「……」
「ちょ、ちょっとあんた、こ、言葉わかる?」
「面妖な…」
その男の第一声は、ルイズ達を訝しむ言葉だった。
ここはトリステイン魔法学院、使い魔を召喚する春の儀式で『ゼロのルイズ』と呼ばれる生徒が呼び出したのは、見たこともない服装の男だった。
まるで死体のように眠るその男を見て、ルイズは人間を召喚してしまったこと驚き、担当教師のコルベールにやりなおしを求めたが却下された。
とりあえず、コントラクト・サーヴァントも済ませて使い魔のルーンを刻んだところで、その男が目を覚ましたのだ。
「ココはトリステイン魔法学院よ、あんたは私がここに召喚したの!」
「汝、天狗なりや?」
「テング?知らないわよそんなの、私は貴族よ! ところで…あんた名前は?」
「貴族…公家にござるか。それがしは元公儀介錯人 拝一刀」
「ちょ、ちょっとあんた、こ、言葉わかる?」
「面妖な…」
その男の第一声は、ルイズ達を訝しむ言葉だった。
ここはトリステイン魔法学院、使い魔を召喚する春の儀式で『ゼロのルイズ』と呼ばれる生徒が呼び出したのは、見たこともない服装の男だった。
まるで死体のように眠るその男を見て、ルイズは人間を召喚してしまったこと驚き、担当教師のコルベールにやりなおしを求めたが却下された。
とりあえず、コントラクト・サーヴァントも済ませて使い魔のルーンを刻んだところで、その男が目を覚ましたのだ。
「ココはトリステイン魔法学院よ、あんたは私がここに召喚したの!」
「汝、天狗なりや?」
「テング?知らないわよそんなの、私は貴族よ! ところで…あんた名前は?」
「貴族…公家にござるか。それがしは元公儀介錯人 拝一刀」
そんなこんなで、ルイズは使い魔、拝一刀を得た。
話を聞けば東方の侍という種族だそうで、コルベール先生などは興味深そうに話を聞いていたが、ルイズは不満で不満で仕方がなかった。
これで亜人やエルフを召喚したならまだ言い訳は立つ、しかし蛮人を召喚してしまったのだから、ルイズは泣いた。
話を聞けば東方の侍という種族だそうで、コルベール先生などは興味深そうに話を聞いていたが、ルイズは不満で不満で仕方がなかった。
これで亜人やエルフを召喚したならまだ言い訳は立つ、しかし蛮人を召喚してしまったのだから、ルイズは泣いた。
しかし、ギーシュに売られた喧嘩を買った時、拝一刀は見事な身のこなしでワルキューレを避け、ギーシュの杖を素手で奪い取った。
それにより彼は厨房で『我らの剣』と呼ばれ、気をよくしたルイズは武器を買い与える事にした。
「ゲルマニアの高名な練金術師、シュペー卿の作られた剣でして、5000エキューになります」
「ちょっと!高すぎるわよ!」
「…鋳型に流し込んだ刀では役に立たぬ」
『おでれーたな、そっちの兄ちゃん、ちったぁ見る目がありそうだ』
「コラ、デル公!お客さんの居るときは喋るなって言ったろ!」
拝一刀は声の主を捜し、デルフリンガーを見つける。
「ちょっと、オガミ、そんな剣がいいの?喋る剣なんて五月蠅いわよ」
『おでれーたな…おめえ、怖い『使い手』だな、まあいいさ、俺を買え』
「使い手…? 今のわしは使い魔、冥府の牛頭馬頭に同じなり、侍にあらず、使い手にあらず、あるのは冥府魔道」
それにより彼は厨房で『我らの剣』と呼ばれ、気をよくしたルイズは武器を買い与える事にした。
「ゲルマニアの高名な練金術師、シュペー卿の作られた剣でして、5000エキューになります」
「ちょっと!高すぎるわよ!」
「…鋳型に流し込んだ刀では役に立たぬ」
『おでれーたな、そっちの兄ちゃん、ちったぁ見る目がありそうだ』
「コラ、デル公!お客さんの居るときは喋るなって言ったろ!」
拝一刀は声の主を捜し、デルフリンガーを見つける。
「ちょっと、オガミ、そんな剣がいいの?喋る剣なんて五月蠅いわよ」
『おでれーたな…おめえ、怖い『使い手』だな、まあいいさ、俺を買え』
「使い手…? 今のわしは使い魔、冥府の牛頭馬頭に同じなり、侍にあらず、使い手にあらず、あるのは冥府魔道」
こんな調子なのでルイズは拝一刀に調子を狂わされっぱなしだった。
この使い魔の評価が一変するのは、ニューカッスルの城で、決戦前夜のパーティが開かれたとき。
「オガミ・イットウ君だったね、人が使い魔になるなんて、トリステインは変わっているね」
「我は冥府魔道に生きる者、地獄の牛頭馬頭に等しく、悪鬼羅刹の類を食らふ刺客道を歩めり、使い魔として召喚されしも故あってのことと存ずる」
「刺客…?君は、暗殺者だったのか?まあいい、君のような忠実な部下が居てくれれば、レコンキスタを打ち倒せたかも知れないが…今となっては後の祭りだ」
「船の上では、レコンキスタは烏合の衆と申された、頭を取れば総崩れになり申そう」
