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Bullet Servants-03




「あは、あはははは……せっかく使い魔召喚に成功してエルフなんて凄いの召喚したと思ったらなんか腰低いしメガネだしおまけに
 どこか頼りなさげだしでも従順だと思ってみたらなんか嫌がってるしおまけに魔法使えないみたいなこといってるし使い魔は主に
 相応しいものが呼ばれるなんて言ってるけどこれってどういう事ですか始祖ブリミルよまさかこんなとこまでわたしはゼロだと………」


至近距離からの絶叫。
直撃を受けてキンキンと痛む耳を押さえる私を無視し、あらぬ方向を見上げてブツブツ呟く少女。
見ていて、正直ちょっと怖い。

「あ、あの……と、とにかく落ち着いてください。確かに私は魔法使いではございませんが――執事です。
 主を守るための一通りの技能は、取り揃えておりますので」

その言葉とともに、ホルスターに戻していた白銀の回転式拳銃を掲げてみせる。

「…………執事? でもうちのジェロームだって、そんなに強そうな感じしなかったし。
 それに鉄砲なんかに頼るエルフなんて、聞いたことないわよ。ほんとに頼りになるの?」

「――鉄砲『なんか』ですって?
 しかしまぁさっきから黙って聞いてれば、ずいぶんな物言いしてくれるものね、お嬢ちゃん」

「ひゃっ!? ……ま、ま、また女の声したぁ!
 い、いい……一体何なのよ、この声!? 幽霊!?」
「幽霊なんかじゃないわ。 貴女の目の前よ、目の前」
「目の前って……ま、まさか……そこの鉄砲!?」

しばし辺りを見回し――ようやく少女の視線が、私の銃を捉えて止まる。

「ルダ、気持ちはわかりますが――いきなり人前で大声出すと、驚かせてしまうじゃないですか」
「さっきその『人の目の前』で、思い切り話しかけてきたのは誰よ?」
「――と、とにかく!
 流石にこうなっては、致し方ありませんか……」

混乱のあまり犯してしまった失態を、咳払いで誤魔化す。
『うそ、銃が、鉄砲が喋ってる……?』などと酷くうろたえる少女に、私は愛銃を紹介する。

「……申し訳ありません、驚かせてしまって。
 彼女が、私の相棒の魔銃――『屍に触れし指(ルダ・グレフィンド)』です」
「ルダ・グレフィンドよ。あまり長く付き合いたくはないけど――お手柔らかに頼むわ」

「な……何よこの鉄砲! 失礼ね!?
 ……ってちょっと待って。
 でも銃がしゃべってて、そんな風に喋って、魔銃って紹介されてて……」

ルダの物言いに、怒りと疑問と驚きで、表情をころころ変える少女。

「ってまさか、その鉄砲にくっついてるナイフ――インテリジェンス・ソード!?」

そこまで来て銃身下部のバヨネットに目が止まり、得心したらしい。

「……半分だけ正解、ってとこかしら」
「刃だけでなく、銃も含めた丸ごとがルダなんです。
 彼女の場合は魔剣ならぬ魔銃――言うなれば、インテリジェンス・ガンといった所でしょうか」

本来の彼女の出自は、魔銃よりもずっとややこしい存在ではあるのだが――そこは混乱を避けるため伏せておく。

「はぁ……今日は前代未聞のオンパレードね。
 まだインテリジェンス・ソードなら話には聞いたことあったけど、鉄砲に意思を持たせるなんて聞いたことないわよ。
 もしかしてそれも、エルフの先住魔法の一つなの?」

またしても、耳慣れぬ『先住魔法』という言葉。

「すみません。先ほどから耳には挟んでいましたが……その先住魔法というのは、なんなのですか?」
「それから私達が召喚されてからこちら、リックの事については二言目にはエルフエルフと、やけに強調されてるけど――
 このハルケギニアでは、そんなにエルフが珍しいの?」

