だった。だが、悟空には掠りもしない。
避ける速度が凄まじく、瞬きをすると一瞬悟空が何体にも分裂したようにすら見える。
その速度は、既に人間の知覚の限界に達していた。

「いいぞいいぞ、思ったよりずっと速えじゃねえか!」

しかも、その口調には余裕が感じられる。
ギーシュの集中力は決闘の時と比べて随分上がっていたが、一度に7体のゴーレムを激しく動かしていては、流石にそれも途切れがちになる。
ワルキューレの速度が鈍ったのを感じた悟空は、反撃に転じた。

「んじゃ、そろそろ反撃すっぞ!」
「え?」
「だりゃあ!」

悟空の蹴りが、1体のワルキューレを水平に飛ばす。
破片を捲き散らしながらも、上手い事外壁の門を通り抜けたそれは、そのままの勢いで文字通り地平の彼方へと消えていった。
遅れて、ワルキューレの後を追うように突風が吹き、冷や汗をかいたギーシュの顔に金髪を貼りつけた。
次いでもう1体、打撃音と共に空高く飛んで行き、ついに落ちてこなかった。
更に悟空はワルキューレの腕を掴み、ジャイアントスイングの要領で回し始めた。
同質量の塊に打ち砕かれ、青銅の破片がそこらじゅうに飛び散る。
残りのワルキューレを全て片付けると、悟空は最後の仕上げとばかりに手に持ったワルキューレ――既に上半身だけになっている――を豪快にブン投げた。

「うおりゃあ―――っ!!!」

ここで誤算が起きた。
悟空の手を離れたそれは、狙いすましたかのように本塔へと飛んで行き、派手な衝突音を立ててその外壁にヒビを入れた。
思いがけない失態に、悟空が固まる。

「あ…やっちまった……」
「隙あり!」

いつの間に練成したのか、8体目のワルキューレが悟空の背後に迫っていた。

「へ?」

――ゴン!
振り下ろされたワルキューレの腕が、悟空の脳天を捉えた。

「あが!」
「や…やった! 一撃入ったぞ!!」
「嘘……悟空が負けるなんて…」

ルイズが驚きの声をあげる。

「ははっ、一本取られちまったな…。でもどうやったんだ?」
「言っただろ、実戦向きにアレンジしたって。突き詰めた結果、もう1体くらいは練成できるようになったんだ」
「流石だなおめえ。それをたった2日でここまでモノにしちまうなんてよ」
「ありがとう。君のおかげだよ」

実際、ある意味ではその通りだった。
決闘での敗北と修行の助力により、ギーシュの錬金からは精神的にも物質的にも無駄が殺ぎ落とされ、より高度なものができるようになったのである。

「あらま。ダーリン負けちゃったわね」
「彼の成長は驚異」
「んふふふふ、でもこれでダーリンは私のものって訳よねぇ、ルイズぅ?」

使い魔の敗北がよほど衝撃だったのか、ルイズはしょぼんとして座り込み、地面の草をむしり始めた。

「……と言いたいところだけど、やっぱいいわ。ツェルプストーの女が男を手に入れるのに助力を乞うなんて、末代までの恥だものね」



そのやり取りを中庭の植え込みから見守っている人物がいた。
『土くれ』の二つ名で呼ばれ、トリステイン中の貴族を恐怖に陥れているメイジの盗賊、フーケである。
フーケは夜になったら、下見のため密かに学院本塔の外壁の厚さを調べるつもりでいた。
だが、どうもその必要は無さそうだ。
あれだけのヒビが入っているのだ、ゴーレムで穴を開けるなど造作も無いだろう。
フーケは呪文を詠唱し始めた。長い詠唱だった。
詠唱が完成すると、地面に向けて杖を振る。
フーケは薄く笑った。
音を立て、地面が盛り上がる。
土くれのフーケが、その本領を発揮したのだ。



何者かの気が急速に上がるのを感じて、悟空は振り返った。
我が目を疑う。

「何だありゃ!?」

それは全長30メイルはありそうな、巨大なゴーレムだった。
眼下の人間などものともせず、こちらに歩いてくる。
キュルケが悲鳴を上げ、一目散に駆け出した。タバサもシルフィードに乗って空高く舞い上がる。
悟空は両脇にルイズとギーシュを抱え、タバサの後を追った。

「一体何なんだ、あれ」

ひとまずシルフィードの上にルイズとギーシュを乗せた悟空が誰にとも無く尋ねた。

「わかんないけど……巨大な土ゴーレムね」
「あんなでっけえのも作れんのか」
「恐らく、トライアングルクラスのメイジ」タバサが補足する。
「一体、何をするつもりなんだ……」

そう呟いてゴーレムの進路を目で追ったギーシュが、ある事に気付いた。

「おい、もしかしてあのゴーレム、宝物庫を目指してるんじゃないか?」
「何だって?」

悟空達がギーシュの声につられて宝物庫のある本塔に目を向ける。
さっき悟空が投げ飛ばしたワルキューレが衝突した事により発生したヒビは、丁度宝物庫のある階を中心に走っていた。



フーケは、巨大なゴーレムの肩の上で、薄い笑いを浮かべていた。
少々予定が早まったが、善は急げだ。逃げ惑う赤毛の女や、上空を舞うウインドドラゴンの姿が見えたが気にしない。フーケは頭からすっぽりと黒いローブに身を包んでいる。その下の自分の顔さえ見られなければ、問題は無い。
ヒビが入った壁に向かって、土ゴーレムの拳が打ち下ろされる。フーケはインパクトの瞬間、ゴーレムの拳を鉄に変えた。
壁に拳がめり込み、鈍い音がして崩れる。黒いローブの下でフーケは微笑んだ。
ゴーレムの腕伝いに、壁に開いた穴から宝物庫の中に入り込んだ。
中には様々な宝物があった。しかし、フーケの狙いはただ一つ『破壊の杖』だけである。
様々な杖が壁にかかった一画に行くと、その中に、鍵のかかった黒い箱に収められたものがあった。銘板には「破壊の杖:持ち出し不可」と書かれている。
間違い無い。これだ。
フーケの笑みがますます深くなった。箱を手に取りアンロックを唱えると、意外にもあっさり鍵が外れる。
蓋を開けたフーケの笑みが引きつった。

「え…? ま、まさか……、これが『破壊の杖』…?」

しかし、今は考えている暇は無い。蓋を閉じ、急いでゴーレムの肩に戻った。
去り際に杖を振る。すると、壁に文字が刻まれた。

『破壊の杖、確かに領収致しました。土くれのフーケ』

再び黒ローブのメイジを肩に乗せ、ゴーレムは歩き出した。魔法学院の城壁を一跨ぎで乗り越え、ズシンズシンと地響きを立てて草原を歩いて行く。
そのゴーレムの上空をシルフィードが旋回する。
悟空は巨大なゴーレムを見つめながら、タバサに尋ねた。

「あいつ、壁ブッ壊してたけど、何してたんだ?」
「宝物庫」
「あの黒ローブのメイジ、壁の穴から出てきた時に、何かを握っていたわ」ルイズが言った。
「泥棒か…。しかし、随分派手に盗んだもんだな」

その時、草原の真ん中を歩いていた巨大なゴーレムが、突然グシャッと崩れ落ち、土の塊と化した。
4人は地面に降りた。肩に乗っていたはずの黒ローブのメイジが見当たらない事に気付いた悟空が素早く気を探る。

「ゴクウ、追いかけられる?」
「…駄目だ、完全に気を消してやがる……」

あのメイジの気は、既に消え失せていた。


新着情報

取得中です。