あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

とある魔術の使い魔と主-46


「えぇ!? 姫さまがさらわれた!?」
「あくまで可能性だけど、畜生ッ、状況があまりにも悪すぎるぞ!」
 王宮に出来るだけ早く行く為に、シルフィードに乗った当麻はその間、同じく乗っているルイズ達に自分が考えている事を説明した。
 クロムウェルがウェールズに偽りの命を与えたという事を。
 当麻の話を聞いたルイズは、顔色を変えてまだ目的地につかないかとタバサに迫る。
「ねぇタバサ! 王宮まではまだなの!?」
「もうすぐ」
 一分にも十時間にも感じられた空の旅は、タバサの一言で終わりを告げた。
 王宮にたどり着いた一行は、以前と同じように中庭に降り立った。
 当麻の予想通りと言わんばかりに辺りは騒然としている。しかし、それでも本来の職務を忘れてはいない。彼らは素早く立ち入り禁止区域に侵入してきた人間を取り囲んだ。
「なにやつ!」
「姫さ……いえ、女王陛下はご無事ですか!?」
「ええぃまたお前たちか! 貴様らに話すことはなにもない。早く立ち去れ」
 ルイズはシルフィードから飛び降りると、一番偉そうな人間に尋ねる。
 それは、以前も同じような会話をしたマンティコア隊の隊長であった。
 しかし、隊長はこっちと会話をする気はないようだ。周りの貴族やら兵士やらが、灯りの魔法やタイマツを使って何やら探している。その慌てぶりからそうとうまずいようだ。
 隊長も、周りを囲んでいる隊員も早く他の人と同じような事をしたいのだろう。ルイズ達を一蹴する。
 その態度に、ルイズはピキリとこめかみを動かす。溢れる怒りをなんとか押さえながらも、ポケットから一つの証を取り出した。
「わたしは女王陛下直属の女官です! これは陛下直筆の許可証よ! わたしには陛下の権利を行使する権利があります! ただちに事情の説明を求めるわ!」
 なにを馬鹿な……、と呟きながらもとりあえずルイズが差し出した紙を手にやる。しかし、それはルイズの言葉のとおりであった。

『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。右の者にこれを提示された公的機関の者は、あらゆる要求に応えること』

 なぜこのような少女が……、と目を丸くする。一体この少女と女王陛下はどんな結びつきがあるのだろうか?
 しかし、悩んでいる暇はない。
 彼とてマンティコア隊の隊長、自分より上の立場の命令は素早く応えるべきだ。
 隊長は直立すると、今までの出来事を手短に報告した。
「今から二時間ほど前、女王陛下が何者かによってかどわかされたのです。警備のものを蹴散らし、馬で駆け去りました。現在ヒポグリフ隊がその行方を追っています。我々はなにか証拠がないかと、この辺りを捜索しておりました」
 最悪な事に、当麻の予感は見事的中した。ルイズは落ち着かせようと深呼吸をするが、顔色みるみるうちに悪くなっていく。
「……どっちに向かったの?」
「賊は街道を南下しております。どうやらラ・ロシェールの方面に向かっているようなのでアルビオンの手のものと見てまず間違いありません。ただちに近隣の警戒と港を封鎖する命令を出しましたが……。
 先の戦で竜騎士隊が全滅してるゆえ、ヒポグリフと馬の足で賊に追いつけるかどうか……」
 隊長の話を、ルイズは途中できった。場所がわかれば一秒も早くそちらへ向かうべきだ。
 幸い、タバサのシルフィードはヒポグリフよりも早い。追いつける可能性は十分にある。
「急いで! ラ・ロシェールに向かっているわ! 逃がしちゃダメ!」
 皆が頷き、タバサがシルフィードに命令する。バサッと、羽を動かし再び闇へと飛び上がった。
 そこでルイズはある事に気付き、タバサに伝える。
「低く飛んでッ! 敵は馬に跨がっているわ!」
 轟ッ! とシルフィードの速度が上がっていく。いつの間にか城下町を抜けて、低空飛行へと切り替える。
 いつも以上に闇が深い。このようなスピードで大丈夫なのだろうか? と思う。しかし、シルフィードは鼻先で空気の流れを掴むと、障害物がないルートをうまく見つけ飛び続けた。

