あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのちグゥ-6

使い魔メモ

―身体的特徴―
  • 完全な二足歩行のヒト型。
  • 全体的には9歳前後の子供を思わせる。
  • 非常に薄くピンクが乗った、アルビノに近いブロンドの頭髪。
  • 肌も同様。
  • 上記二つの特徴と矛盾するが、瞳の色は漆黒。
  • 細く華奢だが、不健康に痩せているという感じではない。
  • 骨が入っているかどうか怪しいほど体が柔らかい。
  • 外見の細さを考慮しても、体重が異常に軽い。
  • 年齢等は不明、既に成体の可能性も有り。
  • ルーンは胸部で、服を着ると見えなくなる位置。

―能力―
  • 少なくとも成人男性並みの敏捷性と筋力を有する。
  • 心を読む。“勝手に判る”わけではなく、能動的に読む必要があるらしい。
  • 言葉を介せずある程度の意思疎通を行う。
 一方的な通信なら遠距離でもいけるようだ。
  • 種類や身分を問わず、あらゆる相手に対して不自然なほど自然に溶け込む。
 ある種の暗示または洗脳能力と予想されるが程度は不明。
  • モノを丸呑みにすることができる。かなり大きなものでも一瞬で、容量は不明。

―性質―
  • 多少ひねくれている。
  • 知識欲はそれなりに高い。
  • 食べ物の好き嫌いが多く少食。
  • 暖かい場所、光、水を好む。




ここはトリステイン魔法学院図書室。

グゥの正体を知りたくなったルイズは、ここ数日というもの授業もそこそこに図書室へ入り浸っている。
というかグゥの近くで熟考すると思考を読まれてしまうので、平民立ち入り禁止の図書室でしかゆっくり考え事ができないのであった。

「ねえタバサ、この特徴に符合する生物に心当たりあるかしら?」

ルイズは、自分に少し遅れてやってきた青い髪の級友にメモを渡し尋ねてみた。
この少女は、ルイズよりはるかに高い頻度で図書室を利用している。
なにか新しい考えをくれるかもしれない。

しかしタバサは少し考えたあと、ルイズと同じ結論に達した。
「吸血鬼?でも何か違うような……」

「はぁ、やっぱそうなるわよねえ。ありがとう、もう少し調べてみるわ」
「今のところ、それ以外思いつかない」
タバサはそれきり自分の持った本に集中した。

肩を落としたルイズは、別の本を物色しに本棚の奥へとぼとぼと歩いた。


自室に戻り机に向かって本と格闘しているルイズの肩に、既にベッドに潜り込んでいたはずのグゥがちょこんと乗っかる。

「ルイズ、明日って学校ないんよな?」
「うわ、びっくりさせないで!……まだ寝てなかったのね。確かに“虚無の曜日”だからお休みだけど、どうかしたの?」
「ここには、店とかないのか?」
「街までいけばあるけど。なんか欲しいものあるの?」
「おうよ」
「連れて行くのはいいんだけど、あんたお金とか持ってる?」
「んー」
グゥがにっこり……否、にやりと笑ってルイズを見る。

「呑むから、大丈夫」
「やめなさい」
「ばれないばれない」
「いいから、やめなさい。そんな高いものじゃなければ買ってあげるから……」
「へい」

つまらなそうに頷いたグゥは、再びベッドに潜った。



トリステインの城下町を、ルイズたちは歩いていた。
白い石造りの町並みはいつ来てもなかなかに美しい。

「あの茶色くて足が細長くて鼻息が荒くて背中に座席がついた生物は便利だな」
「グゥは馬も見たことなかったの?」
「うむ」
「それにしてはうまく乗ってたじゃない。ところで……なんであんたがいるのよ、ツェルプストー」
キュルケはふんと鼻を鳴らした。
「どうせグゥちゃんの服や靴を買いに来たんでしょ?あなたのファッションセンスが心配なのよ。ねー?」
言いつつ、グゥの頭を撫でる。それを見たルイズは歯軋りした。

確かに、グゥの服はこっちに来た時のままだ。
服ごと水浴びしているのを何度か見たので、少なくとも清潔にはしているようだが。
「う、うるさいわね!大丈夫よ!」
「本当かしら」

そのやりとりを見ていたグゥが呟いた。
「や、グゥが欲しいのは服や靴ではないですよ?」

え?

