あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

レプリカ・ゼロ-6

休日に当たる虚無の曜日にルークとルイズの二人は、トリステインの城下町にとある物を買う為に来ていた。
 とある物とは、ルークの得物。つまり剣。もともとルークは、剣士でありギーシュ戦で見せた特技は、
 あくまで剣を使用しないでも使える特技ゆえに、種類が制限されていたのだ。
 その、ギーシュ戦から数日経過した時点で、唐突にルークが「剣売ってる場所とか無いか?」と尋ねたのが
 今、二人が此処に居る理由である。まぁ、その経過した数日の間に色々とあったのだが……それは、後で記すとしよう。
 学院からは、馬に乗り三時間もかけて到着した次第である。
 何はともあれ二人は、目的の場所に向かって歩き時々、ルークが質問した事に対してルイズが答えると言う時間が過ぎてゆく。
 道の狭さと人々の喧騒を見て、まるでケセドニアみたいだな。と、思うのだが
 今歩いている場所が、この城下町において一番広い大通りと聞いてルークが「へ?」と、間の抜けた表情を浮かべたのは言うまでもない。

 道端に溢れている露店にこの活気、本当にケセドニアに来たみたいだ。と、思いながら
 途中で、露店なんぞを覗くルーク。そんなルークに呆れ気味のため息を吐くルイズ。
 遠くから見たら、仲の良い兄妹とでも見られるだろう。

「ほら、寄り道なんてしないで武器見に行くんでしょ?」

 それに、此処スリが多いんだから。と、呆れ気味に告げるルイズに、スリねぇ? と、怪訝な表情を浮かべ……
 以前、ケセドニアで漆黒の翼に財布を気づかぬ内に盗られた事を思い出す。その時は、親友であるガイが居た為財布は戻ってきたのだが。

「結構、入ってて重いからそう簡単にスラれねぇと思うんだけどな」
「そんなの魔法を使われたら一発で終りよ?」

 ルイズの言葉に、へぇ。と、深く聞かずにとりあえず用心するか。と、ルークは少々気を張る事にした。
 何故、深く聞かなかったかといえば魔法を使える=貴族であるこの世界で、わざわざスリに魔法を使うヤツが居るのならば
 それは、没落した貴族や何か訳ありで貴族じゃ無くなったヤツなのだろうと、容易に答えが分った為だ。
 んじゃま。武器見に行きますか。と、ルークは頭の後ろに腕を組んで暢気にそう告げるとこっちよ。と、ルイズが先導し
 大通りより更に狭い路地裏へと歩を進めるのだった。

「裂破掌!」

 途中、ガラの悪い連中が通行料を寄越せなぞと因縁をつけてきたので、速攻で退場を願うルークの姿があったりなかったり。
 さらに、そのガラの悪い連中が、テメェ! 覚えていろ! と、在り来りな捨て台詞を残して逃げる姿を見て……
 「在り来りだな」「在り来りね」と、二人がそんな会話を交わしたりしながら、ようやく目的の場所に到着する。
 休日だというのに、なんか疲れるわ。呟くルイズを尻目にルークは、さっさと武器屋の中に入ってゆく。
 武器屋の中に入れば、へぇちゃんとした武器屋だ。と、ルークは心の中で思う。一体どんな武器屋を想像していたのか

「旦那。貴族の旦那。うちはまっとうな商売をしてまさあ。お上に目を付けられるような事なんか、これっぽっちもありませんや」

 やたらドスの利いた声が、武器屋の中に響く。
 その声は武器屋の主人の物で主人はカウンターの向こうに座り、パイプなんぞ吹かしながら睨む様にルイズとルークを見ている。

「客だ」

 ルイズのかわりにルークが、そう告げると主人は、驚いたような表情を浮かべて何事か言おうとするのだが
 ソレより早くルークが口を開き「それなりの強度としなりを持った剣が欲しい」と、告げる。
 主人は、言葉を遮られ少々苦虫を噛んだような表情を浮かべたが、直ぐに愛想の良い笑顔を浮かべると
 少々まってくだせえ。と、言いながら奥へと引っ込んだ。
 そんな、主人を胡散臭げに見送るルーク。ソレとは対照的に武器屋なんぞ初めてなのかルイズは、へぇ~と興味深げに
 壁に飾られた武具をジロジロと観察している。
 しばらくして、主人が一本の華奢な剣を持って来る。
 それは、一般的にレイピアと呼ばれる突く事に特化した剣で、珍しい品ではないのだがそのレイピアには、
 きらびやかな紋様が、ついており『綺麗』なレイピアだった。

