あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

星界の使い魔00

第一部 ―帝国の王女―

序章


爆音とともに黒煙が辺りを包む。
「ルイズ、ゼロのルイズ!!今ので何度目の失敗だ?」
「うはwwこれで30回目じゃね?ww」
毎度毎度懲りずに、周囲では30回目の爆笑が漂う。
私ことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールにはもう後が無かった。
チラっと担任であるミスタ・コルベールを見やる。
「ミス・ヴァリエール、もうしわけ―― 」
「ミスタ・コルベール!もう一度だけ、もう一度だけチャンスをください!!」
ルイズはコルベールの喋りを遮った。この先を言わせるわけにはいかない。
そう、もちろんこの先とはいわゆる私の使い魔召喚の儀の失敗、
すなわち、留年決定。
そんなことさせるか、させるもんですか!!
「わかりました、『もう一度』だけですからね。もし次で―― 」
「ありがとうございます!!」
その先を言わせるわけにはいかない!
またもやルイズはコルベールの言葉を遮った。

「ギャハハ、とうとう留年決定か?ww」
「学年と一緒に体の成長まで止まるんじゃね?ww」
もうぼろ糞な言われ様である。
「うるさい、うるさい、うるさい!!」
周囲を黙らせると、一気に精神統一をする。


「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!
  強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!
    私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」
この時、ルイズの周りにいたもの誰もが思った。
宇宙だって?気でもふれたのかこの少女は――

ちゅどーーん

爆音と共に黒煙が立ち込める。
「うそ、失敗?そ、そんなのって…」
力なくルイズはその場にへたれこんだ。
嫌嫌、留年なんて絶対嫌!!体の成長止まるなんて絶対に――
煙が薄れていく、そしてそこに何かが見えた。
「や、やった!!召喚できた―― 」
その場に居合わせたすべてのメイジが薄れ行く煙の中にいる何かに注目した。
そこに居たのは――





――――――――――

減速が始まった。
それまでの加速など問題にもならない。
座席がやわらかく身体を受け止めているものの、肺が押しつぶされそうだ。
手足の先に血が通わない。
目の前が赤くなってくる。
ジントはチラっと横にいる少女をうかがう。
さすがの彼女の顔にも汗がにじんでいた。

きゅうに目の前の映像が消失した。
星空も青い球体もなくなり、ただ乳白色の壁が残された。
同時に体が軽くなる。
「ど、どうしたの?」
ジントは不安になって横にいる少女にたずねた。
「心配するな。艇体を切り離しただけだ」
「だけだって!?」
「反物質燃料を抱いたまま大気圏に突入するわけにはいかぬであろ、
 人の迷惑もかんがえないとな」

「でも、艇体を切り離すなんて…」
アーヴらしく過激だな、とジントは思った。
「連絡艇は、もともと着陸するようにはつくられてない」
彼女は早口で説明した。
「着陸するということは、緊急着陸と一緒なんだ」
「着陸できるのかい、艇体なしで?」
「艇体があったら、着陸できない」
彼女は苛立たしげに、
「私だって恐いんだぞ、着陸するのは初めてなんだから!」
「は、初めてだって!?」
「いったであろ、地上世界にはいったことがないんだ」
「でも、訓練ぐらいは…」
「模擬訓練だけした」
「どっちが恐いんだ、着陸するのと地上世界と?」
「両方だっ!!」
振動が始まった。
そのときジントは気付かなかった。
彼女の周りを鏡のような物が囲っていることに――

――――――――
煙が薄れたそこには、黝く長い髪
妙にピッチリと体に合わさった服装から垣間見える淡い小麦色の肌
額にはサークレット、そしてなによりも目立つのが――
尖った耳
年齢は15、6才ほどの少女が横たわっていた。

「え、え、える―― 」
ルイズが呟こうとした瞬間
「「「「み、みんな逃げろ!!!ゼロのルイズがエルフを召喚したぞ!!!」」」」
誰かがそう叫んだ。
「「キャーーー!!!」」
「「逃げろーー!!」」
「「死にたくないよ、ママァー!!!」」
「えぞげまつ!!」
生徒一同が一斉に逃げまとう。
それもそのはず、一人のエルフにメイジが100人束になっても勝てないというのが
メイジならだれでも知っている常識だからである。

皆が逃げまとう中、ルイズはただじっと立ち止まり己が召喚した少女に魅入っていた。
私は、エルフを召喚したんだ!これでももう『ゼロ』なんかで呼ばれない――
そう思うと、心なしか顔がにやけてくる。
ルイズが悦に浸っていると、コルベールが叫んだ。

