あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

蒼炎の使い魔-03

場所は変わってルイズの部屋。

「何で「フライ」を使えたの?あなたもしかして貴族?」
「……」
「答えなさい。マスターの命令が聞けないの?」
「……」

ルイズは依然として何も話さないカイトに質問をしていた。
それでもカイトは話さない。いや、話せないでいた。
聞こえているし、何を言われているのかも理解できるのだが、
自分の知識に無い物を羅列されても、
「考える」ことを出来るようになった彼でも彼女の言っている意味がわからない。

「フライ」とは何だ。
「キゾク」とは何だ。
「マスタ-」とはこの女のPC名なのか。

自分の世界の知識はあっても何も知らない場所ではまったく役に立たない。
それは何なのか聞きたくても数えられるくらいの「単語」を発することしか出来ない。

「あんたもしかして何も知らないの?」
ルイズがもしやと思ってカイトに声をかける。
一瞬間をおいて、カイトはコクリと頷いた。
「はあ…、何でこんな田舎者を召喚しちゃったんだろ。
 もういいわ、説明してあげる」
あきれてため息を吐いたルイズがカイトに説明を始める。


長い時間が過ぎた…
「…ということよ!わかった!?」
「……」
ぜんぜん分からない。
しかしここで首を横に振るとまた彼女が怒鳴りそうだった。
仕方なく首を縦に振る。

「まったく馬鹿への説明は疲れるわ」
「…」
「ああ、帰りたいって言っても無駄よ」
「…」
「それに使い魔をやめるには死ななきゃならないの」
「…」
「死んでみる?」
「…」
「なんか言いなさいよ!!」
「ハアアアアアアア…」
「それ以外に何か!名前ぐらい教えなさい!」

名前とはPC名の事か、それくらいのことなら自分でもしゃべれるだろう。

「……カ#ト」
「は?何だって?」
「カイ&」
「聞き取りづらいわ、もう一度」
「カイト」
「カイトって言うのね、あんた。でもしゃべれるならそういいなさい!」

彼の言葉には所々にノイズが入る。
調子が悪いというわけでもなく、もともとこういう仕様なのだろう。



「はあ、今日は疲れたからもう寝るわ」
ルイズはカイトの前で服を脱ぎ、パジャマに着替え始めた。
脱いだ衣類を投げつけ、
「これ明日洗濯しといて」
「……」
「あ、あんたは床で寝なさい、それと朝は起こすこと」
「……」
「じゃ、おやすみ」
「……」

そう言い、布団に入った。

ルイズは絶望していた。
失敗ばかりしていた。
周りからも馬鹿にされ、先生にも可哀相な「目」で見られた。
いつか見返してやる。
血のにじむほどペンを持ち、腕がしびれて感覚がなくなるほど分厚い教科書を
暗唱出来るほどまで読み返した。
魔法も数え切れないほど唱えた。
喉が擦り切れて血が出てきた。しかし、魔法は必ず「爆発」して「失敗」する。
それでも彼女はあきらめない。
だが、現実は残酷だった。
火も、水も、土も、風も、すべての系統の魔法は爆発して終わった。
そんな彼女を世間は笑う。
それでも彼女はあきらめなかった。
悔しいことがあると自室のベッドで一人声をかみ殺して泣いていた。



だが、周りにはそれを出さずに、貴族としてのプライドを無くすことなく持ち続けた。
サモンサーヴァント
それは使い魔を召喚する神聖な儀式。
召喚した者は、誇らしげになっている。
召喚できない者は、笑われる。
彼女は引くことが出来なかった。
どんなものでもいい。蛙でも犬でも何でもいい。
しかし出てきたものは爆発とともに現れた「田舎者」だった。
そしてまた周りは彼女を笑う。

まるで何かに取り付かれたかのように…

ルイズは悔しさを心に刻みつけながら静かに夢の世界へと旅立って行った。

しかし、この世界のものは誰も知らない。
彼が元々何と噂されてきたのかを。
それは伝説のPK(プレイヤーキラー)
彼にPKされたものは、意識不明になる。
そいつの名前は「トライエッジ」

噂と現実は違ったのだが、その腕は本物。
彼はかつて「死の恐怖」といわれたPKKを圧倒、そして「初期化」させるほどの強さがあった。
彼にとってこの世界の使い魔のほとんどは相手にならないだろう。


カイトは考える。
元の世界に帰らねば、と。
しかし、女神の言葉を思い出す。

「眠りにつく私にはもう必要ないから」

そういわれ、カイトたちは「ハセヲ」に引き取られた。
自動で動いていた自分はもう必要ない。
「世界」の脅威はひとまず去ったのだ。
それに自分がいなくても他に2体の騎士はいる。

彼にはいつの間にか「自我」が生まれていた。
それがあのデータの海に飲まれた際に彼に変化を与えた正体。
カイトは初めてのことに好奇心を覚えていた。
それに1人で出て行っても当てなどない。
タウンにつながるゲートでもあれば別だが。

そして、彼はこう決めた。

ルイズノチカクニイヨウ、と。


数分後ここで突っ立っているのに飽きたのか、カイトは廊下に出た。
寝静まっている夜。彼は道が分からなかったので窓から外に出たあとに屋上へ跳んだ。
カイトは驚いていた。
静かな世界に、風が心地よく彼の体にあたる。
そらには月が2つある。
うろついているモンスターもいない。
自分の世界はいけるところは限られていた。
作られた世界、いける場所も限定され、モンスターがうろついている。
いくらグラフィッカーが頑張ってもデータはデータ。
一瞬金色のよろいをまとったPCが浮かんだが、すぐに意識からなくした。

そういえば、自分の力は大丈夫だろうか?
彼は自分のデータを確認する。

結論から言うと、何も問題なかった。
専用の装備も変わりなく、レベルも上限である150になっていた。
腕輪もつけていたので、あの「チカラ」も使えるだろう。
呪紋もハセヲからもらった魔道書で覚えたスキルは忘れていない。
そして、左手にはいまだ分からない謎の模様。
どうやらこれが使い魔の証らしいが…。

ルイズの言葉を思い出す。

使い魔は主人の盾となり守らなくてはならない。

おそらく何も問題はないだろう。
そう思い、また目の前の風景をじっと見つめていた…。
こうしてカイトがハルケギニアにきて1日目を終えたのだった。


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