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モンコレから色々 見聞者ポケット編

使い魔召喚の儀式
神聖なものであるこの儀式は、本来厳粛な空気の中で行われるものである。
しかし今、その厳粛であるはずの空気はどこにもない。
タバサを除いた、その場に居る者全員―それは監督役の教師も例外ではない―が爆笑しているのだ。
尤も教師の方はすぐにまじめな顔に戻ったが。

生徒達が爆笑したのは何故か。
それはタバサという少女が呼び出した使い魔が原因である。

その使い魔は以下のような特徴を持っていた。
  • 小脇に本を抱えている
  • 鼻の上にはちょこんと乗った小さなメガネ
  • 知的な瞳
  • 地味目の服

即ち、召喚主であるタバサに似すぎていたのだ。
それが大きなネズミである事を除けば。

当のタバサは普段の無表情を少々憮然としたものに変えていたが、そのネズミと呼ぶにはあまりにも異質なものが持つ本を見た途端にその表情を一変させた。
それは驚き。
本を持っているということはそれ即ち高い知性を持っているということである。人間の言葉を解するかどうかは定かではないが、恐らく独自の文化形態を持っているであろう。
母が煽った毒は異質な物であった。人間の創造しうる物ではない。
ならば召喚されたこの異質な者が解毒方法を知っている可能性もあるかも知れない。また解毒は出来ないにしても何らかの手がかりは得られるかもしれない。
何せ博識である彼女が見たことも聞いたことも無いのだから。
あまり強そうでないのは少々残念ではある。ではあるが、母の治療が最優先事項である。
なればこそ、この使い魔と確実に契約しなければならない。

そう決心し、一つ頷いてタバサは契約に向かった。
しかしその歩みと同級生の爆笑は使い魔の放った一言によりピタリと止まることとなる。

「ええと、僕は召喚されてしまったのでしょうか?」

その問いに答える者はいない。たっぷり30秒は経った辺りで生徒達がざわめきだした。
「コルベール先生、タバサの呼び出した獣・・・あれは韻獣にござるか?」
「左様」
「左様って・・・」

コルベールとタバサだけの表情だけが変わっていない。そう、ミスターハゲもまた呼び出されたものの特異性に気づいていたのである。
尤も内心は驚いている様で、口調はおかしくなっていたが。

一方のタバサはというと、冷静にこれを分析していた。
一般に韻獣と呼ばれる存在は総じて知能が高い。また先住魔法を操る事も多い。つまり使い魔としては「当たり」である。
その上この韻獣は本を所持していることや、学者のような風体をしていることから特に高い知性を持っていそうなのだ。
思わず顔が綻ぶ。そして再びその歩みを進めた。
そして先程の問いに答える。
「そう」
「え?」
「さっきの質問。貴方には私の使い魔になってもらう」
「使い魔・・・ですか。つまり貴方に仕えろと、そういうわけですね?」
「そう。断ったら実力行使」
「ええええええ、ひどいです!ひとでなし!」
「貴方の力が必要。・・・・・・だめ?」
「・・・・・・・ハァ。わかりましたよ、わかりましたからそんな捨て犬のような目で見ないでください」
「ありがとう」

礼の言葉を呟き、呪文を唱え、キス。
こうして異世界より呼び出されたポケット族の賢者はタバサの使い魔となったのであった。

使い魔との契約を終えたタバサは、使い魔の能力を把握せんとしていたが、背後から聞きなれた爆発音が響くのを耳にするとその開きかけの口を閉じ、召喚を試みている生徒の方へと向き直った。
自らの使い魔と同じくらいその生徒に興味があったのだ。何せ如何なる魔法を使っても爆発という現象が起きるのだ。前代未聞である。
彼女が通う魔法学校に於いて一、二を争う識者である彼女ですらその様な現象は知らない。それがその生徒に興味を持った理由だった。


その生徒の失敗魔法による数回の爆発の後、白く輝く美しい蟲が現れた。これまたタバサの知らぬモノである。
「おや、あれは轟蟲ですねえ。中々珍しい物を…」
どうやらこの韻獣はアレを知っているようだ。
「知っているの?」
「ハイ。あれはですね、轟蟲というとても硬い外骨格を持つ蟲です。産卵直前になるとえらく凶暴になって特定の蟲―鏡蟲というんですが―を捕食するという習性を持ちます。
 そしてその鏡蟲を捕食すると外骨格が更に硬質化します。さながら強化外骨かk…ゲフンゲフン。ともかく、とっても硬くなるんです。生息数は大変少ないので、こうして召喚でもされない限りはまずお目にかかれません。また……」