 敵との距離は確実に縮まっていった。


「うぅ……ここは……?」
 アンリエッタは目を覚ますと、そこは草むらのベッドに倒れ込んでいた。
 まだぼんやりとする視界、うまく働かない思考、とりあえず今どこにいるかを知ろうとするため辺りを見回した。
 瞬間、

 ウェールズがヒポグリフ隊の隊長を殺す光景を目に入れてしまった。

「え…………?」
 竜巻の魔法に、隊長の手足が切断される。一瞬で絶命したのだろう、倒れたまま起き上がってこない。
 あまりの展開ぶりに目を見開き、小さく開いた口はしかし、決して閉じる事がない。
 彼女の光景は一定の方向しか向いていないが、それでも他の死体であろうヒポグリフ隊の面子が何人も転がっていた。
 すると、ウェールズがこちらへと近づいて来た。まるで何事もなかったかのように尻餅をついているアンリエッタに手を差し出す。
「ウェールズさま。あなた……、いったいなんてことを……ッ!」
「驚かせてすまなかったね」
 平然過ぎる態度に、アンリエッタは腰に下げた杖をウェールズへと突きつけた。
 キラリ、と杖の先端にある水晶が光る。
「あなた……誰なの?」
「ぼくはウェールズだよ」
「嘘ッ! よくも魔法衛士隊の隊員を……」
「仇をとりたいのかい? いいとも。ぼくをきみの魔法でえぐってくれたまえ。きみの魔法でこの胸を貫かれるなら本望だ」
 そういうと、両手を水平に広げた。敵意も戦意もない、本当に死んでもいいかのような態勢である。
 あ、う……、とアンリエッタは戸惑い、杖を持つ手が震え出した。
 この人はウェールズじゃない。ウェールズであったとしても、大切な魔法衛士隊の人達を殺したのだ。
 それは許されるべきではない。
 なのに、

 手の震えが止まらない。

 かたかた、と杖の照準がぶれる。慌てて両手で杖を持ち直すが状況は変わらない。
 たとえ目の前の人間が魔法衛士隊の人達を殺したとしても、
 彼女には、ウェールズに向かって魔法が放てない。
 わからなかった。
 自分がどうするべきなのか、自分が何を信じるべきなのか。
 今の彼女は、女王陛下でもなんでもない。
 己の歩く道をわからぬ、ただの女の子であった。

 カラン、と杖を落とし、少女は小さな鳴咽の言葉を吐いた。
「なんで……こんなことになってしまったの?」
「ぼくを信じてくれるねアンリエッタ」
「でも……、こんな……」
「わけはあとで全部話す。お願いだ。今は黙ってぼくについてくればいい」
「わからない……わからないわ……。あなたのすることも、考えてることも……」
 すると、ウェールズはそんなアンリエッタを抱きしめた。
 優しく、全てを包みこんでくれるような感覚を少女は覚えた。
「わからなくてもかまわないよ。ただ、きみはあの誓いの言葉どおり行動してほしいんだ。覚えているかい? あのラグドリアンの湖畔で、きみが口にした誓約の言葉。水の精霊の前で、きみが口にした言葉」
「忘れるわけがありませんわ。それだけを頼りに、今まで生きて参りましたもの」
「お願いだ。言ってくれないか?」
 忘れる事のないあの言葉。たとえ十年経とうと二十年経とうと、一字一句間違える事なく正確に言う自信があった。
「トリステイン王国王女アンリエッタは水の精霊の身許で誓約いたします。ウェールズさまを、永久に愛することを」
「その言葉の中で変わったものといえば女王になっただけさ。あとは変わらないだろう? いや、変わるわけがないだろう?」
 少女は小さな子供のように小さく頷いた。今の彼女ならば、人の言うことならなんでも聞くであろう。それほどまでに、彼女一人じゃ事の状況を理解できなかった。
 誰かが、彼女の歩く道を教える必要があった。
 そして、それが今まで愛していた人であったら?
 こうやって抱かれる日をずっと夢見て生きていた自分がいたら?

