あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ルイズ・キングダム!!-3


僕達小鬼~アナタだけについて行く~♪
今日も~生まれる運ぶ戦うそしてぇ~たぁべぇらぁれぇるぅ~♪
引っこ抜かれてぇ~戦ぁって~食べられて~♪
それでも私達アナタのためにぃ~つぅくぅしぃまぁすぅ~♪

「何よこの歌?」
「小鬼王国国家だぞ!」
「まじで?」
――100%ネタですよ――

<ルイズ・キングダム!!>

「新王国「古代路地裏連合小鬼同盟」の建国をここに宣言するぞー!」

元気一杯でクロビスがまたも宣言する。
結局レンタル小鬼で儲けたお金を使って、住居施設『貧民街』を建築する事になった。
早い話が、柵で囲って他の使い魔に襲われないようにするという、それだけの事だが。
場所はコルベール先生の研究室の隣。
ちなみに、この研究所は特殊施設『実験室』になっている。

「どうせなら『転職所』にしときなさいよコッパゲ」

ルイズは小声で悪態をついた。
最早『転職所』以外に目が行っていない状態だ。
十数年の間『ゼロ』と馬鹿にされ続けた鬱屈は伊達じゃない。

「いやはや、これで国民が食われる危険も減りますな」

大型バイクに乗って携帯電話を片手に安堵したように言うコルベール先生。
百万迷宮という場所は文化の程度や技術などについて、このハルケギニアと基本的には同程度か、あるいは劣るぐらいが平均である。
なのに、時々ありえないような技術レベルに発展していて、『乗騎』の大型バイクや『携帯電話』は普通に手に入る。
『器官車』とか言うナマモノが線路という鉄のラインの上を走っていたり、『機動戦艦』や人型決戦兵器を造ったり、
あげく『潜水艦』と『オニソプター』とが戦ってるのに巻き込まれたりもするらしい。
と、昨日小鬼達から話を聞き出していたコルベール先生が嬉々として語ってくれた。
嬉々としてというか超ノリノリで、ケータイいじりながら。メール打ちながら。

「ファンタジーなめんな」

メタなセリフで悪態をつくルイズ。
もうかなりヤサグレっぷりが進行している。
よく考えたら朝食もサラダしか食べずに、授業もボイコットしての建国作業だったので空腹なのだった。
ハラペコは人の心をかくも荒ませるのである。
閑話休題。
ついでなので『王宮』もオババの部下の転移魔法で研究室の隣に移転している。
やはり王国の施設は隣接している方が便利そうだし。
そうしてやっと建国がひと段落した頃には、もうお昼になっていた。
いや、もうと言っても、朝滅亡して昼に建国って言うまでもなく圧倒的ハイペースなのだけど。

ともかく、やれやれと肩を揉みながら一人食堂へ行き、遅めの昼食を摂っていると、
王宮で炊き出しをしていたはずのクロビスがルイズの方にやってきた。

「おいルイズ、良い匂いをやるぞ」

そう言ってぴぴっと綺麗な紫色の香水をルイズの手に塗るクロビス。

「ふーん、ホントに良い匂いね」

恐る恐るといった様子で匂いを嗅いで、意外に上品な香気にびっくりしながら言う。
気が付けば、他の小鬼達も片っ端から良い匂いになっていた。
食堂で給仕を手伝いながら、お互いの匂いを嗅いでホワーンと嬉しそうだ。
なんでも親切な人間が残飯をくれると言うので、恩返しに配膳の手伝いをしていたら拾ったと言う。
それをクロビスが皆に分けてまわっているようだった。

「ふーん、アンタけっこう良い王様してるんじゃないの」
「えっへん! もっとホメていいぞ!」

胸をはって言うので、ルイズは真っ白な髪の頭をグリグリと撫でてやる。
気持ち良さそうに目を細めてされるがままのクロビス。
普段は生意気だけど、こーゆー所は子犬みたいだ。
とかホノボノしていたら、突然食堂が騒がしくなった。

「どう言う事か説明してもらえるでしょうね、ギーシュ。
なんで私がプレゼントした香水を、この子達が使っているのかを」
「いいい、いや、おちついてくれたまえモンモランシー。
これはこの小動物が、僕が落としたのを勝手に……」
「おいギーシュ! モンモランシーの香水をプレゼントされたってのは本当なのか?」
「……ってコトは、二人は付き合ってるってコトじゃ?」
「そんな……ギーシュさま……やっぱりミス・モンモランシーと……」
「ご、誤解だよケティ! 僕はだだ、その」
「やっぱり! ギーシュ、あなたその娘と遠乗りに行ったってウワサは本当だったのね!」
「いやその、モンモランシー」

なにやら向こうの方で修羅場になっている様子。
しかし自称「愛でられる薔薇」のクラスメイトが女子と問題を起こすのはめずらしいほどの事でもない。
一年以上も同級生をやっていれば慣れるというもの。
ルイズは無視して食事の続きを……と、思ったのだが。

「…………香水? 小動物?」

会話の中に含まれた単語に気が付いてしまった。
ぎゃっとかぎゅっとか言う物音に慌てて振り向けば、ギーシュがケティとかいう下級生に平手をくらっている場面。
走り去る下級生を追う暇もあればこそ、モンモランシーにワインを頭からブッかけられた。

