あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

スクライド・零-11


スクライド・零

『眠れない』
結局、ルイズはブルドンネ街から意気消沈して帰ってくることとなった。
確かにカズマにぬいぐるみを買ってあげたことには喜んでいたようだが、
「誰に渡すの?」「キュルケが言ってた『かなみ』って誰?」ということを聞いても
適当にごまかされていたりしたためだ。
(しかもキュルケのやつ『そんなことも知らないの』って言う目で見てた)
ミス・ツェルプストーの名誉のために、彼女は本当に驚いていたのであって、
ルイズをバカにする意図はなかったことをことわっておく。
カズマとしては、召喚される前のことにルイズが興味を持ったそぶりを今まで見せていなかったせいで、
今話す事でもないだろうと軽く見てしまったためによる。
『これじゃツェルプストーに使い魔をとられてるのと変わらないじゃない』

自身が悶々として寝られないのに、その原因が床で直に毛布に包まって寝ているのが目に入る。
不愉快やら不甲斐ないやらでムカついてきたので、頭を冷やしに少し歩こうと
ネグリジェの上にガウンを羽織って部屋を出る。蹴飛ばしてやったのに起きないのがまた腹立たしい。
ランプを手に建物を出て中庭に出た。外は見事な月明かりだ。無粋と思いランプを消し、しばし空を見上げる。
ここでランプを消したおかげで、事件に出くわしたのは幸か不幸か。


何とはなしに空を見上げていたルイズであったが、ふと視界の端で何かが動いたのに気がついた。
よくよく見てみると何者かが本塔へ向かっているようだ。
『なんだろう? 不審者? 逢引?』
この時点ですっかりカズマのことが頭から消えていたルイズ。ネグリジェにガウンだけ
(ちなみにご存知の通りパンツは寝る前に脱いでいるので以下略)という格好であるのも忘れて
こそこそと近づいて行く。
できるだけ陰になるようにこちらも壁際を進んで、
ようやくフードをかぶった黒いローブ姿であることがわかるほど近寄ると、
そのローブの人物は本塔をなでたり叩いたりしているのが見える。
『あそこって確か…、宝物庫じゃなかったっけ?』
学生の身であるからそうそう縁のある場所ではないが、位置はちゃんと頭に入っている。
これはもう明らかに不審者だと判断。成敗してくれようかと思ったがよくよく考えてみると杖すら持ってきていないではないか。
『こういうときに普通の使い魔ならっ!』
寝てたらどうするんだと言う突っ込みはさておき、またも自分の思うようにならないカズマのことを思い出しムカつくルイズ。

さて、部屋まで戻って杖をとってくるべきか、
何をしているのか確かめて朝になってから先生に報告するかを天秤にかける。
『ここで、実は起きていたカズマが杖を持ってきてくれる、なんてことはないわよねぇ』
などと考えるのはあまりにも甘甘なので頭から消去。
みんなを見返してやるには杖を取ってきて私が捕まえるのが一番で、
それならそれで急がなきゃいけないが、目を離した隙にいなくなってしまっては元も子もない。
結局、手ぶらで来てしまった自分の運の悪さを嘆きながら安全牌を選択、
物陰にしゃがみこんで様子を見守ることにする。


『杖を持ってる。メイジなの?』
不審者認定した人物が杖を振って壁に何か魔法を使っているのを目にして流石に驚く。
貴族としての家名をなくしたメイジには盗賊や傭兵に身をやつしている者もいる、
という話は確かに聞いたことはあるが、
一種のモラトリアムであるこの学院でそんなものに遭遇するとは思ってもみなかった。
もっとも、学院の教師が夜中にコソコソ何かやっている、という可能性もあるわけだが
顔が見えない状況ではなんとも判断がつかない。
とはいえ、教師ならば宝物庫の壁に固定化がかけられているコトくらいは承知の事実のはず。
やはり不審者の可能性のほうが高いはずだ。

どれくらい眺めていたのか流石に飽きて眠たくなった頃、
不審者らしきローブの人物は、結局そのまま立ち去ってしまった。
「おっかしいわね、絶対あやしいと思ったのに」
なにやらやっていた壁に近づくが特に不審なところはない。
イマイチ納得できないが、とりあえず今晩は寝ることにしよう。
明日の朝もう一回見に来て、しばらくの間夜に見張ってやろうじゃないか。
そして、見事不審者をとっつかまえて汚名返上よ!
などと意気込むルイズなのであった。


新着情報

取得中です。