「ミス・ヴァリエール!エルフの意識が戻る前にはやく『コントラクト・サーヴァント』をっ!」
その声でハッとわれに返り、青髪のエルフの少女に駆け寄る。
ルイズは駆け寄りながら『コントラクト・サーヴァント』の呪文を唱えた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!!」
そして、青髪のエルフの少女に唇を合わせる。
その瞬間、青髪のエルフの少女と目が合った。

「お目覚めのようね、私のなま―― 」
バンっ!!
名乗る途中にエルフの少女に突き飛ばされたルイズは尻餅をついた。
「ツっ!!」
エルフの少女を見やると、身を屈め左手を押さえながらこちらを睨んでいる。
エルフに睨まれ、ルイズはまさに蛇に睨まれた蛙が如く硬直してしまった。
「貴様、私の腕に何をした!?ジントは?ジントをどこへやった!?」


私は困惑した。目が覚めたと同時に、地上人に唇を合わせられたのだ。
私は同性愛主義者ではないというのに。
しかし、同時に左手が熱く燃やされたような感覚が襲う。
その痛みは、寝ぼけた私の思考を通常に戻すのには十分だった。
目の前にいる同性愛主義者?を突き飛ばし、距離をとる。
右手に凝集光銃を握りながら周囲を探る。どうやら周りにはこの桃色髪の少女と、
ささやかにもほどがあるほど髪がない中年男しかいない。
もうすこし広範囲を探ると、何かうじゃうじゃと人がいる。
人類統合体の憲兵?それにしては変だ。彼らは軍務中はかならず軍服を着ているはず。しかし、視界に入る人物たちは
見るからに怪しい服装を身にまとっている。これだから地上人は――
ふと、自分の連れが居ないことに気付く。腕の痛みは消えた。
とりあえず、目の前の固まっている桃色髪の少女に問いただす。

ルイズは目の前にいる青髪のエルフの少女に圧倒されていた。
しかし、エルフを召喚したことと、契約の儀が成功したということがかろうじてルイズを突き動かした。
「わ、私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
あなたは、私の使い魔として召喚されたの。残念だけど召喚されたのはあなただけよ」
「使い魔?召喚?どういうことだ?私にはジントを、ジントを無事帝都まで守り届ける任務があるというのに!」
ルイズはうろたえた。この恐ろしいほどの気迫と、どことなく気品のある青髪のエルフの少女に。
しかし、自分はこの青髪のエルフの少女のご主人様になったのだ、と自分に言い聞かせる。
「落ち着いて!あなたが慌てるのもわかるけど、まずは落ち着いて!」
「この状況で落ち着いていられるほど私の頭は冷凍野菜並ではないぞ!」
二人が不当なやり取りをしている間にコルベールがレビテーションで近づいてくる。
彼はルイズがコントラクト・サーヴァントを成功させるといなや、他の生徒たちを先に帰らせていた。

「そうだ、クリューノ!」
私としたことが、うっかりしていた。クリューノがあったではないか。
右手に着けてある端末でジントを呼び出す。
―― 圏外です―― 無機質の音声が流れる。
ばかな、同じ星にいるのに圏外?少なくともクリューノの電波範囲はそんなに小さくないはずなのに――
まさか、ほんとうに「召喚」とやらで呼び寄せられたのか?そんな馬鹿な。
「ちょ、ちょっと!人を無視しないでくれる!それにその変なブレスレットは何!?声が出るなんて!」
携帯端末も知らないのか?やはりここはスファグノーグでは無いというのか?それともこの桃色髪の少女が
勇敢無慈悲なほどに世間知らずなのか?後者だな。なんとなくだがこの桃色髪の少女を見ているとそう思えた。
しかし、この点に関してはこの彼女も人のことをいえないのだが―― 本人たちは知る由もないのだが。
この、年も自分とそう変わらないであろう、キーキー五月蝿い桃色髪の少女を無視して立ち上がると、
視界に、禿げおやじが空を浮遊しながらこちらに近づいてくるではないか!?
「どうやら私は不時着の影響で脳が駄目になってしまったようだ…」
禿げ親父が浮遊移動しているなんて、もう私は駄目なのかと思っていると桃色髪の少女が話かけてきた。
「魔法をしらないの?エルフのくせにあなた変わってるね」
魔法?いま魔法と言っていたが、魔法というのはつまりあれか?昔父上が何も入ってない靴下から猫を取り出した
あれのようなたぐいのものなのか?しかし――

