私が目を覚ました場所は、保健室だった。あの使い魔の出したガスを吸ってから、今までずっと昏倒していたらしい。窓の外には、すでに星空が広がっていた。
ミスタ・コルベールによると、彼の体内に存在するガスは強い毒性を持っていて、私はそれを直に吸ってしまったため、毒により昏倒していたらしい。
この毒は一度感染すると、解毒するか体内で滅菌されるまで延々と体力を奪い続けるが、致死性はないとのこと。ふぅん。
あと、ミスタ・コルベールも彼が何という種類の生き物なのかはわからなかった。
ミスタ・コルベールによると、彼の体内に存在するガスは強い毒性を持っていて、私はそれを直に吸ってしまったため、毒により昏倒していたらしい。
この毒は一度感染すると、解毒するか体内で滅菌されるまで延々と体力を奪い続けるが、致死性はないとのこと。ふぅん。
あと、ミスタ・コルベールも彼が何という種類の生き物なのかはわからなかった。
ミスタ・コルベールとの話が終わった後、私は彼と一緒に自分の部屋に帰ってきた。
私がそばにいるからか、彼はガスと臭いを押さえていてくれている。助かる。
部屋に入り、私はベッドに腰掛けた。彼は私の正面でふわふわと浮かんでいる。
そうだ、使い魔にするからには名前がなくてはならない。私は、彼に名前を尋ねてみることにした。
私がそばにいるからか、彼はガスと臭いを押さえていてくれている。助かる。
部屋に入り、私はベッドに腰掛けた。彼は私の正面でふわふわと浮かんでいる。
そうだ、使い魔にするからには名前がなくてはならない。私は、彼に名前を尋ねてみることにした。
「ねぇ、貴方……名前は?」
「「…………マァァタドガァァァス………」」
「「…………マァァタドガァァァス………」」
マタドガス、と彼は確かにそう名乗った。
言葉は通じないけど、使い魔だからか、彼の言わんとしていることがおぼろげに理解できる。
私には彼が『それが名前だ』、と言っているように聞こえた。
言葉は通じないけど、使い魔だからか、彼の言わんとしていることがおぼろげに理解できる。
私には彼が『それが名前だ』、と言っているように聞こえた。
その後、私は彼、私の使い魔マタドガスについていろいろなことを確認した。
まず、視界の共有。可能ではあったが、二対の目が見ている物が同時に写るためよく見えないし目に悪い。やめておいた方が良いみたいだ。
次、秘薬などを集めること。聞いてみると、『ものひろいのとくせいは持っていない』とのこと。よくわからないが、どうやら苦手らしい。
最後に、主、つまり私の身を守ること。彼はこのことを聞くと、先ほどにはない、まるで歴戦の戦士のような気迫と凄みを見せた。
『もう誰にも負けたりはしない』。過去に何かあったのかしら……。
まず、視界の共有。可能ではあったが、二対の目が見ている物が同時に写るためよく見えないし目に悪い。やめておいた方が良いみたいだ。
次、秘薬などを集めること。聞いてみると、『ものひろいのとくせいは持っていない』とのこと。よくわからないが、どうやら苦手らしい。
最後に、主、つまり私の身を守ること。彼はこのことを聞くと、先ほどにはない、まるで歴戦の戦士のような気迫と凄みを見せた。
『もう誰にも負けたりはしない』。過去に何かあったのかしら……。
訪ねるのは、やめておいた。
目を覚ました彼、マタドガスは、コルベールと名乗った男性に状況の説明を受け、ルイズという少女の元へ連れて行かれた。
彼が受けた説明は、彼が、このルイズという少女に儀式によって呼び出され、使い魔にされたというものだった。
使い魔、というものはよくわからなかったが、とにかく自分は彼女に『ゲット』されたらしいと彼は理解した。
彼が受けた説明は、彼が、このルイズという少女に儀式によって呼び出され、使い魔にされたというものだった。
使い魔、というものはよくわからなかったが、とにかく自分は彼女に『ゲット』されたらしいと彼は理解した。
そして彼は彼女に連れられて彼女の部屋に行き、自らの名を答えた。
その後もいくつか質問を受け、それに答えた。どうやらこの少女とは簡単に意思の疎通が出来るらしいということも判明した。
その後もいくつか質問を受け、それに答えた。どうやらこの少女とは簡単に意思の疎通が出来るらしいということも判明した。
そして最後の質問。主を守る能力はあるか。
それを聞いたとき、彼の脳裏をよぎる一つの記憶があった。
自身の同族たちを守るため、かつての主たちのもと、盟友たる大蛇、白猫と共に巨大な悪竜に挑み、破れた記憶。
自身の同族たちを守るため、かつての主たちのもと、盟友たる大蛇、白猫と共に巨大な悪竜に挑み、破れた記憶。
『まぁ聞けよ。逃げるが勝ちって言うだろ。……あんな奴に、可愛いお前たちを渡すわけにはいかないんだよ』
『それに、そいつらにはアンタたちが必要だわ』
『おみゃーたちは出来るだけ遠くに逃げるのにゃ!』
『それに、そいつらにはアンタたちが必要だわ』
『おみゃーたちは出来るだけ遠くに逃げるのにゃ!』
あのとき、彼は逃げた。大蛇と共に同族を守れと、主たちと白猫によって森へと逃がされたのだ。
『みだれひっかきッ!……さらば、友よ…にゃ』
『振り返るなッ!』
『早く行くのよッ!』
『振り返るなッ!』
『早く行くのよッ!』
主たちと白猫の声、そして悪竜の放つ『はかいこうせん』の爆音を背に、彼らは逃げた。泣きながら、逃げた。
悔しかった。主を守ることの出来ない自身が、竜に歯が立たなかった自身の弱さが、悔しかった。
悔しかった。主を守ることの出来ない自身が、竜に歯が立たなかった自身の弱さが、悔しかった。
『まだまだみだれひっかきニャッ!』
『あたしも…みだれひっかきよッ!!』
『俺もみだれひっかきだッ!!!』
『あたしも…みだれひっかきよッ!!』
『俺もみだれひっかきだッ!!!』
そして逃げ延びた後も、彼らは自分たちを許すことが出来なかった。
幾度も後悔した。もっと力があればと嘆いた。
あのときから時が経つこと幾星霜。同族たちを導きながら暮らす陰で、自らを罰するかのように鍛えぬいた。
もう誰にも負けたりはしない。この小さな少女を、新たな主を、命の限り守り通す。
幾度も後悔した。もっと力があればと嘆いた。
あのときから時が経つこと幾星霜。同族たちを導きながら暮らす陰で、自らを罰するかのように鍛えぬいた。
もう誰にも負けたりはしない。この小さな少女を、新たな主を、命の限り守り通す。
それは彼の誓いであり、贖罪だった。
to be continued...