あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ZONE OF ZERO3


閃光のショックから意識を回復させたシュヴルーズ師は、
ルイズに対し口頭で軽く注意を済ませ、その日の授業は終わりを告げた。
好奇心からルイズの使い魔について聞き出そうとする生徒達を押しのけ、
ルイズは自室へ向かい、己の左手と向き合った。
『ルイズ。私は左手にいる訳ではありませんが』
「あ、そうなの? でも何となく話しやすいから。
 それより、さっきの授業中のこと、詳しく説明して頂戴」
『了解。何について説明いたしましょう?』
「全部よ。まず、あなたに何が出来るのかを教えて」
『了解。今朝にも話したとおり、現在、当システムは前回の戦いによる損傷により、
 機能の多くが使用不可能となっています。メタトロンが存在すれば即座に修復させる事も
 可能なのですが、この地での入手の可能性はゼロに等しいでしょう。
 現在は貴女の魔力、及び周囲の魔力を用いて総力を挙げて復旧中です』
「って、それ初耳よ!? あなた人の魔力を勝手に……!」
聞き流せない言葉にルイズが色めき立つが、ADAは落ち着いたままだ。
『ご安心ください。システムの書き換えが主な作業です。魔力消費はごく微量なものに過ぎません』
また少し理解できない単語が出てきたが、別に体の調子が悪くなったり、
精神が消耗したりと言った自覚症状は確認できないので、とりあえずルイズは納得した。


再びADAが語りだす。
『先程使用した『シールド』も復旧した技能のひとつです。
 圧縮空間を展開し、敵の攻撃を防ぐ事が出来ます。
 あの場は非常手段として制御を一時的に借り受けましたが、
 本来は貴女が使用するべきものです』
「えっ、私が!?」
『はい。私はあくまで戦闘支援の目的で造られた人工知能ですから』
「で、でも……どうやればいいのかなんて、わからないわ!」
『触媒に貴女の魔力を用いますが、系統魔法とは根本から異なる技能です。
 システムと一体化している貴女なら、自ずと使用方法は理解できる筈です』
「そんな事言われても…………っ?」
左手のルーンが光り――唐突に、理解できた。
難解なADAの説明は殆ど理解できなかったのに、
理屈や過程をすっ飛ばして、ただ『やり方』だけが頭の中に入ってくる。
左手を正面にかざす。呪文も無く。杖も要らない。ただ手足を動かすのと同じ感覚で。
「あ……」
そこには、例えスクウェアクラスの魔法の一撃であろうとも、
完全に防ぎきるであろう無色の盾が形成されていた。

――その日、ルイズは興奮して中々寝付けなかった。


次の日、観客の生徒達が集まる中庭で、ルイズは何でこんな事になったんだろうと空を仰いだ。
要するに、痴話喧嘩に巻き込まれたのだと思う。
本来なら、そんなものになど、心の底から関わりたくなど無かったが、
やや寝不足ながら久しぶりに上機嫌で朝食を頂いているすぐ横で、
よくわかんないけど、浮気がバレて見苦しくメイドに八つ当たりをしているバカがいたら、
罵声の一つもぶつけていいと思う。
だが認めたくないものは認めたくないのだろう。
その気持ちは、それこそ認めたくないが、よく解る。
認めてしまったらそれで終わりなのだから。
相手が平民やゼロなら尚更だ。
とか何とか自爆っぽい事を考えながら口論を続けて、気付いたら、何かそのバカと決闘する事になっていたのだ。
わざわざ状況を、回想の動画つきで説明してくれたADAにツッコミを入れ、
目の前のバカ――ギーシュとか言ったっけ?――に、向き直る。
既に眼前には青銅のゴーレム、ワルキューレが立ち塞がっている。
「どうしようADA?」
左手に問い掛けると、即座に答えが返ってくる。
『現状、有効な攻撃手段は『失敗魔法』による爆破しかありません。
 シールドで敵の攻撃を防ぎつつ、詠唱の短い魔法で攻撃しましょう』
「……失敗魔法なんかに頼るのは癪だけど、それしかないか……」
『シールドは攻撃を防ぐ度に魔力を消耗します。敵の攻撃は出来る限り回避する事を推奨します』
「わかったわ。……さっさと片を付けるわよ、ADA」
『了解』


一直線に迫ってくるワルキューレの攻撃を回避。そのまま詠唱を開始する。
五感が研ぎ澄まされている。
前日から薄々気付いていた事だが、やはり集中してみるとよくわかる。
視界の隅々までが明確に把握できる。そして網膜に投射される各種データ。意味は解らずとも解る。
二本のゲージ残量に気をつけながら、敵を殲滅すればいい。
詠唱完了。爆破。青銅のゴーレムは木っ端微塵に吹っ飛んだ。
『ゴーレム、撃破』
「見りゃわかるわ」
しかし改めて見ると本当にえげつない破壊力だ。ADAの分析によると、
戦闘行為による精神の高揚が威力を底上げしているらしい。

一方、ギーシュは、ワルキューレの残骸を見て、眼前の少女に対する認識を改めた。
彼女の失敗魔法は、破壊力だけならライン、下手をすればトライアングルにすら届く。
後手に回っては拙いと判断したギーシュは薔薇の花びらを飛ばし、
一度に操れる最大数である七体を顕現させた。

ワルキューレの突進をルイズは二度まで回避し、三度目の回避が
間に合わないと判断すると、前方にシールドを展開した。
同時に詠唱完了。爆破。固まっていた二体を完全破壊、少し離れた一体を小破させた。
だが即座にギーシュが花びらを飛ばし、破壊されたゴーレムを補填する。
「正直、きみがここまでやるとは思わなかったよ」
回避。回避。シールド。回避。
「だけどこの勝負、僕の勝ちだ」
詠唱完了。爆破。魔力反応消失。増援確認。
「降参するなら今のうちだよ」
シールド。回避。シールド。シールド。シールド。回避。詠唱完了。爆破。増援確認。


『警告。魔力が尽きつつあります。敵リーダーを狙ってください』
汗だくになりながらゲージ残量を確認すると、三分の一を切っている。
シールドを除けば、後一、ニ発が精一杯といったところだろう。
杖を握り締め、一か八か、ワルキューレの後方で悠然と立っているギーシュに狙いを定める。
敵は勝利を確信したのか、攻撃が散漫になってきている。
その隙を突いて、速攻で詠唱を完了させ、魔法を放つ――が。
破壊の光は標的を大きく外れ、遥か後方の壁面に衝突し、轟音と土煙を上げた。
それを見送って、ギーシュが内心冷や汗をかきながら、ルイズを見る。
「終わり、だね。君は本当に良く頑張った。もう――」
その時、不思議な響きを持つ可憐な声が、その場の全員に聞こえた。
『誤差修正、距離計算完了、ロックオンシステム、修復完了しました。これで終わりです、ルイズ』
相変わらず説明は理解できないが、意味はわかる。
既に七体のワルキューレは視界に捉えている。つまりはこれで私の勝ちということだ。
ルイズは、七つのロックオンカーソルに向けて、詠唱を必要としない破壊の光を飛ばす。
七つに分かたれた光の線は、正確に、精密に、ゴーレムの中心を撃ち抜き、全てを殆ど同時に爆砕した。
それと同時、殆ど無意識のうちに、ルイズは猛然と駆け、距離を詰めて己の杖を剣のように一閃した。
そして、敵の接近に気付いて慌てて我に返り、
新たに花びらを取り出そうとするギーシュの手から、杖を弾き飛ばしたのだった。



――――新たな技能『ロックオン』及び『ホーミングレーザー』を取得しました。


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