「あっちゃー……アレはマズいわよね……」

この先の展開を予測してルイズは頭痛を感じた。
落し物を勝手に使ったのだ。どう考えてもその小動物―――つまりクロビスが悪い。
ギーシュ・ド・グラモンはその事で黙っているような性格でも精神状態でもあるまい。

「おい、そこの小動物!」

案の定、茫然自失の呈から抜け出した途端、ルイズの使い魔を見つけて歩いてくる。

「ん? なんださっきの人間か。なんの用だ?」
「キミが勝手に僕の香水を使ったせいで、二人の淑女が恥をかいた。この責任、どうとるつもりかね?」
「落としたぞって教えてやったのに、お前が知らんプリしたんじゃないか。
いらないんなら勿体無いし使ってやったダケなのに、何で怒ってるんだ?」
使い魔の行動は主人の責任でもある。
自分が謝ろうと思ったルイズだったが、どうも何か話が食い違っていた。

「あれはっ! あそこで僕が香水を受け取ったら彼女達に恥をかかせる結果になったろう!
だからワザとしらないフリをしたのだ!
なのだから後から返しに来るぐらいの知恵を働かせたまえ!」

つまりフタマタがばれるから知らんプリをしたらしい。
これでは純粋にクロビスが悪いとも言い切れない。
だいたい自分で小動物呼ばわりしている相手に、そんな機知を要求するのが間違っている。

「なんだ、やっぱりお前のか。仕方ないヤツだな。のこりちょっとだけどホレ」
「あっ、ちょっ、クロビス!」

止めるヒマも無く机に飛び乗って、残った香水を全部ギーシュにふりかけるクロビス。
バシャリと音がするぐらいの香水がギーシュの頭を濡らす。
さきほどブッかけられたワインの臭いと交じり合って、ものすごい悪臭人間が出来上がってしまった。

「あっちゃあ……」
「けけけけけけけけ決闘だあぁぁぁ!!」

唖然とするルイズの前でギーシュがキレた。
クロビスに悪気はない。ギーシュの気持ちもわかる。
これは異種族間の悲しいディスコミニケーションの現場だと言えよう。

ルイズが頭痛を堪えている間に、クロビスは「なんだか知らんがケンカなら買うぞ」と言ってギーシュに付いて行ってしまう。
いくらギーシュがドットクラスのメイジとは言え、転んだだけで死ぬようなイキモノでは勝ち目など無い。
我に返ったルイズはあわてて二人の後を追ったのだけど、すでに広場では決闘が始まってしまっていた。

「僕はメイジだからこのゴーレムで戦うよ。よもや文句はあるまいね?」
「私は小鬼王だから小鬼を率いて戦うぞ。よもや文句は言うまいな?」
「なんだとぅ!?」

そして7体の青銅ゴーレムにワラワラと数十匹の小鬼集団が群がった。

「突撃ぃー!」
「「「「「「「「「「「「わーっ!」」」」」」」」」」」」
「うわっ、ちょっ、こっち来んな!」

クロビス率いる小鬼王国の精鋭部隊は雄々しく―――刺され踏まれ潰され斬られ跳ね飛ばされ、次々に戦死していた。
青銅の拳が一発軽く叩いただけで絶命する小鬼達。
ちなみにゴーレムが強いのではない。圧倒的なまでに小鬼が弱いだけだ。

「ああ……予想以上に勝負になってないじゃない」

無残に殺された小鬼王国の国民達がヴェストリの広場に転がる
芝生が真っ赤な絨毯のように染まっているのは全て小鬼の血だった。
広場に漂う血臭と小鬼の哀れな姿に、女生徒はギーシュに非難の眼を向け、男子生徒も流石に引いている。
いやもう、この蹂躙っプリ、屍累々っプリは流石にグロいとゆーか。
そして猛烈にある種の予感をルイズは感じ取っていた。
懐からマジックアイテム「王国管理シート」を取り出して覗き込むルイズ。

『「古代路地裏連合小鬼同盟」は魔術師ギーシュとゴーレム軍団との戦闘で人口5人になりました。
人口が宮廷の人数を下回ったため「古代路地裏連合小鬼同盟」は滅亡します』

ホラ、やっぱり。
そりゃあ、指導者より国民が少ない国なんて国とは呼べないに決まってる。

「うわーん、また滅亡したぁー! 生き残りは総員てったーい!
捲土重来を期してこの場は敗北を受け入れるのだー! おまえのカーチャンでーべーそー!!」

5匹だけ残った小鬼を引き連れて滅んだ王国の王宮へとスタコラ逃げてゆくクロビス。
逃げ足の速さだけは一級品だった。
あ、転んでまた一匹死んだ。

(凄いわギーシュ。アンタはたった一人で一つの王国を滅ぼしたのよ! まぁ野犬と同レベルな戦果だけど)

醒めた思考でギーシュに向かって称賛の念を送るルイズ。
お昼ごはんを食べてお腹はいっぱいなのに、なんだか午前中より荒んだ気分だった。
あと血臭でお腹の中の物を吐きそう。

