これは運命に抗い続け力尽きた、一度死んだ男の物語
グレン団によるダイガンザン奪取の際、カミナはその身に
深い傷を負い命を落とした
しかし、死んだはずだったカミナはマチルダのサモン・サーヴァントに
よりその命を今一度取り戻しハルケギニアに舞い降りた
何故蘇ったのか、誰にも分からない
どうしてここにいるのか、誰も知らない
ただカミナは今は夢を見る
明日と言う名の夢を見る
グレン団によるダイガンザン奪取の際、カミナはその身に
深い傷を負い命を落とした
しかし、死んだはずだったカミナはマチルダのサモン・サーヴァントに
よりその命を今一度取り戻しハルケギニアに舞い降りた
何故蘇ったのか、誰にも分からない
どうしてここにいるのか、誰も知らない
ただカミナは今は夢を見る
明日と言う名の夢を見る
ゼロの使い魔異聞~お前の魔法で天を突け!~
第2話「あんた、私の召使になりなさい」
「んぐぁ………ぐぅ………ん……………あ?」
目覚めたとき、カミナは実に奇妙な光景に眼を丸くした。
ジーハ村やリットナー、アダイで見たようなくすんだ壁でもなければ
岩を彫りぬいた穴でもない。
真っ白の壁にぴっかぴかの壷やらなんやらがそこら中にあるのだ。
しかも、ブタモグラみたいに柔らかくてふかふかな何かが
自分の身体の下にあるのだ。
色々初体験なそれにカミナの思考は一瞬停止、そしてまた動き始めた。
「あー………死んだ後ってえのはこんなとこに来るもんなのか?」
むくりと起き上がり、ぐるりとあたりを見回し呟くカミナ。
が、その割には全身がきりきり痛いし包帯でぐるぐる巻きだったりするので
死んでないのはどうにも確実のようである。
つまり生きている、ついでに傷も手当てされている。
「ま、誰が助けてくれた知らねえが感謝はしとくか―――っとな!」
深く悩むこともなくポンと跳ね上がり、カミナはベッドから飛び降りる。
そして、自分の姿を見下ろし、気づいた。
そして、
「な………何じゃこりゃアアアアアああああああああああ!!!???」
叫んだ。
獣人に啖呵を切る時と同じくらいの大声で。
部屋がびりびり震えるでかさで。
「ねえ! ねえ! マントがねえ! なんてえかさらさらで真っ白(しれ)え!!」
ばばばっと身体をまさぐり、カミナはまた叫ぶ。
いつも肌身離さず持っていたマントとズボンの代わりにカミナが見たもの、
それは包帯巻きの身体に纏ったシルクのシャツとシルクのズボン。
破滅的なまでに真っ白でさらさらでぴっかぴかのギンギンのそれ、なんというか
背筋がぞわぞわっと来る光景だった。
「ど、どうしたの!?」
「のわぁ!?」
バンッ、と思い切り開け放たれたドア、それに驚きカミナは振向く。
それと同時に彼の目に飛び込んだのは少女が血相を変えて飛び込んでくる
ところ。
少女は起き上がりこちらを見るカミナの存在を認めると、胸を撫で下ろし
こちらにやってくる。
「良かった……起きたのね」
「お、おう」
一体誰だろうか、カミナはそう頭で考えながらその少女を上から下まで
ぐるっと見渡す。
年はだいたいヨーコと同じくらい、顔のつくりはなかなかに整っていて
キタンのところの三姉妹を思い出すが、ちょっとキツイ感じがヨーコに
似てなくもない。
胸はといえば、流石にヨーコには負けるがそれでもでかいほうだった。
目覚めたとき、カミナは実に奇妙な光景に眼を丸くした。
ジーハ村やリットナー、アダイで見たようなくすんだ壁でもなければ
岩を彫りぬいた穴でもない。
真っ白の壁にぴっかぴかの壷やらなんやらがそこら中にあるのだ。
しかも、ブタモグラみたいに柔らかくてふかふかな何かが
自分の身体の下にあるのだ。
色々初体験なそれにカミナの思考は一瞬停止、そしてまた動き始めた。
「あー………死んだ後ってえのはこんなとこに来るもんなのか?」
むくりと起き上がり、ぐるりとあたりを見回し呟くカミナ。
が、その割には全身がきりきり痛いし包帯でぐるぐる巻きだったりするので
死んでないのはどうにも確実のようである。
つまり生きている、ついでに傷も手当てされている。
「ま、誰が助けてくれた知らねえが感謝はしとくか―――っとな!」
深く悩むこともなくポンと跳ね上がり、カミナはベッドから飛び降りる。
そして、自分の姿を見下ろし、気づいた。
そして、
