バッツとギーシュが決闘した日の夜、ルイズは一人、誰もいない広場で魔法の練習を始める。
唱える魔法は【レビテーション】どの系統のメイジでも使用できるコモン・マジックの一種である。
呪文を詠唱する時、ルイズは解らない自分の系統を【虚無】と思い込み詠唱する。
すると、自分の精神が高揚して行くのを感じる。
その高揚感に任せたまま近場の小石に【レビテーション】をかけ、爆発に備え目をつぶり体を強張らせる。
しかし、いつもの様な爆音や衝撃は何時までたっても起こらない・・・
唱える魔法は【レビテーション】どの系統のメイジでも使用できるコモン・マジックの一種である。
呪文を詠唱する時、ルイズは解らない自分の系統を【虚無】と思い込み詠唱する。
すると、自分の精神が高揚して行くのを感じる。
その高揚感に任せたまま近場の小石に【レビテーション】をかけ、爆発に備え目をつぶり体を強張らせる。
しかし、いつもの様な爆音や衝撃は何時までたっても起こらない・・・
「へ? ・・・も、もしかして せ、成功したの?」
ルイズは恐る恐る目を開けると、そこには浮いている石の姿が!
「ほ、本当に成功した!? ・・・(ギュー)・・・痛い。でも痛いって事は夢じゃない!」
ルイズは初めてのレビテーション成功に気を良くし、次々とコモン・マジックを試して行く。
そして今まで自分が【ゼロのルイズ】と呼ばれていたのが嘘かの様に、彼女はコモンマジックを成功させてゆく。
そして今まで自分が【ゼロのルイズ】と呼ばれていたのが嘘かの様に、彼女はコモンマジックを成功させてゆく。
「やったわ! コモン・マジックなら確実に成功する! 次は系統魔法よ!!」
ルイズは意気揚々と系統魔法の練習をするため、呪文を詠唱しようとするが、自分の属性は始祖ブリミルと同じ伝説の虚無(仮)
属性その物は伝説として語り継がれているが、肝心の魔法その物はどのようなものが在ったのか資料すら残っていない・・・
属性その物は伝説として語り継がれているが、肝心の魔法その物はどのようなものが在ったのか資料すら残っていない・・・
「・・・まぁ、解らない魔法は練習できないわよね。 ―はっ! 確か始祖ブリミル様は虚無を操りその後、4つの系統魔法作ったはず・・・
なら、虚無は全ての系統魔法が使える!?」
なら、虚無は全ての系統魔法が使える!?」
ルイズは自分の思い付きを実証するため早速コモン・マジックを成功させた時と同じように、虚無をイメージしながら【ファイヤーボール】のルーンを詠唱し、
呪文が完成すると、やや離れた空間へファイヤーボールを放つ!
呪文が完成すると、やや離れた空間へファイヤーボールを放つ!
ドカーン!!
無常にもファイヤーボールは発動せずにいつもの失敗魔法の爆発が起こる。
「けほっ ・・・流石にそんなに美味しい話は無いわよね・・・」
魔法を失敗したにもかかわらずルイズの顔は穏やかであった。 なぜなら今まで自分の系統も解らず、どの呪文を唱えても爆発していた自分が
コモン・マジックを使いこなせるようになったのだ! 火の系統魔法を失敗した位、落ち込む理由にはならない!
コモン・マジックを使いこなせるようになったのだ! 火の系統魔法を失敗した位、落ち込む理由にはならない!
