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ソーサリー・ゼロ第二部-6

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五〇〇

 体力点一を失う。
 緑のかつらは持っているか?
 なければこの術は効かない。
 一五へ戻り、別の行動を選べ。

 かつらをかぶり術を使う君の様子を見て、ルイズとギーシュは怪訝な顔をする。
「ちょ、ちょっと! ふざけている場合じゃないでしょ! 中に居るのはきっと、すごい化け物よ!」
 君はルイズの抗議を無視し、洞窟の闇の奥に居る何者かに向かって話しかける。
 再びすさまじい咆哮が聞こえるが、術を使った君の耳にはそれが、意味のある言葉として伝わってくる。
 中に居る何者かはひどくおびえており、その大音声で君たちを追い払おうとしているのだ!
 君は咆哮の主の正体に思い当たる。
 これは、ザメン低地の珍しい生き物である、ジブジブに違いない。
 牙も鉤爪ももたぬ非力な草食動物であるジブジブは、その大きな声で自分を恐ろしい猛獣と思い込ませて、外敵から身を守るのだ。
 君はこの小さな生き物に、自分たちはこの洞窟に入りたいだけで危害を加えるつもりはないと言うが、すっかりおびえきってしまった
ジブジブは、洞窟から走り出てきて下生えの中に逃げ込もうとする。
 しかし、それを捕らえた者がいる。
「か……かわいい……」
 ジブジブ――キャベツほどの大きさの黒い毛の塊から、木靴のような脚が二本生えた姿をしている――を両手で抱えたルイズは、
大きな瞳をきらきらと輝かせながら、感極まったようにつぶやく。
 あっけにとられた君とギーシュは、互いに目を見合わせる。
 君にしてみれば、ジブジブとは大きな口と小さな目、短い脚をもつ毛むくじゃらで不恰好な生き物にすぎないのだが、その姿のどこかに、
ルイズの琴線に触れるものがあったらしい。
 抱え上げられたジブジブはもはや大声を出すこともなく、ぶるぶると震えている。

 空が真っ暗になり雨が降り出したため、君はルイズとギーシュを伴って洞窟の中に入る。
 洞窟の奥行きはそれほどなく、他に生き物もいないので、君たちはめいめい座り込んで休息を取る。
 ルイズはあいかわらずジブジブを抱いており、さかんに撫で回したりつついたりして戯れている。
 その生き物がそんなに気に入ったのかという君の問いに対して、
「丸っこくてかわいいじゃない。触り心地もふわふわだし」とルイズは答える。
 少女の感性を理解できぬ君は、ひとつ溜息をつくと洞窟の壁にもたれかかり、眼を閉じる。

 叩きつけるように振った雨もやみ、低くたれこめる雲のあいだから日が射すようになったため、君たちは旅を再開する。
 ジブジブを抱えたルイズが
「この子、持って帰っちゃだめかな?」と言うため、
君は思わず、これからどこへ行くのかわかっているのかと怒鳴りつけそうになるが、喉元で言葉をぐっと呑み込む。
 やはり彼女は、物見遊山の気分でいるのではないだろうか?
 観念したのか、それともルイズに抱かれた心地がよかったのか、ジブジブは途中からすっかりおとなしくなったが、こんなやかましい生き物を
連れて旅をするわけにはいかない。
 君がルイズにジブジブを解放してやるよううながすと、彼女は相手をそっと地面に降ろし、
「元気でね」と手を振る。
 ジブジブは素早く走り去り、途中で一度こちらを振り返ってから、草むらに潜り込む。
 心底残念そうなルイズをなだめすかし、君たちはラ・ロシェールへと向かう。三二五へ。

三二五

 その後は何事もなく、君たちは順調に馬を進めるが、やがてとっぷりと日が暮れる。
 周囲の風景が闇に包まれていくなか、君は前方遠くの谷間に、いくつもの灯りを見出す。
「あれがラ・ロシェーエルの町よ」とルイズが弾んだ声で言うが、
君に安堵感はない。
 これから、アルビオンまで向かう船を探し、浮遊する大陸に渡り、戦乱の地でひとりの貴族を探さねばならぬのだ。
 この先で君たちを待ち受ける苦難は、今までとは比較にならぬほど厳しいものとなるだろう。

 君は驚きの目で左右の町並を見渡す。
 ルイズの説明によると、この町のすべての建物が、もとはひとつの岩だったというのだ。
 高位の≪土≫系統の魔法使いたちが、巨大な一枚岩を穿(うが)ち、砕き、削って作り出した町は、ハルケギニア広しといえど
このラ・ロシェールだけだという。
「トリステインは小さな国だけど、一流のメイジが揃っているからこんな町が造れたのよ」
 自らの手柄のごとく自慢げなルイズに向かって、これはドワーフの広大な地底都市にも匹敵する威容だと、素直に賞賛する。
「地底都市? 君の故郷では大地の下に人が住んでいるのかい?」
 君の言葉を聞きつけたギーシュに、ドワーフの素晴らしい土木と採掘、そして金属加工の技術について説明すると、
「亜人が魔法も使わず、山ひとつをまるごとくりぬいて都を築く……ぼくたちには想像もつかない光景だよ」と、
大いに感じ入った様子だ。
「なによ、あんんたの故郷じゃ、これくらいの町は平民だけで築けるってこと? メイジは用なしってわけね」
 君の話を曲解したのか、ルイズは面白くなさそうである。

