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究極超人るいず 第5話.ウケるが勝ち!の巻(後編)

第5話.ウケるが勝ち!の巻(後編)


 それは、突然の出来事でした。

 平凡な魔法学院の2年生だった私が召喚したゴーレム、R・田中一郎との出会い。
 ”アンドロイド”だと名乗る彼を使い魔にした日から始まる、騒がしいけれど楽しい毎日。
 でも、そんなある日、あ~るをつけ狙う悪のメイジが現われたのです。

 ――究極超人るいず、始まります。

「ちょっと、ルイズ、何どっかで見たような前フリしてんのよ! しかも微妙に事実と違うし」

「ううう、うるさいわね! ノリよ、ノリ!!」

 *  *  *

「諸君、決闘だ!」

 ギーシュが、高らかに死亡フラグないし敗北フラグのスイッチを押す宣言をする。
 ……まぁ、この作品はギャグなので、最悪でも死ぬことはあるまい。ポイントは吹き飛ばされるときに「あ~れ~」とか「ぶべらっ!」とかの奇声を発すること。
 反対に「バカな、このボクがっ!」とか「すまない、モンモランシー……」とかシリアスに叫ぶと生還率が下がるので注意されたい。

 ふわさっ、と髪をかきあげながら、気取った仕草でクルクルと薔薇の花を象った杖を弄ぶギーシュ。



「ボクはメイジなので魔法でお相手……」

 カラコロカラコロカラコロ、ドカーーン!

 言い終わる前に、あ~るの走り寄ってのウェスタンラリアートがギーシュの喉元にまともに決まる。

「ゴホッ、ゴホッ、ガハッ……な、何を……」

 地面に這いつくばり、喉を押さえて咳込むギーシュを見下ろしながら、あ~るはビシッと指を突きつける。

「愚か者め、戦場に立ったときから、すでに戦いは始まっているのだ」

 普通なら、卑怯者だと言うブーイングが観客から飛びそうなものだが、シリアスモードに入っているあ~るは、普段の数倍カッコよく、また妙な威圧感がある。
 そのため、「そうだなー、油断していたギーシュが悪いよな」的な雰囲気が生まれつつあった。

 しかし……。

「わたしのギーシュに何するのよッ!」

 周囲の空気を読まずに走り寄り、いきなりあ~るに四の字固めをかける女傑が登場。

 言うまでもなく、次期生徒会長(候補)モンモランシーである。
 地面に転がりながらも、ギーシュは「わたしのギーシュ」という台詞に感動していた。
しかし……。

「ちょっ、アンタ、神聖な決闘を!」

 ”ま、あ~るの怪力ならギーシュのワルキューレごとき瞬殺だろう”と高見の見物モードに入っていた虚無部の面々のうち、もっとも沸点の低いルイズがたちまちプランチャーで場外から乱入。くんずほぐれつ、女どうしのキャットファイトへと発展。さらに……。

「うむ、私は誰の挑戦でも受ける!」

 いつの間にやら現われたワルドが、中指を突きたてた下品なポーズで周囲を挑発したものだから、たちまち、あたりに場外乱闘の嵐が広がる。

 結局、決闘の行方はうやむやになり、後日の生徒会長選挙でケリをつけよう、ということになった。

 *  *  *


――みなさま、モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシです、お気軽に”モンモン”とお呼びください

――みんなのモンモン、明るいモンモン、学院の明日を考えるモンモンです……

――この学院は、いつだって『こんなはずじゃない』事ばかりです。こんなはずじゃない現実から逃げるか立ち向かうかは個人の自由です。 ですが、自分の勝手な楽しみに無関係な人間まで巻き込んでいい権利は、どこの誰にもありはしません!!

 中庭での決闘(乱闘?)騒ぎの一件以降、リベンジに燃えるモンモランシー一党は、これまで以上に選挙活動に力を入れ始めた。
 昼休みにも、「生徒会長候補」のたすきをかけて、各教室を遊説して歩く熱心さだ。
 何より、自らは嫌っていた”モンモン”と言うニックネームを、覚えやすいだろうと言う理由で受け入れたことからも、その本気具合がうかがえる。

 一方、あ~るを擁する虚無部のメンバーはと言うと……。

「む、これはいけない!」

 突然、部室の中で仁王立ちになるワルド。
 ……本当に、いつ働いているのだろう。

「このままでは、あのモンモンとか言う娘に、生徒会長の座を奪われてしまう!」

「いや、奪うも何も、元々あ~るのものじゃないですけどね」

 キュルケは苦笑しつつ、なだめる。

「それに、増設したあ~る像や、無料配布した小冊子の効果も、少しずつ現われてきたみたいですよ」

 あれから、再びミス・ロングビルをおがみ倒して、さらに12の土像を作ってもらったのだ。
 また、コルベール謹製の”ぷりんと蛇くん”というガリ版装置を、おっかなびっくり使って(幸い爆発はしなかった。あたりまえだが)、あ~るの魅力(?)をアピールするためのパンフレットを作成し、各教室に播いたりもした。

