あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

其は華麗なるガンダールヴ

 ルイズが春の召喚の儀式で呼び出したのは、明らかに人間ではなかった。
 人語を解しする亜人を引き当てたたと大喜びするルイズ、だがその喜びは徐々に微妙なものに変わっていった。

 確かに彼は強かった。
 理由がまったくわからない理不尽な決闘でギーシュのゴーレムを広場の壁ごとなぎ払い、フーケのゴーレムにいたっては森の一角ごと吹き飛ばした。
 強さだけなら及第点どころが合格ラインを余裕でオーバー。
 そう、強さだけなら。

 彼はあまりに尊大だった。――絶対に頭を下げず、一国の王にも上からの物言い。
 彼はあまりに突拍子もなかった。――いきなり頭と体を分離して飛んでみたり。
 彼はあまりに飛びぬけたセンスを持っていた。――ルイズをショッキング・ボンバーと呼んでみたり。

 そして何より彼はあまりに華麗だった。

 その華麗さのあまり学院中に信奉者が出るほど。
 ギーシュなど彼の説法のどこに感動したのかわからないが、浮気がなくなったとモンモランシーが言っていたのでまあいいことだろう、うん、そう思いたい。

 常に不敵に、常に華麗に、そして常に最強に、彼は今日も葉巻とかいう使い捨てのパイプを吹かしながら笑っていた。


 そして待ち構える裏切りのとき。
 目の前で傷を押さえる傷ついたウェールズ皇太子、不敵に笑うワルド、そしてその間で怒りに震える彼。

「君が何かは知らんが遅かったようだな。ついでだここで消えてもら「黙るがいい!」」

 彼はワルドの言葉をさえぎって、怒りに震えた声を上げる。

「ショッキング・ボンバーのピンチに駆けつければ貴様、貴様、よくもよくもよくも!」

 ああ、やっとまともな感想! 感動の涙を流しそうになるルイズ、無論そんなわけがない。

「よくも我がボディを汚してくれたな!」
「「「へっ?」」」

 彼の怒りの焦点は完璧にずれていた。

「吹き飛ばしてくれるわ!」

 V の字に広げられた両手、その体から発せられる光線にワルドは文字通り吹き飛ばされ、壁の向こうへ消えた。

「逃げるか貴様!」

 逃げてない逃げてない、あなたが吹き飛ばしたんですよ?

 ルイズとウェールズは内心シンクロで突っ込みつつ、彼に続くように壁にあいた穴に駆け寄った。
 その先には漫画のように黒く焼け焦げアフロになったワルドを乗せて逃げてゆくグリフォンの姿。
 それは見る見る小さくなり遠くに見えるレキシントン号の中へ消えてゆく。

「ベリー・シット! 逃がすものか!」

 彼はそのまま中に浮き、重力制御飛行で飛び出した。
 信じられないほどの高速度でレキシントン目がけ飛んでゆく。
 周りから聞こえる「アレは何だ!」「UFOだ!」「おお、なんと華麗な!」とかいう声を一切合財無視し、レキシントン近くで彼は停止した。

「怒りのパワーを右腕に!」

 彼の右腕が光をまとう。
 戦艦は動けない。

「我が強さを右肩に!」

 彼の右肩の宝玉が輝きを放つ。
 周りの竜騎兵は動けない。

「我が美しさを股間の紳士に!」

 彼の股間の金た……ゲフンゲフン、宝玉がまばゆい輝きを振りまく。
 傭兵たちは動けない。

「誇り高き心を左肩に!」

 彼の左肩の宝玉が輝く。
 メイジ達は動けない。

「Vの華麗なる力を、頂ぉぉぉ点に!」

 全身がまばゆい光に包まれる。
 そのあまりの華麗さに誰もが言葉を失った。

「今必殺のお! チャーグル・イミスダフッ」

 噛んだ。

「……ブルアァァァ!!!」

 え、言い直さねーの?

 レコン・キスタ全員に共通するだろう感想を抱かせながら、彼はその体から放ったV字の光でレキシントン号ごと戦場をなぎ払った。


 彼はルイズが老衰でこの世を去って契約が切れたのち魔界へと帰還した。
 あとに残されたのはブリミル信仰をはるかに超える信者を抱える宗教。
 彼の華麗さは貴族や平民といった人間だけでなくエルフにまで及び、種族の垣根を越えてその華麗さは広がってゆく。
 その宗教の礼賛の対象は彼をかたどった彫像で、彼らが首に下げるのはV字型のシンボルだった。
 彼をたたえる声がトリステインで、アルビオンで、ガリアで、ゲルマニアで、そしてはるか東の地で、今日も神殿にこだまする。


          おお華麗なるビクトリーム様!


『其は華麗なるガンダールヴ』





 終わり

 -「金色のガッシュベル!!」のビクトリームを召喚

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