「それにしても、本当に『失敗を恐れない』で挑戦してみるものね・・・ わたしがコモン・マジックだけとは言え使えるようになったんだから・・・」
ルイズは昼間ギーシュと決闘に勝利することで、何事も挑戦してみる価値があることを示した、自分の使い魔に感謝の気持ちを覚えるのであった。
・・・最もプライドの高い彼女が、彼にそのことを伝える事は無いのだが。
・・・最もプライドの高い彼女が、彼にそのことを伝える事は無いのだが。
一方その頃、バッツは学園の近くの森で一人、道具袋の中身を確認している。
「えーっと、武器は、竪琴系、ベル系、何故か攻撃力の無くなったチキンナイフにエクスカリパーだけか。
防具類は、俺がエクスデスと戦った時に、着けていた奴以外は無に流れちまったか・・・
飲む薬以外の薬は全部無事で、テントとコテージも結構残ってるな。投げれる物はすすと忍術が全種類あるけど、数は2~3個か。
後シド特製のサバイバルグッズが残ってる位で、後は全部無に流されたか。
はぁ・・・ 道具の確認くらい昨日の内にしとくべきだったな・・・」
防具類は、俺がエクスデスと戦った時に、着けていた奴以外は無に流れちまったか・・・
飲む薬以外の薬は全部無事で、テントとコテージも結構残ってるな。投げれる物はすすと忍術が全種類あるけど、数は2~3個か。
後シド特製のサバイバルグッズが残ってる位で、後は全部無に流されたか。
はぁ・・・ 道具の確認くらい昨日の内にしとくべきだったな・・・」
バッツはため息をついた後、そこらへんの木をターゲットにして、エクスカリパーを振るう。
ビシ!
小気味の良い音を出して木を傷つけるものの、やはりその傷は浅い。
「んー、威力その物は変わらないけど、やっぱこいつを持つと、【左手の使い魔のルーン】とか言うのが、反応して身体能力が上がる感じがするなぁ。
一応他の武器でも試してみるか」
一応他の武器でも試してみるか」
バッツはそう呟いた後、銀の竪琴を手に取り先ほどエクスカリパーで傷つけた木に向かって奏でる。
♪~♪~ ―バキィ!
奏でられた音色とは裏腹に、目標となった木には大きな亀裂が走る。
しかし、バッツは気にすることなく、次の竪琴を手に取り奏で、木の亀裂を大きくしては、次の竪琴を手に取り奏でる。を繰り返してゆく。
そして、全ての竪琴を奏で終える頃には、木は完全に倒れていた。
しかし、バッツは気にすることなく、次の竪琴を手に取り奏で、木の亀裂を大きくしては、次の竪琴を手に取り奏でる。を繰り返してゆく。
そして、全ての竪琴を奏で終える頃には、木は完全に倒れていた。
「うーん、竪琴だとルーンは反応しないのか・・・んじゃ次はベル系はっと、」
倒れた木に向かい、バッツはギヤマンの鐘を鳴らす。
♪~♪~ ―ミシィ!
すると、竪琴の時と同じように、倒れた木はダメージを受ける。そして先ほどと同じようにバッツは次々とベルを鳴らして行く。
最後のベル、【ティンカーベル】を鳴らすと、まだ原型を残していた木は完全に粉々に砕け散った。
最後のベル、【ティンカーベル】を鳴らすと、まだ原型を残していた木は完全に粉々に砕け散った。
「ありゃ? ベル系も全部反応無しか・・・ まぁ砕けた木は炭にできるか。
それにしてもコイツは一体何に反応してんだ?」
それにしてもコイツは一体何に反応してんだ?」
バッツはそう呟きなが左手のルーンを見るが何も反応は無い。バッツはため息をつきながら砕けた木を集める。
そして、シド特製のサバイバルグッズの銀色のシートで集めた木を包み、周囲に人がいない事を確認すると、その包みに黒魔法【ファイラ】をかける。
すると、ものすごい炎の螺旋が木を包んだシートを包み込む。そして炎が静まると、バッツは炎に耐えた銀色のシートを道具袋に入る。
その時、バッツは獣の気配を感じ、チキンナイフを取り出す。
そして、シド特製のサバイバルグッズの銀色のシートで集めた木を包み、周囲に人がいない事を確認すると、その包みに黒魔法【ファイラ】をかける。
すると、ものすごい炎の螺旋が木を包んだシートを包み込む。そして炎が静まると、バッツは炎に耐えた銀色のシートを道具袋に入る。
その時、バッツは獣の気配を感じ、チキンナイフを取り出す。
「! 魔物か!」
バッツは、盗賊の特性【警戒】と忍者の特性【先制攻撃】を使い、気配の感じた方へチキンナイフを振るおうとするが、
いきなり使い魔のルーンが輝き彼の身体能力を増幅させ、さらにチキンナイフの正しい使い方を体が勝手発揮する!
チキンナイフの特性! それはつまり!
いきなり使い魔のルーンが輝き彼の身体能力を増幅させ、さらにチキンナイフの正しい使い方を体が勝手発揮する!
チキンナイフの特性! それはつまり!
