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ルイズの回顧録 another

私ことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが召喚した男は実に変だった。
何が変って第一声が
「あぁ、よくありません、実によくありません。誰も黒くない上に大地にすら黒い所が無いではないですか。黒こそ至高の色!黒以外に価値なぞないのです!
 というわけで染めましょう。全てを真っ黒に!ふわははははははははははは!」
これである。
なるほど黒が好きと言うだけあって彼の姿は徹底して黒で固められている。真っ黒な髪と目(目つき悪…)、黒いローブと靴に杖。更には使い魔まで真っ黒だ。
杖を持ちローブを着込んでいる所からしてメイジなのだろう。しかし、いくらメイジであろうとこんな偏執狂(パラノイア)を使い魔として認定されてはたまらない。
ので、当然私は召喚のやり直しを求めた。
しかし許可は下りず、結局この変人と契約する羽目になってしまった。
おのれ、この恨み末代まで残るものと思へ。そんな呪いの言葉を心中で禿教師に向かって吐きながら、投げやりに契約の呪文を唱え契約を済ませた。

さてそんな使い魔ではあるが、契約した次の日はとても静かだった。どうやら黒が自分以外に無いのが寂しいらしい。
ザマァミロと思いながら洗濯を命じて部屋から追い出した。少し心が晴れる。

しかしそれも長くは続かなかった。

意気消沈した男が哀愁漂う姿でちゃぱちゃぱと洗濯するのを眺めてやろうと思い、私は使い魔の後を追ったのだが。
そこで男が黒に遭遇してしまったのである。即ちメイド。
メイド服というのは黒が基調である。更に運の悪いことにそのメイドは黒髪黒目だった。

一瞬で男は元気を取り戻し、しきりにメイドを誉めそやす。顔を赤く染め、照れるメイド。
期待を裏切られた不満に何となく気に食わない気分がプラスされ、化学反応を起こした結果、それは怒りへと変わった。

今考えてみると大層理不尽なことだが、当時の私はコンプレックスの塊だったのだ。少しくらいの我侭は容認されてしかるべき…だと思わない?

何はともあれ怒った私は男の後頭部を爆破し、憂さ晴らしをした後部屋に戻った。少しすっきりした。
無傷で部屋に帰ってきた男を見たせいで再び頭に血が上ってしまったが。ああ思い出したらまた腹g(ここから先は文字が盛大に歪んでいる為解読不能)


さて、この男。話を聞くところによれば異世界からの来訪者であるらしい。
ならば証拠を見せろと迫る私に、男は真っ黒な稲妻の呪文を唱えて見せた。
何故に真っ黒なのかは本人の趣味との事で。それに意味があるのかと問うたところ、答えは「黒でない稲妻に何の意味があると言うのです?」
貴様は質問に質問で返せと教わったのかと小一時間問い詰めたかったのだが時間の無駄と判断して稲妻に関する尋問は終了。

次に私は呪文について質問をした。男の唱えたソレはハルケギニアの既存のものと比べて遥かに短かったのだ。
こちらの質問についてはきちんと説明をしてくれた。色に関する事でなければ至極まともであるらしい。なるほど。

で。

男が使用した魔法は真音魔術と言われるもので、物体に対して自らの我侭を押し付けることにより力を発現させる技術……らしい。
世界を律するといわれる『真なる音』を呪文として紡ぐ。それはわずかな音節で多くの意味を持っている為、非常に短い呪文で魔術を行使できる、と。
わかりやすく例を挙げると、例えば光の障壁を生み出す呪文の場合は次のような意味があるそうだ。
『おおっと、ここに壁があるぞ!壁ってくらいだから貧乏黒魔術士の破壊光線だろうが魔人の星流れだろうが絶対に通さないぞ。いいか、絶対だからな!』

ちなみに呪文の方は『シュラブ・ア』だけで済むそうです。これ何て反則技?

と思ったけれども現実にはそんなに使い勝手は良くないようで。
無生物を無理矢理自分の我侭で使役する為に精神力をえらく使うのだそうだ。イメージ的には『ワシの言う事聞かんかいおんどりゃアアアアア!』という感じ。
それだけ気合を込めて呪文を唱えればそりゃあ疲れるだろう。

…ウマイ話には裏があるって本当だったんですね。
そういえばエレオノール姉さまもそんな事言ってたっけ。見合いに出てくる条件の良さそうな男には何かしら後ろ暗いところがあるとか何とか。

閑話休題

それで。
男曰く押しの強さと真音の知識さえあれば誰にでも行使できるものだそうなので、私はそれを習うことにしました。
爆発しか起こせない従来の魔法になど未練はなかったので男の解説を聞いた後即座に弟子入りを決意したのだ。

が。この男

「面倒なのでイヤです」
などとほざきやがりました。破壊力だけは無駄にある私の爆発魔法で真っ黒焦げにしてやろうかと脅してみはしたものの
「真っ黒焦げ……それもまた素晴らしいいいい!」

この おとこ には こうかは ないようだ……

そこで貴族の資金力にモノを言わせて黒髪のメイドを男の専属にすることで、どうにか男の承諾を得た。
メイドの方も満更ではなさそうな様子だったので問題にはならないだろう……多分、そう、だと、思いたい。

そのメイドが男の専属になった次の日にメイド服が換えも含めて全て真っ黒に染められていたのはきっと気のせいだろう。うん。


ところでこの真音魔術であるが、どうやら私は相性がとても良いらしく簡単なものなら直ぐに行使できるようになった。
「素晴らしい押しの強さです。この我侭さ加減……さては末っ子ですね?」
こんな言葉も耳に入らないったら入らない。
何しろ最も簡単な部類に入るアンロック等ですら爆発という現象に帰結させてしまう私が杖の先端を発光させたり物体を浮遊させたり出来るのだ。

今の私はゼロのルイズか?
                 ―否!
私は魔法を行使出来るか?
                 ―出来る!出来るのだ!

これが楽しくないはずがない。私は毎夜貫徹するくらいの勢いで学習していった。
おかげで授業は常に睡眠学習。更に成績も徐々に下がっていってしまったが。キニシナイ!


真音魔術を習い始めてから二月程が経った頃、私は男から教わったことのほぼ全てをマスターしていた。
これは異例のスピードだったらしく、男も褒めてくれた。(黒に関する事以外で男が何かを賞賛するのは非常に珍しい)
思わず私の顔も綻んでしまう。
尤も一人前の証として黒い塗料を呼び出す呪文で真っ黒にされかかり、その表情はすぐ憤怒へと変わる事になったのだが。

呪文やら何やらを習得し終えた私が、次に何を目標とすれば良いのかを問うたところ、あとはどれだけの意味を呪文に込められるかが課題となるとのこと。
ならばと今度は食事中、授業中問わず呪文の内容をひねる事に時間を費やすことにした。
おかげで特殊スキル:ジャイ○ニズム(男命名)を習得。交渉事に於いて自分の我侭を通すのが異様に上手になってしまった。
何というかこれは人として色々とダメなんじゃあなかろうかと疑問に思いつつも、先日も面白そうな剣を見かけた際についゴリ押しして値段を1/10にまで値切ってしまった。
武器屋のおじさんが泣いていたのなんか見ていない。すすり泣く声だってアーアーきこえなーい。

それから半月程経った頃、街で
『早く店を閉めろ!桃色の悪魔がやって来るぞ!客の頭を見ろ!桃色の悪魔かも知れないぞ!』
と書かれたビラが、えらく凶悪にデフォルメされた私の姿らしき悪魔の挿絵つきで撒かれているのを知った時卒倒しかけたのは内緒だ。


――ルイズの回顧録 another

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