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神聖マルコメ帝国-1

絶対王政がその限界を露呈しつつある今、人々は新しい政治体制を望んでいる―――
大いなる千年王国。男なら誰もが夢見た、愛と徳による共和政体。しかしてその実は独裁帝政。
今、歴史的実験が一組の男たちにより進められようとしていた。
俺たちの理想郷、その名も……

『神聖マルコメ帝国』
 第一話 べっ、別にあんたたちなんか死んでもいいんだからねっ!


ある春の夜。ハルケギニア大陸トリステイン王国にて。
ここはトリステイン魔法学院、学生寮の一室。太っちょの少年と、何やら落書きのような小柄な中年の男が、
ちゃぶ台について食事をしている。なぜかトンカツとご飯に味噌汁であるが。
その男は、でかい頭に赤色灯のついたヘルメットを被り、耳にはライトのような突起物がある。
貴族っぽい服とマントを身に着けてはいるが、ズボンと靴を履かず、セクシーなパンツ丸出しであった。

「(ダン)何がマルコメ帝国だ! 僕の名前は『風上』のマリコルヌ・ド・グランドプレだあ!
 お前、僕をもてさせてくれるんじゃなかったのか!? さっきからトンカツ定食ばっかり食いやがって!」
「風邪っぴキー、わしらがなぜもてないかというと……何かの陰謀じゃよ!!」
「ハッピーな生き様さらしてんじゃねえ!!(ズガー)」
怒れるマリコルヌの蹴りが、変態男をちゃぶ台ごと吹き飛ばす。

「お前が僕の『使い魔』になってから、僕の生活はどうなった!?
 僕はすでにクラスの連絡網の順番からも外されてんだぞ! 飛び石作戦かよ!」
マリコルヌの嘆きが部屋に響く。この男は、彼の使い魔らしい。
「フッ、あんぽんたん……(ユラァ)」
男がゆっくりと立ち上がる。そして力強く宣言する。

「ナオンあふるる『神聖モテモテ王国(愛称・キムタク)』の建国は、神に託された大事業なのじゃよー!
 都合により建国が頓挫していたが、この世界にもMOとMNO、そして犬の醜い争いが続いていた。
 わしはその争いに終止符を打つため、異世界からふらりと墜落した、救世主なのじゃよ―――!!(バアン)」

なお、MOとは『もてる男』、MNOとは『もてない男』の略語である。
そして、犬は天敵であり猫は味方。男は敵でMOは不倶戴天の敵。

「この神聖モテモテ王国国王、ファーザー・ド・グランバザール一世(アザナはビッグファイヤー)が、
 卑しき使い魔などに身をやつし、MNOたる貴君と同君連合を組んでナオン立憲君主国として生まれ変わろうという、
 国家存亡の秋(とき)に内部分裂で国力を使い果たせば、アンドロメダの彼方から……」

どうもこの『ファーザー』という男、少し、いやかなりヤバイらしい。
身振り手振りで必死に説得力を与えようとするが、根本的にダメだ。九割がた聞き流した方が精神衛生上よい。
やがて彼はマリコルヌにすり寄り、羽扇を手に耳元で説得にかかる。

「お前は光の快男児。トップブリーダーが推奨する伝説のカッコマンじゃよ~。自分を信じろ。お前は光の超人だ。」
「…………」
「あと、わしは謎の宇宙人じゃあ! 23の謎があるんじゃよー。(ギャハー)」
ぶち切れたマリコルヌが、ファーザーの襟首を掴んで吊り上げる。
「もういい、死ね!!」
「た、助けてえ……(ジタバタジタバタ)」


「建国とか宇宙人とか、僕はどうだっていい! 僕はただ一度でいいから、女の子にもててみたいだけだあ!!」
彼女いない暦=年齢の少年の、魂の叫びであった。締め上げる力が強くなる。
「ワワワ、いいから早く許……し……(ガクッ)」
ファーザーは口から泡を吹き、あえなく息を引き取った。

「……また死にやがった。でもしばらく経つと復活して、何事もなくトンカツ食べてるし……。
 こいつってどうやったら完全に死ぬんだ? 別の使い魔が呼び出せないだろうが。」
薄情な主人である。実際、呼び出されてから三日、いろんな方法で男は死にまくっているが、
必ず生き返ってしまうのだ。悪魔か何かだろうか。
「もういい。こいつ如きの力を借りないと、ナオンもナンパできない自分が情けない……。」


思えば、使い魔召喚の儀式での事であった。
『ゼロのルイズ』が何十回も失敗爆発を繰り返した末、冴えない平民の少年を召喚した。
僕は笑ったが、焦ってもいた。なぜか召喚がうまく行かない。ゼロが伝染ったのだろうか。
その時、爆発が起きた。いや、何かが激しい速度で天空から落ちてきたのだ。
皆は突然の爆風に吹き飛ばされ、転げまわった。

(ゴゴゴゴゴゴゴ)
立ち込める土埃の中、一人の小柄な男が倒れ伏していた。マントと兜を身に着け、一見貴族風だ。
「なっ……なんだこりゃ? 青春の幻影か?」
呆然とする僕。近くの生徒が、恐る恐る男の様子を見る。血塗れで、ピクリとも動かない。
「でも、死んでるぞこいつ……。」

