あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

サーヴァント

「なにこれ……」

 私は現状の理解が極めて困難であることを確認した。
 大陸を相棒と共に旅しまわった私だが、このような学校は始めて見る。
 まず全員が何故か魔術師のようなマントをしている。そして肩を震わせている顔を朱に染めた少女を含め、指揮者のタクトのような杖を持っている。
 もしやここは劇場団員の育成所なのかと類推するが、それにしては少年少女が大半で、大人と分かる人物は少々頭髪の後退が激しい男性のみ。

「さすがはゼロのルイズ! 使い魔に剣なんか召喚するなんてな!」
「おいおい、いくらサモン・サーヴァントができないからって、剣なんか持って来るなよ!」
「剣を使い魔にするなんて前代未聞だよ!」

 下劣な叫び声が広場を駆け巡った。
 私は其の声に耳を傾ける。
 使い魔、召喚、サモン・サーヴァント。
 観衆の粗野な野次の中から、いくつかの特徴的な単語を拾い上げることができた。
 どうやら何らかの呪法によって、あの少女にこの地に使い魔として召喚されたらしい。
 野次を飛ばされた少女のほうに目を向けると、とうとう我慢できなかったのか、男性に怒り交じりに叫びだした。

「コルベール先生! やりなおしを要求します!」
「それはなりません。サモン・サーヴァントは神聖な儀式。やりなおしは認められません。
さあ、次はコントラクト・サーヴァントを」

 コルベールと呼ばれた男は教師であったのか。それにしては体裁きに、軍人めいたものがうかがえるのであるが。
 ルイズと呼ばれた少女は、憎憎しげな表情ではあるものの意を決したようだ。

「私がまさか剣なんかを使い魔にすることになるなんて……わが名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、われの使い魔と為せ」

 淡々とした声でなにやら呪文めいた言葉を唱え始めた。
 まあこの場合、呪文めいたというより呪文そのものなのだろうが。
 そしてルイズは一瞬逡巡したのち、剣の柄にある宝珠に口付けをした。
 つかの間の静寂の後、宝珠に古代のルーン文字が浮かび上がる。

「どうやらコントラクト・サーヴァントは成功したようだね。おめでとう、ミス・ヴァリエール」
「使い魔が剣だから成功しただけさ」
「そんなガラクタ。いったいどこで拾ったんだか」

 コルベールの祝辞は、またもや下劣な野次によって遮られた。
 おや、ルイズの表情が朱を越えて赤に変わろうとしているが、この子も私の相棒と同じく短気で直情径行型なのだろうか。

「全員終わったようだね。さあ、教室に戻るぞ」

 コルベールはきびすを返すと、驚いたことに体を宙に浮かべた。

「お前は歩いて来いよ、ルイズ」
「だってフライもレビテーションも使えないんだもんな」

 そして少年少女たちも、次々と宙に浮き出すではないか。
 これには私も開いた口がふさがらない。
 ここはミュータントか異能力者の育成施設でもあるのか。
 ならば私は認識を改めねばなるまい。

「せっかく召喚できたと思ったのに、それがこんな剣だなんてあんまりよ!」

 そう言ってルイズは剣を抱え、教室へと向かいだした。
 ……私の紹介がまだだったな。私の名はラグナロク。
 ガラクタと言われ使い魔にされたあんまりと評価された剣。それが私だ。





終わり


元ネタ:ラグナロクからラグナロク(エアストノイン)を召喚。

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