あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界BASARA-21


使い魔の品評会というのがある。
ここトリステン魔法学院で使い魔を召喚した2年生が学院中にお披露目するという行事である。
今年はトリステインの姫君も拝見するとあってか、2年生は皆張り切って使い魔と披露する芸を練習していた。

「ふんっ!はぁっ!」
そんな中、中庭から気合の入った声が聞こえてくる。真田幸村だ。
幸村は得物の二槍を振り回しており、それを少し離れた所からルイズが見ていた。
「うおおらあぁ!大車輪っ!!!!」
何度か槍を振り、最後に飛び上がって技を決めると、幸村は着地して構えを解いた。

「ルイズ殿!如何でござったか?」
「うーん…悪くはないんだけど…もっと派手な技とかないの?キュルケをギャフンと言わせるような…」
一通りの槍捌きを見たルイズは少し考えながら言った。


ルイズと幸村が出流腐…じゃなくてデルフリンガーを買った昨夜…
キュルケが幸村にちょっかいを出した事が原因で喧嘩に発展したのだ。
「いい機会だから教えてあげる。私ね、あなたの事が大っ嫌いだったのよ!」
「奇遇ねぇツェルプストー、私もあんたが気に食わなかったわ!」
お互い対峙するルイズとキュルケ。
鼻血を吹いて気絶している幸村。
自分に矛先が向いている訳でもないのに正座している利家。

「「決闘よ!!」」
しばらく睨み合っていた2人は同時に杖を抜いて叫んだ。

「ま、待てキュルケ殿。お前達が決闘するのは駄目だったんじゃないか?」
「…あ、そうだったわね…」
貴族同士の決闘は禁止…だがそれでは収まらなかったキュルケはある提案を出したのだ。
「…ならこうしましょう。今度開かれる使い魔の品評会、それでどっちの使い魔が優れているかで勝負よ」
「…いいわ。見てなさいツェルプストー、あんたなんかより凄い演技をしてみせるんだから!」



ゴオオオォォ…

昨日の夜の事を思い出していると、別の場所から大きな音が聞こえてきた。
そう、まるで竜が火を吐くような音だ。
「いいわよトシイエ!凄いじゃない!」
音の聞こえる方に目をやると、利家が口から大きな炎を吐き出していた。
あれなら火竜のブレスにも匹敵する威力だろう。
それを見てキュルケは喜んでいる。

一方別の方からは誰かのやり取りが聞こえてくる。
声を聞くと1人は若く、1人は年老いた感じの声だ。
「それでウジマサ、本当にその…凄い技が出来るのかい?」
「人を信用せん若造じゃのう!まぁ見ておれ」
ギーシュとその使い魔の北条氏政である。
氏政は槍を頭上で構えると、精神を集中し始めた。
「…ぬおおおぉぉーっ!北条家代々伝わる秘奥義!見るがよいわぁ!!」
氏政はそう叫ぶと、槍を勢いよく地面に突き刺した。
「……………」
「……………」
だが何も起こらない。
2人の間に沈黙が続き、しばらくして氏政が口を開いた。

「………はて?どうやってやるんじゃったかのぅ…」
「ええぇぇー!?そ、それじゃあ困るよ!品評会で見せるものが無いじゃないか!」
「や、やかましいわい!老人じゃから物忘れする時だってあるんじゃ!」
結局2人はまた喧嘩を始めてしまった。


「ギーシュ様~!」
だがそれもケティという少女によって終わりを告げる。
ケティはバスケットケースを持って2人の元に駆け寄った。

「ギーシュ様、私スコーンを作って参りましたの。おじいちゃんも一緒にお茶にしましょう」
「おおケティか!若いの、とりあえず喧嘩は止めじゃ。菓子でも食えばきっと思い出すわい」
ケティがお菓子を用意するのを見て、氏政は奥義を思い出すのを止めてしまった。
こんな事で大丈夫なのだろうか…ギーシュは頭がズキズキと痛むのを感じた。

「前田殿も北条殿も張り切っておられますな!」
「あんたねぇ、そう思うんなら派手な技の1つでも考えておきなさいよ!」
「承知!この幸村、見事皆の注目を集めてみせましょうぞ!」
そう言うと幸村はまた槍を構え直し、自分の持つ技を繰り出していった。

(キュルケに勝つだけじゃない…下手な失敗なんて出来ないのよ…だって姫様も見に来るんだから!)



「やれやれ…急な事であったが、これで何とかなるじゃろう」

その日の夕方、学院長室では品評会の取り決めがようやく完了し、オスマンはチェスを楽しんでいた。
相手はギーシュの使い魔の氏政である。彼はちょくちょくこの学院長室に遊びに来るようになっていたのだ。
「将棋と似たようなものじゃが…中々面白いもんじゃのう。これならどうじゃ?」
「ですがオールド・オスマン、宜しいのですか?宝物庫の守備まで姫の護衛に回してしまって…」
ロングビルは書類を片付けながら問い掛ける。
「例の…“土くれ”のフーケの心配かの?」

土くれのフーケとは、ここ最近トリステインで噂になっている盗賊の事である。
強力な土系統のメイジであり、固定化のかかった扉などをただの土くれに変えて侵入する手口からその二つ名が付けられた。
特にマジックアイテムに目がないようで、貴重な宝を保管しているこの学院も狙われるのではないかとロングビルは心配しているのだ。

「何、大丈夫じゃ。あそこにはスクウェアクラスの呪文でしっかりと守られておるからの」
オスマンはそう答えると、チェスの続きを始めようとした。
だが駒を置こうとした手がふと止まる。
「ただ……物理的な攻撃が加えられたらどうなるか分からん…」
「ほぅ、なら忠勝が突っ込んだら破られるのではないか?」
物騒な事を言いながら氏政は最後の一手を決めようとした。

「そりゃあ!これで王手じゃ!」
「待った」
「な、何じゃと!待ったは無しじゃろう!?」
「おお知らんのかウジマサよ、チェスでは経験者は待ったを使ってよいのじゃ」
「そんな初心者狩りみたいな決まりがある訳ないわあぁー!」


ぎゃーぎゃー騒ぐ老人2人を余所に、ロングビルは笑っていた。
オスマン等から見えないように、妖しい笑みを…


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