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とある魔術の使い魔と主-09


「タバサ。今から出掛けるわよ! 早く支度しちゃって頂戴!」
「虚無の曜日」
キュルケは次の日、再びトウマにアプローチをしようと部屋を訪れたのだが、既にそこには誰もいなかった。
そして窓という枠組みから視界に入り込んできたのは、馬に乗って出ていく当麻とルイズの姿。
なによー、出かけるの? とつまらなそうに呟いたキュルケは、何か閃いたのかルイズの部屋を飛び出した。
そして、今に至る。
本当はタバサが読書に集中したくて無視し続けていた部分があるのだが……

タバサはキュルケの要求をその一言で断った。取られた本を取り返そうとしたが、キュルケは本を高く掲げる。
「わかってる。あなたにとってこの日がどんな日かあたしは痛いほどよく知ってるわよ。でも、今はね、そんなこと言ってられないの。恋なのよ、恋!」
その言葉に、タバサは本当に少しだけ眉が動いた。キュルケも気付かないレベルである。
だが、ここは首を横に振った。理屈がなければ動かない。それがタバサだ。
「あぁもう! 恋したのあたし! それでその人があのにっくいヴァリエールと出掛けたの! だからあたしはそれを追って突き止めなきゃいけないの! わかった?」
再び首を横に振る。なんでそれで自分が出て来るのか、理由がわからなかった。
「出かけたの! 馬に乗って! あなたの使い魔じゃないと追い付かないのよ! だからお願い!」
キュルケはタバサを抱きしめ、泣きついた。すると、ようやくタバサは頷いた。自分の使い魔じゃないと追い付かない。うんそういう理由か、と判断した。
「ありがとう! じゃ、追いかけてくれるのね!」
二人はタバサの使い魔、風竜、シルフィードに跨がってルイズ達を追った。

「剣を買いましょ」
事の発端はルイズのその一言であった。
なんでも、ご主人様を守るのだから武器の一つは持っていた方がいいとの事。
もちろん当麻は断った。魔術師、錬金術師、超能力者などといった化け物達ととある世界で戦ってきたが、使った武器といえば『幻想殺し』のみ。後は素手で戦ってきたのだ。
が、そうは言ってもルイズが信じるか? といえば、答えはノーだった。
まぁ確かにそれ以外は普通のただの人間だから、と当麻自身理解してる為、とりあえず町へ行って剣を買いに行く事になった。

「いやまさか馬に乗るってこんなに腰が痛くなるとは……」
初めて馬に乗った当麻の感想は、もう乗りたくない、だ。
そんな様子を見たルイズは、しかめつらをして喋る。
「情けない。平民はホントダメね」
「だいったい! 町に行くといって馬に乗って! 三時間かかる時点であそこはド田舎だとわたくし上条当麻は反論を述べたいと思います!」
「はいはい、さっさと行くわよ」
当麻のシャツをズルズルと引っ張っていく。
「というか町といってもRPGに出てくる町じゃないですかー、はっ、まさか俺はゲームの世界に侵入したのか、あー待ってルイズ様、とにかく引っ張らないで――――

そんなこんなで当麻達は武器屋に着いた。

「だから時間の進み方おかしい! これじゃ俺が武器屋にたどり着くまでルイズに引っ張られて延々と喋ってたみたいではないか!」
「ほら、さっさと選びなさい」
うぉ、やべ、ホントにゲームフラグなの!? とさっきまでのテンションとは正反対に、ズラリと並ぶ武器に当麻は見入っている。
ルイズは武器にもそのようにテンションを上げる当麻にも興味なさそうに、早く選びなさいよー、と伝える。
そんな二人組を見て、店の主人の目がギラリと光った。そう、カモが来たと嬉しがるように。
武器屋の主がルイズに色々と武器を勧めている間、当麻は置かれている剣を眺め続ける。そして、ふと何気なく乱雑に積み上げられた剣を握った。

そう、握った。その右手で。
忘れてはならない。上条当麻の右手は『幻想殺し』と言い、どんな力でもそれが異能の力であるなら打ち消してしまう。
先の戦いで証明されたように魔力で作られたゴーレムは当麻の右手によって崩された。
そしてもう一つ、それは上条当麻がただならぬ『不幸属性』を持っている事。
さて、とある少年のお話なら、ここで伝説と呼ばれる剣と出会い、それから使い魔の剣として生きていく事になるのだが……。
「なっ、ちょ、まて俺の出番これだけか!? うぉぉぉおおお」
『不幸』にも、すぐにご退場にとなってしまった。
錆びていた剣は、剣先から塵へと変わっていき、ものの数秒もせず完璧にこの世から消え去った。
「………………………………………………あー」
当麻は落ち着け、と何度も言い聞かせる。何が起きたかはわからないが、とりあえずとんでもない事をしたのは確かだろう。
いや、それ以前にこの店の商品を消し去ったのだ。ばれてしまったら殺されてしまう。
ギギギギギ、とロボットのように当麻は振り向く。幸い、向こうは剣の話をしていた為、こちらがしでかした事には気付いていない。
がいつ気付かれるかわからない。そう上条当麻は『不幸』なのだから。
(ならばやる事は一つしかないだろう当麻)
そう、逃げるんだ。そしてこんなのはおてのものだろ、上条当麻。
ガシッ! とルイズの手を握る。
「へ……? ってぁぁぁあああ!?」
轟! と最大速度で当麻はこの領域から脱出した。
「何してんの!? 武器は買わないの!」
「買わないんです、つかもう買っちゃったじゃ済まされない事しちゃったんですコンチクショー」
幅五メートルしかない道を、涙目になりながらも走り去っていった。

もちろんキュルケ達も武器屋に入ったが、ルイズ達が何も買っていないとわかり、そのまま帰ってしまった。


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