あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ルイズ・キングダム!!-2


「えぐえぐ……昨日はヒドイ目にあったよぅ……」
――こわかったですね、野犬――
「20人は美味しく食べられたかのぅ」
「…………」
いつの間にかルイズの部屋に集合している小鬼4匹+α。
朝起きてノックの音に扉を開けたら、滅亡した小鬼王国宮廷のメンバーが勢ぞろいしていたのだ。

<ルイズ・キングダム!!>

「と、言う訳で新王国「古代連合小鬼同盟」を建国するぞー!」
――こんどはながつづきするといいですね――
「さっきまで泣いてたクセに急に元気に。って言うか節操無いわねぇ」
――まぁまぁ。げんざいの宮廷メンバーをチェックしますか?――
「あー、うん。まぁ一応お願いするわ」

万が一にも自分がメンバーから外れている事を始祖ブリミルに祈りながら答えるルイズ。
彼女の前に「王国運営シート」と書かれた紙が差し出される。
なんでも自動的に国家の状況が映し出されると言う、一王国に一枚必帯のマジックアイテムだそうだ。

「国名『古代連合小鬼同盟』 人口/38人(宮廷除く)
国王/貴族「小鬼小王」クロビス
神官/料理人「ゼロの」ルイズ
神官/怠け者「話の長い」バゼバゼ
大臣/魔導師「炎蛇の」コルベール
ニンジャ/迷宮職人「雲散霧消の」ムーク
従者/働き者・衛視「忠実な僕」ダッパの以上6名……
……えーっと、まず最初に聞きたいんだけど、何で私が『料理人』なワケ?」
「サイコロのおぼしめしだな。『世界の法』によって決定されたのだ」
「次。何でコルベール先生が大臣になってるのよ?」
「本人が希望したからだな」
「自重しろコッパゲ。
それになんで先生だけ職業が魔導師とかカッコ良さげなのよ。サイコロ運良すぎ自重。
ついでにアンタも野犬に負けたのか魔法学院現役教師」

あまりの事態にヤサグレて言葉が汚くなっている。
ベッドの上に突っ伏したルイズは、このまま泣きたい気分だった。
って言うか少し泣いた。

――いえ、野犬におそわれたときに、コルベールさんとルイズさんがいればよかったんですけどね――
「そうだなぁ。あとやっぱり宮廷としては前線で戦える騎士が欲しいな。
神官は二人居るから、ルイズが騎士になるのはどうだ?」
「お・こ・と・わ・り・よっ! って言うか、なんでそんなに馴染んでるのよ!
あと変えるんなら職業の『料理人』の方を変えなさい!」
――どこでもいきられるカンキョウテキオウリョクが小鬼のウリですから――
「官職は本人の意思で決定できるが、職業は転職所を建てないと変えられないから無理だぞ」
「あっそう。まぁどーでも良いわよ。転職したから魔法が使えるってワケでも無いし」
「使えるぞ?」
――つかえますよね?――
「へっ?」
「職業と官職に応じた技能は自動的に与えられるのが『世界の法』だからな。
宮廷に神官として所属している以上、神官と料理人の能力は使えるぞ」
――ごじぶんのスキルをかくにんしますか?――
「するする! 早く確認させなさいよ!」

ガバチョと起き上がって、ダッパ君の手から先程のマジックアイテムをひったくった。
ルイズは使い魔との契約のおかげかキチンと読める異国の文字を舐めるように見て、望む記述を見つけ出す。
「えーっと、ここね。「ゼロの」ルイズ・神官/料理人、レベル0……ってなんか腹が立つわね。
官職スキルの「祈り」は対象の負傷を回復する。
職業スキル「迷宮全席」が、お弁当やフルコースを食べた対象の攻撃能力を上昇させる。
レベルアップと共に覚えるアドバンスド・スキルはまだ無し……
コレって、ひょっとして回復の魔術が使えるって事!?」
「ひょっとしても何も、そうに決まっているだろ」
――ためしてみます? ちょうど昨日イヌにかまれたキズがありますし――

ダッパ君が腕に付いた噛み跡を出してくる。
とうぜん、ルイズがやらない理由は何処にも無い。

「やるわ! ええっと、祈れば良いのよね。
始祖ブリミルよ、この者の傷を癒したまえむにゃむにゃ……」

お祈りをするとルイズの手から淡い光が生まれて―――ダッパ君の腕が爆発した。

「やっぱり使えないじゃない! って言うかダッパ君が死んじゃう!」
「治ったな」
――なおりましたね――
「へ?……あ、ホントだ。犬の歯型が消えてる。すごーい! やったわ!
これでもうゼロのルイズなんて誰にも呼ばせないわ!!」

