あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

侍の使い魔-7

 銀時はその後、軽い治療を受けた。
 ケガといっても口の中を軽く切った程度である。
 殴られた頬にシップを張る程度で終わった。
「本当に大丈夫ですか・・」
「ああ、たいしたことはねえ」
「ふん!勝手に決闘なんかするからよ、自業自得よ、そもそも私に無断で・・」
 シエスタが心配そうに見ている横でルイズはブツブツ言っている。
「良いじゃねえか、勝ったんだから」
 銀時はルイスをたしなめるように言った。
「でもよかった、ギンさんが無事で、私のせいでギンさんに何かあったら・・・
 ごめんなさい・・あの時勝手に逃げて・・」
 自分がしたことを思い出してシエスタは涙ぐみ始める。
 女に泣かれるのになれていない銀時は慌てる。
「別にシエスタのせいじゃないって言っただろう、あん時シエスタが『洞爺湖』
 持ってきてくれなかったほうがやばかったんだからな、むしろ感謝してるつーの」
「へえ、その平民のメイドには優しいのね」
 ルイズは顔は笑っているが頭には青筋が出ている。
「何だ、妬いてんのか」
 銀時はニヤリとルイズを見る。
「誰が妬くか!!あんた私の使い魔なんだからメイドなんかにへらへらしないの。
 やってもらうことは腐るほどあるんだからね」
 そう言ってルイズは銀時に洗濯物を投げつけた。

 洗濯と掃除が終わった銀時はしばらく暇ができた。
 とりあえず学院をブラブラしてみることにした。
 行き着いた場所は図書館だった。
 銀時は自分には縁のない場所だと思い出ようとしたが
 ふと目に入った少女が気になった。
 ―確かルイズと同じクラスの・・
 教室で見たことがある少女はタバサだった。
 タバサは本を読んでいたが銀時に気づいたようだ。
「よう・・確か・・田中・・」
「タバサ・・」
「タバサか・・」
「・・・・」
「・・・」
 会話が途切れた。
 銀時はものすごい息苦しさを感じた。
「その本なんつー本だ」
「・・・・」 
 タバサは無言で銀時に本を見せる。
 しかし、この世界の文字が読めない銀時には意味がないことだった。
「その本おもしれーのか」
「ユニーク・・」
 また会話がなくなった。
 ただ銀時はものすごいデジャヴ(既視感)を感じた。
 ―ん、なんか前にもこうゆうことあったような。
 ―記憶にはないけど『俺』じゃねえ『俺』が体験したような。
 銀時は妙な感覚に襲われていた。
 ま、あんまり深く突っ込んでほしくない。

「あなた・・使い魔の・・」
「ああ、俺坂田銀時っていうんだ、何の因果か今はルイズの使い魔やってる」
 どうにか会話が成立してほっとする銀時。
「さっき・・戦ってた・・」
「見てたのか・・」
「サムライって・・何?」
 タバサは銀時が只者ではないと見抜き、銀時が言ったサムライという言葉を調べた。
 もちろんそんな言葉はどの本にも載っていない。
 タバサが自ら他人に興味を持つのは非常に珍しいことである。
 銀時はその質問に少し困った顔をした。
「う~ん、言葉で説明すんのは難しいんだけど。。
 そうだな、あえて言うなら、自分の中でこれだけはゆずれねえっていう真っ直ぐな信念持っていて
 そいつを貫き通そうとする奴のことじゃねえかな」
「信念?」
「まあ、武士道ってやつだ」
「ブシドウ?」
「う~ん、どう言やあいいんだろうな、ま、今度あったらまた話してやるよ。じゃあな」
 銀時はタバサの頭をポンポン叩いて図書館から出て行った。
 ―不思議な人。
 タバサは銀時にそういう感想を持った。
 あれだけの腕を持ちながら、普段は殺気が微塵も感じないのだ。

 銀時がここに来てから一週間が過ぎようとしていた。
 ギーシュに勝ったからと言って待遇が変わったわけ無いが、元々銀時はギーシュ程度に
 勝ったからといって待遇が変わるとは期待していなかった。
 寝る場所は相変わらず床だが、シエスタがくれた藁とルイズに恵んでもらった毛布の
 おかげでずいぶん寝ごごちは良くなった。
 元々布団で寝ていた銀時は床に寝るのにそれほど抵抗は無い。
 ただたまに畳が恋しくなるが。
 雑用もそれほど銀時にとって苦ではなかった。
 元々1人暮らしが長い上に、万事屋をやっていたのでむしろ手馴れた感じだ。
 元いた世界では家賃も碌に払えず、喰う事さえままならないことが日常茶飯時だった
 銀時にとっては働けばそれなりに飯が食えるのはむしろありがたかった。
 ただ銀時は退屈だった。
 この世界はテレビもなければ、ラジオも無い、パチンコ店もなければ、少○ジャ○プも売っていない。
 もし銀時が吉○三だったら思わず東京さ出ているところだろう。
 雑用するとき以外、たいてい部屋でゴロゴロしてルイズに怒られている。

