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ゼロの登竜門-02

ゼロの登竜門 幕間 討伐の成果報告


ルイズ、キュルケ、タバサの三名はオールド・オスマンに報告をする。
そして丁度学園長室にいたコルベールも一緒に聞くことにするらしい。
「ふむ、まさかミス・ロングビルがフーケだったとは……。最初から学院に潜り込むつもりだったんじゃな」
「いったい何処で採用されたんですか?」
「街の居酒屋じゃ。美人だったものでなんの疑いもせず秘書に採用してしまった」
ミス・ロングビルがフーケだったことを伝えると、オスマン氏はそんなことをのたまった。
その後いくつかオスマンとコルベールが言葉を交わす。三人はダメな大人の一面を垣間見た気がした。
三人のそんな視線に気付いたのか、二人はコホンと咳払いをして話題を変える。
「さてと、君達はよくぞフーケを捕らえ、『破壊の小箱』を取り返してきた。これは大変名誉なことである」
そう、さまざまな貴族の屋敷に忍び込み、お宝を易々と盗み出していたフーケを捕らえたのだ。
三人は恭しく礼をする。
「フーケは城の衛士へ引き渡した。破壊の小箱は無事に戻ってきた。一件落着じゃ」
そう言ってオスマンは机の上に置いた小箱を、袋の上からポンポンと叩いた。
「君達の『シュヴァリエ』の爵位申請を宮廷に出して置いた。追って沙汰があるじゃろう。ミス・タバサはすでにその爵位を持っているから精霊勲章の授与を申請しておいた」
オスマンのその言葉に三人の顔が輝いた。
といっても、タバサの表情は相変わらずだったが。
「本当ですか?」
「本当じゃとも。いいんじゃよ、お主らはそれくらいのことをしたのじゃから」
キュルケの言葉に、オスマンは孫を見るような笑みでそう返した。
そして話題を変える。
「さて。今日の夜はフリッグの舞踏会じゃ。破壊の小箱の憂いもなくなったことだし、予定通り執り行う」
オスマンの言葉にキュルケの顔がぱっと輝いた。
フーケの騒ぎですっかり忘れていたようだ。
「ほっほっほ、今日の舞踏会の主役は君達じゃ。用意をしておきたまえ。せいぜい着飾るのじゃぞ」
三人は一礼してドアへと向かう。
キュルケがドアを開いて外へと出る、その時ルイズがピタリと立ち止まった。
「ルイズ?」
「気にしないで、わたしはもうちょっと話すことあるから」
怪訝そうにするキュルケだったが、強いて追及することでもなく、先に歩くタバサへ付いて階下へと消えた。
ルイズはドアを閉め、二人へと向き直る。
「何か……聞きたいことがありそうじゃな」
オスマンのその言葉にこくりと頷いて、コツコツと歩いて元の位置に戻った。
「その……破壊の小箱のことなんですけど……いったい何処で?」
「……なぜそのようなことを気にする?」
オスマンの質問返しにルイズはしばし沈黙する。そして怒られる事を承知で告白した。
「その小箱は、キングが使うことが出来たのです」
「キング?」
コルベールの言葉に「わたしの使い魔です」と答えた。
「その小箱を使った途端、キングは、白い閃光を放ちました。閃光はフーケの数十メイルもあろうかというゴーレムの胴体を跡形もなく消し飛ばしたのです」
その証言にコルベールは目を輝かせる。そしてオスマンは袋の中から小箱を一つ取りだして、起動させる。
ピンポン、と音がしてアナウンスが。
「………このことは他言無用じゃよ? お主らが信頼できる者として話す」
オスマンが二人へ順繰りに視線を向けると、両名ともこくりと頷いた。
「まず、ミス・ヴァリエールの使い魔、キングが使うことが出来た理由はその使い魔のルーンが理由じゃろう」
「使い魔のルーン?」
疑問符を頭に浮かべながら呟いたルイズへ、オスマンはコルベールへ指示する。
コルベールはそれに答え、その手に持った本を開いた。
そして、ルイズがそれに目を落とす。
「ミョズニトニルン。始祖ブリミルが従えていたという伝説の使い魔のルーン。キングのルーンはそれとまったく同一のモノだったのです」
タマゴにはルーンが刻まれていなかった、その為コルベールは生まれたら連絡するようにルイズに伝えたのだ。
彼がキングのルーンを確認したのは、ギーシュが気絶したその後のことである。
「珍しいルーンだと思い調べてみたのですが記述がまったく見あたらず、ここまで遡ってやっと……」
コルベールがそう言うが、ルイズはじっとその本の記述を見つめていた。
「なんでも、あらゆるマジックアイテムを扱うことが出来たそうじゃ。小箱を使うことが出来たのもそれが理由じゃろう」
オスマンのその言葉にルイズは本から顔を上げる。
「マジックアイテム? では小箱はやはりマジックアイテムなのですか?」
「それはわからんのじゃ。なにせわしがどんな魔法をかけても小箱はウンともスンとも言わんのじゃからの。マジックアイテムならば魔法をかければ何らかの反応が返るはずなんじゃが……」
「ポケモン……」
「?」
ルイズの呟きに二人は首を傾げた。
「ポケモン、と言う単語に心当たりは?」
その言葉に、オスマンはもう一度小箱を起動させ、アナウンスが流れる。
「この言葉じゃな。あいにくわからん……小箱を預かった少年も詳しい話はしてくれなかったしの……」
「少年?」
オスマンはこくりと頷いて、語り出した。
「今から……そう、三十年前になるか。三十年前、森を散策していたときワイバーンに襲われた。そこを救ってくれた少年が、小箱を預けたのじゃよ」
「あずけた? なぜです」
「それは……皆目検討も付かん。紺色の……見たこともない美しいドラゴンに乗った少年じゃった。珍しい黒髪をしておったよ」
二人とも、黙って聞く。
「他にも何人かそのドラゴンに乗っておった。その内の一人は……そう、ミス・ヴァリエール。君と同じような髪をしておった」
「わたしと同じ……ですか」
「うむ。何人乗っていたかはなにぶん昔のことなので思い出せないが……四人くらいは乗っていたかのう……」
「それで……彼は他には何か?」
「…………そうじゃな、乗り合わせた少女が彼に耳打ちをして袋を彼に渡したんじゃ。彼は背負っていたカバンから小箱をいくつか袋の中に入れた。その時に言った言葉が……」
そこで一旦区切って、オスマンはお茶を一口飲んだ。
「そこで彼は「これは『破壊の小箱』です。何も言わずに預かっていて欲しい」と言ったんじゃ……彼らとはそれっきりじゃ、今回盗まれるまでとんと忘れておった」
「そう…………ですか」
「命の恩人の頼みとあらば断ることも出来なくてのう。彼は「使い道がわかれば使っても構わない」と言ったんじゃがあいにく使い方がわからなかったのでな。ずいぶんお蔵入りしておったんじゃよ」
ルイズはオスマンの目を見るが、ただじっと見つめ返されるだけ、これ以上話す事は無さそうだ。
「わかりました……失礼します」
ぺこりと一礼してルイズは踵を返す。
カチャリとドアを開けて外に出て、ぱたんと閉めた。
そして学園長室にはオスマンとコルベールが残される。



