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ソーサリー・ゼロ第二部-4

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一一七

 オスマンとの話を終えた君たちは部屋に戻り、旅支度を整えることにする。
 君自身は今すぐにでも旅立てる状態だが、ルイズは部屋のあちらこちらをかき回しては、毛布や拍車のついた乗馬靴、防水性にすぐれた素材で仕立てられた頭巾つきのマントなどを引っ張り出している。

 君は夜明けとともに起き出し、荷物をまとめる。
 君の動く音に目を覚ましたルイズは、しょぼつく目をこすりながらいつものように君に着替えの手伝いを命じようと口を開きかけるが、思い直したように口をつぐむと、
のろのろと衣装箪笥に向かう。
 身の回りのことくらいは自分でできるところを見せて、これから始まるアルビオンへの旅でも、足手まといにはならぬところを証明しようとしているのだろう。
 外では平民の奉公人たちが動き出し、夜勤の衛兵も日勤の者に交替しつつある。

 まだ多少ふらついているルイズを連れた君は厩舎に向かうと、そこで馬を二頭借り受け手綱と鞍をとりつける。
 手綱を引きながら学院の門まで歩く君たちを、何者かが後ろから呼び止める。
「ミス・ヴァリエール! 使い魔さん!」
 息を切らして駆け寄ってきたのは奉公人の少女、シエスタだ。
「遠くから偶然お姿をお見かけして。あ、あの……こんな朝早くから、どちらへお出かけでしょう?」と尋ねてくる。
 旅の目的そのものはとくに秘密というわけではないが、『異世界への≪門≫を作り出す魔法使いを探しにアルビオンまで』と言ったところで、相手を混乱させてしまうだけだろうと考えた君は、
ちょっとした用でラ・ロシェールの町まで行くのだと答える。
「まあ、ラ・ロシェールまで! わたし、あの町の近くの出身なんですよ。タルブという小さな村なんですけど、葡萄の名産地で……」
 君はシエスタが嬉々として語る故郷の話にしばらく耳を傾ける。
 早く出発しようと焦る気持ちはあるが、無事にリビングストン男爵を見つけ出せば、もはやこの学院に戻ることはなく、彼女とも二度と会えないのだという思いが、君の足を止めているのだ。
 考えてみれば、この学院で知り合った人々の誰にも別れの挨拶を済ませておらぬが、しょせん君は突然に現れた異邦人にすぎない。
 来たときと同じように唐突に姿をくらましたところで、誰も心配などせぬだろう。
「ほら、もう行くわよ! いつまでもお喋りしない!」
 いつのまにか馬に乗っていたルイズが君に声をかける。
 シエスタは頭を下げると、仕事に戻ると言い、君たちの道中の安全を祈ってくれる。
 君はシエスタに手を振ると、馬に跨り、その首をめぐらせる。
 旅は始まった。一三七へ。

一三七

 道はやがて、王都トリスタニアと港町ラ・ロシェールとを結ぶ街道に合流する。
 街道には幾筋もの轍(わだち)と人や馬の足跡が残り、往来が盛んなことを示している。 

 ラ・ロシェールに向かう君たちの背後から、駈歩(キャンター)で進む馬の蹄の音が聞こえてくる。
 何事かと振り返ってみると、一頭の白馬とその乗り手が君たちに追いついてくるところだ。
 乗り手は黒いマントを羽織った、金髪の少年――以前に君と決闘騒ぎを起こしたギーシュだ。
「ギーシュ! あんた、なにしに来たの!?」
 驚きに目を見開くルイズの問いにギーシュは、
「ルイズ、ぼくも姫殿下の役に立ちたいんだ! 仲間に加えてくれ!」と、
わけのわからぬ答えを返してくる。
「な、なに言ってんの? この旅は姫様とはなんの関係も……」
「ああ、姫殿下から仰せつかった密命を明らかにできないのはわかるよ、ルイズ! だが、ぼくは知ってしまったんだよ!」
 ルイズの言葉を、興奮したギーシュがさえぎる。

 ギーシュによれば、昨夜、中庭に居たところ偶然にアンリエッタ姫の姿を見かけたそうだ。
 黒い長衣を羽織り目深に頭巾をかぶって正体を隠していたが、姫に間違いないという。
 一国の姫君が、夜遅くに供の者もつけずこそこそと動いていることが気になり、その後をつけてみると、彼女は女子寄宿舎に入っていった。
 さすがに男子禁制(≪使い魔≫扱いの君は例外だが)の寄宿舎に忍び込むわけにもいかず、外で隠れ潜んで待っていたギーシュが姫の帰りを見届けたのは、十数分後だったという。