【巨星墜つ!!】

亜人の死体か。いや、召喚ゲートが何かの拍子に上空に現れ、墜落死させてしまったのか。
我にかえった僕は、自分が召喚したと思しい男に近づき、抱き上げた。
「ダメだ、息してないし、心臓動いてないし……何だコイツ(グイ)」

サッと風が吹き、女生徒のスカートがめくれる。僕は思わずそちらを振り向き、首を伸ばす。
すると、抱き上げられた男も目を覚まし、にゅうと血塗れの頭を亀のように伸ばした。
振り返った僕と、目が合う。その目は平行四辺形で、どうみてもイカレていた。
靴や靴下どころか、ズボンを履いていない。変態だ。

「うわあああアアああアあああアア」


恐怖した僕は、男を地面に投げ落とす。しかし男は、骨がないような細い体を弾ませ、バウンドした。

ご~~~ン

僕と男の前歯がぶつかり、互いの歯茎と鼻から血が出て仰け反る。
「うげ!? 僕の唇が切れた!!」
「ム? ……ギャヤヤヤヤヤ!!? わなばばばばば、おぎゃ―――――!!
 胸が熱いいいい! いきなりなぜぇ? なぜこんな事になるのか聞きてえ――――!
 とにかくわしは、今日も死ぬのですか―――(ア――――)」

変態は突然胸を押さえてもがき苦しみ、光り輝く綺麗な液体を吐き散らすと、再び息絶えて静かになる。
と、いきなり立ち上がり、叫んだ。着ていた服の胸には、よく分からない文字が大きく描かれていた。

「わしの宇宙第一種礼服が、清原のユニフォームに―――――!!?
 ええい、こんな恰好では内角ばかり攻められかねん。あっ、わしの玉の肌にまで同じ痣が―――!?
 これなんて南総里見八犬伝?(エウッ エウッ)」

元気に騒ぎ立てる変態を遠目に眺めつつ、引率教師のコルベールは無情にも告げる。
「……ミスタ・グランドプレ。本当によろしいのですな?
 貴方はあの(頭の)おかしな生き物を召喚し、使い魔として契約しました。
 一生のパートナーとして、管理しなくてはならないのですぞ……。」
コルベール先生は、涙ぐんでいた。……あれで契約できたのか? 呪文もなしで?


「あのまま、よく分からんうちに、お前のペースに乗せられてこんな事に……」
「もてさせてやるって言っただけじゃよ?」
マリコルヌは膝を抱えて泣き咽び、ファーザーはいつの間にか復活している。
「大体、お前は一体何なんだ! 宇宙人って亜人の一種かあ!?」
「よ……よーし。わしの正体については諸説あるが、代表的なものをあげてみよう。」
「お前のことだぞ?」

【ファーザーの正体に関する諸説】
  • 謎の宇宙人。
  • モテモテ王国を神に約束されている。
  • 23の秘密がある気がした。
  • オンナスキーの父。
  • 謎の組織に追われている。
  • 耐熱性に優れている。
  • 死んでも死にきれない。
  • 3つのノウハウがある。
  • ある帝国から優れた何かを感じた。
  • にこやかな白人男性の夢を見た(正体か?)

「これじゃ何も分からんのと一緒だ!!」


「とにかく今日は、お前にあげたいビッグプレゼントがあるのじゃよー。
 はい、わしの著作物。(スッ)」

ファーザーは、懐から一冊の本を取り出し、マリコルヌに手渡す。
「また……寝言みたいなポエムなんていらん!(スッ)」
マリコルヌは怒りに打ち震え、杖を構える。
「フッ……ところがこの本は、ナオンにもてるテクニック満載の、必須アイテムじゃよー!
 またの名を『モテモテの木』。類似品に注意せよマルコメスキー。」
「なんだってえ――――!?(バッ)」
やはりこいつも、馬鹿である。

「ホホホ、食いついて参った。早速じゃが、お前……夜這いしろ。」
突然の刺激的な提案に、ブウッと噴き出す。
「いきなりそんなレベルの高い任務(ミッション)を与えるな! ぼ、僕にできるわけないだろ!」
「しからば、この国王自ら出陣じゃよ。そしてピザスキー、お前は後から来い。
 わしに襲われているいたいけな嬢ちゃんを、お前が正義の心で救い出し、ナオンのハートをゲットじゃぜー。」
「そ……そんな深謀遠慮が……しかもいい役を僕にくれるなんて……有難うファーザー!
 ……でも、襲うのに夢中になって、ナオンを助けに来た僕を刺すなよ!」

「!! …………」
ファーザーが何かを悟り、動きを止める。
「返事はどうした!!」

その後、二人はキュルケの部屋へ行ったが、間違ってルイズの部屋に入ってしまい、
爆発を喰らって血ィ噴いて死んだ。


ナオンと彼らだけの蜜あふるる約束の地、神聖マルコメ帝国。
これは、その理想郷の実現を目指す、彼ら二人の物語である。
社会の弱者です! お楽しみに!!

(続くらしい)

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