「あの、オールド・オs「実はのう、コルベール君」
しばしの沈黙の後、コルベールが発言したがオスマンがソレを遮るように語り出した。
「なんでしょう」
「ミス・ヴァリエールに伝えておらぬ事がいくつかあるんじゃよ」
「いくつか…………ですか」
「実はその時、少年はドラゴンに乗っていただけではなく、淡い緑色の、不思議な生き物をも従えておったのじゃ」
「緑色の……」
「彼らの周囲を飛び回っておった。常に動き回っていたためハッキリとした姿は捉えられなんだが……これくらいじゃったかな」
そう言ってオスマンは両手でその大きさを説明する。
「だいたい……70サントかそれぐらいですか」
「うむ、その後さまざまな事典で調べはしたが全くもって調べられなんだ」
「未知のドラゴンに乗り。更に未知の生き物を従えてたと。そうおっしゃるのですか」
「どこから来たのかと聞いたら「遥か遠い場所から」と。ロバ・アル・カリイエかと聞いたら「ソレより遥か遠きところ」と」
「それより遠く……まさか……西の最果て?」
東のロバ・アル・カリイエでないとすれば、西の大海の遙か先しか無いはずだが。
「そんな有るかどうかも判らん物は引き合いに出すでない。行って帰ってきた者などおらんしの」
「失礼しました」
コルベールが詫びて一礼する。
その点で言ったら東も同じだが、陸続きであるという点では東の方が有利である。
エルフが暮らすサハラをどうにか超える事さえ出来れば、その向こうに土地があることは明確なのだから。
それにしても、ロバ・アル・カリイエよりもはるか遠くから来たと言う彼ら。
彼らはなぜ、そしてなんのために小箱をオスマンへと託したのか。
オスマンは数年間考え続けた。しかし答えは出ないまま三十年もの月日が過ぎた。
そしてこの度、フーケに盗まれたことにより、埋もれていた記憶は一瞬の内に発掘された。
ルイズにも、そしてコルベールにも話していない、彼らからの予言も。
オスマンは、閉じた扉をじっと見つめていた。



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