「頭を取る?ハハハ、それが出来れば苦労しないよ、それとも、君がやってくれると言うのか?」
「されば刺客引き受け五百金!」
「オガミ・イットウ君だったね、人が使い魔になるなんて、トリステインは変わっているね」
「我は冥府魔道に生きる者、地獄の牛頭馬頭に等しく、悪鬼羅刹の類を食らふ刺客道を歩めり、使い魔として召喚されしも故あってのことと存ずる」
「刺客…?君は、暗殺者だったのか?まあいい、君のような忠実な部下が居てくれれば、レコンキスタを打ち倒せたかも知れないが…今となっては後の祭りだ」
「船の上では、レコンキスタは烏合の衆と申された、頭を取れば総崩れになり申そう」
「頭を取る?ハハハ、それが出来れば苦労しないよ、それとも、君がやってくれると言うのか?」
「されば刺客引き受け五百金!」
そして、翌日の朝、結婚式を挙げようとしたワルドが、ルイズを連れてウェールズの待つ礼拝堂に入ると、後から一人の親衛隊が駆け込んできた。
「た、大変です! あ、大使どのの使い魔が!使い魔が!」
驚いたルイズが城から外へと出て、城門を見る、すると敵の兵士に変装した拝一刀が、クロムウェルの首と、手首を持って城門から入城するところだった。
「くろむうえると申すこの男は傀儡にござる、黒幕とおぼしき女は取り逃がし申したが、この男の持つ指輪を気にかけておった、故に証左としてくろむうえるの首と手首を確かめられい」
「た、大変です! あ、大使どのの使い魔が!使い魔が!」
驚いたルイズが城から外へと出て、城門を見る、すると敵の兵士に変装した拝一刀が、クロムウェルの首と、手首を持って城門から入城するところだった。
「くろむうえると申すこの男は傀儡にござる、黒幕とおぼしき女は取り逃がし申したが、この男の持つ指輪を気にかけておった、故に証左としてくろむうえるの首と手首を確かめられい」
老メイジ、パリーの話によると、クロムウエルは生命を操り、死者をも蘇生させたらしい。
その能力こそが虚無の魔法であると言っていたが、実はクロムウエルの指輪『アンドバリの指輪』が生命を操っていたと解った。
アルビオンのお家騒動で紛失してしまったが、同じように生命を操る指輪が存在していていたのだと、パリーは語っていた。
その能力こそが虚無の魔法であると言っていたが、実はクロムウエルの指輪『アンドバリの指輪』が生命を操っていたと解った。
アルビオンのお家騒動で紛失してしまったが、同じように生命を操る指輪が存在していていたのだと、パリーは語っていた。
また、時を同じくして総崩れになるレコンキスタ勢に、戦艦から砲弾が撃ち込まれた。
アンドバリの指輪によって操られていた兵士達が、使い手が死んだことで正気を取り戻したのだ。
アンドバリの指輪によって操られていた兵士達が、使い手が死んだことで正気を取り戻したのだ。
その後も彼の伝説は止まらない。
エルフと戦ったとき、その人間ばなれした能力が精神的にも人間でないと証明されてしまった。
『相棒、ありゃ反射だ、魔法や物理攻撃を反射する厄介な魔法だぜ。エルフらしいこすい手だぜ』
「殺気を放たば、殺気もまた己に帰る。されば、大道無門千差路あり、この関を透得せば乾坤に独歩せん」
ルイズ達にとっては呪文にしか聞こえない難解な言葉を呟き、デルフリンガーで決壊を断ち切った。
「なんだと!この男には殺気がない、敵意がない!」
「彼岸と此岸の間を歩む、我ただ中道、冥府魔道を歩むる者なり」
「貴様は人間のはず、なのに、死を司る精霊のような力を持つとは、おのれシャイターンめ!おのれ、聖地に近づくのならば容赦はせん!」
『相棒、ありゃ反射だ、魔法や物理攻撃を反射する厄介な魔法だぜ。エルフらしいこすい手だぜ』
「殺気を放たば、殺気もまた己に帰る。されば、大道無門千差路あり、この関を透得せば乾坤に独歩せん」
ルイズ達にとっては呪文にしか聞こえない難解な言葉を呟き、デルフリンガーで決壊を断ち切った。
「なんだと!この男には殺気がない、敵意がない!」
「彼岸と此岸の間を歩む、我ただ中道、冥府魔道を歩むる者なり」
「貴様は人間のはず、なのに、死を司る精霊のような力を持つとは、おのれシャイターンめ!おのれ、聖地に近づくのならば容赦はせん!」
こうして数々の戦いを乗り越えた拝一刀は、虚無の使い手であるルイズと同じように、数々の伝説を残した。
拝一刀は後にヴァリエール家に守護神として奉られることになり、ヴァリエール家は貴族だけでなく『士族』を輩出する家系として知られることになる。
拝一刀は後にヴァリエール家に守護神として奉られることになり、ヴァリエール家は貴族だけでなく『士族』を輩出する家系として知られることになる。
士族の一人目は、大五郎という、異国の名を付けられたそうだ。