あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

レプリカ・ゼロ-2

トリステイン魔法学院。ルイズの部屋。
 部屋の中には、ルイズとルイズが召喚してしまったルークが居た。
 ルイズは、ルイズで己のベットに腰を掛けルークはルークで、
 床に胡坐を掻いて座っており、二人とも何故か睨みあっていた。
 原因としては、ルイズが言うルークの扱いについてである。

「なんで俺が、お前の使い魔ってヤツなんてしなきゃなんねぇんだよ」
「お前じゃなくてご主人様でしょ! あんたは私に召喚されたんだから当たり前じゃない!」

 平民の癖に貴族の言う事を聞けない訳?! と、語気を荒めて言うルイズに、ムッと眉を顰めるルーク。
 平民、平民と連呼しやがって。終いには、貴族の言う事を聞けない訳だぁ? と、ますます眉を顰めるルーク。
 まったく、なんでこんなの召喚しちゃった訳? と、言うルイズにルークからブチッと何か切れた様な音がする。

「俺には、ルーク・フォン・ファブレって名前がある! それに平民じゃねぇ! コレでも子爵の位を貰ってる!
 更に言うなら! 貴族だから権力があるからと言って平民を無碍に扱って良いわけじゃねぇ! そんな事もわからねぇのか!」

 いつの間にか胡坐の状態から立ち上がり、ルイズに詰め寄って鋭い眼光で睨みつける。
 その鋭い眼光に、ルイズは小さく悲鳴を漏らし身を竦めた。

「てめぇ見たいなのが居るから、争いごとは無くならねぇし国が腐っていくんだよ!」

 このクズが! と、最後についついもう一人の自分の口癖を吐くルーク。
 俺が、此処に居る意味も理由もねぇ! と、ルークはルイズの部屋から出て行く。
 一応、情報が欲しいから此処まで着いて来たが、召喚したんだから使い魔でしょ! だの
 いちいち、平民を見下した言い方も気に喰わない!
 終いには、なんでこんなの召喚しちゃった訳? だと? 良い迷惑だ!
 こんな所に来たくて来た訳じゃねぇ! あぁ、苛々する! と、ルークは薄暗い廊下を突き進み
 外に繋がって居るであろう扉に手をかけて、扉を少々荒々しく開けて外へと出た。

既に陽は落ち、空を見れば漆黒の海に二つの月と小さくながらも力強く煌く星々。
 ふぅ……と、ソレを見て自分を落ち着かせる様に深く息を吐き出すルークだったが……
 まて、二つの月? バッと、再び空を見上げる。其処には確かに月が二つ存在した。
 唖然としてその場に立ち尽くすルークだったが、何とか気を持ち直すと近くにあった木の下で胡坐を掻き
 木に背を預けてため息を一つついた後で、深呼吸をニ、三回ほどし心を落ち着かせる。
 そして、自分の現状を把握する為に思考の海に潜り込んだ。
 ヴァンを倒し、ローレライの鍵でローレライを解放した。アッシュの亡骸を抱いて。
 ローレライが、何事かを囁く様に言った後、俺とアッシュは……其処から先は、真白な光に包まれた事しか覚えていない。
 セブンスフォニムが乖離しはじめ、掻き消される様に崩壊して言った感覚を覚えている。
 では、何故俺は、此処に存在しているのか……そもそも、此処には音機関の姿が一つも見えないし……
 俺が、此処に呼び出された後で、空を飛んで帰っていった少年少女とコルベール達が、譜術を使った感じもしない。

 そもそも、月が二つあるってなんだよ。外殻大地が魔界に落ちた後に出現した? いや、そんな訳はない。
 月が二つに見える土地なんてあったか? バチカルからもグランコクマからもケテンブルクからも見える月は一つだけだった。
 もしかして、アルビオールで来なかった場所なのか? と、考えてもそれは無い。と、答えが出る。
 俺を此処に呼び出したルイズが言うには、魔法らしいが……そもそも、魔法ってなんだ?
 こんな訳の分らない状態で、こんな訳の分らない場所に連れて来られ……なんか、ティアと初めて会った時みたいだな。
 まぁ、どう見てもルイズはティアって感じじゃねぇけどな。
 ルークは、乱雑に己の頭を掻いた後で再び学院の中に入ろうと立ち上がり……
 今更ながら、腰に差してある剣の重さが軽すぎる事に気づく。
 そして、腰に差してある剣を見てみれば……其処には、剣を留める金具と鞘のみであり
 ルークが、アッシュから受け取ったローレライの鍵の影も形も無かった。
 ありえねぇ~……と、うな垂れるルークだった。

ルークが部屋を出て一人部屋に残されたルイズは、ルークに言われた言葉にしばらく唖然としていたが、
 正気に戻るや否やベットを殴りつけ憤慨した。
 一通り憤慨し、物に八つ当たりした所で、荒くなった息を整えその場に座り込むルイズ。
 そして、今の自分の立場を瞬時に理解すると、握られた拳を床にたたきつけた。
 カーペットがひかれていた為、拳には鈍い衝撃が伝わるのみで、何度も何度も拳を床に叩きつける。
 叩きつかれてだらしなく床に寝そべり天井を見上げるルイズ。
 視界が何故かぼやける。多分、涙。と、ルイズは冷静に頬に流れる涙を感じてそう思う。

