あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

色々と台無しな使い魔達

「我が名はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし〝使い魔〟を召喚せよ。」

金髪を縦ロールにした少女が呪文を唱えると、その視線の先に銀色の鏡が作り出される。
小さなその鏡からは、更に小さなグラス入りのワインが現れた。

少女は首を傾げながらもグラスに軽く口付けをする。
その同時刻に、青髪碧眼のとある婦人が長い長い夢から覚めた事など知る由も無く。


「我が名はギーシュ・ド・グラモン。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし〝使い魔〟を召喚せよ。」

矢鱈と派手な金髪の少年が呪文を唱えると、その視線の先に銀色の鏡が作り出される。
等身大のその鏡からは、茶色のマントを纏った栗色の髪の少女が現れた。

突然の事で驚きに目を見開くも、取り敢えず少女は目の前にいた想い人を抱き付いた。
ダラダラと脂汗を掻きながら、少年は背後にワイングラスを握り潰した様な音を聞く。


「我が名はタバサ。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし〝使い魔〟を召喚せよ。」

年齢よりも幼く見える青髪の女の子が呪文を唱えると、その視線の先に銀色の鏡が作り出される。
小柄な彼女よりも頭一つ程度大きなその鏡からは、彼女と同じ青い髪の高慢そうな少女が現れた。

憎々しげに自らを呼び出した女の子を見詰めた後、少女はありとあらゆる言葉で罵倒した。
奪われていた宝物を取り戻したその女の子によって、後日政治的な取引の材料とされる運命など予想もせずに。


「我が名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし〝使い魔〟を召喚せよ。」

情熱的な姿態と燃える様な赤毛が特徴の女性が呪文を唱えると、視線の先に銀色の鏡が作り出される。
それなりに背が高い彼女よりも更に大きなその鏡からは、筋骨隆々で黒い眼帯を巻いた男が現れた。

白濁した瞳で周囲を見回した大男は、旧知の親友でも見付けたかの様な笑顔で監督役の頭が寂しい教師へ炎を放つ。
襲い来る炎を華麗に捌いて巨漢を征したその教師の姿を見て、赤毛の女性は胸の鼓動を高鳴らせた。


「我が名はマリコルヌ・ド・グランドプレ。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし〝使い魔〟を召喚せよ。」

小太りで丸っこい少年が呪文を唱えると、視線の先に銀色の鏡が作り出される。
学院のメイドが使うお盆位の大きさのその鏡からは、妙にカラフルな絵が表紙に描かれた本が現れた。

困惑した顔で頁を捲った少年の目に、美しい女性のあられもない姿が緻密かつ鮮明に描かれた絵が飛び込んだ。
扇情的なイラストを嘗め回す様に鑑賞し始めた少年へ、周囲の女生徒は汚らわしい物を見るかの如く嫌悪の視線を送る。


「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし〝使い魔〟を召喚せよ。」

桃色の髪が目を引く少女が呪文を唱えると、視線の先に銀色の鏡が作り出される。
自分よりも遥かに小さいその鏡からは、四個の宝石と革の装丁の古びた本が現れた。

召喚した物の中にとある幼馴染の持ち物と国宝を認めると、少女は大慌てで走り寄った。
青い宝石を眺めて傷が出来てない事を確認した後に、染みが出来てないかとパラパラと本を拾い上げて頁を捲る。



こうして

今回の春の使い魔召喚の儀式によって

ある金髪の少年は2人の少女に殴り飛ばされ

青髪の女の子は呼び出した少女と睨み合い

赤毛の女性はある教師へ恋心を燃やし

小太りの少年は蔑みの目で見られて興奮し

桃色髪の少女は白紙の筈の本で魔法が使える様になった。


ぶっちゃけ、
宇宙の果ての何処かにいる存在の意思でも働いたのかと思う程に
儀式の場となった広場では様々な混沌とした事態が集中して発生している。




しかし。


実の所、この訳の分からない事態の魁となったのはトリステイン魔法学院では無い。
誰も知らぬ真なるその矯矢の名前は…………ガリア王ことジョゼフ1世。




「ミューズ……ミューズ………余の可愛いミューズ。」

今日も今日とて、そのガリア王の前には、黒い窓と大量のキーが付いた板の使い魔が鎮座している。
本来ならばこのハルキゲニアにはある筈の無いその使い魔は、ボンヤリと明るい光を放つ窓の中に異世界を映し出していた。
朗らかに笑いながら、ジョゼフ1世はその異世界を愛おしそうに眺めている。

常々弟との比較で荒んでしまった彼の心には、
決して誰も馬鹿する様な言葉を投げ付けて来ないその世界が酷く魅力的に映ったのだろう。
例え、その世界の住人が目の異常に大きい……人ならざる者であったとしても。

「では、次はこれで如何だね……ふふふ……可愛いミューズよ。」

カタカタと、彼はブラインドタッチでキーを楽しそうに叩いている。

周囲からは無能王と馬鹿にされてはいるが、彼は元々頭が恐ろしく良いのだ。

流石に召喚したその時は戸惑っていたが、
召喚して1日目にはキーと窓の変化の間に規則性を見付けた。
召喚して5日目には窓の中の世界の言語を解明した。
召喚して10日目には使い魔を完全に使いこなしていた。

そして今。
元々その使い魔がいた世界でも同程度の使い手は存在しないだろうと言う位のレベルに、彼は到達している。

「そうかそうか、余のミューズよ。 良くやったぞ。」

現在の彼は、ほぼ全ての政務を放り出して薄い板状の使い魔に構うだけの毎日である。
メイジと契約した恩恵なのか、その使い魔は疲れて光を放つのを止める素振りすら見せない。

まあ、使い魔を弄る時間に比例してモリエール夫人の心労は嵩んで行ったのだが。

「……おいたわしや、陛下。
 こんなにお慕い申し上げている私がいるこの世界よりも、斯様な怪物共の魔界を愛すると言うのですか?
 ……………分かりました。 陛下が私の方へと再び目を向けて頂けるその日まで、私がこの国をお守りします!!」

最早年中ゲームしかしていないジョゼフの背後で唇を血が出るまで噛み締めると、
モリエール夫人は小姓に命じて自室にジョゼフが放棄した仕事の書類を集めさせる。
その書類を神速の域に達さんばかりの速度で処理をするその姿は、
夫人の傍付きである小姓が語る所によると,さながらガンダールヴの様であったそうな。

これが後の世に知られるガリア史上最高の女王・モリエール1世の誕生秘話である。

商業や流通の発展の為に町を繋ぐ街道を整備したり,
貴族の名を失ってしまった者達の為に仕事を回す施設が作られたり,
平民に様々な知識を広める為に学校を建設して義務教育制度を始めたりと、
彼女の名とその数知れぬ偉業は後世においてハルキゲニア人ならば誰もが知っている常識となっているとかいないとか。


数人の不幸な人物が生まれはしたが、この混沌とした世界は今日も平和です まる


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モンモランシー:水の精霊の薬入りワイン
ギーシュ:ケティ
タバサ:イザベラ
キュルケ:メンヌヴィル
マリコルヌ:エロ凡パンチ・'75年4月号
ルイズ:四系統のルビーと始祖の祈祷書
ジョゼフ:才人のパソコン

以上をそれぞれ召喚

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