 ただ、虚無部員たちが一丸となって頑張っているなか、肝心のあ~るはと言えば……。

「もぐもぐ…今日も、ごはんがおいしひ……」

 すっかり修理される前のゆる~い人格に戻ってしまっていた。
 どうも、モンモンの関節技がいい具合に入って、頭脳部のネジをまた緩めてしまったらしい。


「この大バカものーーっ!」

 神速のハリセンさばきを見せるルイズ。
さすがに、この時期に壊してしまうのはマズいと考えたのか、以前のような全力ではないが、普通の人間ならうずくまってしまってもおかしくないほどの威力だ。

「い、痛いぢゃないですか、ルイズさん」

 痛覚があるのかないのかよくわからないあ~るも、涙目で抗議してくるくらいだ。

「だーいじょうぶ! 痛いような気がするだけで、ホントは痛くないのよ!!」

「そんなものですか……」

「―騙されてる……」

 タバサがポツリと指摘するものの、気にするようなヤワな神経の持ち主はココにはいない。

「……そんなことよりも、モンモンの選挙活動に対抗する方策を考えないと」

 諸々のやりとりを”そんなこと”の一言で切って捨てて、ワルドが考え込む。
 釣られて、ほかの部員たちも何かよい案はないかと、考え始める。

「まぐまぐまぐ……ゴックン!」

 ――あ~るだけは、いまだひとりでごはんを食べていたが。
 そう言えば、コヤツはどこからお米を手に入れて来るのだろうか?


「む、キタ! あ~る君、本校舎の横にある塔に行くぞ!」

 唐突にワルドの脳裏に何か閃いたらしく、慌ただしくあ~るを連れて走り出す。

 外に出てすぐフライの魔法で塔のてっぺんへと飛んだ面々(ルイズはワルドが抱え、あ~るは、轟天号で壁面を駆け登った)。
 一同が揃うと、ワルドは何か風系統らしい魔法をかける。

「サイレンスの逆魔法で、声を拡散させるようにした。さぁ、あ~る君、キミの抱負をここから大声で叫びたまえ」

 ワルドに言われ、しばし考え込んだのち、あ~るは両手を口元に当てて叫ぶ。

「わたしはがっかいにふくしゅうしてやるんだ~~」

「違うでしょ!!」 スパーン! 

 勿論、瞬時にルイズのツッコミが入る。

「いえ、おとーさんが昔、こう叫んでいたのを思い出しまして……」

「だいたい、どんな父親なのよ、それ!?」

 「復習(ふくしゅう);習った事を自分でもう一度勉強すること。おさらい」

「僕のお兄さんお姉さんを作ってくれた人です」

「そりゃあ、そーかもしれないがね……」

 「副集(ふくしゅう);本題となる書物に添付される副読本。サブテキスト」

「ちなみに、妹はR・高峰秀子と言います」

「そんなのことは聞いとらん!」 スパン!

 「服従(ふくじゅう);素直で命令をよく聞くこと」

「……いや、タバサ、それはもういいから」

 とまあ、結局、いつも通りのグダグダな流れになってしまう虚無部だった。

 *  *  *


 そして、ついに迎えた生徒会長選挙の日。

 ――開票結果。ミス・モンモランシ、483票。ミスタ・タナカイチロー、482票。無効票1。よって、生徒会長はミス・モンモランシに決定しました!

「クッ、あと1票あれば……」

「無効票の1票がこっちに入ってれば、再勝負に持ち込めたのに……」

 壇上で選挙管理委員が読み上げた結果に悔しがる虚無部のメンバー。
もっとも、勝負には敗れたものの、精一杯頑張ったという自覚があるので、意外に落ち込まず、サバサバしてるようだ。
 せっかくだから残念会でもと考えている虚無部に、新生徒会の3人が近付いて来た。

「ハッ、やはり正義は勝つ! ですわ」

「ふん、たったの一票差だったクセに!」

 睨みあうモンモンとルイズだったが、どちらからともなく、フッと視線を和らげた。

「それでも勝ちは勝ちよ。……まぁ、善戦したことは認めてあげてもよろしいですけれど」

「そっちこそ、会長になって早々にリコールなんてされたら許さないからね」

「当然です! まあ、今日のところは、好敵手として、祝勝会に特別にご招待してさしあげます」

「随分偉そうね。ま、折角だから、今日だけはお呼ばれしてあげる」

 口は悪いものの、死力を尽くして戦ったライバルどうし(本当か?)が、互いの健闘を称える様子に、周囲の雰囲気が和む。

 ……と、ココで終われば、「ちょっといい話」だったのだが。

「えーと……ルイズさんに投票してはいけなかったのでしょーか?」

「「「「「「「!」」」」」」」

 あ~るが爆弾発言をしたため、空気が一気に凍りつく。

「アンタか!? アンタのせーか!?」

「わ、わたしはこんなヤツあいてにいっぴょうさでしかかてなかったの……」

 ――その後の祝勝&残念会という名の憂さ晴らしの場は、大いに荒れたと言う。

~「第6話.さすらいの虚無部の巻」につづく~

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