 きっとその道を信じて歩くのであろう。

「どんなことがあろうとも、水の精霊の前でなされた誓約がたがえられることはない。きみは己のその言葉だけを信じていればいいのさ。あとは全部ぼくに任せてくれ」
 少女は頷く。それが正しいのだと、子供のように何度も言い聞かせる。
 ウェールズはそんな少女を見て、小さく笑った。


「いたわ!」
 キュルケが指差し、シルフィードに跨がった当麻達は一斉に目をやった。
 そこには、無残にも人の死体が無造作に転がっていた。シルフィードは飛ぶのをやめ、地面へと降りる。それぞれが彼らに近寄るが、タバサだけが周りに注意しながら見張った。
「くそ……ったれが!」
 叫ばずにはいられなかった。
 敵とは戦争をしている。自分達もまた、生と死の境目に立っている事も頭の中ではわかっている。
 だけど、そうだとしても黙っていなければならない理由にはならなかった。
 当麻は生存者がいないか確認する為、走る。
 焼け焦げた死体、手足がバラバラにされた死体、心臓の所にぽっかり穴が開いている死体がたくさん転がっている。彼らの近くには馬やヒポグリフも同じように絶命していた。おそらく先に追っていたヒポグリフ隊なのであろう。
 ギリッと当麻は奥歯を噛み締める。彼にはこのような経験がない。
 だから許せない。理解しようともしない。
 ただ、このような事をした奴を絶対に許さないと誓うのみだけだ。
「生きてる人がいるわ!」
 キュルケの声が、当麻とルイズを駆けつけさせる。
 腕に酷い怪我を負っていたが、他に怪我は見当たらない。おそらくたった一人の生存者なのだろう。
「大丈夫?」
 このメンバーで、水の魔法を使える者はいない。ゆえに彼の傷を治す事は不可能だ。
「だ、大丈夫だ……。あんたたちは味方か?」
「えぇ、同じように女王陛下を誘拐した一味を追ってきたのよ。いったいここでなにがあったの?」
 途端、兵士は震え出した。傷のない手の方で頭を抱え、怯えながらも話す。
「あいつら、致命傷を負わせたはずなのに……」
「どういうこと?」
 しかし、続きは沈黙であった。その恐怖にうち負けたのか、気絶してしまったようだ。
 三人は目を合わす。どういう事なのだろうか? と思っていると、

