あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

侍の使い魔-9

次の日の朝
 銀時は雑用を終えて、部屋でゴロゴロ二度寝していた。
「ギントキ、街にいくわよ」
 突然入ってきたルイズは言った。
「は、何で?」
 眠ったままの体勢で銀時は心底めんどくさそうに言った。
「剣を買いにいくのよ、その木刀だけじゃあ私の事護れないじゃない」
「別に『洞爺湖』だけでも十分だろう、休みの日ぐらい休ませろよ」
「いいから仕度する!!」
 ルイズの金切り声に銀時はむっくり起き上がる。
「へいへい、まあくれるつうならもらうけどよ・・」

「タバサ。今から出掛けるわよ! 早く支度しちゃって頂戴!」
「虚無の曜日」
 キュルケは朝起きた後、再び銀時にアプローチしようとルイズの部屋に行ったがもぬけのからだった。
 昨日、銀時に冷たくあしらわれたせいで、キュルケの情熱の炎はさらに勢いを増したらしい。
 今までの男達はキュルケに無条件にチヤホヤし、夢中になっていった。
 キュルケ自身もそれが当たり前だと思っていたが、銀時は違った。
 ―私今まで子供だったのね、男はやっぱりああいう大人の魅力をもってなきゃあ。
 銀時の出すダルさを大人の魅力だと解釈したらしい。
 ずいぶん過大評価されたものである。
 銀時とルイズが馬で出て行くところを見たキュルケはすぐさまタバサ部屋に行き
 今に至るというわけである。
 キュルケの友人であるタバサはいかにもめんどくさそうに答えた。
 しかしキュルケはそんな友人の読んでいる本を取り上げ、掲げた。
「わかってる。あなたにとってこの日がどんな日かあたしは痛いほどよく知ってるわよ。
 でも、今はね、そんなこと言ってられないの。恋なのよ、恋!」
 タバサは首を振るだけである。
「あぁもう! 恋したのあたし! ほら使い魔のサカタギントキ、それであの人があのにっくいヴァリエールと出掛けたの! 
 だからあたしはそれを追って突き止めなきゃいけないの! わかった?」
 タバサは坂田銀時という言葉に少し反応を示した。
「わかった」
「あら、貴方にしてはずいぶん物分りがいいのね、とにかく馬に乗って出かけたのよ。
 貴方の使い魔じゃなきゃあ追いつかないのよ!助けて」
 タバサは何もいわずに準備を始めた。
「ありがとう! じゃ、追いかけてくれるのね!」
 友人のキュルケの頼みというのもあるが、タバサ自身坂田銀時に興味を持っているからだった。
 その後2人は、タバサの使い魔、風竜、シルフィードでルイズ達を追った。

「腰が痛てえ・・」
「情けないわね、これだから平民は」
「仕方ねえだろ、久しぶりなんだから」
 ルイズにつれられて馬に乗った銀時だったが、攘夷戦争時代は良く乗ったが
 最近はもっぱら源付のため腰を痛めていた。
 トリステインの街並みを見渡す。
 銀時は前にやったヴァーチャルリアルティーのRPGを思い出した。
 街はそのときの街にそっくりである。
 ただ違いがあるとすればここは間違いなく現実(リアル)であるということだ。
 銀時はキョロキョロ何かを探すように街を見る。
「何やってるの、あまりキョロキョロしない、田舎者みたいで恥ずかしいわ」
「長老とかはいねえのか、いたら武器にしようと思って」
「は?あんた何言ってるの?」
 相変わらずこの男のいってることは分からないと思った。

「狭めえ」
 銀時は大通り歩きながらいった。
 かぶき町の大通りはこれの5倍ぐらいあった。
 主に通るのが人だからだろうか。
「この先にはトリステインの宮殿があるの」
「へ~、宮殿に行けば魔王を倒すイベントでも起こるのか」
「わけわかんない、女王陛下に拝謁してどうするのよ」
「いたいけな使い魔がご主人様からドメステックバイオレンスの被害を受けていることを訴えるな」
「ドメ?意味わかんないけどなんかむかつくわね、それより財布は大丈夫」
「ああ、ここに、あり?」
 銀時は懐を探るが財布の感触が無い。
「まさか、すられたの」
 良く見るとルイズ達から逃げるように去っていく男がいた。
「俺の財布!!」
 ルイズの財布だけなら銀時は怒らなかっただろう、ただ銀時の数少ない私物である財布も一緒に
 すられたのだ。
 厨房の手伝いをすることで小遣い程度の銅貨が入っている。
 一旦そうと決めたら銀時の決断は早かった。
 ちょうど目の前に止まっていた馬車に乗り込み走らせる。
「ああ、馬車どろぼう!!」
 馬車の本来の持ち主が後から叫んだが銀時はこれを無視した。
 ルイズはただ呆然としていた。