「我らの剣が来たぞ」
 あの日以来、銀時はちょくちょく厨房に足を運んでいる。
 ここにくればルイズの飯よりは豪華で量の多いものが食える。
 その上甘い物だって食えるのだ。
 銀時はかってに厨房のことを糖分摂取場と思っている。
 貴族のギーシュを平民である銀時が倒したので、銀時は厨房では大変な人気だ。
 シエスタ以外で、銀時のことを特に気にいってるのがコック長のマルトーである。
 マルトーが自分達の料理も魔法の一つだと熱弁しているのを適当にうなづく。
「いいやつだな!お前は全くいいやつだな!死んだ魚みたいな目をしているけど」
 ―関係ねえええだろうだろうがあぁぁ!!
 銀時は心の中で突っ込む。
 どうしてここの連中は皆同じ事言うんだと思った。
「なあ我らの剣、俺はお前の額に接吻するぞ!なあ!いいな!」
「いや!マジでやめて!」
 銀時はマルトーの顔をぐっと押しのける。
「どうしてだ?」
「いや、俺はオヤジに接吻されて喜ぶ趣味はねえんだよ!」
「はは、こいつは参った」
 マルトー以下、厨房は笑い声に包まれる。
「なあ、お前どこで剣を習った?どこで剣を習ったら、あんな風に触れるのか、
 俺にも教えてくれよ」
「別に誰から習ったわけじゃねえ、いつの間にか覚えてたんだよ」
 銀時の剣は我流であり、実戦によって鍛えられたものだ。
 戦いの中を生きていくうちに銀時はいつの間にか剣の達人になっていた。
「聞いたか!お前達!やっぱり本当の達人は言うことが違う!己の腕を誇ったりしない」
 銀時はなんかむずかゆかった。
 ほめられるのは悪い気がしないが、あんまりほめられたことが無い銀時は
 どうにもこの状況が慣れなかった。
 厨房をふと見ると、小麦粉やら卵が置いてある。
「そういやあ、あんた、料理も魔法の一つだって言ってたな、だったら俺も魔法が
 使えるぜ」
「何?」
 銀時はいつの間にか三角巾とエプロンをつけている。
 卵やら小麦粉を泡だて器でかき混ぜる。
 そして数十分後銀時がつくったケーキができた。
「ん、うめえ」
「すげえな、お前ケーキも作れるのかよ」
「ギンさん、すごい」
「趣味と実益を兼ねた特技だけどな」
 糖分摂取が趣味の銀時にとってお菓子作りは必要に迫られて会得した特技ともいえる。

 銀時が部屋に戻るとルイズは不機嫌な顔をして待っていた。
「どこ行ってたのよ」
「いいじゃねえか、どこでも、仕事はちゃんとしてんだしさ」
「あんたは私の使い魔なんだからちゃんと私の目の届くところにいなさい」
「へいへい、わかったよ、ほれ・・」
 銀時はルイズにクッキーの入った袋を渡す。
「なによ、これ」
「みやげだ」
 ルイズは袋を取り出してクッキーを食べる。
「おいしい!どうしたのこれ」
「厨房で貰ったんだよ」
 正確には銀時が作ったものだが。
 しかし、二人の会話が浮気を怪しむ奥さんとそれを土産でごまかそうとする夫
 のものにしか聞こえないというのは2人とも気づいていない。

 銀時は授業中はたいてい寝ている。
 最初は怒っていたルイズだったが、それは銀時を人間として認めることなので
 最近は怒らなくなった。
「う~ん、ルイズ・・」
 ルイズは銀時に名前を呼ばれてドキッとする。
 ―なんだ、寝言か。
「そのお菓子よこせよ、独り占めはずりぃぞ、今なら4分の3殺しで勘弁してやるから・・」
 銀時の寝言に周りからは失笑がこぼれる。
 ルイズは顔を真っ赤にして
「どういう夢見てんのよ!この馬鹿使い魔!!」
 銀時を殴った。

 そんな日々をすごしつつ、銀時は元の世界に帰る方法を探しているのだが
 いかんせん手がかりの『手』の字も出てこない。
 ―新八と神楽の奴心配しってかなあ。

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