えらく詳しく説明された。やはりこのネズミ、只者ではないと確信するタバサであった。

延々と続く蟲に関する説明を聞いていると
「さて、最後の召喚も終わりましたな。皆さん帰りますぞ」
教師の帰還を促す声が聞こえた。話し込んでいる間に契約が終わったらしい。
さて帰るかと飛行の呪文を唱え、「ちょ、待ちなさい!」という言葉に後ろを振り返ったタバサは目の前の光景を目にし硬直。直後に意識を失った。

何が起こったのか。端的に言えば、桃色の髪を持つ生徒の使い魔が彼女に激突したのである。

ところで貴方は昆虫の腹を見たことがあるだろうか?見たことのある人はわかるであろう、昆虫の腹というのはよくよく見ると実に気味の悪いモノなのだ。
巨大な昆虫ともなればその気色悪さは数十倍(オリコ○調べ)にもなる。
そして衝突の寸前にタバサが最後に見たのは凄まじい速さで迫る昆虫の腹側。あとは言わなくてもわかるであろう。

!タバサの苦手なものに昆虫が追加されました。



目を覚ますと、見慣れた天上が見えた。どうやら自室のベッドにいるらしい。はて、何故だろう。
体を起こし、無表情のまま首をひねっていると
「やれやれ、やっと目を覚ましましたか。」
飲み物の載ったお盆を抱えた私の使い魔が部屋に入ってきた。
そうだ。私は使い魔を召喚したのだ。そして……どうなった?
使い魔を召喚し、部屋に戻ろうとした。そして…………


ムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイ
ムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイ
ムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイムシコワイ


「蟲はイヤ!」
「はい!?何ですか唐突に」

そうだ。落ち着かなくては。感情を表に出してはいけない。落ち着け、落ち着け。
「なんでもない」
「何でも無いようには見えませんでしたがねぇ。悪い夢でも見たんじゃないんですか?」
ヤレヤレといった様子で肩をすくめるネズミ。少々腹が立ったので、それ以上この話を引っ張るなという意思を込めて睨んだ。
あまりこたえた様子は無かったが黙ったので良しとしよう。

さて。

「状況説明」
「はい?」
「私が気絶した理由と、その後の経過を報告して」
そう、まず原因を究明しなければならない。

「ええとですね、まず貴方が飛行の魔法で空に浮かびました。ここまでは覚えてますよね?」
当然、覚えている。ので、コクリとひとつ頷く。

「その直後に貴方の後ろに居た男子生徒が飛び上がったんですが、その際轟蟲―これも覚えてますか?あの白い蟲です―を召喚した女子生徒を、あの表情から察するに、侮辱したんですね。」
ここまで聞いても未だ予想が付かない。先を促す。

「それを察知したのか、その女生徒の使い魔である蟲の片方が主を侮辱した男子生徒に突進したんです。使い魔同士である為か、その蟲、面倒なので”彼”と呼びますが、彼の怒りが感じ取れましたので、まぁ間違い無いでしょう。」
なるほど。予測がついた。一応確認を兼ねて更に説明を聞く。

「で、かなりの勢いで突進していった彼ですが、その渾身の一撃をかわされてしまったんですね。それで勢い余った彼は、射線の延長上に居た貴方に激突したと。そういうワケです。」
謎は全て解けた。犯人はヤス。

「……その男子生徒の特徴を教えて」
「特徴ですか?えー……そうですねぇ、軽くウェーブした金髪でしたね。それに金属製、恐らくは青銅製の、薔薇の造花を携えていましたよ?」

なるほど。なるほどなるほど。
あのキザ男が全ての元凶らしい。フ、フフ、フ……
「ひっ!」
思わず浮かんだ笑み。それを見たネズミが何やら怯えている。どうしたの?ワタシコワイ?

「いいいいいイイエ、なななナンデモナイデス ヒメイナンテアゲテマセンヨ?エェ。」
そう。ならいい。


……あ。

「何ですか?痛いのは嫌ですよ!?」
「名前。」
「はい?」
「貴方の名前。まだ聞いていない。」
そう、唐突に思い出したが、名前を聞いていなかった。

「ああ。そういえば名乗ってませんでしたね。僕の名はラクシュン。ポケット族の長より『見聞者』の称号を賜っています。」
「私はタバサ。よろしくラクシュン」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。」

何故こんな大事な事を忘れていたのだろう?
……ああそうか。あのキザ男の所為だ。フフ、フフフ…
私に新たな精神的外傷(トラウマ)を与えてくれたあの男。どの様に復讐してやろうか。

「ご主人、怖いです……」


一日目 終了


次の日の朝 ボロ雑巾のようになったギーシュが学園の壁に磔にされておったそうな。

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