先刻からずっと気になっていた疑問を、これ幸いと聞いてみた。
ルダも思うところがあったのか、さらに疑問を追加する。
私達の問いに、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をして、またしても胡散臭げな表情でこちらを見る少女。
……もしかしてまた、地雷踏んだかなあ。

「……あんた、ハーフエルフのくせにそんな事も知らないの?」
「申し訳ありません……なにぶん我々のゴルトロックとこのハルケギニアでは、カルチャーギャップも多大にあるようでして」
「……まあいいわ。あんたといいその拳銃といい、大陸一つ違えばそれだけ違うところもあるんでしょうし……教えておいたほうがよさそうね。
 まず先住魔法は――簡単に説明すれば、亜人や高位の幻獣みたいなのが使う、わたしたちメイジの使う系統魔法とは全く違う魔法のこと。
 詠唱も効果も違うものが多いし、なにより杖なしで唱えられるの。はっきり言って化け物よ」
「……わかりました。それで、二つ目の質問は――」
「エルフが――わたしたち人間にとって、恐るべき存在だからよ」

……は?

「あの、それは一体……どういう事ですか?」
「言ったとおりの意味よ。
 さっき言った――杖も持たずに強力な魔法を使いこなし、並のメイジじゃ十人がかりでも歯が立たない。
 その強大な力には、偉大なる始祖ブリミルでさえも苦戦を免れず、実際にかつての聖地はエルフに乗っ取られてしまったともいうわ。
 ほかにも、たった百人で数千人の軍隊を敗走させたとか、に、にに、人間を、た、食べるとか……」

自分で言っていて恐ろしくなったのか、若干声に震えが混じる少女。
……というか、いったいどんな存在なんですかこの世界のエルフって。
ひとまずその『人間を食べて平気なの?』的視線は勘弁していただけると有難いのですが。

「……心配なさらなくても、私には別にカニバリズムの嗜好などございません。
 襲ったりはいたしませんから、どうぞご安心を」
「……そ、そう? それならいいわ。
 とにかくあんたのところじゃどうだったかは知らないけど、このハルケギニアではエルフはそういう存在なのよ。
 あんたも、よく覚えておいてちょうだい」
「教えていただき、感謝します」
「使い魔の教育は、メイジとして当然の義務よ」
「それで、教えていただいた事は非常に有難いと思っておりますし、誠に申し訳ないとは思うのですが――」
「……な、何よ、急に神妙になっちゃって」

私の言葉のトーンが下がったのを聞き、その不穏さに眉を顰める少女。


「……やはり私も執事の端くれとして、本来の主を差し置いて、二君に仕えるわけには参りません」


強引に、割り込みをかける。
不覚にも少女のペースに巻き込まれかけていたが、ここだけは話を通しておかねばならない。

「ちょ、ちょっと! ここまで来てどういうことよ、それ!?」

案の定私が使い魔になることを前提で話をしていた少女が、その言葉に激発する。

「少し誤解なさっておられたようですが……私はまだ、貴女の使い魔になるということを、承服したわけではございません」
「で、でも、使い魔召喚と『コントラクト・サーヴァント』は覆すことまかりならない、メイジにとって神聖な儀式なのよ!?」
「……呆れた。
 いまの『どういうこと』、そっくりそのままお返しするわ」
「な、なんですって!?」

なおも必死に食い下がる少女に、ルダがため息をつきつつ口を開く。

「貴女達にとっては神聖かもしれないけど、私達にとってはそうじゃないって事よ。
 仮に――貴女が既に使い魔を持っていたとして。
 その自分の使い魔が他の魔法使いに勝手に召喚されて、勝手にそいつの使い魔にされたら、貴女はどう思うかしら?」
「…………っ!
 だ、だったら、わたしにどうしろって言うのよ! しかたなかったんだから!
 メイジは召喚する使い魔なんて選べないのよ!?
 わ、わたしだって、こんなことになるって初めからわかってたら――よりによってご主人様持ちのハーフエルフなんか、召喚しなかったわよ!」
「無責任な……。実に、ムカつく話ね」
「知らないわよ! こんなの、普通、絶対起きるはずない事だったんだから!!」