「やぁ、落ち着いたかいお二人方?」
コルベールはそう言いながら二人の前に着地した。
最初こそうろたえたコルベールだが、この青髪のエルフの少女が放つ雰囲気は
彼が教える生徒たちのそれと同じ可愛げのあるまだ一人前ではない雰囲気に似ているため、とっくに警戒をといていた。
「その、今の空中移動は「魔法」というものなのか?」
青髪エルフの少女がおそるおそるたずねてきた。
「ところで、さっき体に異変はありませんでしたか?何か熱に当てられた感じとかしませんでした?」
「左腕が一瞬熱くなったぐらいだ、すぐに収まった」
どうやら彼女もだいぶ警戒を解いて話せるようになってきたらしい。良いことだ、と関心するコルベール。
「失礼ですが、熱くなった所を見せていただきませんか?使い魔の証であるルーンが刻み込まれているはずなのですが」

「ルーン?」
「そうよ、あなたが私の使い魔である証よ!」
ルイズの言動を無視しながら左腕の裾を上げ確認する。
「ふむ、珍しいルーンですね。では私は先に戻っていますね」
そういうとコルベールは飛んでいった。

「まさか、本当に魔法が実現するんだな」
呪文を唱え飛んでいったコルベールを見ながら青髪のエルフの少女は呟いた。
「なによ、さっきまで信じなかったくせに!」
ルイズはどなる。
「だいぶ落ち着いてきたからな、あらゆる状況をも受け入れる。父上からそう教わった。もっとも、あの状況が嫌で
家を早く飛び出して修技館に入ったのだが…」
「ん?」
「嫌、なんでもない」
「言い忘れてたけど、ここはトリステイン魔法学院よ。私はこの学院の生徒。とりあえず、私の部屋に戻りましょう。
そこでゆっくりこの世界のこと教えてあげる」
ルイズとて馬鹿ではないのだ。実技ができない分、知識のほうは念入りに勉強をして学年でもトップクラスである。
だからこの青髪のエルフの少女の言動、服装から、この世界ではないどこかから来たのだと推測したのである。
「世界というか、星であろ?」
「何か言った?」
「いや、気のせいであろ」
歩き始めると、青髪のエルフの少女が尋ねてきた。
「そなたは、れびて~しょんとやらを使わないのか?」
その問いかけはルイズの心にグサッと刺さった。
さらに、少女の期待の眼差しにうろたえる。
「そ、そ、それはね、あれは術者しか掛けられないのよ!私だけほいほい飛んでいったらあなた迷っちゃうでしょ!
それに、道中でもいろいろ教えれるしね!」
ルイズはとっさに誤魔化した。そう、召喚に成功できたからといってコモンマジックを使えるようになったとは限らない。
ましてや、いまここで爆発を起こして私が魔法を一切使えないことを知られたら
ご主人様としての立場が無いと考えたのであった。
「そうであったな、そなたに感謝を」
「わ、私はあなたのご主人様なのよ、使い魔の面倒を見るのは当然よ!」
けっこう苦しいルイズであった。

「その使い魔とやらも、詳しく教えてくれるとありがたいのだが…どうも尋常ならざるもののような気がしてならない。」
実際そうなのだ。仮にも皇族である自分が、翡翠の玉座に座り帝国の頂点に立つかもしれない自分がどこぞと知れない
星の住民の使い魔とやらをやらないといけないという状況は本来ありえない。
そうこう考えてる内に、桃色髪の自称『ご主人様』が話しかけてきた。

「そういえば、まだあなたの名前聞いてなかったわね?改めて紹介するわよ、
私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、まぁルイズって呼んでね、あなたは?」
自分にどことなく雰囲気が似ているこの青色髪の使い魔をルイズは気に入っていた。口調もなんだか愛嬌を持てるし。
故に呼び捨てを許可したのだ。
「そういえば、名乗ってなかったのであったな♪」
上機嫌に言う彼女をルイズは魅入る
最初のうちはルイズもいろいろと興奮していて気に留めていなかったが
この青髪のエルフの少女は驚くほどの美貌の持ち主であることに気付く。
まだ幼さが残るが、その可憐さと相まって絶妙の魅力を放っている。

彼女は急にルイズの前へ駆け足で歩き、そして振り返った。
嬉しそうに顔をほころばせ、胸を反らした。
黝い髪がはらりと波打ち、額のサークレットからつながる耳飾はゆれた。
ルイズはドキッとした。彼女の姿はまさに妖精のようであった。
「ラフィールと呼ぶがよい!」
それは、まるで戦勝宣言をするようであった。

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