あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

レプリカ・ゼロ-7

 トリステイン学院ルイズの部屋にて、ルークはデルフリンガーの錆を落とす事に精を出していた。
 錆を落とす為の砥石は、食堂の料理を任されている料理長マルトーから、何時か料理を振舞う事と引き換えに譲ってもらった物で
 長剣に部類されるデルフリンガーに使うには、少々小さいのだが逆にその小ささを利用して器用に錆ついた刃を研いで行く。
 それをつまらなさそうに見ているのは、部屋の主であるルイズ。頬杖なぞつきながらぼんやりとデルフリンガーを研ぐルークを見ている。
 勉強するにしても、学院の教科書は穴が空くほど読んだし暗唱しろと言われれば高らかと暗唱できてしまう。
 それは単に、魔法が『使えない』ゆえの努力の成果。ただ、その成果は魔法には全然現れなかったと悲しい結果になってしまったのだが、
 ルイズとしては、まぁ覚えていて損は無い知識だと認識している。

「ねぇルーク」
「なんだ?」

 デルフリンガーの錆が、大部分落ち錆の下に隠れていた綺麗ながらも鋭い刃を見ながら短く答えるルーク。

「その剣。アンタの事使い手とか呼んでたけど……使い手って何?」
「さぁ?」

 ルイズの質問に知らんと答えるルーク。そして、二人の視線はその使い手発言をしたデルフリンガーに注がれる。
 ジッと見られデルフリンガーは、少々狼狽しながらカチャカチャと鍔を鳴らす。

『い、いや、俺は六千年も過ごしてるもんだから……物忘ウボァ!?』

 物忘れが激しい。と、発言したかったデルフリンガーだったが唐突に、床に叩きつけられ変な悲鳴を上げる。
 ソレに構わずデルフリンガーを何度も何度も叩きつけるルーク。
 そんなルークの行動に、何してるのよ? と、呆れ顔で尋ねるルイズに笑顔を浮かべ

「いや、調子悪い音機関とかこう何度か叩くと調子が良くなる事あるんだ」
「へぇ……音機関がなんなのかわからないけど……それなら、床に置いて蹴ればいいんじゃない?」

 それもそうだな。と、同意すると……デルフリンガーを床に置く。
 床に置かれたデルフリンガーを見下ろす二人は、一度お互いの顔を見てニンマリとした笑みを浮かべた後で
 おもむろにデルフリンガーを蹴る。蹴ると言うよりも踏みつけの連打。
 悲鳴を上げるデルフリンガー。笑う二人。最初は、静か(?)だった踏み付けの音も二人のテンションが上がってきたのか……
 何処かの突貫工事に使うブレイカーと言う機械並の騒音と振動に発展し……
 直ぐに隣接した部屋の生徒達から苦情が来たのは言うまでも無い。

 雰囲気的にズタボロになったデルフリンガーを見る二人。二人の目は何故か爛々と輝いている。どうやら、癖になった様だ。
 そんな二人の視線にガタガタガタとデルフリンガーの鍔が振るえ、搾り出した様な声で思い出した! と、告げる。
 途端に残念そうな表情を浮かべる二人に、俺なんか悪い事した様な……いや、まて俺! と、困惑する剣が一本。

『結構色々思い出したぜ! まず、俺には魔法吸収の効果がある! 魔法が来たら吸収してやれるぜ!
 あと……それに伴ってなんかあった気がするんだが……』

 まぁ次な。と、途端に目を輝かせ始めた二人に冷や汗を浮かべながらにそう告げ、再び思い出した事を話し始める。

『相棒の左手のルーン。それな、ガンダールヴってんだ。六千年前の使い手もガンダールヴだった。
 どういうヤツだったか忘れちまったけど、調べりゃ分ると思うぜ?』
「へぇ……この変な文字……ガンダーム?」
「ガンダールヴって言ったら、始祖ブリミルの使い魔の一つじゃない!」

 ルークの発言を露骨に無視した形で、ルイズは大声を張り上げる。
 おう! そうよ! おでれーたろ! と、何処か誇らしげに告げるデルフリンガー。
 一体なんなんだよ……ガンダームって……と、一人取り残された感じで頬を掻くルーク。
 デルフリンガーの発言に、ルイズは顎に手を添えて考え始める。
 ガンダールヴとは、始祖ブリミルの使い魔が一つであり……何故そのルーンが、ルークに刻まれたのか?
 もっと深く思考の海へ潜ろうとしたルイズと、同じくしてまだ錆落としてねぇと、再びデルフリンガーを手に取り研ごうとしたルーク。
 その二つは、突然の乱入者によって阻止されてしまう。
 突然の乱入者とは、ルイズの宿敵である少女。まぁ胸の育ち具合とかで少女に分類できるのかよくわからないが……
 キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーと
 そのキュルケの後ろで、己の身長よりも長い杖を脇に抱え黙々と本を読んでいる蒼い髪の少女タバサの二人である。

