あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

不敗の使い魔 01

「「見よ!!東方は赤く燃えている!!」」
 青年の腕に抱かれた初老の男はそれを叫び終わると満足そうに
 腕を地面に落としこと切れた。
 それはとても激闘の後とは思えない穏やかな顔だった。
「師匠? ・・師匠? ・・・師匠?」
 青年は腕の中の師匠を揺さぶったがその目を開けることはなかった。
 青年の脳裏に、師匠との記憶が走馬燈のように蘇った。
 青年は泣きじゃくり叫んだ。
「師匠・・師匠・・師匠・・師ィィィ匠ォォォォォォォーッ!!」
 ここに朝焼けに包まれながら一人の偉大な武闘家が逝った。
 一つの物語が終わり、そして今一つの物語が始まろうとしていた。

「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!
 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは呪文を唱える。
 これで何度目か忘れるほど呪文を唱えた。
 今度こそはという思いと絶対すごい使い間を召喚させて今まで自分を馬鹿にした連中を
 見返してやるのだという思いをこめる。
 そして又爆発が起こった。
 ルイズはもう駄目かと思った、やっぱり私はゼロなんだと。
 しかし今度は煙が晴れるとそこには妙な格好をしたお下げの初老の男性がいた。
「さすがゼロのルイズだ平民のジジイ呼びやがった」
「ルイズにはお似合いだな」

(ここはどこだ、わしは死んだはずだぞ)
 東方不敗・マスターアジアは辺りを見回した。
 一瞬ここはあの世かとも疑ったが、自分のような大罪人は地獄へおちるのは当然として
 ここは地獄にしてはのどか過ぎる。
 抜けるような青い空に豊かな草原が広がっている。
(すばらしい、まだ地球にこんなところがあったとは)
 コロニーという可能性も有ったがこの自然は人工的に作られた物ではないと
 東方不敗は感じていた。
(それにしてもここはどこだ、ネオホンコンではないはずだ。ドモンたちはどうした)
 東方不敗は辺りを見回す。
 周りの自然ばかりに目をとらわれて忘れていたが自分の周りにはマントをかぶった
 妙な格好をした少年少女達がいる。
 そしてその少年少女たちは口々に自分の事を『平民、平民』とはやしたてる。
 身分を気にするたちではないが孫ほど離れたガキどもに馬鹿にされるいわれは無い。
「やかましいー!!黙らんかぁぁ!!!」
 空気を劈く様な怒鳴り声にそれまではやしたてていた一同は一瞬で静かになった。
 そして東方不敗の発する気迫に飲まれたのだ。
 人間の皮をかぶったゴジラである東方不敗から見れば、ここにいるメイジなど
 教師も含めて微生物以下だろう。

 ここにいる教師の一人コルベールは正直かなり動揺していた。殺気は感じられないが目の前の
 男から放たれる気迫というかオーラは半端ではない。
 コルベール自身今まで幾多の戦場を駆け抜けてきて様々なツワモノを見てきた。
 しかしこの男は根本的に違うと感じた。今までスクウェアクラスメイジからも感じたことの無いような
 威圧感、いやたとえ目の前にドラゴンがいてもこれほどの圧力は感じれるかどうか分からない。
 この男は本当に平民、いや人間なのだろうかと感じていた。
 しかし、そこまで感じ取れたのは戦場の経験があるコルベールくらいだった。

「全く近頃の子供はどういう教育を受けておるのだ」
 そうぶつくさ言っている東方不敗にルイズは言った。

「あんた誰?」

 その言葉は東方不敗の火に油を注いだ。

「誰だと、小娘、人の名前を聞くときはまずは自分からとは習わなかったのか。
 それから年上に向ってあんたとは何事だ」
 その言葉にルイズは顔を真っ赤にする。
「なっ、なんて無礼なの、平民のくせに」
「無礼なのはそっちであろうが、そっちが先に名を名乗れ、礼儀に身分など関係有るか」
「ぐっ、私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ、
 それであん・・あなたは」
 東方不敗の気迫に押されしぶしぶ名を名乗るルイズ、途中あんたと言おうとして
 思いっきり睨まれ訂正した。
「ふん、まあ良いだろう、わしは東方不敗・マスターアジアだ」
「トウホウフハイ・マスターアジア?なんて変な名前なの」
「何!?わしのことを知らんのか」
 東方不敗マスターアジア、未来世紀においてこの名前を知らぬものはいないだろう。
 ガンダムファイト第12回大会においてネオホンコン代表として圧倒的力で勝利し続け、
 4連覇確実といわれたネオイングランドのジェントル・チャップマンに圧勝し優勝した英雄である。
 そしてコロニー格闘五天王といわれるシャッフル同盟の筆頭とも言うべきキングオブハートの称号を
 持っている。
『ガンダムオブザガンダム』『キングオブハート』この2つの称号を同時に持ちし者、それは
 全男子の憧れ、全格闘家の夢、そうすなわち世界最強と言っても過言ではない。