「そういや、昨今は貴族の方々の間で下僕に持たすのが、流行っておりましてね。
 その際、お選びになるのがこのようなレイピアですさぁ」

 主人の言葉に、ルイズはそのレイピアを見て確かに貴族の下僕に似合いの綺麗なレイピアね。と、思う。

「貴族の間で、下僕に剣を持たせるのが流行ってるの?」

 ルイズの言葉に、主人はもっともらしく頷く。

「最近、トリステインを荒らす盗賊がおりましてね……土くれのフーケってぇ盗賊なんですが、
 ただの盗賊じゃなく、メイジの盗賊で貴族の宝を散々盗みまくってるってぇ話ですさあ」

 それで、恐々した貴族方が、下僕にまで剣を持たせる始末。と、主人の言葉を聞きへぇ~と、初めて知ったとルイズは、感嘆する。
 そして、レイピアを再び一瞥した後で「もっと大きくて太いのは無いの?」と、尋ねる。
 あるには、ありますが……と、主人はルイズを見てルークを見る。その後で、少々お待ちくださいませ……
 と、頭を下げレイピアと共に奥へと引っ込んだ。

「おい。ルイズ」
「なによ?」
「何勝手に注文つけてんだよ。まだレイピア握ってもいなかったんだぞ?」

 そんなルークの物言いに、あら? お金を出すのは誰かしら? と、チェシャーキャットの様な笑みを浮かべるルイズ。
 その笑みを見て、へいへい。と、呆れ気味にため息を漏らす。
 次に、主人が持ってきたのは1.5メイルほどある大剣。
 先程のレイピアよりも煌びやかで、所々宝石が散りばめられ両刃作りの刃が、鏡面の様にキラリと光を反射して輝く。

「店一番のわ」
「いらねぇ。んなの」

 大剣の説明に入ろうとした瞬間、却下の声。早すぎる却下の声に、主人並びにルイズは、目をまん丸に見開いてルークを見る。

「どう見ても装飾用だろうが、野菜を刻むぐらいにしかつかえねぇよ」

 今だ、目をまん丸に見開いている二人を見てチッと舌打ちした後で踵を返すと、武器屋から出て行こうとするルーク。
 そんなルークに慌ててルイズが、声をかけるが「此処じゃ、まともな武器も買えねぇ。包丁振るってた方がマシだ」
 と、吐き捨てる様につげ、武器屋の扉に手をかけさっさと出て行こうとすると……

『親父! 確かにそんなぁ鈍らじゃぁ野菜を刻む事にしかつかえねぇな!』

 唐突に、何処からか笑い混じりの声が武器屋に響く。
 その声に、主人は完全に顰め面を浮かべ……ルークは、声のする方に視線を向ける。
 しかし、視線の先にはダレも存在せず、あるのは無造作に樽に入れられた武器。

『おい! 坊主! おめぇ見る目が、あるじゃねぇか!』

 さらに声が発せられると、主人が怒鳴り声を上げ「やい! デル公! テメェ黙ってろ!」と言うが
 デル公とやらが、黙る気配は毛頭無い。黙る所か、更に笑い声交じりに喋りだす。
 ルークは、怪訝な表情を浮かべながらも声の発している場所を特定し、その場所まで歩み寄ると無造作に樽に入れられた剣の中から
 一本の錆が浮かんだ剣を手にとる。その剣の長さは、主人が持ってきた大剣とほぼ同じでだが、刃は細く薄手の長剣だった。
 また、片刃ゆえにローレライの鍵を手にするまで使用してきた武器の一つ『カタナ』に形状が近いなぁなどと、思う。