 瞬間、四方八方から魔法の攻撃が四人めがけて襲いかかった。
 周囲を警戒していたタバサが誰よりも早く反応すると、頭上に空気の壁を作り上げた。バチィ! という音と共に跳ね返される。
 すると、草むらからゆらりとなにかが現れる。
 それは、『アンドバリ』の指輪によって再び生を得られたアルビオンの貴族たちであった。
 しかし、ただ現れただけで次なる攻撃を仕掛けてこない。その間にもタバサが三人のもとへと駆け寄る。
 その貴族の中に、忘れる事のない人影がいた。
「ウェールズ!」
 当麻の予想は的中した。
 クロムウェルの策のもと、死んだウェールズを蘇らせ、アンリエッタをさらったのだ。
 許すわけにはいかない。そう思った当麻は、奥歯を噛み締めるとウェールズに怒鳴り散らした。
「いいか、テメエに交渉を与える余地はねえんだ! さっさとアンリエッタを返しやがれ!」
 いつ手が飛び出てもおかしくない勢いだが、対するウェールズは微笑を浮かべ、落ち着いたままである。
「おかしなことを言うね。返せもなにも彼女は彼女の意思でぼくにつきしたがっているのだ」
「テメエの冗談を聞いてるつもりはねえんだよ、さっさとアンリエッタをだしやがれ!」
 しかたないな……と呟くと、ウェールズは自分の体を一人分横にずらした。そこには、ガウン姿のアンリエッタが現れた。
「姫さま!」
 悲痛な思いでルイズは叫んだ。
「こちらにいらしてくださいな! そのウェールズ皇太子はウェールズではありません! クロムウェルの手によって『アンドバリ』の指輪で蘇った皇太子の亡霊です!」
 しかし、アンリエッタはこちらへと来ないどころか一歩も踏み出さない。ただ、唇を噛み締めているだけだ。
 その様子にウェールズは満足したのか再び口を開く。
「理解してくれたかな? さて、取引と行こうじゃないか」
「ッ! 取引だと?」
「そうだ。ここできみたちとやりあってもいいが、ぼくたちは馬を失ってしまった。朝までに馬を調達しなくてはいけないし、道中危険もあるだろう。魔法はなるべく温存指したいしね」
 だから、わかるかい? という返答として、タバサは呪文を唱えた。
 何本もの氷の矢がウェールズの体を貫く。
 しかし、不思議な事に致命傷なはずのウェールズは倒れない。
 それどこれか、傷口があっという間に塞がっていく。
「無駄だよ。きみたちの攻撃ではぼくを傷つけることはできない」
 その不気味な光景がアンリエッタを一歩ウェールズから離れさせる。その隙をルイズは逃がさない。
「見たでしょう! それは王子じゃないわ! 別のなにかなのよ! 姫さま!」
 しかし、もう一歩離れる事はなかった。僅かに怯えながらも、その目は何かに決心している。
 アンリエッタは気持ちを落ち着かせるため深呼吸をとると、ルイズに告げた。
「お願いルイズ。杖をおさめてちょうだい。わたしたちを、行かせてちょうだい」
「姫、さま? なにをおっしゃるのですか! それはウェールズ皇太子じゃないのですよ! 姫さまは騙されているんだわ!」
「そんなことは知ってるわ。わたしの居室で唇を合わせたときから、そんなことは百も承知。でも、それでもわたしはかまわない。ルイズ、あなたは人を好きになったことがないのね。本気で好きになったら、何もかもを捨ててもついて行きたいと思うものよ。
 嘘かもしれなくても、信じざるをえないものよ。わたしは誓ったのよルイズ。水の精霊の前で誓約の言葉を口にしたの。『ウェールズさまに変わらぬ愛を誓います』と。世のすべてに嘘をついても、自分の気持ちにだけは嘘はつけないわ。だから行かせてルイズ」
「姫さま!」
「これは命令よ。ルイズ・フランソワーズ。わたしのあなたに対する、最後の命令よ。道をあけてちょうだい」
 ギリッと奥歯を噛み締め、ルイズは構えていた杖を降ろした。
 ダメであった。
 ここまで説得しようとしたのに、彼女は彼についていくと宣言したのだ。
 ルイズにもアンリエッタの気持ちはわかる。もし、自分が同じような立場であったら、全てを捨ててついていきたいと思うかもしれない。
 その可能性が、ルイズをもう一歩踏み込ませなかった。
 ここまでウェールズを愛しているアンリエッタを止める事ができるのだろうか?
 無理だ。少なくとも、自分には。
 ルイズに戦意がなくなったのを確認して、アンリエッタと死者の一行は先へと進もうとする。

