あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界BASARA-08


現在の状況はまずい、非常にまずい。
ギーシュがケティとモンモランシー2人に平手を喰らった。それだけならただの笑い話で終わっただろう。
だがそこに幸村の右ストレートが炸裂した事で事態は一変した。
さっきまでギーシュを笑っていた他の生徒も、皆驚いて言葉を失っている。

「何て事してるのあんたはあぁー!!」

当然、彼の主人は怒り心頭になって詰め寄ってくる。
「貴族に手を上げるなんて…謝って!今すぐギーシュに謝りなさい!」
無論、それで許される保証はない。
平民が貴族を殴る……この世界では前代未聞の所業を幸村はやってしまった。
今更謝った所で事態は好転するとは思えないが、それでもルイズは今ならまだ間に合うかもしれないと思ったのだ。

「断り申す!」
「なんですってぇー!?」

しかしそんなルイズの思いは幸村には届かなかった。
「拙者は間違った事はしておらぬ!恋をするだけでも破廉恥であるというのに…二股を掛けるとはけしからん!」
確かに浮気をしていたギーシュに非がある。
だとしても平民風情が口を出すなど、あまつさえ殴りかかるなどあってはいけない。この場にいる誰もがそう考えていた。


当然…殴られた本人もその1人である。


「き、君は…今、自分が何をしたのか分かっているのかね!?」
ギーシュが鼻を押さえながら立ち上がる。
「へ、平民ごときが…貴族を殴り飛ばすとは無礼にも程があるぞ!」
「何を言うか!お主は一途な女子の想いを傷つけたのだぞ!」
鼻血が垂れてきているギーシュに、幸村はさらに続けた。
「あの2人だけではない。浮気とは男自身も惨めな思いをするのだ……お館様、お館様もそれで一度大変な目に遭った…」
目を瞑り、幸村はそのお館様の惨めな姿を思い出す…
それはある日の事だった。
いつものように拳で語り合おうとお館様の部屋に来た幸村は、中からブツブツと呟く声を聞く。
普段と違うお館様の声に、幸村は入るのを留まって障子の隙間から覗いてみたのだ。


『………全く我が偽りになく候事…むぅ…これで良いだろうか…』
『まぁ後は源介さんが許してくれるのを祈るしかないですねぇ~』
『う、うむ。そうだな…信じるしかあるまい…』
『それと!弥七郎にはもう会っちゃ駄目ですよ…それじゃ俺はちょっと風呂沸かしてきますから』
『すまぬ佐助、手紙を書くのにお主の手を煩わせてしまったのぅ…』


「拙者は…拙者はあんなお館様の姿は見たくなかった…!!」
そう言うと幸村は拳を握り締め、涙まで流し始めた。どうやら余程忘れたい記憶だったらしい。
ならば思い出さなければいいのだが…
「お主に同じような思いをして欲しくないからこそ!あえて拙者は心を鬼にして殴ったのだ!」

「どうやら君は…自分の立場というものが分かっていないようだね…平民が僕に説教とは…」

そんな幸村の思いも彼にはプライドを傷つけられたと取られたようだ。
結局、説教はギーシュの怒りのボルテージを上げるだけで終わったのである。
「いい機会だ、貴族に対する礼儀というのを教えてやろう。君に決闘を申し込む!」
薔薇の造花を幸村に向けて言い放つ。

この世界の常識に「平民は絶対に貴族には勝てない」というものがある。
普通ならこの決闘を受けようと考える平民はこの世界にはいない。この世界には…
だが幸村はそんな常識のない世界、武士道の戦国の世界から来た男。そんな事など彼は知らない。

「いいだろう。真田源二郎幸村、その勝負受けて立つ!」
その為、幸村はギーシュの申し出を受けてしまったのであった。
それを聞いた周りの生徒は「おぉ~」と歓声を上げる者、無謀な事をしたなと呆れている者など様々だ。

「フッ、ならばヴェストリの広場へ来たまえ。逃げるなら…今の内だよ?」
そう言い残し、ギーシュはマントを翻してその場を後にした。


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