非難するルダ、反論する少女。
どちらも気の強い女性だということもあるが、流石にこれ以上険悪になるのは、いくらなんでも望ましくないだろう。
なおも口論を続けようとする右手の魔銃を、ホルスターに戻す。

「……ちょっと、リック!?」
「どうどう……お二人とも、どうかその辺にして頂きますよう、お願いします」
「「私たちは馬か!?」」

ある意味お約束の、約二名(含:拳銃一挺)からのダブルツッコミ。
耳を痛めつける両サイドからの叫び声を辛くもスルーし、話を続ける。

「……些細なことはこの際置いておきましょう。
 とりあえず、我々としてはこの学院の責任者に詳しい事情を聞き次第、明日にでもこの学院を――」
「だ、だから……ちょっと待ちなさいよ! わたしはもうあんたと契約を交わしたの!
 契約主のわたしから勝手に離れて、一体どうするつもり!?」
「契約、とおっしゃられても――私の答えは、今申し上げた通りですので」
「そ、そ、その手に刻まれたルーンはどうする気よ! わたしの使い魔は!?」
「好きにすればいいじゃない。私たちは好きにするわ。
 それに使い魔が欲しいなら、わざわざ召喚なんかしなくても、そこいらの適当な獣でも捕まえて契約すれば?」
「ダ、ダメなのよ! 『サモン・サーヴァント』で呼び出した使い魔でなきゃ意味がないし、効果もないの!
 ここで、呼び出したあんたたちに逃げられたら、わ、わたし……!」



……まずい。
まずいまずいまずい。非常にまずい。
毎日毎日失敗続きで、いい加減自分でも嫌になりかけていた今日。
やっと成功してくれたサモン・サーヴァントで呼び出した使い魔が、居なくなってしまう。
何十回もの失敗の末、ようやく、それもエルフ(ハーフな上に魔法も使えないって言ってるけど)が来てくれたのに。

――せっかく、『ゼロ』から脱却できると思ったのに。


「……私達が居ないと、どうなるのです?」
「ちょっと、リック……!」


よせばいいのにと、主を諌める拳銃の声にも構わず、わたしにそんなことをいうものだから。
つい、蚊の鳴くような声でぽつりと、つぶやいてしまった。

「……留年、しちゃうじゃない……!」

――そうよ。
わたしだけ、使い魔無しで……!
そうしてまたみんな、進級の遅れたわたしのことを、ゼロだゼロだって、馬鹿にするのよ……!
毎日毎日、魔法の練習も欠かさずやっているのに、何もできない落ちこぼれって……! そんなのいや!


「留、年……?
 どういう事情かは、存じ上げませんが、その……」
「……ちょっと? リック、変な同情は――」

「……?」

数瞬の物思いから我に返って。
気がつけば目の前のハーフエルフは、なにやら心配げな表情を浮かべている。
……逃がすわけには、いかないと思った。
何としても、わたしは、こいつを使い魔に……!



――――『留年』。
少女のこぼした呟きを、私の耳はしっかりと拾っていた。
詳しい事情こそまだ斟酌しかねるが、私が去るせいで少女がそうなるというのも、あまり寝覚めの良くない話である。
無論、私にも私の事情があるわけではあるのだが……。


「……?」

ルダから差される釘に、生返事で応じていると――
不意にうつむいていた少女が顔を上げ、こちらを睨む。
先ほどとは、また少し違った表情だが…………?