「じゃあ何が欲しいのよ。お菓子とか?」

ルイズとキュルケがは不可思議な表情を浮かべる。
グゥは首を振った。
「杖。魔法のステッキってやつ。武器屋とかに売ってへんの?うん、武器屋行きたい」

ルイズの口がぽかんと開く。
「いや、そもそも杖は買うもんじゃなくて契約するものだし。
わたし説明したわよね?あんたってメイジじゃないんでしょ?だったらあっても意味ないわよ」
キュルケが横から口を挟む。
「ま、武器屋に行きたいって言うんなら、連れて行ってあげればいいじゃない。減るもんじゃなし」
「確かにそうだけど……」

「いぇー」
グゥはその返事を喜んだのか、くるりと回った。


ルイズたちは裏通りを進む。そこは大通りとは異なり、静かで、汚い。
一度ごろつきに絡まれかけたが、キュルケが“フレイム・ボール”で黒焦げにして事なきを得た。
「確かこの辺だったと思うんだけど」
「馬鹿ね、ルイズ。もう一つ奥の通りよ」
「そうだっけ……あ、本当ね」

石の階段の上にある看板に、剣のマークが書いてある。
ルイズたちは羽扉を開けて中に入った。

店の中は薄暗く、壁や棚に所狭しと剣や槍が並べてある。
店の奥でパイプをくわえていた五十がらみの親父が、ルイズ達を胡散臭げに見つめる。
そしてキュルケが掴んでいた杖に気づくと、眉をひそめてドスの利いた声を出した。
「旦那。貴族の旦那。うちは真っ当な商売してまさあ。
お上に目をつけられるようなことなんか、これっぽっちもありませんや」

「ちょっとした冷やかしよ、気にしないで」
ルイズは腕を組んで言った。
「はあ、そうですかい……見るのはかまわんですがね、あんまり弄り回さんでくださいよ」
「はいはい」
主人のぼやきをさらりと流したルイズは、狭い店内を物色しているグゥに声をかけた。
「杖なんて売ってないでしょ?適当に見学したら帰るわよ」
「んー」
店の奥から気のない返事が聞こえた。どうも何かを真剣に見ているようだ。
キュルケが首を捻る。
「グゥちゃんって、剣術の心得なんかあるのかしら?」
「たぶん無いんじゃない」

とはいえここ数日で異常な経験をしまくったルイズにしてみれば、グゥが剣の達人でも別段驚くべきことではない。
しかし別に伝える必要もないので、キュルケには黙っておくことにした。

「ふうん。それにしても楽しそうね」

横のカウンターでは、主人がぶつぶつと呟きつつ頭を抱えている。
「ああ、シュペー卿の大剣に指紋が……うう、鞘飾りをねじるな……これだから子供は……」

グゥ以外の三人が溜め息をついていると、突然奥から男の悲鳴が聞こえた。


「げえ、やめろ、おめえ何もんだ!俺様に触るんじゃねぇー!うう、その目でこっちを見るな、頼むから!お願い!」

「なによ、あれ」
ルイズとキュルケが眉をひそめてそちらを向くと、主人も渋い顔をして店の奥を向き怒鳴った。
「やい!デル公!おとなしくしとけ!子供に掴まれるぐらいで騒ぐな!」
それに答えてさらに悲鳴と罵声が飛ぶ。
「いや、だって、こいつ!……畜生クソ親父め、てめーにゃ一生わからねえよ!」
そんな汚くも情けないやりとりが数回続いた後、グゥが元凶の“剣”を片手で振り回しながら戻ってきた。

キュルケとルイズと主人が、各々理由は違えど目を丸くする。
「あら、インテリジェンスソード?」
「グゥちゃん、剣使えたのね。随分錆びてるけど、それが気に入ったの?」
「何やってんだ、デル公……」
そして、グゥは嬉しそうに目を細めた。

「ルイズ、この杖が欲しい」
三人と一本の声が期せずして重なる。
「「「「はい?」」」」

そして、剣が再び叫んだ。
「な、何言ってんだおめえ!このデルフリンガー様が杖に見えるのか!なあ!」

主人は多少哀れみの混ざった目で、剣を見つめる。
「よかったなあ、デル公。てめえを気に入った初めての客じゃねえか」
デルフリンガーは主人の言葉に絶望したのか、鍔をカタカタと震わせた。
グゥがデルフリンガーを掲げ、その錆びた刀身を見つめる。
「ね、魔法のステッキ?」

「いや、だから俺様はデルフリンガー……」
「ステッキ……」

「あの、ねえ、ええと、貴方様は」
「グゥだ。ステッキ?」

「グゥ様、わたくしめはデル……」
「ステッキ!」

「は、はい。ステッキでいいです!是非ステッキで!でも、できればここに置いて帰っていただけないでしょうか!」
「……だめだ。おまえはグゥの杖だ。ステッキだ」

「………」
それきり、“元デルフリンガー”は沈黙した。



「ねえ、本当に10エキューでいいの?
いくら錆びてるとはいえ、インテリジェンスソードなのに……いや、今はインテリジェンスステッキかしら?」

ルイズの言葉に、主人は笑いながら答えた。
「かまいませんぜ、厄介払いみたいなものでさ。ククク、ざまあねえなデル公。
まあその子の“杖”として達者で暮らせや、あひゃっひゃっひゃ!
そうそう、この鞘をお付けしときますぜ。抜き身で表通りを歩くわけにもいかんでしょう」

剣としての尊厳を完全に剥奪されたデルフリンガーが、グゥの手の中で恨みがましく震える。
ルイズ達は武器屋を後にした。

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