あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界BASARA-23


「これより、今年度の使い魔のお披露目を行います!」

コルベールが高々に宣言する。遂に品評会の日が来たのだ。
壇上に上がった2年生は使い魔の芸を学院の生徒、そしてアンリエッタ王女に披露している。その度に拍手が沸き上がった。

だがキュルケの番がきて壇上に立った時、生徒達から失笑が漏れる。

「キュルケ殿、何でそれがし笑われているんだ?」
利家は不思議そうに問い掛ける。
「気にしなくていいわ、練習でした通り、空に向かって思いっきり吹きなさい」

キュルケの言葉に利家はおう!と答えると腰に下げた瓢箪を口に含み、空に向かって吹いた。
すると利家の口から火炎が吹き出したではないか。
それはルイズが中庭で見たものよりさらに大きく、もはや火柱のようであった。
それを見て、今まで失笑していた生徒達は歓声を上げる。
利家の火炎の一吹きで見事にこの場を盛り上げたのだ。

その次はギーシュと氏政である。
ギーシュは最初、本当に大丈夫だろうかと心配だった。

「心配するでない!ちゃんと思い出せたわ!」

そう氏政は言っていたがギーシュは不安で仕方がない。

だが、そんな不安も壇上に立って彼が言っていた「北条家秘奥義」を見て全て消え去った。
氏政が槍を床に突き刺すと、そこから巨大な氷柱が突き出てきたのだ。
何の詠唱もなしに魔法を使ったと見学席からは大きな拍手が上がる。
これにはギーシュも驚きを隠せず、彼を少し見直す事となった。
ただ、その後に氏政が今にも天に召されそうな安らかな笑顔で倒れたのにはまいっていたが…

タバサは「起動形態」に変化した忠勝に乗り、空を飛び回った。
その迫力に生徒だけでなく、教師達も圧倒する。
ちなみに、アンリエッタはオスマンに教えられるまで忠勝が人間である事に気づかなかった。


「雪風のタバサでした。続きましてミス・ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールです」

遂にルイズと幸村の番が来た。
ルイズの為…自分の持つ最大の技を出しきる…
幸村は再び気合を入れ、ルイズと共に壇上に立った。

「…しょ、紹介します!私の使い魔のサナダユキムラです!種族は…へ、平民です!」
普通ならここで爆笑が起こる筈だが今回は違う。むしろどんなものを見せてくれるのか期待している眼差しを向けていた。
理由はルイズ達より先に出ていた3人がおよそ平民とは思えぬ技を披露したからである。
「で、では今からこの使い魔が自慢の技を御見せします。ユキムラ、いい?」
「はっ!我が槍、我が闘志、御覧あれ!!」
幸村は一歩前に出ると二槍を手に取り、精神を集中する。
そして大きく息を吸うと、カッと目を開いて叫んだ。

「……でぇぇぇやあぁぁぁぁ!!火焔!車ああぁぁーっ!!!!」

開口一番にそう言うと、槍を振り回し、自身も回転し始める。
すると幸村の周りで炎が渦巻き、まるで竜巻のようになっていった。
初めは小さかったが、それも回転が増すにつれ大きくなり、生徒や教師も感嘆の声を上げた。

「ほぉ!平民だと思ったがこれは………………ん?」
「や、やれば出来るじゃない!少し見直したわよユ………あれ?」

だが感嘆していた教師達も、幸村を見直していたルイズもある危険を感じ取った。

ここで、「火焔車」ついて説明しよう。
この技は真田幸村の切り札とも言える技で、二槍で炎を巻き起こしながら前進する。
そして進行方向にある敵を攻撃するのだ。


もう一度言おう。炎を巻き起こしながら“ 前 進 ”するのである。




「うわあああこここっちに来たあぁぁ!!」

そう、何と幸村は見学席に向かって突き進んでいったのだ。

「逃げろ!燃やされるぞ!」「熱ちちマントが燃える!」「く、来るな!来るでなぁーい!」「飛んでタダカツ」「…!…」

見ていた者は身の危険を感じ、席を立って散り散りに逃げ始めた。
「ユ、ユキムラ止まって!止まりなさいってば!!」
我に返ったルイズは止めようと声を掛けるが、全く耳に入っていない。
その間にも幸村は火焔車で会場を破壊し続けていった。


会場が幸村のせいでパニックになっている頃、反対側の広場に1人の女がいた。
(好都合だね…あの使い魔が騒ぎを起こしてくれたおかげで楽に仕事が出来そうだよ)

被ったフードから見える口元に笑みを浮かべ、地面に手をつくと呪文を唱える。
詠唱を終えると、足元の地面が盛り上がり、巨大になるにつれて人型に形成される。
あっという間に土で出来た30メイル近いゴーレムが出来上がった。

女は出来上がったゴーレムの頭上に乗り、学院の塔の方に目をやる。
「物理的な攻撃なら効き目ありって言ってたわよね…ゴーレム!」
女が叫ぶのを合図にゴーレムは拳を振り上げ、塔の壁を攻撃し始めた。


