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虚無界行-1

第0章 最終戦役・そして新たなる道行き

パワー・ライン。
この地球を一個の生命と考えた場合、他のあらゆる生命と同じく、
エネルギーを循環させるための管が存在する。

地球独自のエネルギー伝達経路―――――エネルギー・ライン、レイ・ラインなどとも
呼ばれるそれは、時として地上にそのエネルギーを噴出させるスポットを生み、
そこに居る人間の誰かを『選ぶ』事がある。
ラインに選ばれた人間は、その力を受取る事で一種のスーパーマンと化すのだ。
古来より、このパワー・ラインを巡って熾烈な争いが繰り返されてきた。
200×年、日本・富士山麓で起こった戦いもまた、パワー・ラインをめぐる戦いの一つであった。
ただし、この戦いを引き起こした者の望みは、栄光でも支配でもなかったが。

―――――『反キリスト』
聖者ライアン・グレコ師の中に生まれた『反なる聖』。
キリストの処刑より2000年―――――噂のみは処刑直後から存在したそれは、
現代において聖者の体を苗床とし、ついに降臨したのだった。

その目的は―――――『反キリスト』の言葉を使うなら―――――『救い』。
人類全体を、生者から死者へと変え、遙かな宇宙の果てまで旅立たせる事が、その目的であった。

アジアを走るパワー・ラインを変質させ、一地点に集合させる。
変質したエネルギーはもはや命を育む聖なるものではない。
死して生きる存在を生み出す呪われたエネルギーなのだ。
後は、このエネルギーを解き放ち暴走させれば、津波より速く
世界を駆け巡ったエネルギーが、全人類を不死化させるであろう。
そして―――――不死となった死者たちは宇宙を行く。億千光年の彼方までも。
宇宙にある全ての生命をも巻き込みながら。
それは『救い』の名を借りた完全なる破滅でしかなかった。

許されるべき事ではない。
だが『神』の力に対して、人間が出来る事など何がある?

何も出来はしない。
そう―――――ただの人間には。



南雲秋人―――――生体強化兵士(バイオニック・ソルジャー)
瓜生義龍―――――生ける死者

彼らはこの魔戦に身を投じ、戦い続けた。
決して人類の為などではない。己の望みを・・・・『復讐』を叶えるために。

たった3人の、しかしすべての生命ある者の行く末を決定する戦いは、
富士山麓に収束し、噴出したパワー・ラインの内部において終結しようとしていた。

目もくらむようなエネルギーの奔流の中を、グレコ師が行く。
踏みしめる場所も、上下の区別もつかぬ流れを飛ぶように移動する姿は、
大空を舞う鷲を思わせた。
それを追いかける2羽の大鷹のような影。
南雲秋人と―――――そして瓜生義龍。

と―――――2人はもつれあうように動いた。南雲の右手が、義龍の喉を掴んだのだ。
次の瞬間、義龍はビクリと体を震わせ、口から大量の血を吐いた。

血の色は―――――青い。死人の血であった。

だが全身を痙攣させながら義龍は、ニィ・・・と唇を歪めた。
―――――平凡な死こそ、この決して死なぬ死人の望みであったのだ。
南雲は更に加速した。右手に義龍を掴んだまま、グレコ師へと左手を伸ばす。

右手に掴んだ美貌の死人。左手の先に居るグレコ―――――『反キリスト』。
この2人を殺す。殺しつくす。
それが、南雲秋人の望み。望む復讐。
見れば南雲の全身から、青白い炎とも見えるエネルギーが噴き上がっている。
それは、膨大なエネルギー中にあって尚、他をを圧倒する力に満ち溢れていた。

死なぬ死人を今まさに死の淵まで追いやり、
破壊神たる『反キリスト』にすら悲鳴を上げさせた未知なる力。

神に対抗するもの―――――それは神以外には有り得ない。
言語を絶する魔戦の中で南雲に宿ったのはいかなる神か。
追いすがる南雲に対し、グレコ師が―――――『反キリスト』が向き直る。

南雲を見据えたその血色の瞳よ、迎え撃たんとするその容貌よ。
あまねく全てに呪われた生を与えんとする者よ。
人知を超えた戦いの果て、その決着は―――――!?


―――――決着は、つかなかった。
突如として3人の進む先に現れた巨大な『鏡』。
それが輝いた次の瞬間―――――南雲も、義龍も、『反キリスト』も、忽然と消え失せていた。

『鏡』自身も、自らの役目は終えたとばかりにゆっくりと消えてゆき―――――
後には、太古より連綿と続くパワー・ラインの流れが残るのみであった。


第0章―――――了

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