 さほど広くもない街路に溢れる商人や船員、傭兵たちを掻き分けて、君たちは今晩の宿を探し、ほどなく『黒水晶亭』という店に落ち着く。
 途中で見かけた、貴族御用達らしき『女神の杵亭』などに比べればみすぼらしいが、裏路地の怪しげな木賃宿などよりはずっと上等だ。
 にぎやかで活気のある宿屋で、一見して貴族とわかる服装のルイズやギーシュが入ってきても、誰もたいした注意を払わない。
 旅費を節約するために泊まる貴族の客も、そう珍しくはないのだろう。
 亭主は頭の禿げた太った男で、君たちを認めると 
「いらっしゃいまし、貴族の旦那方。お泊りでしたら宿帳にお名前を。ああ、代表のおひとりだけで結構でごぜえますよ」と言う。
 君はこの世界の字の読み書きができぬため、ルイズかギーシュに任せることにする。
 記帳するのはルイズか(一三二へ)、それともギーシュか(一九八へ)。

一九八

 君たちは円卓のひとつを囲みながら、食事をとっている。
 パン、シチュー、冷肉、チーズ、パイ、生野菜など、安いわりには品数も量も豊富で、ひどく空腹だった君たちは
料理が並んでからしばらくは、黙々と食べることにのみ集中していたのだ。
 人心地ついたため喋る余裕ができてくると、最初に声を発したのはルイズだ。
「誰が『ダレット家』よ。だいたい、なんでわたしがあんたの妹なのよ!」とギーシュにつっかかりながら、
ルイズは赤ワインを飲み干す。
 いまだに、この旅の目的をアンリエッタ姫からの密命だと思い込んでいるギーシュは、どうやら偽名で記帳したらしい。
「確かに、詐欺師のように身分を偽るのは、貴族として恥ずべき行いかもしれない。だが、これはどうしても必要なことなんだよ。
王家に近しい公爵令嬢や武勲の誉れ高い元帥の子息が、ラ・ロシェールに何の用だといらぬ詮索を受けてしまっては、姫殿下より仰せつかった
重大な任務に、差し障りがあるかもしれないだろう?」
 目の前の華奢な少年が武門の生まれだと知って、食べることに夢中だった君は少し驚く。
「だから、任務じゃないんだってば。なんで、私があんたなんかの妹なのよ……そりゃあ、ひとつ年下だけど……」
 ルイズは納得のいかぬ様子で、ふたたびガラスの杯を空にする。
 飲みすぎだという君の制止も聞かず、ルイズはその後も大量に飲み、そして食べる。
 食事をとったので体力点二を得る。

 円卓に突っ伏して小さく寝息を立てていたルイズを、二階の部屋まで運び終えた君は、ギーシュに後は任せたと言い、
この驚異の町を少しぶらついてみることにする。
 どこへ向かう?

 傭兵の多い、がらの悪い酒場・一二三へ
 アルビオンへ向かう船が繋留されている桟橋・二〇四へ
 町のはずれにある小さな滝・五〇へ

一二三

 これから向かう浮遊する大陸の情勢について知っておこうと思った君は、宿の亭主に、アルビオン帰りの傭兵が溜まっていそうな
酒場を知らぬかと尋ねる。
 亭主は顔をしかめると、
「へえ、『金の酒樽亭』ってえ安くて小汚ねえ酒場なら、傭兵だの盗賊だの、堅気の者ならかかわりあいにはなりたくねえような連中が、
昼も夜も溜まってまさあ」と言う。
「旦那は、あの貴族のご兄妹の護衛でやしょう? どんな大切なご用事かは知りやせんが、なにもこんな時期に行かなくてもねぇ。
旦那も災難ですなぁ」
亭主は同情した様子でそう言うと、君に『金の酒樽亭』の場所を教える。

 目当ての店の前には、いくつもの壊れた腰掛が積み上げられている。
 おそろしく太った常連がいるのでなければ、乱闘の道具として使われたに違いない。
 店内からは、酔漢たちが騒ぐ音が聞こえてくる。

”王様死ぬときゃ 世界が変わる 空の星がひとつ消え 平民は泣き 坊主は笑う!”

 でたらめな音程の歌声に眉をひそめながら、君は店内に踏み入る。
 ならず者どもの注目を浴びるが、彼らはすぐに君に対する興味をなくしたようで、それぞれ雑談の続きをはじめる。
 亭主に金貨を一枚渡して麦酒をちびちびと飲む君の耳に、傭兵たちの会話が入ってくる。
「王様は首の皮一枚で助かっているそうだぜ? ジャクソン伯の軍が加わったらしい」
「まったく、反乱軍がもたつくと知ってりゃ、もうひと稼ぎしてきたのによぉ!」
「その反乱軍――いや『共和派』がまた傭兵を募集しているって話だ」
「貧乏くじを引いたかと思ったが、こりゃあ、やり直す機会かね?」
「もう何万も雇ってるはずだぜ? 連中、どうやって給料を出すつもりだ」
「『共和派』につけば、『王党派』の町や村で、好きなだけ盗みも殺しもできるってよ!」
「明日の朝一番の船に乗っちまうべきか……」

 数十分後、麦酒を飲み干した(体力点一を加える)君は、足早に『金の酒樽亭』を出て行く。
 彼らの噂話が本当ならば、反乱軍(貴族派・共和派・≪レコン・キスタ≫とも呼ばれる)の動きはあまりに不可解だ。
 勝利を目前にして進撃を止め、新たな敵に備えるかのように傭兵を雇い入れ、その傭兵たちに好き勝手に暴れ回らせる……わざと戦争を
引き伸ばし、王政だけではなく国土そのものを破壊するかのような愚行だ。
 なんにせよ、君たちがアルビオンに足跡を印すであろう数日後も、戦争は終わっていないだろう。
 君はこのまま宿に戻ってもよいし(一一六へ)、桟橋か(二〇四へ)、滝へ向かってもよい(五〇へ)。


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