「そ、そうだわ……! そういえばあんたたちのいたゴルトロックって場所、とんでもなく遠いところにあるって話だったわよね?」
「……ええ、それはもう」
「だったらこのトリステインから国外へ出るとしても……大丈夫なのかしら、ねえ?」
「……な、何でしょうか?」


――そう答えた瞬間、脳裏に既視感が走る。
にやり、と。
お嬢様より幾分か幼い少女の、私を見る表情が、獲物を捕まえた小悪魔のそれに変わった。

「そもそも、帰れるだけの当てはあるの?
 たとえば旅費とか、地理とか、方策とか」
「……あ」

……痛いところを突かれた。
考えていない訳でもなかったのだが――どうとでもなると楽観視していたのが実情である。
一応財布も持ってはいたが――このハルケギニアでは、アーク・メリアの紙幣など通用するまい。
非常用の金貨にしたって、ゴルトロックでの相場が当てになるかどうかも怪しい。

「そ、それに……そんなに遠いところへ行くんだったら宿とか、食べ物とかはどうすんのよ。
 ただでさえハルケギニアの常識わかんない上に、あんたハーフエルフなのよ?
 その見てくれじゃ、うかつにホイホイ街中だって歩けやしないわ」
「む……た、確かに……」

――遺憾ながら、彼女の言はいちいち正論である。
食料にしろ宿にしろ、探せばやりようはいくらでもあるのかもしれないが――いかんせん、この世界では私は異邦人だ。
先刻聞いたエルフに対する風当たりも考えると、むしろ闇雲に動いてもデメリットのほうが大きいだろう。
考え込む私を見て、少女がさらに畳み掛けた。

「――とりあえず、もう契約のルーンも刻まれちゃってることだし……
 もうおとなしく、ここでわたしの使い魔をやってなさいよ。
 最低限の衣食住は保障したげるし、あんたがハーフエルフだって事も、
 この学院の中ならわたしの使い魔ということで、本当に深刻な問題にはならないと思うわ」

少女からの提案。
話の流れからある程度予想はついていたが、確かにさしあたって少女からすれば妥当な話だろう。
ただ――それならそれで、私にも通しておかねばならない筋がある。

「…………貴女のお話は分かりました。
 ただし、こちらからも二つ条件があります」
「なによ?」

「まず一つ。
 私と貴女とのこの契約は、あくまでも仮初めのものであるということ。
 ルーンこそ刻まれはしましたが、私はあなたの使い魔である以前に、セルマ・フォルテンマイヤーの執事です。
 既にして忠誠と銃を捧げた主を、裏切るわけには参りませんので」

「……そ、それで?」

「そして、先刻申し上げたとおり……事ここに至ってしまったとは言え、私は既にセルマお嬢様に忠誠を誓っています。
 本来ならばすぐに我が主のもとへ帰らねばなりません。ですから――二つ目。
 このゴタゴタした状況が片付き、私がゴルトロックへ帰れる目処がついたと判断したときは――
 申し訳ございませんがその時は、我が本来の主の下へ戻ることをお許し頂けますよう、お願い致します」

さっきまでの得意気なそれから一転、(案の定ではあるが)顔を引きつらせる少女。

「ちょ……ちょっと待ちなさいよ。
 それってつまり――あんたの判断一つで、いつでも好きなときにわたしの使い魔やめていいって事になるんじゃない!
 いくらなんでもそれって、ちょっと虫が良すぎると思わない?」
「繰り返し申し上げますが――私とて、既に主を持ちながら貴女に召喚された身。
 畏れながら、私としてはこれが最大限の歩み寄りでございます。 ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール様?」

もし呑めないのならば、どちらにとっても面白くない事の運びになるでしょう――
言外にその意を含めつつ、あえて姓名も含めた名前で呼び、答えを待つ。


「ふぅ…………分かったわよ」

待つこと一分。
微妙に疲れたような、強張ったような表情ながらも――少女が口を開いた。


「どうせわたしはあんたを使い魔にしないと留年確定なわけだし……その条件、呑めばいいんでしょ。
 あんたを、このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔にするわ。
 ……こ、光栄に思いなさいよね。 わざわざ、ハーフエルフなのに魔法も使えないあんたを、使い魔にしてあげるんだから」