「わは、わははははは! 何匹でもかかって来るがいい、下等生物ども!」

残されたのは勝利に酔うギーシュと血塗れのワルキューレ達。
うららかな春の日差しの下のヴェストリ広場はとってもジェノサイド。
ってゆーか、ギーシュもショックで壊れてないだろうか。
あまりの無益な流血に、食傷ぎみに散ってゆく生徒。
(こうして皆、戦いの虚しさを学んでゆくのね。きっと)
とか無理矢理にでも良い方向で解釈するしかないルイズも、とぼとぼと部屋に帰る。

「で、今度は何をやってるの?」

自分の使い魔が見せたあまりの弱さにしょんぼりしながら自室に帰ると、ダッパ君と小鬼達がなぜか縫い物をしていた。

――いらなくなったテーブルクロスをもらったので、軍旗をつくってます――
「軍旗なんて作ってどうすんのよ。あんな弱いのに」
――『小鬼旗手』が軍旗をふると、小鬼のかいひが1アップします――

攻撃を避けやすくなるらしい。1だけ。スズメの涙程だけ。
あと持ち寄ったガラクタをいじっている小鬼も居る。

――『小鬼楽団』をけっせいします、HPが1ふえます――

ちなみに小鬼の基本HPは1なので、なんと二倍に増える。
ワルキューレに殴られても6回に1回ぐらいは一撃で死なないかもしれない。

――『小鬼旗手』と『小鬼楽団』で『小鬼司令部』がこうちくできます――

正直、無駄な努力だと思う。
小鬼が百匹集まりでもしなければ、ギーシュのゴーレムには勝てそうに無い。

「もう戦うとか考えるの止めなさいよ。クロビスもアンタも弱っちいんだから。
そもそも、小鬼っていう種族そのものが徹底的に弱いんだもの。
クロビスやダッパ君が死ぬ前に無謀な挑戦は止めた方が良いと思うわ。
王国運営とかも含めて」
――それでも小鬼はすすむのをやめたらしんでるよーなモノですから――

諦めるように言うルイズに、ダッパ君は迷いの無い瞳でそう答えた。
ぞんざいに二重丸を書いて中を黒く塗りつぶしたような目だけど、それだけにまっすぐでブレの無い瞳。
小鬼はすぐに死ぬ種族で、戦っても死ぬけど戦わなくても死ぬ。
でも生きる事が戦いの世界で、けれどこの弱過ぎる生き物は確かに生き抜いてきたのだ。
だから、そう。彼等は決してあきらめない。
自分がダメでも、次の小鬼が、いつかきっと目標を達成すると信じている。
自国がダメでも、次の王国が、いつかきっと、目指す何処かにたどり着くんだと。
だから小鬼という種族は百万迷宮最弱で―――実はとっても、とっても、強いのだ。

「新王国「古代路地裏連合マジカル小鬼同盟」を建国するぞー!」

例によってクロビスの気勢を上げる元気な声が窓の外から聞こえてきた。
マジカルってなんなのだろうとか、そんなどうでも良い疑問が過ぎる。
まぁどうせサイコロ振って決めたのだから意味など無いのだろうけど。

意味が無くてもかまわない。勝てない事になど慣れっこだ。
それでも立ち止まらず、進化と変化を繰り返し、したたかに、たくましく、ちゃっかりと。

「明日はリベンジだー!」「「「「「おー」」」」」

学院の隅、掘っ立て小屋の王宮で『小鬼小王』が気勢を上げる。
頑張ろうとルイズは思った。
頑張って諦めず、魔法を使えるようになるのだと。
これまで以上に真面目に授業も受けて、あとお金も貯めて、転職所を建てるのだと。
そして必ず魔導師になるのだと、二つの月に誓うのだった。



おまけの用語説明コーナー『百万迷宮の歩き方』

【施設】
王国内に建造できる様々な効果をもった建物。
過半数が固有のレベルを持ち、隣接させて同じ施設を建てる事でレベルアップする。
『貧民街』は過剰な国民を詰め込む事が出来る施設。
『実験室』はそのシナリオ限りのアイテム一個を手に入れる事が出来る。
ルイズ垂涎の『転職所』は、キャラクターの職業を変更する施設。
宦官から貴族になったり、魔導師から怠け者になったりも出来る。
性別が女なのに宦官とか、宦官から転職すると「生える」とか、
職業が二つ持てる従者が働き者/怠け者になるとか、百万迷宮の職業事情は謎で一杯。

【ファンタジーなめんな】
携帯電話だけでなく、住民台帳やクレジットカード、保険に時計に徹甲弾なんてアイテムもある。普通に。
レアアイテムになるとチェーンソウにカメラ、果ては蒸気甲冑に機械の身体なんて物まで。
上級職業にアイドルとプロデューサーとか、極道とか委員長が居たり、
暴走列車にハネられる、大名に無礼打ちされる、47人の侍に夜襲を受ける、
マヨネーズに襲われる、ワー妹に食われる等、素敵な体験が出来る世界・百万迷宮!
つくづくファンタジーなめんな。


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