「とんずら!」
バッツは持ってきた荷物を全て回収すると、その場から逃げ出した。
「キュルキュル・・・」
バッツが気配を感じた獣こと、フレイムは1匹取り残され寂しそうに鳴き、己の主人の元へと戻った。
「ふぅ、行き成りコイツが発動するなんて・・・発動条件って刃物関係か? 今度、ルイズの許可貰って武器屋に行ってどの武器に反応するか確認しないとだな・・・
それにしても、このルーンあると、もうチキンナイフで通常攻撃は不可能だな。それでなくてもとんずら発動の確率が高いのにこのルーンで強化されて確実にとんずらが、
発動するんじゃ・・・ってよく考えたら前と大差は無いか、ただカウンターで確実に逃げるようになっただけで・・・」
それにしても、このルーンあると、もうチキンナイフで通常攻撃は不可能だな。それでなくてもとんずら発動の確率が高いのにこのルーンで強化されて確実にとんずらが、
発動するんじゃ・・・ってよく考えたら前と大差は無いか、ただカウンターで確実に逃げるようになっただけで・・・」
バッツは一人そう呟くと、学園の近くでテントを張るのであった。
次の日、バッツは朝ルイズを起し、その後ルイズと共に食堂へ向かいルイズの給仕をしながら、付近の町へ買い物へ行きたいことを伝える。
するとルイズは、
するとルイズは、
「ああ、それならわたしも買い物へ行きたいから、今度の虚無の曜日に一緒に行きましょ」
「了解って言いたいが、今度の虚無の曜日っていつだ?」
「『いつだ?』 って虚無の曜日は2日後じゃない? 常識でしょ? って、あなたそういえば記憶が少し混乱してたのよね。忘れていたわ」
「ああ、そうだ。まぁそれが無くても旅をしてると曜日はあんまり気にしないから、記憶あっても聞いてたかも・・・」
「了解って言いたいが、今度の虚無の曜日っていつだ?」
「『いつだ?』 って虚無の曜日は2日後じゃない? 常識でしょ? って、あなたそういえば記憶が少し混乱してたのよね。忘れていたわ」
「ああ、そうだ。まぁそれが無くても旅をしてると曜日はあんまり気にしないから、記憶あっても聞いてたかも・・・」
ルイズはバッツの反応に、ややあきれながらも朝食の続きをした。
ちなみに、ルイズの周りには昨日の一件で誰もいないのであったが、普段は近くに座る者がいても、嫌味を言って来るか特に会話をしてないので気づかないのであった。
そして、ルイズの食事が終わると、バッツは厨房の方で朝食を食べた後、教室へ行くことをルイズに伝え厨房へと向かうのであった。
ちなみに、ルイズの周りには昨日の一件で誰もいないのであったが、普段は近くに座る者がいても、嫌味を言って来るか特に会話をしてないので気づかないのであった。
そして、ルイズの食事が終わると、バッツは厨房の方で朝食を食べた後、教室へ行くことをルイズに伝え厨房へと向かうのであった。
「おお! 来たか我等の希望!」
バッツが厨房に入った瞬間、マルトーが叫びながら迫って来たので思わずカウンターを【すで】で行う。
バキ!
「ああ! マルトーさんの首がありえない方向に!?」
「しまった! ポーション! いや、ハイポーション!! じゃなくて、フェニックスの尾+エリクサー!!」
「しまった! ポーション! いや、ハイポーション!! じゃなくて、フェニックスの尾+エリクサー!!」
首がおかしな方向曲がったマルトーにバッツはあわてて色々な薬を使い、マルトーは無事生還する。
「ぅぅう、なんか死んだ爺さんが手招きしてた気が・・・」
「マルトーさん大丈夫ですか!?」
「おう! 俺は頑丈さと料理の腕が取り柄だからな!」
「いえ、流石に首がおかしな方向に行ったら頑丈さは関係ないですけど・・・ 無事ならいいですよ」
「あー、さっきはすまない。 でも行き成り抱きついてきたから、ついカウンターしちまってすまない」
「マルトーさん大丈夫ですか!?」
「おう! 俺は頑丈さと料理の腕が取り柄だからな!」
「いえ、流石に首がおかしな方向に行ったら頑丈さは関係ないですけど・・・ 無事ならいいですよ」
「あー、さっきはすまない。 でも行き成り抱きついてきたから、ついカウンターしちまってすまない」
バッツは流石に殺しかけてしまったことに、負い目があるので謝るが、マルトーは笑いながら「いいってことよ」と許しバッツに朝食を出す。
そしてバッツは「ありがとう」と一言いうと食事を始めるが、
そしてバッツは「ありがとう」と一言いうと食事を始めるが、
「所でさっき言ってた『我等の希望』ってなんのことだ?」
「おう、それか! 昨日お前さんがあの生意気な貴族と決闘で勝ったそうじゃないか! 平民だって努力しだいで、貴族に勝てることを証明してくれた!
