あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

男達の使い魔 第七話

朝日もささぬような時間帯に、学院を出ようとしている者達がいた。
ルイズたち一行である。

昨日、王女アンリエッタから密命を受けたルイズは、
誰にも見咎められることなく学院を出るべく、この時間を選んだのだ。

人数は五人。こういう時勢に旅をする人間としては、多くもなく少なくもない人数だろう。
ルイズ、ギーシュ、J、桃、虎丸、そしてシエスタの六人であった。どうやらJは、桃と虎丸に同行を頼んだようだ。
その選択を、ルイズは黙っている。
内心多少の不満はある。虎丸より役に立ちそうなやつは他にもいっぱいいるのに。
そうルイズは考えていたが、自分よりも付き合いの長いJが虎丸を選んだのには理由があるのだろうと納得していた。
それよりも不思議なのはシエスタである。
どうして自分がアルビオンに出かけることを知ったのか不思議に思ったルイズはシエスタに尋ねた。
すると

「オールド・オスマンに教えていただきました。それに、私ではお役に立てないでしょうか。」

そう逆に聞き返されたルイズは言葉につまる。
シエスタ自身の戦闘力もさることながら、一向に女性が一人だけ、というのは少し嫌だったのだ。
ルイズとて、年頃の女性であることに変わりはないのだ。
それに、ちらりとシエスタを見て思う。
何も見返りを求めることなく自分を慕ってくれるシエスタの気持ちはほんとうにうれしかったのだ。

ようやく準備が終わったころ、ギーシュが声をかけてきた。

「さて、みんな!ぼくの使い魔を紹介しよう!」

その声に、全員の注目が集まる。

「あんた、使い魔いたの?」

というかいるならどこにいるのよ。そうルイズは続けた。
自分の予想通りの反応が返ってきたことにギーシュは気を良くした。
この中でギーシュの使い魔を知らないのは、実はルイズだけなのだ。
他のものたちには、実はルイズのいない時に「新男根寮」で紹介していたのだ。

「それでは紹介しよう!ぼくの使い魔ヴェルダンテだ!」

その掛け声とともに、地面が大きく盛り上がり、巨大なモグラが飛び出してきた。
ジャイアントモールのヴェルダンテである。

その登場姿に思わずルイズはおどろく。ルイズの記憶が確かなら、ジャイアントモールはもっとおとなしい生き物のはずだ。

「ああ!堂々とするようになった君はほんとうに立派だね。」

どうやらギーシュが仕込んでいたようだ。
ふと脳裏にその光景が浮かんだ。感極まったかのように泣いて抱きしめるギーシュの姿に刺激を受けたようだ。

夕日を背景に、殴りあうギーシュとヴェルダンテ。
そして二人はついに和解して、抱き合い、夕日を見上げる。

(……忘れよう。)

思わず変な方向に考えが進んでしまったルイズは、思わず自分を恥じた。
どうやら、最近使い魔に毒されているようだ。

そのとき、一陣の風が舞った。
ルイズが気づいた時、自分の前にはシエスタが立っていた。
桃もJも虎丸も戦闘体勢に入っていた。

「待ってくれ!僕は敵じゃない。」

そう言って、ゆっくりと姿をあらわした男は説明した。
自分は姫殿下より頼まれてきたのだと。そう言って長身の男は帽子を取ると優雅に一礼をして名乗った。

「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。」

そんなワルドの様子に、ルイズは懐かしい光景を思い浮かべた。
しかし、

「お久しぶりですわ。ワルド様。」

そんな様子を微塵も見せずに、優雅に一礼する。
今のルイズは、昔のルイズではない。さらに今は、親友アンの思いをその小さいに背中に負っているのだ。
しかし、ワルドはそんなルイズの様子を微塵も気にすることなく、話を続けようとする。

婚約者だという彼にはその資格があるかもしれない、桃はそう思わなくもない。
しかし、今の自分はこの誇り高い少女の使い魔であるのだ。
そう考えた桃は、ワルドを止めに入る。

