あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

GTA-0_7

クソッ、ルイズを甘く見過ぎた……。ここの空気に慣れすぎて頭が間抜けになったか?
さっきは『 運良く 』爆発を避けれたが次はどうなる?
地球の常識など此処では生ゴミ以下の価値も無い。それを頭に叩き込まなければ、死ぬ。
「だ、大丈夫ですか!?」
黒髪のメイドが俺に駆け寄って来る。確かこいつは…シエスタという名前だったか。
「怪我は無いですか?」
「多分大丈夫だ。もろに当たって無い」
「そ、そうですか」


「そこの君っ!!」


何なんだ、今度は…。
声のした方に向くと、金髪の胸をはだけたガキが興奮した様子でこっちに近づいて来ていた。
「君だよ、君! ルイズの使い魔!
 君の主人であるルイズのせいでモンモランシーの服に紅茶がかかってしまったじゃないか!
 一体どうしてくれるんだね!!」
知るかそんな事。…だがこいつも多分メイジだ。適当に謝った方が無難だな。
生意気な口を叩く金髪の面に拳をめり込ませたい衝動を抑えて、冷静に答える。
「本当に済まない。いきなり暴れだしたので止める事が出来なかった。許してくれ」
「な、何なんだねその口の聞き方はっ!?
 ……ふん、まあいいさ。ルイズの使い魔などに礼儀を期待する方が間違いだったね。
 謝罪をしただけでも良しとしてやろう。僕の慈悲に感謝したまえ、平民!」
「………」

「ええと、あの…」
「こういうのは慣れてるから気にしなくて良い」
下手に反感を買って命を狙われるよりはマシだしな。まあ既に狙われたが。
とにかく、ルイズが俺に殺意を持っているのは間違いない。
どうにかして懐柔できないか? あんな目に合うのはもう御免だ。

……丁度良い奴が居るじゃねえか。俺に協力的でルイズより権力を持った人間が。



夜の闇に包まれた部屋の中、光源に照らされ影を帯びるルイズ。
俺が話し終わると、ルイズの表情が薄ら笑いから歪んだ物に変化した。
「つまり使い魔にはなるけど自由にさせてもらうって事? …冗談じゃないわよっ!!」
ちっ、予想通りの反応か。…こうなったら最終兵器の投入だ。
視線を向けるとコルベールは軽く咳払いをして答えた。
流石のルイズもこいつには逆らえんだろう。頼むぜ、コルベール。
「ミス・ヴァリエール、ミスタ・スピードは使い魔とはいえ我々と同じ人間なのです。
 それなりの待遇は保障せねば…」
「何を言っているんですか、ミスタ・コルベール! こいつは平民なんですよ!?
 それも人に刃物を向ける様なゴロツキのろくでなしのならず者の!
 第一、こいつは『 私の 』使い魔です。どう扱おうと主人である私の自由の筈です!」
「落ち着きなさい、ミス・ヴァリエール。
 召喚の儀の一件は前にも言いましたが誤解から生じた物で、既に解決した事です。
 それに一つ聞かせて貰いますが、彼を一体どの様に扱うつもりなのですか?」
「え? そ、それは……その……えーと…」
「まさか口に出来ない様な事をさせるつもりだったのかね?」
「いえ、そんな事は…」
「疚しい事で無ければ今ここで言ってみなさい」
「………」
こいつ、マジでその気だったのか。
「ミス・ヴァリエール。貴族とは力無き者を護り、助ける者であると私は考えています。
 相手が平民だからという理由だけで蔑み、好き勝手に扱うのは貴族の行う事でしょうか?
 少なくとも私はそうは思いません」
「………」
「ミス・ヴァリエール、今後はミスタ・スピードに魔法を使ってはなりませんぞ。宜しいですな?」
「……はい」

「助かった、コルベール」
「いえ……。正直に言うと打算的な考えも有りましたし、褒められる物ではありませんよ」
「何にしても感謝してる事には変わり無い」 
「はは…、そうですか。ならば今後も研究への協力を頼みますぞ、ミスタ・スピード」
「ああ、分かった」

面倒な問題は片付いた。次は帰る為の情報収集だが……厳しいな。
今の所使えるのはコルベールだけだが、あいつは教師だ。割ける時間は余り無いだろう。
もっと人脈が、使える奴が必要だ。その為にも従順で協力的な善人の『 ふり 』を続けねえとな。



同じ服を三日間も着ていれば当然臭くなる。洗えば済む話だが、替えの服も金も無い。
つまり乾くまで下着で待つ事になる。それに洗濯機も無いのにどうやって洗えば良い?

「おはようございます」

聞き覚えのある声に顔を向けると、シエスタが朝の日差しに照らされて立っていた。
「ああ…、おはよう」
『おはよう』か、どうにも性に合わねえ。
「クロードさん、もしかして替えの服がないんじゃないですか?」
「何故分かった?」
「ああ、やっぱり。同じ服を着続けていましたから、もしかしたらと思ったんです」
「…それで用は?」
「替えの服なんですが、マルトーさんに頼めば用意してくれるかもしれません」
マルトーが? どういう事だ。

「がははっ! よく似合ってるじゃねえか!」
「サイズも丁度ですね」
なるほど、確かにこれも服だ。…しかしコックの服とはな。
「もういっその事ここに勤めねえか、クロード!」
「考えておく」



「こんにちわ、ミス・ヴァリエールの使い魔のコックさん。」
服の乾き具合を見に行く途中で遭遇した、緑色の髪をポニーテールにした女。
肉付き、顔、放つ雰囲気、全てが上等だ。そんな『 イイ女 』が俺に何の様だ?
「あら、警戒されているのですか? 私はこの学院の関係者ですわ。
 オールド・オスマンの秘書を勤めているロングビルと言います」
「………」
「ふう、私って信用が無いのかしら。コックさん、出来れば名前を教えて頂けます?」
「秘書なら知っている筈だ」
「女性から名前を聞かれて素直に答えない殿方は嫌われますわよ?」
この女……。
「…クロード・スピード」
「ミスタ・スピードと呼べば宜しいかしら?」
「…何とでも」

結局あの女――ロングビルは何が目的だったんだ。
本人は『 ただの挨拶 』だと抜かしていたが、ただの挨拶で色気を振りまくか? 胡散臭い女だ。



俺の女運は間違いなく悪い。シエスタなどの例外はあるが、それを補って余りある。
その元凶の一人のルイズがメイドを通じて俺を呼びだした。一体何が目的だ。

メイドから聞かされた場所へ行くと、既にルイズが腕を組んで待っていた。
素早く逃げられる様に、ルイズから怪しまれない程度に距離を開けて立ち止まる。
「久しぶりね、クロード」
「ああ」
ルイズの短い導火線に火を付けない様に、無難な返事をする。
「あんたに良い話があるの。明日は虚無の曜日だから街で何か買ってあげる」
買ってあげる、だと? ルイズが? 有り得ねえ。
「何、驚いてるの? それとも不満な訳?」
「いや、そうじゃ無い。どうして『 俺なんか 』に?」
「主人が下の者に施すのは当然でしょ。それ以外に理由が要るの?」

たった数日で態度がこうも変わるか? そんな訳無えだろ。どう考えてもこれは罠だ。
学院じゃ人目に付くから外でやるって訳か。舐めやがって。
いいだろう。あえて罠に嵌ったふりをしてやる。そして罠を利用してルイズの弱みを握る。
殺しはしない。ルイズが死んでこのクソッタレな刺青が消えるなら良いが
逆に呪いか何かで殺されるかもしれないからな。

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