「そこでぼくは考えたんだ」
 馬首を君たちに並べて進みながら、ギーシュは得意げに語る。
「姫殿下が、人目を忍んで宿泊所を脱け出しおひとりで来られたのだから、よほど重大な用件がおありに違いない。そして、この学院の女子生徒で、
姫殿下とそのようなお話ができる相手といえば……ルイズ、君しか居ないんだよ。
君は姫殿下と親しい間柄だそうじゃないか。それに≪土塊のフーケ≫を捕まえた功績もある。姫殿下が内密の依頼を持ちかけるのに、もっともふさわしい相手だ。
もちろん君は、謹んでお受けしたんだろう? その証拠に、君たちは朝早く誰にも言わずに学院を出発したじゃないか。僕も大慌てで休学届けを出し、こうして追いつこうと馬を飛ばしてきたわけさ」

 確かに、ルイズはトリステイン王家の親戚筋にあたる公爵家の令嬢であり、姫との面識さえあるらしい。
 しかし、王家の人間が一介の女学生に秘密の任務を依頼するなど、およそありえぬ話だ!
 ルイズは
「オールド・オスマンに呼び出されている間に、そんなことが……?」と小さくつぶやいている。
「このぼく、ギーシュ・ド・グラモンもアンリエッタ姫殿下のお役に立ちたいんだ! 薔薇のように麗しき、トリステインの宝である姫殿下のためならこの命も惜しくはない!」
 ギーシュは熱に浮かされたような口調で、君たちに自分を同行させるよう訴える。
 君はこの、騎士道物語にかぶれた少年をどうしたものかと考える。
 ギーシュは、君の私用も同然の旅を、姫からの密命だと誤解しているのだ。
 事情を最初から説明して追い返すべきだろうが、思い込みの激しいこの少年に説明するのは、ひと苦労だろう。
 ルイズは、昨夜、姫が自室を訪れていたかもしれぬということを知り、なにやら思いにふけっているため、君が判断しなければならない。
 誤解を解き、ギーシュを追い返すか(二九七へ)?
 それとも、利用価値がありそうだとこのまま連れていくか(八四へ)?

八四

 来てもよいが旅費の余分はないぞと冷たく言うと、ギーシュは
「大丈夫、金貨だけじゃなく換金できそうな宝石も持ってきたんだ! 本当はモンモランシーへの贈り物だったんだけど……。しかし、姫殿下のために必要ならやむを得ない!」
 そう言って、腰につけた雑嚢を叩く。
 君があらためて同行の許可を出すと、
「ああ、ありがとう! ぼくは決して君たちの足手まといにはならない。姫殿下のためにお役に立ってみせることを誓うよ! ……そしてヴェルダンデ、置き去りにしてすまない!
だが、見ていてくれ。このギーシュ・ド・グラモン、次に会うときは必ずや一人前の騎士になって帰ってくるから!」と、
芝居がかった口調でおおげさに喜ぶ。
 ヴェルダンデとは恋人の名だろうか?
 だとすれば彼は、性懲りもなく二股をかけているわけだ。

 ギーシュを加えた君たち三人は、ラ・ロシェールに向けて馬を進める。二四四へ。

二四四

 日差しは暖かく風はさわやかで、旅は快適に進む。
 正午を過ぎたころ、君たちはいくつもの幌馬車とすれ違う。
 トリスタニアへと向かう商人たちのようだが、大勢の傭兵を護衛につけており、ものものしい様子だ。
 傭兵たちは甲冑に身を固め、槍や石弓を手にし、油断なく周囲を見回している。
 彼らは野盗のたぐいだけではなく、近頃この地を徘徊している怪物どもに対しても警戒しているのだろう。
 いったいどれだけの数の怪物どもが、カーカバードから、二つの世界を隔てる壁を越えて流れ込んだのだろう?

 さらにしばらく進むと、街道の真ん中の地面が奇妙な形に盛り上がっているのを見出し、君はルイズたちに馬を止めるよううながす。
 通行の多い場所に、このような不自然な盛り土ができるはずはない。
 地面の盛り上がった場所を迂回するか(二六一へ)?
 馬から降りて、盛り土を調べてみるか(三三へ)?

三三

 君は危険の兆候を見逃さぬよう、眼を凝らし、耳を澄ませながら、盛り土に近づく。
 いきなり目の前の盛り土が砕け、二本の長大な三日月形の牙が突き出す!
 運だめしをせよ。
 吉と出れば怪我はない。
 凶と出たら、牙の一撃を胸に受けてその場に倒れ体力点二を失う。
 盛り土は崩れ、その下から十三フィートはあろうかという巨大な姿が這い出し、君に近づいてくる。
 棘だらけの灰色の装甲に全身を覆われ長い大顎をもつ、六本脚のその姿は見間違えようがない。
 バドゥ甲虫(かぶとむし)だ!
 その名のとおり、カーカバードのバドゥ・バク平原を中心に棲息する、凶暴な肉食昆虫だ。
 どう闘う?
 魔法を使うか(一九〇へ)、それとも武器か(二三四へ)?

一九〇

 甲虫はカチカチと大顎を鳴らしながら向かってくる。
 術を選べ。

 DUD・四六九へ
 ZAP・三六九へ
 MAG・四一六へ
 BIG・五〇七へ
 NAP・四六〇へ

 どれも使いたくないなら、武器を抜いて二三四へ。


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