 しかし、

 ただ一人、少年は彼らの前に立ち塞がった。
 暗闇に呑み込まれる少女を救うため現れた一つの光のように、立ち塞がった。


「そこをどきなさい。これは命令よ」
言葉に迷いがない。もう何を言われても自分の意見を変える気はない、そんな思いをこめてアンリエッタは言った。
「…………」
当麻は歯を食いしばる。
アンリエッタの気持ちはわからなくもない。誰よりも愛してた人が再び現れて、一緒に行こうと言われたら行くのかもしれない。

 だけど

 それが当麻をもう一歩踏み込ませない理由にはほど遠い。
 なぜなら、そんなものは幸せでもなんでもないのだから。
「どかねえよ」
 わかる。恋愛をしたことのない当麻でもわかる。
 こんなのは間違っている。絶対に間違っている。
「え?」
 アンリエッタは思わず聞き返してしまった。
 ここまでして、まだ目の前の少年は説得しようとするのだろうか?
「わかっているのか? ウェールズがあんたのためにやったことを本当に正しく理解してんのか?」
 当麻は続ける。
「生きようと思ったら生きることはできたはずだ。逃げようと思ったら逃げることはできたはずだ。けどな、あいつは死んだんだ。
 皇太子だからとか、軍人だからとか、メイジだからとかんなちっぽけな理由じゃねえ! あんたに幸せな時間を手にして欲しかったんだよ! 他の誰でもない、あんたのために!」
 それは、結果的には意味がなかった。ウェールズがトリステインに亡命しなくても、貴族派は攻めてきてしまった。
 だが、だからと言ってそれが無意味な行為とは、当麻は死んでも言わせない。
「うるさい……」
「そこにどれだけの決心があったか! どれだけの決意があったか! あんたはその気持ちをわかっているのかよ!?」
「うるさいうるさいうるさいッ!!」
初めて、アンリエッタは声を荒げた。
「あなたに何がわかるのよ! 愛する人間を失った気持ちがッ! 生きて会えるならなんでもすると願ったその覚悟を! 人の気持ちも知らないくせにわかった口聞かないで!」
 当麻は知っている。その辛さを、その苦しみを押し付けてしまった事があるからこそ、答えられる。
 そして、反論できる。
「だからって、あんたがそいつについていくのは間違っている。絶対にだ」
 当麻は、今まで見てきた人達を思い出す。
「王宮にいた人たちはあんたの手がかりを捜すために一生懸命探してた。魔法衛士隊の人たちはあんたを助けだすために命を賭けた! 王宮前の大通りではあんたを祝ってみんなが幸せそうに賑わっていた!」
 この国の人間じゃない当麻でもわかる。
 この国の人間は本当にアンリエッタを快く思っている。
 兵士達だって、アンリエッタを本当に慕ってるからこそあそこまで必死に探している。
 それだけ彼女は必要とされているのだ。
 きっと彼女がいなくなったらどれだけみんなが悲しむかは想像できない。
「あんたがどうしようがよ、それに誰かが傷ついたり! 悲しんだら幸せでもなんでもねえんだよッ!!」
「そんなことないッ! わたしはウェールズさまについていくことがなにより幸せなの!」

 瞬間、当麻の中で何かがキレた。

 例えどんな理由があったとしても、誰かを犠牲にしてまで掴みたいものなど当麻にはいらない。
 だから、告げる。
 それが、『上条当麻』として生き続けた価値観であるから。
「ふざけんなよ!! なんかのために誰かを傷つけていい世界なんて存在しねえんだよ! それに言ったじゃねえか! あんたは『勇敢に生きてみよう』って。
 これがそれなのかよ! 偽物のウェールズについていくことが、一度失敗したからって他人に全てを任せることが勇敢に生きることなのか!? 違うだろ! 立ち上がって乗り越えるんだろうが!」
 すっ、と当麻は右手を前に突き出した。
「それでもあんたがそいつについていくって言うなら――――」
 開いていた五本の指を強く、強く握る。
 その目に、その拳に、力が宿る。
 意思という名の力が。
「――――まずはその幻想を、ぶち殺すッ!!」


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