 一時間後
 ガド!!
 衛士の詰め所の壁を蹴り飛ばす銀時の姿があった。
「たく、なんでスリ捕まえたのに説教されなきゃならないんだ!!この腐れ衛士」
 横にいるルイズは怒りで震えている。
「あんたね!!私が貴族じゃなかったら説教どころじゃすまなかったのよ」
 結局銀時は馬車を街中で暴走させた挙句、捕まえたスリを半殺しにしたのだ。
 衛士たちが駆けつけ、捕まったのは銀時の方だった。
 ルイズのとりなしで何とか逮捕は免れた。
「スリが出るのはてめえらの職務怠慢だろうが、この税金泥棒。
 ああ、むかつく、ションベンかけていこう」
 銀時はチャックを開けてションベンを詰め所にかけようとする。
「きゃあぁぁ!?ちょっと何出してんのよ」
 ルイズは顔を真っ赤にして目を手でふさいだ。
「何って?ナニですけど」
「そういうこと聞いてじゃないわよ、ホント最低!!」

しばらく2人で歩いていると隣にいたはずのルイズが消えた。
「あれ?まいったな、あいつ迷子か」
 自分が迷子になったという発想は銀時にはなかった。
「あら、こんなところにいたのね、ギントキ」
突然不意に呼ばれて振り返る銀時。
 そこには赤と青の髪を持つ少女がいた。
 ―これで金髪がいりゃあ信号みてえだな。
 どうでもいい事を考える銀時。
「ああ、たしかキョンと谷口」
 銀時、その間違え方はいろいろやばいから。
「キュルケよ」
「タバサ・・(怒)」
 2回も間違えられ心なしか怒っているタバサだった。
 タしか合ってないし。
「そういえば、タバサのことは知ってるの」
「ああ、前ちょっとな、って言うかこんなところまで何の用だ」
「もちろんダーリンに会いに来たのよ」
「おれは鬼ごっこで宇宙人に勝って地球を救った男じゃねーぞ」
「・・・よくわかんないけど、おごるわよ、ダーリン」
 その言葉に銀時はビクンとする。
「それはパフェ的なものでもいいのか・・」
「ええ、何でも」
「そうか、そいつは良い、ぜひ行こう、早速行こう」
 逆に銀時の方がキュルケのほうを引っ張るようにメシ屋に入っていった。

「・・・うん・・うめえ・・あ、お姉ちゃんパフェおかわり・・」
 銀時に呼ばれたウェイトレスはこいつまだ食うのかよという顔で注文を受ける。
 ちなみにこれでパフェ10杯分だ。
「ダーリンが甘党なんて知らなかったわ、でもそこが可愛い」
 恋は盲目とはこのことである。
 ―でもこれはチャンスよ、これでダーリンをうまく餌付けして、そこから・・
 キュルケがあらぬ妄想に入ってたが急に袖を引っ張られたのに気づいた。
「何、今ちょっと大事なことを考えてるのよ」
 タバサは目をむかいのほうに向ける。
 向かい合っていたはずの銀時がいないのだ。
「え~!!ちょっとダーリンは・・」
「帰った」
 パフェを15杯食ったところで銀時は満足して『ごっそさん』とだけいってそのまま店から出てしまった。
 タバサはこれには呆れたが止めるまもなく行ってしまったのだ。

「あ~、うまかった、満足、満足」
 どこにあったのか爪楊枝で歯をシーハーさせながら歩く銀時。
「あー!!ギントキ、勝手にどこ言ってたのよ」
 銀時ははぐれていたルイズに見つかった。
「あれ、ルイズ、おめえ迷子だったじゃあ」
「迷子なのはあんたのほうでしょう」
「俺は迷子じゃねえ、人生という道には迷ってるけどな」
「全然うまくないわよぉぉ!!いいから行くわよ」
 ルイズにつれられて銀時が来た所は街の裏通りだった。
 日も当たらず不衛生なそこに銀時はかぶき町の裏通りを思い出した。
「ビエモンの秘薬屋の近くだったから、この辺なんだけど・・」
 ルイズはキョロキョロ探す。
「あ、あった」
 目的の武器屋を見つけたルイズはそこの扉を開けた。