「な………何じゃこりゃアアアアアああああああああああ!!!???」
叫んだ。
獣人に啖呵を切る時と同じくらいの大声で。
部屋がびりびり震えるでかさで。
「ねえ! ねえ! マントがねえ! なんてえかさらさらで真っ白(しれ)え!!」
ばばばっと身体をまさぐり、カミナはまた叫ぶ。
いつも肌身離さず持っていたマントとズボンの代わりにカミナが見たもの、
それは包帯巻きの身体に纏ったシルクのシャツとシルクのズボン。
破滅的なまでに真っ白でさらさらでぴっかぴかのギンギンのそれ、なんというか
背筋がぞわぞわっと来る光景だった。
「ど、どうしたの!?」
「のわぁ!?」
バンッ、と思い切り開け放たれたドア、それに驚きカミナは振向く。
それと同時に彼の目に飛び込んだのは少女が血相を変えて飛び込んでくる
ところ。
少女は起き上がりこちらを見るカミナの存在を認めると、胸を撫で下ろし
こちらにやってくる。
「良かった……起きたのね」
「お、おう」
一体誰だろうか、カミナはそう頭で考えながらその少女を上から下まで
ぐるっと見渡す。
年はだいたいヨーコと同じくらい、顔のつくりはなかなかに整っていて
キタンのところの三姉妹を思い出すが、ちょっとキツイ感じがヨーコに
似てなくもない。
胸はといえば、流石にヨーコには負けるがそれでもでかいほうだった。
ま、美人ってやつだな、カミナは一人納得する。
で、いったいこの少女は誰か?
「お前さん、だれだ?」
思ったならば即行動のカミナ、思ったが同時目の前の少女に問いかけていた。
「えっと……あ、あなたを……助けたの」
ぎくりと動揺、戸惑い、少し引きつった顔で少女は微笑む。
うふふ・おほほと笑うその姿、怪しい、実に怪しい。
だが、身体に巻かれた包帯といいふかふかのあれと言い、助けてくれたのは
本当のようでもある。
「そうか。助けてくれたってえのは分かった、感謝するぜ」
受けた感謝に礼は忘れちゃいけない、それが漢(おとこ)というやつである。
「そ、そう」
だが、
「で、お前さん何だ?」
聞くことは忘れない。
「あ……あは……はは、あのね」
ざざざっと後ろに後ずさる少女を目で追う。
「え、えっとね。私は……その……あ、あなたをね」
「おお」
「ええっと………召喚、しちゃったの」
「ショーカン? なんだそりゃ?」
首をぐいっと傾けてかしげるカミナ。
「え? そりゃサモン・サーヴァントのことだけど――――って、え?
まさか貴方、メイジじゃないのお!?」
「なんだ、メイジって?」
「ええええええええええええええええええええ!!??」
「うをおおぉっ!?」
思い切り驚く少女に逆にカミナが後ずさった。
詰め寄るように少女がカミナの眼前に迫ってくる。
「マント持ってたじゃない! でっかいマント!」
「あ? あー……死ぬ前は羽織ってなかったけど何か持ってた気がするな」
「杖は!?」
「じじいじゃあるまいし、何でそんなの持たなきゃなんねえんだ?」
「そんな!? じゃじゃじゃじゃじゃあ、アンタって貴族じゃないの!?」
「キゾク? 獣人とかなら知ってっけど……なんだ、『キゾク』って?」
「ああ、そんな!」
えらくオーバーに驚き少女は膝をつく。
「魔法しっぱいしだたけじゃなくて……しかも人間呼んで………おまけに
貴族じゃなくて平民呼んじゃったの、私…………?」
「あん?」
「マントあったし………そりゃ杖ないのはおかしかったけど…………
でも思うじゃないメイジってぇぇぇ………」
「あー、ああん?」
正直いまいち現状を飲み込めずカミナはまた大きく首をかしげる。
しかし、窓の外から見えた外の風景にそんなことはどうでも良くなった。
カミナはその表情を強張らせ窓に近づいていく。
「………おい、ちょっと聞いていいか?」
「何よ………?」
酷く真剣な声に、心底落ち込んでいたマチルダは男を見上げた。
「ここって何処だ?」
その口の聞き方、非常に礼儀知らずなその態度に眉を顰めるマチルダ。
しかし、平民だとしたら普通は敬うなりなんなりするはずなのだが
どこか雰囲気の違う目の前の男に、微かな違和感を覚える。
「アルビオン」
「ジーハ村とかリットナー、アダイとかじゃなくてか?」
「ええ、そうだけど………」
もしかして、こいつはかの東の国『ロバ・アル・カリイエ』の人間なのか?
