あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの答え-05


決闘騒動があった日から一週間が過ぎた。
デュフォーがいる日常にも随分慣れてきたなぁとルイズは思った。
朝。どちらが早く起きるかはその日次第である。
使い魔のほうが遅く起きることに対して最初のうちは腹が立ったものの、すぐにどうでもよくなった。
そのくらい些細なことだと感じるようになったからである。悪い意味で。
ルイズが先に起きたとき場合はすぐにデュフォーをゆすって起こす。
最初は蹴ったりして起こしていたが、自分が遅く起きたときにきっちりお返しをされたので止めた。
使い魔とその主人という関係に見えないのは、もう諦めた。
いつかは自分が主人であると認めさせてやるとは思っているけど、現状ではできそうにない。

デュフォーを起こすと着替えさせるよう命令する。やたら手際がいいため、文句が付けられない。
着替えだけでなく、その他の準備に関して恐ろしく手際がいい。

そして授業。実のところルイズはこれが一番憂鬱だった。
教師に指名されて答えられないもしくは間違うと。
『お前、頭が悪いな』との前置きのあと、デュフォーが正解を教えるからである。
一度や二度ではなく、間違えるたびに『お前、頭が悪いな』と前置きがつく。
しかも教えられる解答は一度も間違っていたことはなく、常に正しいのが更に腹立たしい。
そのこともあり、ルイズは必死で予習や復習をするようになった。
ただそれでも時々間違える。そしてそのたびに『お前、頭が悪いな』と言われた。
最近では教師も同情したのかルイズが指名されることはめっきり減った。

昼休み。
一応デュフォーはルイズと一緒に食堂に行くものの、ルイズから与えられるパンとスープを食べると、直接厨房に行って食事をもらっていた。
ルイズはそれを知ってはいるものの何も言わなかった。理由は簡単。言っても無駄だからである。
一度そのことであの日からデュフォーに話しかけてる姿をよく見かけるシエスタに聞いてみると、どうやらコック長に気に入られたらしい。
それを聞いたとき、思わず耳を疑った。
―――まさかあいつを気に入る人間がいるなんて。
世界は広いと実感した瞬間だった。

食後、水のみ場にいくとデュフォーが洗濯をしていた。なんとなく物陰に隠れて様子を見る。
恐ろしく手際が良い。次々に洗濯物が片付いていく。
その様子を何とはなしに見つめるルイズ。とその時、デュフォーに誰かが近づいてきた。
(え?)
よく見ると、それはキュルケだった。
(何でキュルケがデュフォーに?)
頭の中が疑問で一杯になる。いくら色ボケのツェルプストーだからと言ってデュフォーを口説こうとするほど趣味は悪くないだろう。
だがそんなルイズの考えとは裏腹に、当に今、キュルケはデュフォーを口説こうとしていた。
「ねえ、あなた今、暇かしら?」
「お前、頭が悪いな。洗濯をしている最中だと見ればわかるだろう」
最初の一言でデュフォーはキュルケの誘いを切り捨てた。
まさかそんな言葉が返されるとは思わなかったのかキュルケが硬直する。
キュルケが硬直から復活する前に、デュフォーは洗濯を終えると洗濯物を畳んでどこかに行ってしまった。
恐らく洗濯物を干しに行ったのだろう。後には呆然と立ち尽くすキュルケの姿だけがあった。
不覚にもルイズはその姿に同情してしまった。
(いくら何でも相手が悪すぎるわよ、キュルケ……)

その後も何度かデュフォーを口説こうとしているキュルケを見かけたが、取り付く暇も無く一言で切って捨てられていた。
でも『クールで素敵。だけどきっと堕として見せるわ』とかほざいていたからきっとまだ懲りてないのだろう。


その日の夜。ルイズは床でスースーと寝息を立てているデュフォーを睨みつけた。
「もう少し態度を改めろ……って言ってもこいつが聞くわけないわよね」
ギーシュに勝利したあの時、広場では歓声も上がっていたが、何人かは面白くないという表情で輪から離れてデュフォーを睨んでいたのを思い出す。
平民がメイジに圧勝したという事を面白く思っていないのだろう。
ましてやこいつの態度はそれに対して火に油を注いでいるようなものに違いない。
なにせこいつときたら、メイジに勝ったことなど、どうでもいいことと言わんばかりの態度なのだ。
実際に聞いても間違いなくそう答えるだろう。
(……これなら、まだ調子に乗ってくれたほうがマシだったかも)

さっき聞いたら既に何度か襲われたらしい。全て返り討ちにしたらしいが。
教室に入ったときデュフォーを畏怖の目で見ている人間が何人かいたから、恐らくそいつらだろう。教師の中にも何人かいた。

ルイズが急にこんなことを考えたのには訳がある。キュルケに目を付けられたのを見たからだ。
デュフォーがキュルケの恋人になるとは思えないが、事実ではなくとも噂として流れてしまうかもしれない。万が一、そうなったら一大事である。
正直こいつが死んだら悲しいよりすっきりするような気がしなくもないが、それでも自分の使い魔だ。見捨てるわけには行かない。
態度を改めて敵をなくすなんてことはしないだろうから、せめて自分で火の粉を払えるようにしないと。
(今度の虚無の曜日にでも何か武器を買ってあげるかな……)
これまでの手際を見る限り、素手でも問題なさそうだが、それでも何か得物があったほうが楽に火の粉を払えるだろう。
それに武器を買ってあげれば感激して、少しはご主人様に対する態度を改めるかもしれない。その可能性は自分でも無いと思うが。
そんなことを考えながらルイズは眠りについた。

そして次の虚無の曜日。ルイズは前を走るデュフォーに離されないよう必死で馬を駆っていた。
「ま……さい……よ!」
待つように必死でデュフォーに叫んだが、前を走るデュフォーはまったくスピードを落とさない。それどころか振り向きすらしない。
聞こえていないのかと思ったが、ルイズは思いなおした。
(……きっと聞こえてても待たないわね、こいつ)
とそんなことを考えたとき、突然デュフォーが後ろを振り返った。
(え?)
ひょっとして聞こえたのだろうか、とルイズは思ったが特にスピードを緩める様子はなくデュフォーは前に向き直っていた。
そのままルイズが離されないで距離を保つのがやっとというギリギリの速度で走り続けた。

そのころルイズたちの後方では、ルイズとデュフォーが街に出かけたことに気づいたキュルケが、親友であるタバサの使い魔のウィンドドラゴンに乗ってルイズたちを追いかけていた。
「きゅいきゅい!?」
「きゃっ!どうしたのいきなり?」
「今、彼がこっちを睨んだって言ってる。多分追いかけているのに気づいてる」
「え、この距離で?」
「……(こくん)」
「流石ダーリン!こんなに離れてても私の気配に気がつくなんて。これはもう愛の力ね」
「違うと思う」
「きゅいきゅい」


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