武器や入るとしょぼくれた感じの店主がパイプを吸っていたがルイズを見ると
 あわてて猫なで声で対応した。
「旦那、貴族の旦那、うちは全うな商売してまさぁ、お上に目をつけられることなんか、
 これっぽっちもありません」
 そう言ってる時点で全うな商売はしていないといってるも同然なのだ。
 銀時は大都市江戸一番の繁華街かぶき町で商売をしている。
 もちろんそこでやっている商売は全うな物ではないものがたくさんある。
 おかげで銀時の嗅覚は鋭くなっている。
 実際こんなところで武器屋を開いている時点で胡散臭い。
 ―うさんくせぇ、雑誌の裏にある『私はこれで幸せになりました』ってかんじで札束の風呂に入っている
  広告よりうさんくせぇ。
 そんなことは知らないルイズは店主に適当に見繕うように言っている。
 銀時はとりあえず剣を見たがどれも使えないナマクラばかりだった。
 腐っても侍の銀時である。
 日本刀と西洋剣の違いはあれ刀を見る目ぐらいはある。
 店主はルイズにレイピアを見せ高く売りつけようとしていたが奥から
 ガツーン、ガツーンと音がしているのに気づいてそっちを見ると
 なんと銀時が剣を片っ端から机や壁に切りつけ何本かの剣は折れている。
「ちょっとぉぉぉ!!あんた何してんのぉぉぉ!!」
 店主は絶叫した。
「試し切りだけど・・」
「試し切りって・・・」
 店主は折れた剣を見て呆然としている。
「それよりどれもナマクラじゃねえか、まともな剣はねえのかよ」
 銀時のただならぬ雰囲気に気づいた店主はそのまま奥から剣をとってくる。
「これなんかいかがですか」
 店主が持ってきたのは1.5メイルほどある立派な剣だった。
「これいいわねえ」
 ルイズはこの剣が気に入ったようである。
 店一番の業物といわれたのが良かったようである。
 しかし、銀時はやたら派手派手しい外見とその大きさに実用性のなさを感じた。
「つーか、これ駄目だろう、高そうだしでけえし・・・」
「良いの、これにするの」
 ルイズは逆にむきになっている。
「使うのは俺だぞ」
「うるさいわね、おいくら?」
 店主はもったいぶって散々この剣がいかに立派か語った後、
「エキュー金貨で2千、新金貨で3千」
「立派な家と森付きの庭が買えるじゃない」
 ルイズは目を丸くする。
「新金貨百しかもってないわ」
「馬鹿、言うなよ」
 銀時は小声でいった。
 ここは強引に値切るところである。
 それゆえに相手に弱みを見せてはいけない。
 ―こいつ一人で買い物したことないな。
 この世界の貨幣価値は分からないがルイズのたとえから相当高いのが分かる。
 銀時の世界の刀も高いがそこまでではない。
 ふと銀時は腰にぶら下がっている『洞爺湖』を目にやった。
『洞爺湖』は通販で売られている消費税込みで11760円の代物であり
 恐らくこの世界の金貨一枚分もしないであろう物だがそれでも
 銀時にとってはたいそうな買い物である。
 銀時は『洞爺湖』をみてニヤリと笑った。

「へ~、そんなに高いなら相当頑丈なんだろうな、この木刀で試し切りしてもいい」
「へい、かまいませんが・・」
 ―何いってるんだ、この男、木刀が剣に勝てるわけないだろう。
 この時店主はたかをくくっていた。
『洞爺湖』を台で固定し銀時は思いっきり剣を振る。
 折れたのはその大剣のほうだった。
「あーーー!!!」
 店主は信じられないものを見るようね目で絶叫した。
「何これ、鉄も切れるんじゃなかったの、銀ちゃんだまされたよ、非常に傷ついたよ
 精神的慰謝料請求したろか、こら」
「い・・いいがかりだ!!被害者はむしろあっしのほうだ!!」
 店主はほぼ逆切れしている。

「ぶひゃひゃひゃひゃ!!今までいろんな客見てきたけどおめえみてえに面白い客ははじめてだ」
 急に店の奥から声が聞こえた。
「何だ?」
 店主はそれを聞いて頭を抱えている。
「おいここだよ、ここ」
 なんと声の主は一本の剣だった。
「げ、剣がしゃべってやがる、気持ちワル!!」
「初対面にむかって気持ちワルはねえだろうがぁぁぁ!!てめえも死んだ魚みたいな目で
 気持ち悪いんだよ」
「うっさい!!天パー」
「天パーはてめえだろうがぁぁぁ!!」
「いや精神的にモジャモジャしてるっていうか」
「わけわかんねえぇぇよ!!なんなんだこいつ」
 銀時と剣とやり取りに呆然としているルイズと店主。
「それってインテリジェンスソード」
 剣の名前はデルフリンガーという意思を持つ魔剣らしい。
「それよりおめえなかなか剣を見る目があるな、その上『使い手』か、
 こいつは良い、俺を買いやがれ」
「おめえさびしがり屋ですか、大丈夫だよ、おめーなら一人でもやっていけるさ」
「てめえに俺の何が分かるっていうんだよ!!馬鹿かてめえは」
「馬鹿って言うほうが馬鹿なんです~」
「ガキか!!てめえは!!」
 銀時のデルフリンガーの言い争い最早わけのわからなくなってきていた。
 しかし、今まで見ていた店主はついに切れた。
「出てってくれー!!その剣やるから出てってくれー!!」
 銀時達はデルフリンガーもったまま追い出された。

「これでおめえとは相棒だ、よろしくな」
「別にいいんだけどな、っていうかあの店主から慰謝料請求できなかったじゃねえか」
「おめえはどこまで強欲なんだ」
 街を銀時はデルフをもったまま歩く。
「何、おめえはしゃべれるんなら何か必殺技とか使えるんだろうな」
「何だ、必殺技って・・」
「卍○とかだよ」
「何だよ、○解って・・」
「できねえのかよ、ちっ、使えねえな」
「ものすごく理不尽な理由で俺見下されてねえか」
「おめえの名前はマダケンだな」
「なんだよ、マダケンって」
「まるでだめな剣の略だ」
「ふざけんなー!!俺にはデルフリンガーっていう立派な名前があるんだよ」
「うっさい!!マダケン」
「ちょっと私をさっきから無視するんじゃないわよー!!」
 ルイズの声が街中に響いた。

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