「ミスタ・コルベール、もう一度召喚させてください」
「ミス・ヴェリエール、そういうわけにはいかないのだよ、それに・・」
 コルベールは東方不敗をみる。
 もしこの男が暴れだしたら自分でも止められる自信がない。
「ああもう、貴様では話にならん、コルベールといったな、お主がここの責任者らしいが
 状況を説明せい、まずはここは一体どこだ」
「ああ、はい、ここはトリステイン魔法学院です」
「トリステイン魔法学院だと!?魔法とはどういうことだ」
 東方不敗は一定のところに定住せず、常に世界を放浪し続けてきた。
 それゆえに世界のほとんどの地名は頭に入っているがトリステインなど聞いたことがない。
 それに魔法とはどういうことだ、西洋に伝わる呪術や妖術の類かと思った。
 流派東方不敗も下手な魔法より魔法じみてはいるが。
 とにかくコルベールの話を聞くにここはトリステイン魔法学院という所で自分は
 『サモン・サーヴァント』と呼ばれる使い魔召喚の儀式でここに呼ばれたというのだ。
「使い魔だと、このわしがか・・」
「ええ、そういうことです」
 コルベールは東方不敗を怒らせないようにどうにか説明を終えた。
「もし貴女が使い魔にならなければミス・ヴェリエールは落第してしまいます。
 どうにかご協力お願いできませんか」
「先生、やっぱりやり直させてください、こんな平民を使い魔なんて聞いたことがありません」
 平民という言葉にピクッと反応する東方不敗。
 コルベールとしてはいつ爆発するか分からない大型爆弾を解除している気持ちだった。
「ミス・ヴェリエール、君は少し黙っていなさい、先ほども言いましたがそういうわけにはいきません
 春の使い魔召喚の儀式は神聖な儀式だ、好む好まざる関わらず彼を使い魔にするしかない」
 ルイズは呆然とする。
 突然出てきて偉そうな態度で怒鳴るこの平民の老人を使い魔にしろだなんてあまりにも理不尽だ。
「これは伝統なんだ、例外は認められない。古今東西例が存在しないような事かも知れないが
 春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールに優先する。儀式を続け契約をしなさい」
「そんな・・」
 ルイズはがっくりうなだれる。

 その頃東方不敗は考えていた。
(わしが使い魔、生ける武神とまで呼ばれたこのわしが獣畜生と肩を並べるというのか。
 これがわしの罪に対する天が与えた罰か、いや逆境、そして試練か・・)
「ふふふ・・」
 あたりに不気味な笑い声が聞こえる。
 コルベールはビクッとする。
 東方不敗が笑っているのだ。
「ふははははははは!!!」
 狂ったように笑い出す東方不敗に周りは騒然とする。
 コルベールは東方不敗が怒りのあまり狂ったかと思い警戒する。
「使い魔か!!この東方不敗マスターアジアが使い魔とは、面白い!!
 天よ感謝する!!このわしにこれほどの試練を与えてくれるとは!!」
 東方不敗は大きく手を掲げ、天に向かって吼えるように叫ぶ。
 そしてルイズにビシッと指をさす。
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、貴様の使い魔になってやろう。
 ただ貴様がわしを使いこなせる器かどうか見極めさせてもらうぞ」
 かなり高いテンションで言われたルイズは呆然としていた。
「よ、良かったじゃないですか、ミス・ヴェリエール彼もああいってることですし・・」
 コルベールは半ば引きつった作り笑顔でルイズを促す。
(いっぺん死ね、この毛根死滅野郎)
 何が悲しくてこんな偉そうな平民と契約しなければならないのか。
 しかしこのままでは落第だ、背に腹は変えられなかった。