だからこそお前さんは、俺たちにとっては希望そのものなんだよ」
「おう、それか! 昨日お前さんがあの生意気な貴族と決闘で勝ったそうじゃないか! 平民だって努力しだいで、貴族に勝てることを証明してくれた!
だからこそお前さんは、俺たちにとっては希望そのものなんだよ」
マルトーはまるで自分達が強くなったかのように、強気に言いながらバッツの背中をバンバン叩く。
「いや、旅をしてると、ギーシュが出したゴーレムと同じくらいの強さの魔物はざらにいるから、そう珍しいことじゃないと思うぞ?
後、俺が旅していた地域の王族や貴族は、結構気さくで少なくても恐れられる対象じゃなかったような気がするなぁ」
「お? 我等の希望、記憶が戻ったのかい?」
「いや、元々記憶は混乱している状態だから、切欠があると思い出すところがあるんだ。だから完全には戻ってないよ。それと我等の希望ってのはやめてくれ。
普通にバッツでいいよ、俺自身まだ修行中で、そう大したもんじゃないから、そんな呼ばれ方はこそばゆいよ。後、次の食事もこんな豪華じゃなくて、
皆と同じまかない食をお願いするよ。流石に毎食こんな豪華だと、俺のほうが恐縮しちまうよ」
後、俺が旅していた地域の王族や貴族は、結構気さくで少なくても恐れられる対象じゃなかったような気がするなぁ」
「お? 我等の希望、記憶が戻ったのかい?」
「いや、元々記憶は混乱している状態だから、切欠があると思い出すところがあるんだ。だから完全には戻ってないよ。それと我等の希望ってのはやめてくれ。
普通にバッツでいいよ、俺自身まだ修行中で、そう大したもんじゃないから、そんな呼ばれ方はこそばゆいよ。後、次の食事もこんな豪華じゃなくて、
皆と同じまかない食をお願いするよ。流石に毎食こんな豪華だと、俺のほうが恐縮しちまうよ」
バッツは恥ずかしそうに頭を掻きながらそう言うと、マルトーが震える。
「ん? マルトーどうしたんだ?」
「・・・」
「マルトーさん?」
「・・・」
「マルトーさん?」
震えて黙ってるマルトーにバッツだけでなく、周りのコックやシエスタも心配して近づく。
「おおおおーーーーー!! 俺は感動した! あれだけの実力がありながらも自慢するわけでないこの謙虚さ! さらにまだまだ上を目指そうとする向上心!!