「お邪魔するわよ~!」
「………」

 1.5メイルばかりある包みを抱き抱えたキュルケとやはり黙々と本を読むタバサ。
 一体何の様よ! と、ルイズはせっかく思考の海に潜ろうとした所を邪魔された事に憤慨し、鋭くキュルケを睨む。
 その睨みを軽く受け止めキュルケは、抱き抱えていた包みをルイズの前で剥ぐ。
 包みの中から現れたのは、一本の大剣。しかも、見覚えのある大剣。

「風の噂で、なんでも使い魔……もとい、ダーリンに剣を買ってあげたそうじゃない?
 どうせ、ケチな貴女の事だからまともな剣をダーリンに買って上げなかったしょう?」

 だ、か、ら。この剣をダーリンにプレゼント! と、その大剣をルークに強引に渡す。

「ダレが、ダーリンだ。俺はルークだ。それに、コレ……武器屋にあったヤツか?」
「そう! ゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿が」
「いらね」

 大剣をポイッと、投げ捨てる様に粗雑に床に転がすルーク。そんな様子を見て「あぁん! ダーリンのいけず!」
 と、良くわからん発言をしながら身をくねるキュルケ。
 さて、何故キュルケがルークをダーリン発言しているのかといえば……数日前のギーシュとの戦いにまで遡る。
 ギーシュとの戦い後、ルークは相変わらずルークのままであり、何か変わった事があったか? と、聞かれたのならば
 食堂の料理長であるマルトーや食堂で働く者、さらにはメイド達から『我らが紅』などと呼ばれる様になった事
 さらには、何故か使い魔達と良く一緒に居る事等だ。
 我らが紅に関しては、貴族を打ち倒した平民。と、言う事でルークの燃える様な髪色をとって『我らが紅』と呼ばれ
 使い魔達と良く一緒に居るのは、ルークの訓練に付き合っているとだけ。
 その中で、一番激しい訓練を繰り広げるのは、タバサの使い魔である風竜シルフィードと
 キュルケの使い魔である火蜥蜴フレイムだったりする。

 それはさておき、キュルケの二つ名は『微熱』である。
 本人曰く、ささやかに燃える情熱。らしいが……その情熱がどう言った方面への情熱なのかが、問題であったりする。
 そのささやかに燃える情熱が、どうやらギーシュとの戦いに置いて活躍したルークに対して燃え上がったらしく……


 戦いから数日後の夜。食堂でマルトーとなにやら話し合っていた帰りにルークは、フレイムに捕まった。
 正確に言えば、ただ服の裾を甘噛み――と、言ってもそれなりに力強く――され、フレイムとルークのちょっとした押し問答後に
 どうやら、フレイムがどこかに連れて行きたいのだと、やっと分り裾を噛まれたままフレイムに先導され
 たどり着いたのが……キュルケの部屋。

 部屋の中は暗く、サラマンダーたるフレイムの周りのみぼんやりと明るく光っていた。
 その暗がりから部屋の主であるキュルケの声がした。

「扉を閉めて?」

 ルークはその声に、首をかしげながらも言われた通りに扉を閉める。

「ようこそ。こちらにいらっしゃい」
「暗すぎてみえねぇよ」

 キュルケが指を弾く音が聞こえた。
 すると、部屋の中に立てられた蝋燭が、一つずつ灯って行く。
 ソレを見て、へぇ……どういう仕組みだ? これも魔法ってヤツか? などと珍しげに灯ってゆく蝋燭を見るルーク。
 蝋燭は、ルークの近くにあった物を最初とし最終の蝋燭は、キュルケの傍に存在した。
 ぼんやりと、淡い幻想的な光の中に、ベットに腰掛けたキュルケの悩ましい姿があった。
 そして、キュルケが着ているのはベビードール。
 思春期の少年青年ならば、クラッと来る物があったのだろうが……

「なぁ寒くねぇのか? それ」

 腕を組み眉を顰めながらにそう告げるルーク。その声は、実に平坦で別に興奮した様子も羞恥した様子も無い。
 他の少年や青年ならば興奮もしただろうし羞恥もしただろうが……
 ルークは、人の営みによって生み出された存在ではなく創られた存在だ。
 その創られた年数から数えてルークは、七年の時を過ごしている。つまり、ルークの実年齢は七歳。
 さらにその七年間、箱入り娘ならぬ箱入り息子として育てられた彼としては、キュルケの姿に対してそんな感想しか抱けず。
 ルイズに召喚されるつい最近まで壮大な冒険や争いに身を費やしたが、そう言う色恋沙汰は、ほぼ確実にと言うぐらいに無い。
 ルークにとって女性と言うなれば、ぬいぐるみを武器に戦う表裏激しいフォンマスターガーディアンの少女や
 冷静沈着ながらも可愛いものには目が無いセブンスフォニマー。
 そして、気の強すぎるバチカルの王女の三人と言う強烈な印象を持っている。
 それも手伝ってなのか……ルークにとってキュルケが何をしたいのか? なんて毛頭分るわけが無かったのである。