「感謝しなさいよ、貴族にこんなこと「感謝しろだと!!」
 ルイズが東方不敗に近づこうとして逆に怒鳴られる。
「感謝するのはそっちであろう、わしは善意で使い魔になってやろうというのだ。
 むしろそっちがお願いしますと頭を下げるのが筋であろうが」
 ルイズは口をパクパクする。
「あんた、本気で言ってるの」
「当たり前だ、最低限の礼儀もわきまえない小娘の使い魔なんぞになる義理はない」
 使い魔に頭を下げる主なんて聞いたことがない。
 しかし頭を下げなければ本当にこの男使い魔にならないだろう。
「つ・・つ・使い魔になってください、お願いします」
 ルイズは屈辱で肩がブルブル震えている。
「ふむ、まあ良かろう、武闘家として困っている者を見過ごすわけにはいかんからな」
 東方不敗はうなづく。
(見てなさいよ、絶対この屈辱は倍にして帰してやるんだから)
「平民に頭下げるなんて貴族の恥ぎゃあぁぁ!!」
「ゼロのルイズにどわぁぁぁぁ!!」
 頭を下げたルイズを笑いはやしたてた生徒達はの周りで爆発が起こり次々と吹っ飛んだ。
「うるさいぞ、黙れといったであろうが」
 東方不敗は拳を生徒達に突き出していた。
(何今の先住魔法!?)
 要は東方不敗が笑った生徒達に拳撃を飛ばしその衝撃波で吹っ飛ばしたのだ。
 この一瞬で誰もルイズを笑う者はいなくなった。
 吹っ飛ばされた生徒達はピクピクしているが気絶しているだけで無事のようだ。

「じゃあ契約するから頭下げて」
「契約、そういえば契約とはどのような方法でやるのだ」
「いいから頭下げる」
 そう言ってルイズは東方不敗の顔をぐいっと引っ張り唇を当てた。
「な!?何をする、近頃の婦女子は貞淑さというものがないのか」
「ううう、私だって好きでやったわけじゃないのよ、何でファーストキスをこんなジジイと・・」
 ルイズは泣きそうな声で言った。
「契約の方法が接吻なのか、他に方法はなかったのか」
「あったらそれをやっているわよ」
「ぐっ・・この感じは一体なんだ」
 東方不敗は体が少し熱くなるのと自分の中で気の流れが変わったのを感じた。
「使い魔のルーンが刻まれているだけよ、すぐ終わるわ」

 東方不敗の左手にルーンが浮かぶ。
(何だこれは、使い魔のルーンといっていたがキングオブハートの紋章のようなものか)
「ほう、これは珍しいですな、両方の手にルーンとは」
 東方不敗の左手には伝説のルーン、右手にはキングオブハートの紋章が浮かんでいる。
 コルベールは珍しそうにそれを見た。
(キングオブハートの紋章まで反応しておる、この左手の文字ただのルーンでは無いな)
 東方不敗は元いた世界でも刺青を入れることで神秘のパワーを得るという呪術やまじないが
 古今東西あったことを思い出し魔法もそれに近いものかと思った。

「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」
 コルベールの合図に皆は空を飛び始めた。
「ほう、これが魔法というやつか、わしの舞空術とは違うのか」
 東方不敗は感心したように見ていた。
「ルイズ、お前は歩いてこいよ!」
「あいつ『フライ』はおろか、『レビテーション』さえまともにできないんだぜ」
 少年少女たちは去り際にからかうような捨て台詞を残した。

「ん、おぬしは飛ばんのか?」
 ルイズはプルプル震えている。
「別にいいでしょう!!あんた言った何なのよ」
「全く礼儀がなっていない小娘だ、わしは東方不敗・マスターアジア、
 ネオホンコンのガンダムファイターで元シャッフル同盟先代キングオブハートだ」
「何よそれ?」
「分からんのか」
(むう、もしやここは・・)
 東方不敗は思考をめぐらす。
「全く変な奴、早く行くわよ」
「待て、急ぐんだったらわしに掴まれ」
「何でよ」
「いいから、掴まれ」
 ルイズは渋々東方不敗に摑まった。
 東方不敗は腰巻きの布、マスタークロスをとり回転させる。
 すると東方不敗の体はうき始めた。
「え!?浮いてる、何よこれ」
「流派東方不敗 舞空術だ、では一気に行くぞ」
 そのまますさまじいスピードで空を駆け抜けていく。
(一体何なのよこいつ)
 そう思いながらルイズは意識を手放した。

 こうして新たなる伝説がここハルケギニアで始まろうとしていた。

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