「あーあ…結局勝負は有耶無耶になったわねぇ…」
キュルケは周りを見回してそう呟いた。

品評会の会場は酷い有り様だった。
見学席は幸村によって破壊され、何人かの生徒は火傷を負っている。
氏政に至っては「ご先祖様方が勢揃いじゃぁ~…」と、本日2度目の臨死体験をしていた。

「まったく…どうしようもない生徒だと思っていたが…使い魔も屑だな」
火焔車で暴れる幸村を風の魔法で止めた教師、「疾風」のギトーが嫌味を込めて言い放つ。
と、魔法で吹き飛ばされ、気絶していた幸村は意識を取り戻した。

「幸村、気がついたか?」
「むぅ…前田殿か?拙者は何を…」

辺りの惨状を見て戸惑う幸村に、ルイズの姿が目に止まる。
顔は伏せている為、表情は見る事が出来ない。しかし怒っているように幸村は感じた。
「ル、ルイズ殿…その…申し訳…」

パチイィィン…

謝ろうとした幸村の頬に、ルイズのビンタが飛んできた。
「馬鹿っっっっっ!!!!!」
ただ一言そう叫ぶと、ルイズはその場から走り去ってしまった。
後には、ショックで固まっている幸村が残されている。

「幸村、ルイズを追え。ここはそれがし達が片付ける」
呆然としている幸村に、利家の声が響いた。
そうだ、これは自分の不覚。しっかりと彼女に謝罪せねばならない…
利家の声に我に返ると、ルイズが走っていた方へ駆け出した。


何て事をしてしまったんだ…生徒や教師だけでなく、姫様まで危険な目に遭わせた。
ルイズは目尻に涙を浮かべながら歩いていた。
だが、しばらくすると今度は自責の念にかられる。
(やっぱり私が謝った方がいいのかしら…)
そんな事を考えていたが、それは中断せざるを得なくなった。
塔の壁を殴りつけている巨大なゴーレムが目に入ったからだ。


「チッ、思ったより頑丈に出来てるじゃないか」
壁を何度か叩いた後、ゴーレムに乗った女は舌打ちをした。
さっきまで聞こえていた悲鳴も止んでいる、どうやら騒ぎが沈静化したらしい。
つまり、もうあまり時間を掛けていられないという事だ。
モタモタしていたら気づかれる可能性がある、一度出直してまた機を伺うしかないと女は考えた。

「な、何これ!?」

だが残念な事に、この行動は現れたルイズに見られていた。
(あれは無能なヴァリエールの小娘…こんな時に!)
ゴーレムの足元から聞こえた声に、女は心の中で悪態をつく。
「見られたからにはしょうがないわね。ゴーレム、あの女を潰しな!」
命令を受けたゴーレムは唸り声のような音をたてると、ゆっくりと腕を持ち上げる。
ルイズはというと蛇に睨まれた蛙のように、固まって動けなくなってしまったのだ。
そんな彼女に、ゴーレムは容赦なくその腕を振り下ろした。
ルイズは思わずヒッ、と小さな悲鳴を上げ、目を瞑る。


「ルイズ殿おおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
だが目を瞑っていたルイズにきた衝撃は上からではなく、予想外の横からだった。
驚いてルイズは目を開けると、そこにはゴーレムの拳を両手で受け止めている幸村の姿があった。


「ユキムラ!」
「ぬ、ぬおおぉぉぉぉぉ…!」

幸村は迫りくるゴーレムの腕を必死の形相で受け止めている。しかし少しずつゴーレムに押されてきている。
「ぉぉおお!どりゃあぁっ!!」
だが幸村は気合を入れると、その腕を一気に押し返した。
「ルイズ殿!先程はすまなかった!下がっておられよ!」
手早くルイズに謝ると、幸村は二槍を手に取り、ゴーレムを見上げる。
「むむむ、何と面妖な…これも使い魔というものでござろうか…」
思案にふけっていたが、ゴーレムがまた腕を持ち上げたので戦闘態勢をとる。

ふと横を見ると、ルイズが杖を構えて立っているではないか。
「危険にござる!御自身の御命、大切になされ!」
「いいい嫌よ!敵に背を向けて逃げるなんて出来ないわ!」
幸村の言う事を拒み、ルイズは呪文を唱え始める。
一度言ったら中々聞かない事を共に生活していく内に知っていた幸村はそれ以上何も言わず、視線をルイズからゴーレムに移す。

ゴーレムの腕が今正に振り下ろされようとしていた。
「うぅぅおおおおおあぁぁー!」
獣の如く吼えて駆け出した幸村目掛けてゴーレムは拳を叩きつける。
それを幸村は槍を使って棒高跳びの要領で跳躍し、空中へと逃げる。
さらに、地面にめり込んでしまったゴーレムの腕を伝い、肩に乗る女へと向かって駆け上がる。
それをゴーレムは腕を地面から抜いて振り回し、幸村を振り落とそうとする。
しかし幸村はもう一度腕から飛び上がって女の真上に到達した。
「くっ!しまった!」
「もらったぁぁっ!!」
ここからなら一気に討ち取れる、幸村はそう確信した。


「ファイヤーボール!!」
ところが、槍を突き出した幸村の目の前が真っ白に光り、その後に大きな衝撃がきた。


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