「おい」

 行き成り声をかけられ、ルイズは慌てて身を起こし涙を腕で拭い声がした方を見やる。
 其処には、先程自分に罵声を浴びせて部屋を出て行ったルークが立っていた。
 何時の間に入ってきたのか分らなかった。多分、それだけ自分は気を荒げていたのだろうと結論付けるルイズ。
 ルークは、腕を組んでルイズを見据えている。そして、不本意だ。と、言う表情でルイズの傍にまで歩を進めルイズを見下ろす。
 ルイズは、そんなルークに「なによ」と、小さく呟き答える。

「付き合ってやる。べ、別にあれだ。一生って訳じゃないぞ!? 俺には、約束があるから約束を果さないと行けない!
 ソレまでの間なら、お前の使い魔とか言うのに付き合ってやる!」

 なにそれ。ルイズは、唐突に告げられたルークの言葉に対してそんな感想を抱いた。 
 呆けた表情を浮かべているルイズを見てルークは、何か俺の言い分が悪かったか? と、内心思いつつ眉を顰める。

「約束って何よ……」

 しばらくの無言の時間が続いた後で、ルイズはゆっくりと立ち上がり腕を組んでルークを見据える。

「帰るって約束だ」
「何処によ」
「バチカル」

 正確にはティア達の所だけどな。と、ルークは心の中で呟く。

「だから、何処よそれ……アンタが言ってたグランコクマとかケテンブルグとか聞いた事無いわ」
「だろうな」

 と、言ってルークは窓まで歩を進め夜空を見上げる。そんなルークに眉を顰めるルイズだったが……

「俺の居た場所じゃぁ、月は二つも無い。それどころか……二つに見える場所すら無いんだ」
「月は二つある物で、何処でも月は二つに見えるわよ。重なりの時は別だけど」
「重なってもいねぇよ。ずっと一つだ。小さい頃から一つの月だった」
「ふぅん……それがなに?」
「俺は、頭良くないから確証は持てないけどな。此処は……俺の居た世界じゃない」
「アンタ、頭大丈夫?」

 ルイズの言葉に、ルークはため息を一つ。そして、懐から何かを取り出しルイズに投げ渡す。
 それは、ルークが居た場所では『スペクタクルズ』と呼ばれていた道具。
 スペクタクルズを受け取ったルイズは、ソレを見て怪訝な表情を浮かべる。

「虫眼鏡?」
「ちげぇよ。それで俺を見てみろ」

 何が違うのよ? と、スペクタクルズでルークを見る。
 すると、見た事の無い文字が無数に浮かび上がる。
 へ? と、ルイズはスペクタクルズを覗いたまま変な表情を浮かべた。
 しばらく後で、スペクタクルズは乾いた音と共に細かく砕け落ちてしまう。

「そんなの此処の何処かで売ってるか?」
「こんなの無いわよ……一体なによこれ?」

 と、砕け落ちたスペクタクルズの成れの果てを指差して言うルイズに、ルークは肩を小さく竦めて見せた。

「対象の体力と術や技を使うための力に、身体能力と弱点属性を見る為の道具」

 まぁどういう仕組みなのかは、知らないけどな。とルークは付け加えた。

「……わかった、あんたが、違う世界の人間だって信じる。でも帰るのは無理」
「なんでだよ!?」
「使い魔を召喚する呪文と契約する呪文はあるけど……使い魔を還す呪文なんて存在しないの」
「そんな訳あるかよ!!」
「本当よ!! そんな呪文があったなら直ぐにあんたを還して別の使い魔を呼んだもの!!」

 ルイズの言葉に、なんでだよ……と、額に手を当て天を仰ぐルークだったが……

「別の方法は?」
「知らない……使い魔を還すメイジなんて古今東西いないもん。使い魔は一生のパートナー。還すメイジが居ると思う?」
「……いねぇな……」

 一生のパートナーって言うんだから、使い魔を元の場所に還すヤツも居ない。居ないから還す呪文も無い。

「……ん? お前は今知らないって言ったよな?」
「えぇ、知らないわ」
「なら、知らないだけで本当はあるのかもしれないよな?」
「え?」

 呪文以外で還る方法があるかもしれない。もしくはただ知られていないだけで還す呪文があるのかもしれない。
 ルークは、そう考えての発言だった。その言葉にはルイズも盲点だったのか呆けた表情でルークを見る。

「なら、俺は……お前の使い魔ってヤツをやっても良い。そのかわりお前は、俺が還れる方法を探す」

 悪くないだろ? と、ルークは言うとルイズはしばらく……と、言ってもほんの数秒だけ考えて頷いた。

「私も、平民よりグリフォンとかドラゴンとかの方がいいもん」
「よし! なら、契約成立だ!」
「平民と契約するって変なの」
「だから、俺は………まぁ此処じゃぁ平民と同じ様なもんか」

 やれやれ。と、ため息を一つ。

「まぁ短い間だと思うけど宜しくな」
「短い間にしたいわね。ほんと……」

 使い魔うんぬんの話は、其処で終結した。
 まぁ、寝る時にまたひと悶着あったりするのだが……それはご愛嬌である。



 ルークは『ゼロの使い魔(仮)』の称号を手にいれた。

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