「ちょっと!本当なの?」
「本当よ、フレイムがそう言ってたもの」
「シルフィードも。後でお仕置き」
「信じられない、まさかロビンも一緒だなんて・・・」
「本当よ、フレイムがそう言ってたもの」
「シルフィードも。後でお仕置き」
「信じられない、まさかロビンも一緒だなんて・・・」
夜もだいぶ更けた頃、四人の少女がモット伯の屋敷の近くまで来ていた。
「どこよ!どこにいんのよ!」
「落ち着きなさいルイズ。フレイム?どこにいるの?」
「落ち着きなさいルイズ。フレイム?どこにいるの?」
キュルケがフレイムを呼ぶとモコモコと地面が膨れあがり、一匹のモグラが顔をだす。
「このジャイアントモールって確かギーシュの使い魔じゃなかったかしら?」
モンモランシーがそう呟く。
モグモグとモグラは鳴きながら穴から這い出る。するとその穴からフレイムが申し訳なさそうに顔を覗かせる。
モグモグとモグラは鳴きながら穴から這い出る。するとその穴からフレイムが申し訳なさそうに顔を覗かせる。
「フレイム!何してるの!」
きゅるきゅる~
きゅるきゅる~
申し訳ないとでも言うように鳴きながら穴からのそのそと出てくる。
空からはシルフィードが舞い降りる。地面に降りた瞬間、タバサに杖で頭を叩かれ、きゅい~!と一声鳴いていた。
モンモランシーも自らの使い魔を手のひらに乗せる。
空からはシルフィードが舞い降りる。地面に降りた瞬間、タバサに杖で頭を叩かれ、きゅい~!と一声鳴いていた。
モンモランシーも自らの使い魔を手のひらに乗せる。
「ねえ!」
「ちょっと待ちなさいよ」
「ちょっと待ちなさいよ」
三人が使い魔と意識を交わしているのをルイズは苛立ちながら見守る。
「まだ!」
「あせらないの! いいルイズ? アンジェリカはモット伯の屋敷にもう入ってしまったそうよ。ロビンがそういってるわ」
「あせらないの! いいルイズ? アンジェリカはモット伯の屋敷にもう入ってしまったそうよ。ロビンがそういってるわ」
それを聞いたルイズは屋敷に向かって走り出す。
「ちょっとルイズ待ちなさいよ!話はまだ終わってないわ!」
「あたしたちも行きましょう。ほらタバサも行くわよ」
「あたしたちも行きましょう。ほらタバサも行くわよ」
三人はルイズを追いかける。ルイズは屋敷の庭の真ん中で立ち止まっていた。
「ルイズどうしたの?」
「キュルケ? あれ見てよ」
「キュルケ? あれ見てよ」
そういってルイズが指差す先には血を流して倒れている犬を指差す。
「何これ? 頭が・・・割れているの?」
キュルケはしゃがみこんで犬を調べる。
「ごめん、ちょっと気分が・・・」
モンモランシーは顔を青くして物陰に足を向ける。だがそんな彼女の服を掴み、止める者がいた。
「えーと、タバサ?何か用かしら」
「ダメ、行っちゃダメ」
「何かあっちにあるのかしら?」
「見てもダメ!」
「ダメ、行っちゃダメ」
「何かあっちにあるのかしら?」
「見てもダメ!」
声を荒げるタバサを無視してモンモランシーは視線をタバサが見てはいけないという方角に向ける。
「ふぇ?」
思わずペタンと地面に座り込むモンモランシー。
「どうしたのよ?」
キュルケが近づいてくる。ルイズは「何遊んでるのよ!」と怒鳴っている。
「あ、あれ・・・」
モンモランシーの視線の先には倒れている男があった。
「し、しし死体!?」
「殺されてる」
「殺されてる」
驚きを隠せないキュルケだが、タバサは動揺はしていないようだ。
「死体って何!ちゃんと分かるように説明して!」
「ルイズさっきからうるさいわ!あたしにも分かるわけないじゃない!」
「ちょっと二人とも静かにしてくれない?さっきから何か聞こえるんだけど」
「ルイズさっきからうるさいわ!あたしにも分かるわけないじゃない!」
「ちょっと二人とも静かにしてくれない?さっきから何か聞こえるんだけど」
大きな声をあげるルイズとキュルケを諌めながらモンモランシーが注意を促す。
「音?何の音よ」
「聞こえない?ほら、すすり泣くような・・・幽霊だったりして」
「聞こえない?ほら、すすり泣くような・・・幽霊だったりして」
モンモランシーの言葉にタバサがビクンと反応した。
「幽霊なんていない。そんなの迷信」
内心ガタガタ震えながらもきっぱりと言い切るタバサ。
「でも聞こえない?ほら」
「あ、本当ね。何か女の人が泣くような声がするわね。でもこの声って・・・」
「どうしたのルイズ?」
「え?この声なんだけどね、誰かの声に似てる気がするんだけど」
「あ、本当ね。何か女の人が泣くような声がするわね。でもこの声って・・・」
「どうしたのルイズ?」
「え?この声なんだけどね、誰かの声に似てる気がするんだけど」
少女たちは耳を屋敷へと傾ける。確かに女の、少女の咽び泣く声が聞こえるではないか。
