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マジシャン ザ ルイズ 3章 (10)

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マジシャン ザ ルイズ (10)滅び

それは一であった。
それは十でもあった。
それは百でもあり千でもあった。

それは人であった。
それは既に人ですらなかった。
それは人を超えた人であった。

それは待っていた。
それは傷ついていた。
それは癒しを求めていた。

すべての悪徳をぶちまけて、絶望を濃縮した存在。
決して触れてはならぬもの。
この世の全ての悪。

待っている、時が満ちるのをじっと待っている。
道が開かれるのを待っている。



忌まわしき虫けらどもに浴びせかけれた痛撃の傷跡が、幻痛をもたらす。
今一歩、全ての計画が成就し、帰還を果たそうかという土壇場の喜劇。
屑どもの切り札が、長年の悲願の達成を阻んだ。

しかし、収穫が無かったわけではない。
忌々しい宿敵は闘技場で無きものにした。
それは4000年にも及ぶ因縁の決着に、千の身で喜びを表した。

だが、それが間違いであることをすぐに悟った。

あれは生きている、そして己と同じように傷を癒し戦う力を貯めている。
そのことに気付いてからというもの、それはその世界への道を探った。
閉じられた世界、門の無い世界、完全なる世界。

膨大なマナが宿る世界、甘美なる果実が目の前にある。
だが、門無くしては人の身で踏み入ることなど出来ようはずが無い。
それは歯噛みしながら見ることしか出来なかった。

けれど、あるとき変化がおこった。
火花の爆発、その世界からはじき出された、生まれたての赤子。
幸運な彼は、不運にもそれに触れてしまった。

彼は力を渇望していた、全てをねじ伏せる力を。
だからそれは、彼に知識を与えた、力を与えた、邪悪と狂気と悪徳の全てをくれてやった。
そして最後に、ささやかなる代価を求めた。


門の開放。
外へと繋がる、道を開くことを求めた。


待っている、時が満ちるのをじっと待っている。
道が開かれるのを待っている。


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