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魔法少女リリカルルイズ13


ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの朝は早い。
というか早くなってしまった。
他の学院生徒や職員より早く起きたルイズはユーノを肩に乗せてバリアジャケットを装着。
フライアーフィンを足下に光らせ、こっそり窓から飛び立つ。
学院周辺に広がる森の開けた場所の上を2、3回周り人がいないことを確認すると着地。
「今日はここで練習するわね」
肩から飛び降りたユーノが答える。
「うん。ちょっと待ってね」
ユーノは自然にできた広場にあるルイズの背よりも大きい岩に走り、拾っていた小石を3つ並べた。
「まずは魔力制御の練習だよ。ここに並べた石を魔法で1つずつ打ち落としていくんだ。たくさん魔力を使わなくてもいいからよく狙って」
「わかったわ」
ルイズはレンジングハートを構えて魔力を集中させる。
杖の先にある赤い球が光り始めた。
「シュートっ」
魔力が弾丸となって尾を引いて飛ぶ。
小石を乗せた岩の下の方にぶつかった。
「もう一回!」
今度は遙か上の方にそそれ、どこか遠くへ飛んで行ってしまった。
「ルイズ、魔力の球は飛ぶだけじゃなくて方向を変えることができるんだ。落ち着いて魔力を制御して」
「わ、解ってるわよそんなこと」
さらにもう一回。
右に少しそれて飛ぶ。
「左に……飛んで!」
魔力弾は左に急カーブ。
広場の端にある木に当たって爆発を起こす。
「このっ!!もう一回!!」
今度は下にずれたので上へ軌道修正。
空高く飛び上がった魔力弾は見えなくなってしまう。
「なんで思ったように飛ばないのよ!!」
5発目。
「この、このっ」
6発目。
「このっ、このっ、このっ」
7発目。
「このーーーーっ、このこのこのこのこのこのこのこの」
8、9、10、11、12…………もはや連発になって幾つ飛ばしたか解らない。
その度にどこかに当たって爆発が起こる。
「何でよ、何でよ!こんなにたくさん打ってるのに!!1つくらい当たりなさいよ!!!」
さらに撃ち続ける。
「る、ルイズ落ち着いて。落ち着いて制御して」
ルイズは連射を止める。
大きく吐いて息を止めた。
それから吸い込んで深呼吸。
「そうね……そうよね。こんなに小さいのを飛ばしているから当たらないのよね。もっと大いのを飛ばさないと」
「え?」
レイジングハートを構える。
足を広げて、重心は深く。
「な、何する気?」
虫の知らせというのだろうか、ユーノは背筋に氷を入れられたような感じがした。
「リリカル……マジカル」
新しい魔力弾が形成される。
その輝きはさっきまで連射してたものよりも遙かに大きい。
「ルイズ、今はそんなふうに出力あげるんじゃなくて小さくていいから魔力の制御を練習して!」
「うるさい!リリカル……マジカル!」
魔力弾の大きさはそのままに輝きが強くなる。
「そんなに強い魔力弾を作ったらコントロールが難しくなるよ!!」
「うるさい!うるさい!リリカル……マジカル」
輝きはさらに強くなる。
そしてルイズの周りの風景が陽炎のように揺れる。
「ルイズ、やり過ぎだよ。魔力が漏れてる!」
「いいの!これでいいの!!リリカル……マジカル」
魔力弾は眩しくてもう直視できない。
漏れ出た魔力に煽られ、風が渦巻き、周りの木々を揺らした。
「わ、わ、わ、わ。ルイズ、止めて、止めて、そのままじゃ……」
「リリカル……マジカル!!!!!」
「Overflow」


ルイズとユーノは空を見上げて地面に寝ている。
森にできていた広場は二回りくらい大きくなっていた。
さっきまで草に覆われていた地面は土が剥き出しになっている。
「ねえ、ユーノ」
「何?ルイズ」
空の色が少しずつ濃くなっていく。
「爆発……しちゃったね」
「魔力を溜めすぎたんだよ。ルイズがうまく制御できるようになったら爆発せずにもっと溜めることができるよ」
「そう……」
小鳥の声が聞こえる。
爆発で逃げていた小鳥たちが戻ってきていた。
「ねえ、ユーノ」
「何?ルイズ」
「わたし、制御の練習もっとがんばるわ」
「うん、それがいいよ」
ハンカチで顔を拭く。
顔についた煤で黒ずんでしまった。
「空……高いね」
「うん」
ユーノが咳を1つ。
口から黒い煙を噴いたように見えたのは気のせいだろうか。
顔を横に向けると爆発で剥き出しになった地面が見えた。
ずーっと遠くまで見ていくと爆発に耐えた草があった。
その草の葉にトンボがとまった。
光の線が走るような感覚がした。
「ユーノ!」
この感覚は間違いない。
もう、3回目になるあの感覚だ。
「うん、ジュエルシードだ」
ルイズはマントを翻して起き上がる。
ユーノも飛び起きてルイズの肩に飛び乗った。
「行くわよ」
フライアーフィンが足下で光る。
地面を蹴って、ルイズは空に飛び上がった。