タバサは耳を塞ぎ「聞こえない聞こえない聞こえない」と繰り返し呟いていた。
タバサは耳を塞ぎ「聞こえない聞こえない聞こえない」と繰り返し呟いていた。
「ね、ねぇモンモランシー?あたし声がどんどん近づいてるように思うんだけど?」
「き、奇遇ねキュルケ。私にもそう聞こえるわ」
「き、奇遇ねキュルケ。私にもそう聞こえるわ」
気のせいではない。確かに少女の鳴き声が少しずつ、確実に近づいている。
「玄関?正面玄関へ近づいているわ!」
そういうとルイズは正面玄関へ走り出した。
「ちょっとルイズ!」
「アンジェが危ないかもしれないじゃない!」
「アンジェが危ないかもしれないじゃない!」
ルイズはキュルケの静止を振り切って玄関の正面に仁王立ちとなり、声の主を待ち受ける。
そしてゆっくりと扉が開かれる。そして扉から現れたのは・・・。
そしてゆっくりと扉が開かれる。そして扉から現れたのは・・・。
「あ!ルイズさん!」
そう、アンジェリカであった。
「アンジェな・・・の?」
ルイズは己の目を疑った。アンジェリカの服装、血に濡れているではないか。そしてその可愛らしく人形じみた笑顔を浮かべる頬は赤黒く汚れていた。
「アンジェ、怪我はしてない?それよりも・・・」
「怪我ですか? そんなのしていませんよ」
「そ、そう。ねぇアンジェ? アンジェが左手に持ってるのは誰なの?」
「怪我ですか? そんなのしていませんよ」
「そ、そう。ねぇアンジェ? アンジェが左手に持ってるのは誰なの?」
そう、先ほどのすすり泣く声の主はアンジェリカが左手に連れていた少女の声だった。破れたメイド服、見覚えのある髪の色。
「そうです。ルイズさん聞いてください!言いつけ通りシエスタちゃん助けましたよ!」
アンジェリカはうれしそうに左手に掴んだ「それ」をルイズの前に引きずり出す。
「ひぎゃぁ!痛い、痛いよぉ。ごめんなさい、もうやめてください。何でも、何でもしますからぁ。うっうっぅ」
右腕があらぬ方向に曲がり、涙と赤黒い何かで汚れた顔を苦痛に歪める。破れたメイド服は汚れきっており、曝け出した素肌は傷や汚れにまみれ、かつての面影はほんのわずかしか残っていない。
ほんの一日も経っていないのに何があったのかルイズには想像ができない。
シエスタに声もかけることもできずただそこに立ち尽くすしかなかった。
ほんの一日も経っていないのに何があったのかルイズには想像ができない。
シエスタに声もかけることもできずただそこに立ち尽くすしかなかった。
「ルイズさんどうかしましたか?」
アンジェリカが問いかける。シエスタはルイズの足元で咽び泣いていた。
「ちょっとルイズ何があったのよ?ってアンジェちゃん!それに・・・その子は?」
キュルケが声をかける。ようやくルイズは我に返る。
「シエスタ?シエスタよね。ど、どうしたのよ!」
ルイズは屈み込みシエスタに話しかけるが、泣いてばかりで埒が明かない。
「腕が・・・ひどいわね。モンモランシー?」
「何キュルケ?」
「あなた治療の魔法使えないの?」
「少しぐらいならできるけど……」
「じゃあお願いするわ」
「添え木もしないといけないわね」
「ええと、これをこうすればよかったのかしら?」
「何キュルケ?」
「あなた治療の魔法使えないの?」
「少しぐらいならできるけど……」
「じゃあお願いするわ」
「添え木もしないといけないわね」
「ええと、これをこうすればよかったのかしら?」
少女たちはたどたどしい手付きでシエスタの治療を始める。
「ルイズさん聞いてください! 私、上手に殺せましたよ」
「え?」
「え?」
いきなり何を言い出すのだろう? 満面の笑みを浮かべるアンジェリカにルイズはあっけにとられる。
「あ、信じていませんね。そうだ! ルイズさん来て下さい!」
そういってルイズの手を引っ張り出す。
「ちょ、ちょっと。アンジェ、痛い」
強く引っ張られるルイズ、抵抗も侭ならず、アンジェリカの為すがままにされる。
「ねぇ! ルイズどこに行くのよ!」
キュルケが呼ぶもアンジェリカとルイズはそのまま建物の影に隠れていった。
「ああもう! 聞こえてないのかしら? あたし、ちょっとルイズたちを追いかけるわ」
後はお願いねと言い残し、キュルケも走り去っていく。
「わたしも行く。シルフィード」
きゅいきゅい!
きゅいきゅい!
タバサがシルフィードを呼ぶ。
「乗せて先に学院に戻ってて」
「え?」
「じゃあ」
「ちょ、待ちなさいよ! 何でわたしがこんな事しなくちゃいけないのよ!」
「え?」
「じゃあ」
「ちょ、待ちなさいよ! 何でわたしがこんな事しなくちゃいけないのよ!」
モンモランシーは一人取り残される。結局文句を言いながらもシエスタをシルフィードに乗せ、一足早く学院に、戻るのであった。
Episodio 13
E il successo di strategia?
作戦成功?
作戦成功?