いいかお前ら! 本当の達人って奴はバッツみたいな奴のことを言うんだ! 俺もお前らも今の料理に妥協せずに、さらに美味いもん作るぞ!」
「おおー!!」
いいかお前ら! 本当の達人って奴はバッツみたいな奴のことを言うんだ! 俺もお前らも今の料理に妥協せずに、さらに美味いもん作るぞ!」
「おおー!!」
行き成り叫んだマルトーに、バッツやシエスタは耳を塞いでいたが、他のコックたちは慣れているのかそのまま、マルトーの演説に乗っかる。
「うおおおおお!! 俺のこの感動をどうしてくれるんだ! もうこれはキスをするしか! (ゴン!) うぉ! 体が動かねぇ」
マルトーが激情のままにバッツに迫ったが、身の危険を感じたバッツは、素早くマルトーにエクスカリパーで【みねうち】を決め
マルトーの動きを封じる。(エクスカリパーにみねは無いが)
マルトーの動きを封じる。(エクスカリパーにみねは無いが)
「はぁ、熱くなるのはいいけど、ほどほどにしないと体が持たなくなるぞ? まぁ朝ごはんご馳走様でした。ついでに昨日作った炭も置いてくな」
バッツは食べた食器を洗った後、釜戸の近くにシートから取り出した炭を置き、教室へ向かおうとするが、マルトーに呼び止められる。
「バッツ、ちょっと待ってくれ! 動けないんだが?」
「ああ、それならあと少し時間たてば自然に治るよ」
「いや、それがこの後すぐに昼の仕込みをしねぇといけねぇんだよ」
「あ、そうなのか・・・んじゃ。ふん! チャクラ!!」
「ああ、それならあと少し時間たてば自然に治るよ」
「いや、それがこの後すぐに昼の仕込みをしねぇといけねぇんだよ」
「あ、そうなのか・・・んじゃ。ふん! チャクラ!!」
バッツの高めた気はマルトーだけでなく、周囲を包み気を受けたもの達の傷と体調が回復する。
「おぉー! すげーなぁ。でも本当にこれ魔法じゃないのか?」
「あぁ、これは気と言って魔力とか無くても使える技だけど・・・最も、身に付けるには結構苦労するけどな」
「ほぅ、じゃあ俺たちも頑張れば、そのチャクラって奴を使えるのか?」
「まぁ、そうだけどマルトーはこれから仕込があるんだろ? こっちもそろそろ、ルイズんとこ行かないと、授業が始まっちまうから。じゃあな!」
「あぁ、これは気と言って魔力とか無くても使える技だけど・・・最も、身に付けるには結構苦労するけどな」
「ほぅ、じゃあ俺たちも頑張れば、そのチャクラって奴を使えるのか?」
「まぁ、そうだけどマルトーはこれから仕込があるんだろ? こっちもそろそろ、ルイズんとこ行かないと、授業が始まっちまうから。じゃあな!」
バッツはそう言うと、「とんずら!」 と叫び、さっさと通常の4倍の速さで教室へ向かった。
その後、授業を受け終わったルイズとバッツは2日後の町への移動方法の相談をする。
その後、授業を受け終わったルイズとバッツは2日後の町への移動方法の相談をする。
「所で、ルイズ町には歩いて行くんか?」
「そんなわけ無いでしょ。もちろん馬で行くわよ」
「あれ? ここら辺にはチョコボはいないのか?」
「? 何チョコボって?」
「大きな黄色い鳥で飛べないけど、とても足が速いんだ。だけどルイズの反応からすると、ここら辺にはいないのかぁ」
「そんなわけ無いでしょ。もちろん馬で行くわよ」
「あれ? ここら辺にはチョコボはいないのか?」
「? 何チョコボって?」
「大きな黄色い鳥で飛べないけど、とても足が速いんだ。だけどルイズの反応からすると、ここら辺にはいないのかぁ」
この世界にチョコボがいないことに、バッツは少しがっかりするのであった。
「まぁ、それはいいとして町に着いたら別行動にするか?」
「いいえ、バッツはここら辺の事知らないんでしょ? だったら一緒に行動した方がいいでしょ。それに町にはスリとかいるから、
バッツは旅に慣れてるんだから、そういったのからわたしを守ってくれるでしょ?」
「ん、了解。じゃあ、回る順番はルイズが行きたいところ言った後、武器屋によって貰えばいいよ」
「あら? バッツが買いたいのって武器なの? あんな良い剣持ってるのに?」
「いいえ、バッツはここら辺の事知らないんでしょ? だったら一緒に行動した方がいいでしょ。それに町にはスリとかいるから、
バッツは旅に慣れてるんだから、そういったのからわたしを守ってくれるでしょ?」