ルイズとの間に割り込まれたワルドは、一瞬目を吊り上げるがすぐにもとの表情に戻る。
そうしてルイズに向き直ると、彼らを紹介してくれるように言った。

「こちらの三人がわたしの使い魔です。」

その台詞に思わずルイズを凝視してしまう。
ルイズが人間の使い魔を呼んでいたのは知っていたが、複数だとは思ってもみなかったのだ。
また、シエスタの紹介のところで、思わず不審な目をしてしまった。
どうしてメイドが?言葉に出さずとも顔に表れていた。

そんな様子を気にする素振りも見せずにシエスタはいう。

「失礼ながら、貴族の方々とルイズ様の使い魔方だけで、満足にルイズ様のお世話ができましょうか。
 わたくしめは、そのことを心配なされたオールド・オスマンに付けられた一介のメイドです。
 どうぞお気にせずご出立下さい。足手まといになるようなまねはいたしません。」

普段のシエスタを知っている人間からすると、明らかに外向けの仮面を被ったシエスタが言った。

あまりに堂々と自分に意見するメイドに、ワルドは少しペースを崩されたが、気にしないことにした。

一方、シエスタは感じていた。
彼がルイズにとってはプラスになりそうにないことを。
それは、女の勘とでも言うべきものであった。
ちらりとルイズの方を見やると、シエスタは覚悟した。

(もし、この男がルイズ様に何かするようなら、その時は私が。)



そうしてそれぞれの紹介を終えた六人は旅立つことになった。
向かう先はアルビオン。黒雲渦巻く天空大陸だ。

その様子を、窓の中からオールド・オスマンとアンリエッタは見つめていた。

(異世界から来たという使い魔の方々。どうかルイズを守ってください。)

アンリエッタは親友の無事を祈り続けていた。
いつまでも……。

男達の使い魔 第七話 完




NGシーン 外伝

雷電「ま、まさかアレは!」

虎丸「知っているのか雷電!」

雷電「あれこそまさしく、古代より中国に伝わるという蛇威暗斗猛瑠(じゃいあんともうる)!」

ハルケギニアの代表的生物の一つ、ジャイアントモールの起源を知るものは少ない。
かつて黄帝の御世、ある化け物が黄河の上流で猛威を振るっていた。
体は竜(古代中国では蛇も同等とみなされる)よりも大きく、暗闇を好み、
人を襲い、瑠璃などの財宝を奪っていくというその化け物は、周辺住民から大変おそれられていたという。
しかし、いかなる軍であろうともその化け物を倒すことはできなかった。
当時の軍では、空を飛び地に潜るその化け物を打ち倒すことは不可能だったのだ。

そうして絶望していたという住民達のところに天の使いが現れた。
当時、仏教などまだ存在しなかったはずだというのに、神拳寺という寺の僧侶と男は名乗ったのだ。
その男は、村人達の嘆きを聞くと、単身化け物に挑んだ。

戦闘は苛烈を極めたという。
ついに己の不利を悟った化け物は空を飛んで逃げ出した。
人は空を飛べない、そう思って後ろを振り返ったその化け物はぎょっとした。
なんとその僧侶は、持っていた棒のようなものを頭上でまわして空を飛んでいたのだ。
慌てて速度を上げようとした化け物だったが、時既に遅し。
追いついた僧侶に、その羽を切り落とされ地に落とされた化け物は最後の力を振り絞って地にのがれた。
その潜った後を追いかけた僧侶だが、穴の先には何もいなかった。
ただ、不思議な光だけがあったという。

そう、諸君らの想像の通り、ハルケギニアにやってきたのだ。
こうしてハルケギニアに訪れたこの生き物は、極度に大人しく地底に住む種族となったのだ。
なお、かつての中国での名は、蛇威暗斗猛瑠がどうしてかハルケギニアに伝わり、ジャイアントモールに
なったのは有名な話である。

最後に一言だけ付け加えよう。この蛇威暗斗猛瑠を打ち倒した男は、王大人と名乗ったそうだ。

民明書房刊「蛇威暗斗猛瑠の全て」(ギーシュ・ド・グラモン著)


ギーシュ「という本を今度発行することになったんだが、読んでみての感想はどうだい?」

ルイズ「……ギーシュ。あんた文才ないわねぇ。」

ケティ(ああ。そんなギーシュ様もす・て・き)

その様子を、モンモランシーは柱の影から見つめていた。
なぜか涙が止まらなかった。
いつまでも……



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