朝靄の中を獣が歩いていた。
大きい獣だ。
というより猫だ。
平屋の建物よりずっと大きい猫が歩いている。
ずんずんと足音を立てて歩く。
立ち止まって大あくび。
その大きな猫を木の上から見ている少女がいた。
黒いマントと衣装を着た少女は手に持った黄色い宝石を着けた黒い杖を水平に持ち上げる。
「バルディッシュ。フォトンランサー。電撃」
少女は杖をバルディッシュと呼んだ。
バルディッシュは答える。
レイジングハートと同様に。
「Photon lancer.Full auto fire.」
杖の先に集まった魔力が光の槍となって撃ち出される。
光の槍を受けた大きな猫は悲鳴を上げ駆け出そうとした。
黒い少女は杖の方向を少しだけ変える。
今度は光の槍を大きな猫の足下に向けて飛ばした。
槍をいやがって足を上げた大きな猫が地響きを上げながら倒れる。
それを見届けていたフェイトは杖を少し下げた。
「Sealing form.Set up.」
声と共にバルディッシュは音を立てて形を変える。
側面から伸びるのは4つの光の羽。
光の羽が放電を起こし、バルディッシュの戦端に光球を作った。
「捕獲」
少女は光の大きさを確かめ、それを大きな猫に撃ち出した。
その光の動きをルイズが見たらどう思っただろうか。
光球は全くぶれることなく大きな猫に引き寄せられるように飛んだ。
ルイズにはできない完全なコントロールで。
猫に当たった光球は、爆発を起こす。
そう見えたのもつかの間、形を電撃の網に変え猫を捕らえた。
電撃に身を包まれた猫は悲鳴を上げ、苦しさを伝えようとするが少女はただ何かを待っているだけだった。
そして、それは起こった。
悲鳴を上げ続ける猫から浮かび上がるものがある。
ジュエルシードだ。
「Order?」
「ロストロギア。ジュエルシード。シリアル14」
猫がさらに大きな悲鳴を上げた。
それを聞いた少女は何を思ったのか、顔を少し俯かせる。
「封印」
「Yes sir.」
杖を振り上げればたちまち空には暗雲が立ちこめる。
暗雲の中には光の槍が無数に作られ、それらは全て地上に横たわる大きな猫に降り注ぐ。
「Sealing.」
それだけでは終わらない。
暗雲は見上げるほどもある猫を覆い尽くすような雷を吐き出した。
ふくれあがった雷の光があたりを包み、そして消える。
後には弱々しい鳴き声を上げる普通の猫と、その上に浮かぶジュエルシードがあった。
「Captured.」
バルディッシュの宣言と共にジェルシードは杖の中に消えた。
少女は水蒸気を吹き上げるバルディッシュを持つ手とは反対の手で猫をそっと持ち上げた。
「ごめんなさい」
少女は手の中で小さく動く猫の体についた傷をそっとなでる。
指についた血を見つめ、目を伏せた少女は森の中に消えようとした。
その時、少女を止める声があった。
「待ちなさい!」
空から降り立ったルイズがレイジングハートを構えていた。


ルイズは冷や汗を感じていた。
ついさっき見た雷の魔法の威力、そして精緻さにだ。
しかも
「ルイズ……あの魔法。ミッドチルダ式だよ」
ルイズはユーノの言葉に首を動かすだけで答える。
背を見せる黒い少女は動かない。
「あなた……誰?」
後ろ姿には見覚えがない。
服はバリアジャケットだから、それで誰かを知ることはできない。
黒い少女はゆっくりと体を回した。
「フォトンランサー」
光の槍がルイズに放たれる。
「危ない、ルイズ」
人の形になったユーノがルイズの前に降り立つ。
両手を前に着きだし、魔法陣のシールドを展開。
ぶつかったシールドと槍は互いに光を発した。
「きゃああっ」
突然の強い光にルイズは目を背け、腕で顔を覆う。
その間もシールドに槍が当たる音は続いていた。
「く……」
槍の音が終わる。
同時に目を焼く光もなくなる。
黒い少女も消えていた。
「ユーノ、さっきのって……」
「うん。魔導師だ。それに、ジュエルシードを集めてた」
ルイズはレイジングハートを強く握った。
指の関節が白くなる。
「あの娘の魔法……すごかった」
「ルイズも練習すればできるようになるよ。ルイズは才能があると思うから」
「ほんと?」
「うん」
ルイズは自分の顔が笑ってしまうのに気づいた。
だがユーノが振り向くのに気付くと、あわてて両端が上がっている口を押さえて隠した。
「じゃあ、もう少し練習しましょう」
「あ、ルイズ。もうみんな起きる時間だよ」
「あっ!」
この練習はみんなに知られたくなかっだ。
だから、みんなの前では今まで通りの生活を続けなくてはいけない。
「ユーノ。帰るわよ」
ユーノはフェレットに姿を変える。
ルイズはユーノを肩に乗せて学校に向けて飛んだ。


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