「ん、了解。じゃあ、回る順番はルイズが行きたいところ言った後、武器屋によって貰えばいいよ」
「あら? バッツが買いたいのって武器なの? あんな良い剣持ってるのに?」
エクスカリパーの真の切れ味を知らないルイズは、バッツが武器を買いたいことに対して疑問を浮かべる。
「ああ、この剣、エクスカリパーは見た目が派手だろ? 俺はあんまり目立つのが好きじゃないから、出来たら普通の武器も在った方が良いんだよ。
召喚前に俺が何をしてたかは知らないけど、武器と防具の類いは殆ど無いから安物でいいからかっておきたいんだ。
あっ!所でここら辺の通貨ってこのギルで通用するかな?」
召喚前に俺が何をしてたかは知らないけど、武器と防具の類いは殆ど無いから安物でいいからかっておきたいんだ。
あっ!所でここら辺の通貨ってこのギルで通用するかな?」
バッツはルイズに武器が欲しい理由を簡単につげながら、ふと自分の持っているお金も通用するか不安になりルイズにギルを見せて聞く。
「んー、珍しいコインね。これなら売ればそこそこの値段がつくんじゃない?」
「そっか。なら心配は無いか。それじゃ明日も早いだろうからお休み」
「そっか。なら心配は無いか。それじゃ明日も早いだろうからお休み」
お金の心配も無くなり夜もほどほどに深けてきたため、バッツは休むために外へテントを張りに行くのであった。
そして、その日の夜遅くルイズの隣の部屋、つまりキュルケの部屋から大きな物音がしてルイズは目を覚ます。
普段であればまたキュルケが男を引き入れただけだと、また寝なおすのだが、先日のギーシュとの決闘の後キュルケのバッツを見る目が怪しかったことと、
今日一日をよく思い出すとバッツは気づいていなさそうだったが、彼の近くに常にフレイムが居た事を思い出したルイズは、あわててキュルケの部屋へ向かう。
普段であればまたキュルケが男を引き入れただけだと、また寝なおすのだが、先日のギーシュとの決闘の後キュルケのバッツを見る目が怪しかったことと、
今日一日をよく思い出すとバッツは気づいていなさそうだったが、彼の近くに常にフレイムが居た事を思い出したルイズは、あわててキュルケの部屋へ向かう。
バタン!
「キュルケ! わたしの使い魔そっちに来てない!?」
ルイズはノックもせずにキュルケの部屋に押しかけると、そこには『焦げた男子生徒たちと扇情的な格好をしたキュルケだけ』が居た。
「あら、ヴァリエールいつも人には、慎みが無いって言って置きながら自分はノックもせずに入ってくるの?」
「うっ。 そ、それは隣の部屋で物音がしたから、もしかしたら貴方がわたしの使い魔をゆ、誘惑してるかと思っただけよ!」
「あら、勘がいいのねヴァリエール。確かに私は彼、バッツに惚れてフレイムに頼んで今日この部屋に連れて来る予定よ。まぁ無粋な邪魔が着たから焼いてたけど、
フレイムが早く連れてこなくて本当に良かったわ」
「うっ。 そ、それは隣の部屋で物音がしたから、もしかしたら貴方がわたしの使い魔をゆ、誘惑してるかと思っただけよ!」
「あら、勘がいいのねヴァリエール。確かに私は彼、バッツに惚れてフレイムに頼んで今日この部屋に連れて来る予定よ。まぁ無粋な邪魔が着たから焼いてたけど、
フレイムが早く連れてこなくて本当に良かったわ」
キュルケはルイズにそう答えた後、はぅとため息をつきながら焦げた生徒を窓から外に捨て、バッツが来るのを待とうとする。
「な、な、な」
「な?」
「なに人の使い魔を取ろうとしてるのよツェルプストー!!」
「な?」
「なに人の使い魔を取ろうとしてるのよツェルプストー!!」
激昂するルイズにキュルケは、耳を塞ぎながら弁解する。
「だってしょうがないじゃない、私の二つ名は微熱、常に熱い恋をする乙女なんだから」
「何が乙女よ! このお熱の色狂い!!」
「はいはい。 ・・・それにしてもフレイム遅いわね・・・ちょっと見に行こうかしら、ヴァリエールじゃあねぇー」
「何が乙女よ! このお熱の色狂い!!」
「はいはい。 ・・・それにしてもフレイム遅いわね・・・ちょっと見に行こうかしら、ヴァリエールじゃあねぇー」
キュルケはルイズを適当にあしらいながら、マントと上着を羽織るとレビテーションを唱え窓から飛び出る。
「コラァー! ツェルプストー待ちなさい!」
ルイズは自分の部屋に戻ると、マントを羽織り杖を掴むと自分の部屋からレビテーションを使い、キュルケの後を追いかける。