「それって、インテリジェンスソード?」

 ルイズが、当惑した声をあげた。

「そうでさ、若奥様。意思を持つ魔剣、インテリジェンスソードでさ。いったい何処の」
「おい。ルイズ。これ買ってくれ」

 再び声を遮られた主人は、しょぼくれた表情を浮かべながらルークを一瞥しため息をつく。

「そんな気味の悪いのじゃなくてもいいじゃない」

 それに、見てくれも悪いし……と、告げるルイズにインテリジェンスソードが、鍔を激しく鳴らし何事か言おうとしたのだが……

「見てくれに関しちゃ、多分錆だけだ。それに、重さも……」

 ルークは、人も武具も置いていないのを確認してから一度だけインテリジェンスソードを振るう。

「撓りは、少し不満あるけどが、強度もありそうだしな」
『おぉ! やっぱりわかってるねぇ! 流石、使い手!』
「使い手ってなんだよ?」
『忘れた!』

 と、言う訳で買ってくれ。と、あっけらかんと言い放つルークに、ルイズは呆れ顔を浮かべ主人を見る。
 やはり、主人も呆れ顔を浮かべ何処か諦めたと言わんばかりの雰囲気を醸し出していた。
 ルイズもルイズで、あぁこれ以上なに言っても無理ね。と、何処か悟った様に思う。

「主人。アレ幾らかしら?」
「へ、へぇ……新金貨百が相場ですさあ」

 その言葉に、カウンターに新金貨百枚を置くとルイズと主人は、やりきれない表情をお互いに浮かべて同時にため息一つ。
 一応、鞘に収めれば喋りませんさあ。と、主人から鞘を受け取った後すぐにルークに投げつける様に投げ渡すルイズ。
 それを受け取り損ね「いてっ!」と、ルークが小さい悲鳴を上げたりあげなかったり。

『これからよろしくな! 相棒!』
「そういや、お前名前なんてあんのか?」
『おう! デルフリンガー様って立派な』
「んじゃデル公これからよろしくな」

 インテリジェンスソードの自己紹介をやはり途中から遮って尚且つ、さっさと鞘に収めるルーク。
 そして、ルイズのさっさと出るわよ。の言葉にへいへい。と短く答え鞘に収めたデルフリンガーを何時もの場所に挿し
 武器屋を後にするのだった。

「まったく、変な客だったな。なぁデル公。お前もそう……って、今し方買われちまったんだっけか」

 何処か、空しい呟きが武器屋の中に響いて消えた。
 主人は、ドカッと椅子に座り今だ手に持っていた店一番の業物。
 ゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿の魔法が掛かった剣を手に取るとそれをおもむろに磨き始めるのだった。
 磨き始めてからしばらくして、武器屋に再び客が訪れ……

「ねぇ。なんでそんな気味悪いし見てくれの悪い剣にしたのよ?」

 馬の背に乗りゆっくりと学院への帰路に着く中、ルイズが改めてそう質問する。
 ソレに対してルークは、は? なんでンな事聞くんだ? と、言わんばかりの表情を浮かべた。

「武器屋の主人が、持ってきた綺麗な方が良かったんじゃないの?」
「アレは、装飾用だってんだろ? 飾りには、最適だろうが……実践じゃ意味ネェの」
「? 剣には変わりないんじゃないの?」

 本当に分っていないのか、ルイズは小さく首をかしげる。
 そんな様子を見て、だから、説明するのはガイの役目なんだって! と、今此処に居ない親友に愚痴りつつ空を見上げると
 何故かその空に、やたら綺麗な笑顔を浮かべた親友の姿。

『はっはっは。ルーク。ほんと、箱入りすぎるのも困ったもんだぞ~』

 何故か、そう言ってる気がしてうるせぇ。と、とりあえず心の中で親友を殴っておく。
 そして、改めてルイズの方を向き慣れない説明を延々とする事となるのだった。
 時々、んなのもわからねぇのか! とか……メイジは剣なんて振るわないからわかんないわよ! この馬鹿! やら、
 んだとー! と、やたら賑やかな帰路の時間になるのであった。 



 武器『デルフリンガー』を手にいれた。
 ルークは称号『人の話を聞かない』を手にいれた。
 武器屋の主人は称号『ちょっぴり寂しがり屋』を手にいれた。

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