男の質問に答えつつマチルダはその男の顔をよく観察する
で、いったいこの少女は誰か?
「お前さん、だれだ?」
思ったならば即行動のカミナ、思ったが同時目の前の少女に問いかけていた。
「えっと……あ、あなたを……助けたの」
ぎくりと動揺、戸惑い、少し引きつった顔で少女は微笑む。
うふふ・おほほと笑うその姿、怪しい、実に怪しい。
だが、身体に巻かれた包帯といいふかふかのあれと言い、助けてくれたのは
本当のようでもある。
「そうか。助けてくれたってえのは分かった、感謝するぜ」
受けた感謝に礼は忘れちゃいけない、それが漢(おとこ)というやつである。
「そ、そう」
だが、
「で、お前さん何だ?」
聞くことは忘れない。
「あ……あは……はは、あのね」
ざざざっと後ろに後ずさる少女を目で追う。
「え、えっとね。私は……その……あ、あなたをね」
「おお」
「ええっと………召喚、しちゃったの」
「ショーカン? なんだそりゃ?」
首をぐいっと傾けてかしげるカミナ。
「え? そりゃサモン・サーヴァントのことだけど――――って、え?
まさか貴方、メイジじゃないのお!?」
「なんだ、メイジって?」
「ええええええええええええええええええええ!!??」
「うをおおぉっ!?」
思い切り驚く少女に逆にカミナが後ずさった。
詰め寄るように少女がカミナの眼前に迫ってくる。
「マント持ってたじゃない! でっかいマント!」
「あ? あー……死ぬ前は羽織ってなかったけど何か持ってた気がするな」
「杖は!?」
「じじいじゃあるまいし、何でそんなの持たなきゃなんねえんだ?」
「そんな!? じゃじゃじゃじゃじゃあ、アンタって貴族じゃないの!?」
「キゾク? 獣人とかなら知ってっけど……なんだ、『キゾク』って?」
「ああ、そんな!」
えらくオーバーに驚き少女は膝をつく。
「魔法しっぱいしだたけじゃなくて……しかも人間呼んで………おまけに
貴族じゃなくて平民呼んじゃったの、私…………?」
「あん?」
「マントあったし………そりゃ杖ないのはおかしかったけど…………
でも思うじゃないメイジってぇぇぇ………」
「あー、ああん?」
正直いまいち現状を飲み込めずカミナはまた大きく首をかしげる。
しかし、窓の外から見えた外の風景にそんなことはどうでも良くなった。
カミナはその表情を強張らせ窓に近づいていく。
「………おい、ちょっと聞いていいか?」
「何よ………?」
酷く真剣な声に、心底落ち込んでいたマチルダは男を見上げた。
「ここって何処だ?」
その口の聞き方、非常に礼儀知らずなその態度に眉を顰めるマチルダ。
しかし、平民だとしたら普通は敬うなりなんなりするはずなのだが
どこか雰囲気の違う目の前の男に、微かな違和感を覚える。
「アルビオン」
「ジーハ村とかリットナー、アダイとかじゃなくてか?」
「ええ、そうだけど………」
もしかして、こいつはかの東の国『ロバ・アル・カリイエ』の人間なのか?
男の質問に答えつつマチルダはその男の顔をよく観察する
ゲルマニアの褐色とも違うそのくすんだ肌の色、ガリアの王族だけの
珍しい青色とも違う空色の髪、顔の作りもハルケギニアには存在しない
類のものである。
ここに至り、ようやく自分はとんでもないものを召喚してしまったのでは
と顔を青ざめるマチルダ。
未だ国交のないはるか遠い国であれど、彼がもし重要な地位につく人間
だとしたらとんでもなくマズイのではないか?
ただでさえ使い魔を呼ぶだけの呪文を失敗して人間を呼び出したのだ。
もしそうなればどうなることやら。
絶望的な未来にマチルダは頭を抱えた。
「こんなこと………ありえんのか?」
カミナの知っている大地は一面の荒野だった。
風が吹けば砂が舞い上がり、干からびた大地は皹だらけ。
谷はっでっかい岩だらけ、獣人と戦い死んだ人間の骨なんてザラだ。
しかし、これは、何だ?