「私は『微熱』のキュルケ。コレぐらいは寒くは無いわ」

 それより、此方にいらして? と、ルークの言葉に難なく答え自分の隣をポンッと軽く叩く。
 一体なんなんだ? と、とりあえず其処まで歩み寄って少々荒々しくベットに腰掛けるルーク。
 そして、キュルケがベットに腰掛けたルークの膝の上に手を軽く乗せ、顔を近づけ何事かを言おうと口を開いた瞬間。
 窓の外が叩かれる。窓の外には、一人のハンサムな男の姿があった。

「キュルケ……待ち合わせの時間に、君が来ないと思ったら……」
「ペリッソン! ええと、二時間後に」
「話が」

 違う! と、言うや否やキュルケはいつの間にか、取り出した杖を振るうと、蝋燭の火から轟々と燃え盛る蛇が現れ
 ペリッソンに喰らい突き、そのまま吹き飛んでいった。

「無粋なフクロウね」
「女版ギーシュだな。お前」

 ため息交じりにそう言うキュルケに対し告げたその言葉は、酷くキュルケの心を傷つけた様で
 私が? あのギーシュと一緒? と、ガックリと肩を落としうな垂れたのだが、直ぐにガバッと身を起こし
 ルークの手を掴み爛々と輝いた瞳を持ってその顔をルークの顔へと近づけるが……

「キュルケ! その男は」

 ペリッソンとは違う精悍な顔立ちをした男が、やはり最後まで台詞を言う前に、先程と同じ様に蝋燭の火から伸びた
 焔に絡みつかれ蝿や蚊の様に落下してゆく。
 その後も、更に三人の男が同時に現れ……同時に焔に絡みつかれ落ちてゆく。
 なんだ? この笑える状況。と、ルークは呆れながらに想い、ベットから立ち上がる。
 そんなルークに、あら? 何処へ行くの? と、キュルケが尋ねると部屋と、短く答えキュルケの部屋を出て行こうとし
 扉に手をかけた瞬間……不意に思いっきり扉が開けられルークの顔面を強打する。
 痛ぇ! と、顔面を両手で覆いながらその場に転げまわる。そんな彼を尻目に部屋に入ってきたのは、
 一応、ルークの主であるルイズだった。ルイズの表情は、最初は無表情ながらもルークの姿を確認するなり憤怒の表情に変貌。

「ツェルプストー! 誰の使い魔に手を出してるのよ!」

 それに、このルークの怪我は何! と、大声で叫び。いや、それはアンタが原因。と、キュルケほかフレイムやルーク。
 天津果てには、焔に吹き飛ばされたペリッソンに焔により射ち落とされた四人の男達から、総突っ込みが入ったり。
 その後一悶着があり、キュルケの部屋から出た二人は、そのままルイズの部屋へ。
 其処で、二時間ばかりキュルケ……もといツェルプストー家が、どれだけルイズ……ヴァリエール家に何をどうやってこうなったのか。
 と、ツェルプストー家とヴァリエール家の因縁の歴史を聞かされる事になるルークだった。
 まぁ其処で抱いた感想といえば……眠い。つまんね。ティア達元気かなぁ? の三つだったりする。
 何はともあれ、それが切っ掛けでキュルケは以後、彼をダーリンと呼ぶのだった。


 ■


「…………」
「…………良くこんな喧騒の中で本読めるな。お前」

 錆落としを続けるルークの隣にちょこんと座り読書に没頭するタバサを横目で見つつそう告げる。
 二人の目の前では、ルイズとキュルケの彼に合う剣について喧々諤々の論争を展開。
 答えは出きっているのだが……そんなのお構い無しらしい。

「………タバサ」
「………ルークだ」
「知ってる」
「そうか」

 煩い二人とは対照的な二人。そして、大方デルフリンガーの錆を落とし終えた所で彼は立ち上がり。
 今だ騒音を振りまく二人を尻目にさっさと部屋をで行く。その後ろにタバサが、着いて行くあたり本当に煩いのだろう。
 二人が出て行った事にまったく気づかない騒音振りまく二人。

「私が買ってあげたインテリジェンスソードが、良いわ……よ……ね?」
「いいえ! このシュペー卿が………あら?」

 ルークとタバサが、部屋を出て行って十五分後にやっと二人が居ない事に気づき慌てて部屋を出てゆくルイズとキュルケ。
 二人が何処に行ったのかは不明だが、まぁ部屋の中に居るより捜しに出た方が早いと思ったのだろうか?

「競争よ! ツェルプストー!」
「えぇ! ダーリンを一番最初に見つけた方が! ね!」

 捜すは捜すでも、ただ二人を捜すのではなくどっちの剣を使わせるかと言う競争に発展したようだ。
 そして、やっぱり騒音撒き散らしながら廊下を走りかけ……安眠していた生徒達から思いっきり怒鳴られる二人であった。




 ルイズは『デルブレイカー』『ブラストボイス』の称号を手にいれた。
 キュルケは『八方美人』『ブラストボイス』の称号を手にいれた。
 タバサは『読書少女』の称号を手にいれた。
 ルークは『デルブレイカー』『お子様?』の称号を手にいれた。
 ペリッソン以下四人は『空気嫁』の称号を手にいれた。

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