その、明らかに背伸びした物言いに苦笑しつつ――

「畏まりました。
 このリック・アロースミス、仮初めの契約とは言えど、あなた様に力をお貸しする事を約束いたします。
 それでは、よろしくお願いいたします。ルイズ様」

私も、受諾の答えを返す。
双方の利害一致により――メイジと使い魔の、魔法に拠らない奇妙な(ある意味では本来の形の)契約が、ここに結ばれた。




「…………やれやれ」

長嘆息。
寝静まった少女の部屋から抜け出し、石造りの寮の裏で溜息をつきながら、私は今日の出来事を整理する。


流石に、私が召喚されたこの世界がゴルトロックではなく、ハルケギニアなる異世界だという事実には驚かされた。
私を召喚した彼女――ルイズ・ヴァリエールの説明にもあった、トリステインだの、ガリアだのと言った地名も
初めは単に私の知らない、地図にも載らない、ゴルトロックのどこかの一地名と思いたかったのだが――

事ここに到るまでにあちらこちらで見た、学院内の生活――というか文明レベル。
見た限りでは新聞もラジオも電話もなければ、電気も水道も車もない。
さらに、ノーライフキングと八英雄の伝説さえ知らない人々。
そして、今見上げた夜空に浮かんでいる“二つの”月を見てしまっては、流石に信じざるを得まい。


「まさか、ウォーレスと同じ身分になるとは……」

いつぞやヴァレリア様が我々に使い魔のフクロウを紹介した時、お嬢様が羨ましそうにしていたのを思い出す。
確かにあの時は私もちょっとばかり、ウォーレスに対抗意識を見せてみたりしたのだが。
……大神エル・アギアスよ、これなんて罰ゲームですか?

「エル・アギアスへの愚痴はそのへんにしときなさい、みっともない。
 で、この後どうするつもり? リック」

不意に、ホルスターの中からの愛銃の声。

「次は……そうですね、……はぁ。
 ノーライフキングでも、恨みましょうか……?」
「いつまでも寝言言ってると、トリガー、自力で引くわよ?」
「……すみません、少し取り乱しました。
 どうするかは――無論、決まっていますよ」

……決まっている。
ゴルトロックへ――――私の本来の居場所・オセロットシティのフォルテンマイヤー家へ、帰らねばならない。
脳裏に、幸せそうな顔で眠っていたお嬢様の姿を思い出す。
不可抗力とはいえ、私だけが綺麗さっぱり、あの場所から消えてしまったのだ。
みんなの心配する顔と――それ以上に、半狂乱で私を探そうとするお嬢様の顔が目に浮かぶ。

私と契約を(互いに不満点は多々あるものの)結ぶことになってしまった少女――ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。
彼女は『“使い魔の送還魔法”などという概念自体がそもそも存在しない』と言っていた。

ただ、本当に、あのトリスアの森から私を召喚したというのなら――そこには何らかの魔法の痕跡が残るはず。
あの場に居てくれた中でも、魔法の専門家であるヴァレリア様と
その師匠であるエルネスタさんなら――あるいは可能性もあるかもしれない。

一縷の淡い希望を、友人の大魔法使い師弟に抱き――

「……何にせよ、今日は色々あって疲れました。
 休んで英気を蓄えて、帰るために動くのはそれからにしましょう」
「戻るまでの生活のこともあるし、ね」

そう、ルダの言う通り――この世界一般の魔法技術では、ゴルトロックに戻るにしても一朝一夕の話ではあるまい。
長丁場になってセルマお嬢様に心配をかけるのは、大変遺憾ではあるのだが……致し方ないだろう。
密かに腹を括り――私は、当座の主の眠る部屋へ戻ることにした。



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