窓の外、目の前は一面ずっとはるか向こうまで緑だった。
森は見た。
山も見た。
だが、ここまで一面びっしりに広がる緑は終ぞ見たことがない。
山が緑だ、森がいっぱいだ、草むらがぎっしりだ、しかもそれだけじゃない。
「すげえ………!」
緑の一画を切り取ったそこに見える町々の建物がカミナの目を奪った。
地上の建物といえば崖をくり抜いた穴ぐらが基本のカミナ。
だが、そこにあるのは穴ぐらでない建物が、グレンラガンの背中に乗せていた
あの箱みたいなのをでかくしたものが、たくさんあったのだ。
それにカミナは身体の奥の奥、芯の部分から『すっげえもの』が湧
き上るのを感じた。
「お、おお……………」
「ん?」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「きゃあ!?」
「コイツはすげえ! 見たことねえ聞いたことねえ触ったことがあ、ねえ!
ねえねえ尽くしってえのは探せばまだまだあるもんだなあ、おい!」
眼をキラキラ輝かせて、子供のようにはしゃぐカミナ。
ここが何処かとか、もしかすると全然別の世界かもしれないという不安や
疑問なんかが出るより先に、喜びの感情ががカミナの頭を突いた。
「くあああああ! シモン! ヨーコ! こいつは本当にすげえぞ!
ちくしょう、ここにいたらマジでお前達に見せてやりてえぜ!」
だが、はしゃぐそんなカミナの肩を少女が叩く。
振向くと、少女はさっきより顔を引きつらせてこちらを見ていた。
どうしたのだろうか?
「え、えっと……聞きたいのだけど、あなた、東の人? もしかして?」
「あん? 東ぃ?」
ふむ、と腕を組んで首をかしげる。
「そ、そそ、そう。あなた達からすると、ここって西にやって来た事に
なるんだけど………」
はてさて、どうだったろうか。
浮かれた頭をひっ捕まえて元の場所に戻し、カミナは自分でも良く
わかってる空っぽな頭を働かせてみた。
沢山の旅をしてきたが正直方角なんてのは考えた事がない。
獣人の基地を探して旅をしたのは覚えているが詳しい事はさっぱりだ。
難しい事はリーロンが説明してくれたことがあった気がするが多分寝てた。
カミナの頭にやっぱりでっかく浮かぶのは仲間達のことだけ。
大事な大事な、かけがえのない大グレン団の仲間たちのことだけだ。
「わりい、わかんねえ」
「じゃ、じゃあ、あなたって偉い人だったりする? 位を持ってたり
リーダーだったり……」
「リーダー? おお、リーダーならやってるぜ! 大グレン団のリーダーたぁ
俺の事だぜい!」
珍しい青色とも違う空色の髪、顔の作りもハルケギニアには存在しない
類のものである。
ここに至り、ようやく自分はとんでもないものを召喚してしまったのでは
と顔を青ざめるマチルダ。
未だ国交のないはるか遠い国であれど、彼がもし重要な地位につく人間
だとしたらとんでもなくマズイのではないか?
ただでさえ使い魔を呼ぶだけの呪文を失敗して人間を呼び出したのだ。
もしそうなればどうなることやら。
絶望的な未来にマチルダは頭を抱えた。
「こんなこと………ありえんのか?」
カミナの知っている大地は一面の荒野だった。
風が吹けば砂が舞い上がり、干からびた大地は皹だらけ。
谷はっでっかい岩だらけ、獣人と戦い死んだ人間の骨なんてザラだ。
しかし、これは、何だ?
窓の外、目の前は一面ずっとはるか向こうまで緑だった。
森は見た。
山も見た。
だが、ここまで一面びっしりに広がる緑は終ぞ見たことがない。
山が緑だ、森がいっぱいだ、草むらがぎっしりだ、しかもそれだけじゃない。
「すげえ………!」
緑の一画を切り取ったそこに見える町々の建物がカミナの目を奪った。
地上の建物といえば崖をくり抜いた穴ぐらが基本のカミナ。
だが、そこにあるのは穴ぐらでない建物が、グレンラガンの背中に乗せていた
あの箱みたいなのをでかくしたものが、たくさんあったのだ。
それにカミナは身体の奥の奥、芯の部分から『すっげえもの』が湧
き上るのを感じた。
「お、おお……………」
「ん?」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「きゃあ!?」
「コイツはすげえ! 見たことねえ聞いたことねえ触ったことがあ、ねえ!
ねえねえ尽くしってえのは探せばまだまだあるもんだなあ、おい!」
眼をキラキラ輝かせて、子供のようにはしゃぐカミナ。
ここが何処かとか、もしかすると全然別の世界かもしれないという不安や
疑問なんかが出るより先に、喜びの感情ががカミナの頭を突いた。
「くあああああ! シモン! ヨーコ! こいつは本当にすげえぞ!