「あら、ルイズ本当にレビテーション使えたのね?」
「あ、当たり前じゃない」
「あ、当たり前じゃない」
キュルケはルイズが、レビテーションを使って追いかけてきたことに、関心したように言うが、ルイズとしては「実は、昨日から使えるようになりました」
などと、言えるわけもなく目をそらしながら同意するのであった。
その後も、なんだかんだと言い争いながら、ルイズとキュルケはフレイムとの繋がりを頼りに、バッツのいるテントへ着く。
などと、言えるわけもなく目をそらしながら同意するのであった。
その後も、なんだかんだと言い争いながら、ルイズとキュルケはフレイムとの繋がりを頼りに、バッツのいるテントへ着く。
「こんばんわ、ダー・・・」
テントの近くに、バッツの姿を確認したキュルケは声をかけようとしたが、
「つんつん」
「キュルキュル・・・」
「つんつん」
「キュルキュル・・・」
「やっぱり、おもしれー それつんつん」
「キュルキュル・・・」
「つんつん」
「キュルキュル・・・」
「やっぱり、おもしれー それつんつん」
バッツがフレイムの尻尾を突付くと、突付かれたフレイムは尻尾を振る、バッツはそれがとても面白いようでそれを何度も何度も繰り返す。
後からついて来たルイズも、その光景を見て呆れて声をかける。
後からついて来たルイズも、その光景を見て呆れて声をかける。
「・・・バッツあんたなにやってんのよ」
「つんつん・・・ん? ルイズにキュルケか? こんな夜更けに出歩くのは体に悪いぞ?」
「まぁ確かにそうだけど・・・ってそうじゃなくて! 貴方こそなにやってるのよ!?」
「ん? 俺か? 俺は寝ようとしたら、フレイムがなんか懐いて来たから何となく尻尾を突付いたら、その反応が面白くてついつい夢中になって突付いていたんだが?」
「つんつん・・・ん? ルイズにキュルケか? こんな夜更けに出歩くのは体に悪いぞ?」
「まぁ確かにそうだけど・・・ってそうじゃなくて! 貴方こそなにやってるのよ!?」
「ん? 俺か? 俺は寝ようとしたら、フレイムがなんか懐いて来たから何となく尻尾を突付いたら、その反応が面白くてついつい夢中になって突付いていたんだが?」
バッツは大真面目にそう言うと、ルイズは「はぁ」とため息をついて完全に呆れ、今度の買い物の時自分の財布をバッツに預ける気だったが、
預ける方が不安だと思い直すのであった。
そして、この様子ならキュルケの熱も消えるだろうと思ってキュルケのほうを見るが、
預ける方が不安だと思い直すのであった。
そして、この様子ならキュルケの熱も消えるだろうと思ってキュルケのほうを見るが、
「はぁ~。子供みたいにフレイムの尻尾を突付くダーリンも、保護欲を誘っていいわねぇ~」
と、さらに恋の微熱を深く燃やすのであった。
「ダーリン! 今日は負けを認めるけど、必ず貴方のハートはこの微熱のキュルケがいただくわ!」
「なぁルイズキュルケのいうダーリンって、誰の事いってるんだ?」
「バッツ・・・貴方本気で言ってるの?」
「本気も何も、わからないから聞いているんだが・・・」
「なぁルイズキュルケのいうダーリンって、誰の事いってるんだ?」
「バッツ・・・貴方本気で言ってるの?」
「本気も何も、わからないから聞いているんだが・・・」
本気でキュルケの思いに気づかないバッツに、ルイズはキュルケに可哀想と思うべきか、いい気味と思うべきか迷う。
「うーん、そんな鈍感な所もす・て・き! フレイム行くわよ!」
しかしキュルケはそんなことは全然気にした様子も無く、フレイムを連れて部屋へ戻ってゆく。そして、その場にルイズとバッツが残されるのであった。
「んー、よく分からんけど、まぁいいか。ルイズ、部屋まで送ってくぞ?」
「あ、うん」
「あ、うん」
ルイズとしては、バッツに「キュルケと付き合うな!」と、言いたいところなのだが、肝心のバッツはキュルケの気持ちに気づいていないのに、
わざわざ教えてキュルケの援護をする必要も無いので、大人しく着いて行く事にしたのであった。
わざわざ教えてキュルケの援護をする必要も無いので、大人しく着いて行く事にしたのであった。
次の日、何故か男子生徒がバッツを襲撃する事件があったが、バッツが煙玉を投げたり、隠れたり、とんずらすることによって特に被害は無かったと言う。