ぐっとガッツポーズで喜びに浸るルイズ。
魔法の現われ方が爆発と言うのは気になったが、今はそれも許せるぐらい気分が良い。
だが、事はそれだけでは終わらないと気が付く。
「ひょっとして……」という可能性、あるいは希望と呼ぶべきものがルイズの中に生まれていた。

「ねえクロビス、レベルアップって言うのをしたら、他の魔法も使えるようになるの?」
「んー、職業が『料理人』のままじゃダメだな。
『魔導師』や『迷宮職人』みたいに、魔法を使えるスキルカテゴリーの職業にならないと」
「このオババのように『怠けもの』でも魔法は使えるのぅ」
「じゃあ転職よ! とりあえず怠けもの以外で、その魔法が使える職業ってヤツに! 今すぐ!」
「だから、転職するには『転職所』を王国に建設しないと」
「じゃあすぐに建てなさい!」
「そんな事を言われても国家予算が無いから無理だ。5メガゴールド、持ってるのか?」
――こっちのおかねだと、1MGが100エキューぐらいですね――
「ぐっ……500エキューなんて大金は持ってないわね」

500エキューと言えば、平民の家が建ってお釣りも貰えるぐらいの金額だ。
と言うか『転職所』と言うからには、ちょっとした建物を建てるだろうから当然かもしれないと納得する。

「はぁ、仕方ないわね。お金をなんとかするのはすぐには無理だし、とりあえず着替えて食堂に行こうっと」
――はいはい、じゃあ、したくしましょうね――

テキパキとブラウスやスカートを出してきて、服を着替えさせてくれるダッパ君。
ブラシで寝癖を調えて、脱いだ服を畳んで洗濯カゴに入れてマントを羽織らせる所まで手際良く済ませる。

(うーん、流石は『従者』で『働き者』ね。けっこう使える使い魔かもしれない。
いやまぁ、私の使い魔はクロビスの方なんだけど……吹けば飛ぶような王国とは言え、
仮にも国王を名乗るクロビスを命令に従わせるのは難しいような気がするのよね)

そんな事を考えながら4匹(と、オババの輿係り)を従えて部屋を出ると、向かいの部屋からキュルケが出てきた所にばったり遭遇する。
ヴァリエールのライバルであるツェルプストーの女メイジは、なぜか腕に小鬼を1匹抱えていた。

「ねえルイズ。アンタ随分と可愛い生き物を召喚したのねぇ」

確かに、人間を三頭身にして犬っぽい要素を加えてツノをつけたような生き物である小鬼は、ヌイグルミっぽくて可愛いと言えば可愛い。
ちなみにツノが無いのも居れば、一本ツノも二本ツノも居る。
色も案外豊富で、基本は茶色っぽいけど、赤っぽいのからトラジマやブチ、果てはピンクや星柄に緑や紫なんてのまで居たり。

――ハデなガラだとみつかりやすいんで、よくたべられるんですけどね――

小鬼の人生はけっこう大変だ。
宮廷メンバーだとクロビスとダッパ君は茶色系で、ムークが黒。オババは灰色の長毛種。
キュルケが抱いてる子はピンクの短毛でショッキング・ピンクのハート模様が背中に付いてるというハデな小鬼だった。
(この女、前から思ってたけど派手好きよね)とか失礼な事を考えるルイズ。

「いっぱい居るみたいだし、この子1匹ちょうだいよ」

(派手好きの上に図々しい)と、思わずジト目でキュルケを見る。
が、その言葉を聞いた瞬間にルイズはあるアイデアを思いついた。

「一ヶ月レンタル、1匹でエキュー金貨1枚よ」
「なぁに、ヴァリエールは随分と守銭奴なのね? それとも貧乏なの?」

(ふん、なんとでも言うがいいわ。
私にはお金が必要なの。転職所を建造して魔導師になるためにね。
そのためなら、守銭奴にでもナニワ金融道にでもなってみせる!)