ちくしょう、ここにいたらマジでお前達に見せてやりてえぜ!」
だが、はしゃぐそんなカミナの肩を少女が叩く。
振向くと、少女はさっきより顔を引きつらせてこちらを見ていた。
どうしたのだろうか?
「え、えっと……聞きたいのだけど、あなた、東の人? もしかして?」
「あん? 東ぃ?」
ふむ、と腕を組んで首をかしげる。
「そ、そそ、そう。あなた達からすると、ここって西にやって来た事に
なるんだけど………」
はてさて、どうだったろうか。
浮かれた頭をひっ捕まえて元の場所に戻し、カミナは自分でも良く
わかってる空っぽな頭を働かせてみた。
沢山の旅をしてきたが正直方角なんてのは考えた事がない。
獣人の基地を探して旅をしたのは覚えているが詳しい事はさっぱりだ。
難しい事はリーロンが説明してくれたことがあった気がするが多分寝てた。
カミナの頭にやっぱりでっかく浮かぶのは仲間達のことだけ。
大事な大事な、かけがえのない大グレン団の仲間たちのことだけだ。
「わりい、わかんねえ」
「じゃ、じゃあ、あなたって偉い人だったりする? 位を持ってたり
リーダーだったり……」
「リーダー? おお、リーダーならやってるぜ! 大グレン団のリーダーたぁ
俺の事だぜい!」
親指で自分を指差しにんまりと少女に笑むカミナ。
だが少女は完全に引いている。
「何処かの国とかの王子とかじゃないのね? 土地とか持ってるわけじゃなくて
どこかを治めてるわけじゃなくて」
「そんなのいらねえだろ。おお、そうだ。仲間はいっぱいいるぜ?」
「それじゃ、人の上に立って政治を担っているわけ?」
「んあ? そんな感じのなら…………ねえな。俺は仲間と一緒に色々
やんのが好きだからな、めんどくせえのは丸っきりお断りだってんだ」
その瞬間、少女はほっと溜息をついた。
さっきまでの引きつった顔はなく、代わりに見下す眼だ。
思いっきり気に食わない、ジーハ村の村長を思い出す。
「そうだったら問題ないわね。とにかく、アンタを召喚したのは謝る。
でも、平民だったなら話は色々変わるわ」
「あん?」
「人間を召喚したってのは恥なの、分かる? 太守の娘なのに魔法失敗で
平民呼び出したなんて知れたら笑いものよ。それにお母様には
行き倒れて血まみれだったアンタを助けた事にしたし…………」
「だから何だ? もったいぶらずに早く言いやがれ」
それに少女の顔がにんまりと笑んだ。
そして、カミナの顔面に少女はびしっと指さす。
「あんた、私の召使になりなさい」
だが少女は完全に引いている。
「何処かの国とかの王子とかじゃないのね? 土地とか持ってるわけじゃなくて
どこかを治めてるわけじゃなくて」
「そんなのいらねえだろ。おお、そうだ。仲間はいっぱいいるぜ?」
「それじゃ、人の上に立って政治を担っているわけ?」
「んあ? そんな感じのなら…………ねえな。俺は仲間と一緒に色々
やんのが好きだからな、めんどくせえのは丸っきりお断りだってんだ」
その瞬間、少女はほっと溜息をついた。
さっきまでの引きつった顔はなく、代わりに見下す眼だ。
思いっきり気に食わない、ジーハ村の村長を思い出す。
「そうだったら問題ないわね。とにかく、アンタを召喚したのは謝る。
でも、平民だったなら話は色々変わるわ」
「あん?」
「人間を召喚したってのは恥なの、分かる? 太守の娘なのに魔法失敗で
平民呼び出したなんて知れたら笑いものよ。それにお母様には
行き倒れて血まみれだったアンタを助けた事にしたし…………」
「だから何だ? もったいぶらずに早く言いやがれ」
それに少女の顔がにんまりと笑んだ。
そして、カミナの顔面に少女はびしっと指さす。
「あんた、私の召使になりなさい」
次回予告
縛られるってえのは性にあわねえ
それが俺の生き様、漢の生き様
偉かろうが関係ねえ
俺は俺だ、俺の道だってんだ!
それが俺の生き様、漢の生き様
偉かろうが関係ねえ
俺は俺だ、俺の道だってんだ!
次回『ゼロの使い魔異聞~お前の魔法で天を突け!~』
「俺の名前はカミナだ!」