熱い決意を今ここに宣言するラ・ヴァリエールの淑女。
それを言葉にしない程度の分別は、まだ残っているようだった。

「まぁいいわ、じゃあコレで一年分ね」

チャリーンと投げ渡される金貨12枚。流石ツェルプストーは金持だ。
ゾンザイな態度にちょっとカチンとくるルイズだったが気にしないと決めた。
絶対に5メガゴールド溜めてみせる。
そして必ず、料理人などという屈辱的なクラスをやめて、魔法が使える職業に転職するのだ。

「あ、でも勝手に国民レンタルして、クロビス怒ってない?」
――へいきですよ。小鬼払いはキホンですから――
「うむ。相場は20匹売って1MGぐらいかな?」
「ふーん。だったら売るのと比べたらレンタルぐらいカワイイものよね」

いやしかし、それで良いのか小鬼。
一抹の不安と物悲しさがルイズの心中に隙間風のように駆け抜ける。

――よっぽどカコクな労働させるか、ケガさせないかぎりはマジメに働きます――
「怪我したら逃げて帰るけどな。まぁ大抵その前に死ぬけど」
(健気な種族だなぁ小鬼。ホロリ)

ちょっぴり感涙しつつ廊下の窓から外を見るルイズ。
学院の中庭では、そんな健気な小鬼達による炊き出しの風景が

「―――って、ナニやってんのよアンタ達っ!」
「外は野犬が居て怖いし危ないから、この中で王国を建国したのだ」
「胸張って言う事じゃないわよクロビス。
うわぁ! よく見たらあのボロっちい小屋こと王宮が移築されてるし!」
――じゃあゴハンたべてきますね――

ルイズの驚きと苦悩などそっちのけで、のんきに中庭へと向かう4匹。
自給自足の心構えは立派だけど、学院を勝手に王国領土にしないでもらいたいと心から思った。

思ったのだが。

「……まぁいいや。どうせすぐに滅亡するし。黙ってればバレないと思うし。
あの子達とこの先も付き合っていくんなら、細かい事を気にしてたら神経がもたないもの」

わずか二日目でそう悟ったルイズ・フランソワーズなのでした。

でした、が。
「うわあぁぁん! ルイズ、「古代連合小鬼同盟」が滅亡したぞー!!」
「なんでよ! いくらなんでも早すぎよ!
今さっき別れて、朝食のサラダ食べたばっかりだったのよ?
私まだメインデッシュに手もつけてないのよ?」
「それが、他の生徒の使い魔のメインデッシュに国民が食べられてなー」
――ヘビとかスキュラとかにパクパクいかれましたね――
「……ひょっとして美味しいワケ? 小鬼って?」
――おいしいらしいですよ。ふほんいながら――
「あと、他の生徒の所へレンタルに出した分が減ってたのが厳しかったかな」
「レンタルしてたの!? 何匹よ?」
――あっちこっちで20にん、ぐらいですね――
「……まぁ滅亡しちゃったモノは仕方ないわ。どうせまた直ぐに建国するんでしょ?
だったら今のうちに国民が食べられない方法を考えましょう。大臣のコルベール先生にも相談して」

クヨクヨしてても始まらない。
転職所を建てるまではくじける訳にはいかないのだ。全ては魔導師になるために。
ズッポリ底無しの泥沼に浸かっているような気もするけど、とにかく頑張る健気なルイズであった。



おまけの用語解説コーナー『百万迷宮の歩き方』

【宮廷】
王国の中枢メンバー。いわゆる冒険者パーティー。
王国を建国して領土を広げる事から「ランドメーカー」とも言う。
国王・騎士・大臣・神官・ニンジャ・従者からなり、国王1名は絶対に必須。
本文中にあるように、攻撃力を担当する騎士が居ない小鬼宮廷は攻めの爆発力に欠ける。

【ルイズの職業が料理人】
サイコロ振って決定。コッパゲ先生が魔導師なのも、サイコロ運の賜物。

【国民の切り売り】
迷宮キングダムにおける『国民』は、ヒットポイントなどと同じ消費型リソース。
敵の攻撃を防御するのに消費されたり、攻撃力を増加させるのに消費されたり、
デフォルトでアイテム手に入れるために生贄に捧げられたりする。
百万迷宮では正に人情紙風船。
現代日本を舞台にした冒険が出来る追加データ集「ハレ時々迷宮」では、
迷宮事件に挑む迷宮探偵達のために「小鬼レンタルサービス」が行われていた。
何処に行っても小鬼の扱いなんてそんなモンである。


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