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魔法少女リリカルルイズ11


宙を舞う花びらは甲冑を着た女戦士の青銅のゴーレムとなる。
青い石は花びらの変形に巻き込まれ、女戦士の兜の額に配置された。
ギーシュはワルキューレの造形にはちょっと自信を持っていた。
それが今回はひときわうまくいっている。
このワルキューレの戦うところを見れないのは残念だが、モンモランシーの機嫌の方がよほど重大だ。
ギーシュはマントを翻してワルキューレをおいてモンモランシーを追った。
ワルキューレはここからギーシュがいなくなれば少しも立たないうちに動かなくなる。
このくらいならルイズ相手でも冗談ですむ。
2歩も駆け出さないうちに後ろからルイズの声がした。
「待ちなさいギーシュ」
「今度はなにかね?青い石のことならワルキューレと……」
「あなた、こんなの私にけしかける気なの?」
ギーシュは振り向いて……目を点にした。
ワルキューレは本来人間と同じ大きさのはず。
それなのに、このワルキューレはおおよそ10メイルもある。
形も女戦士とはもはや呼べない。
歪み、ねじれた醜い化け物になっている。
「な、なななななななな」
舌がもつれた。
ワルキューレだった青銅のゴーレムはギーシュのきしみを上げながら腕を振り上げる。
足がねじれた青銅のゴーレムはバランスを崩し、ギーシュの目の前に拳を叩きつけた。


ルイズは倒れるギーシュの元に走り、襟を掴んで揺する。
「ギーシュ!何やってるの!止めなさい」
声を張り上げるがギーシュは気絶しているのか動かない。
後ろで金属をこする音がした。
青銅のゴーレムが捻れた足を変形させ、安定した形につくり直していく。
変形を終えたゴーレムは暴れだす。
振り回し、石畳をめくり上げた。
「そんな、なんで?」
ワルキューレのような即席で作ったゴーレムは作り出したメイジが気絶すれば動きを止める。
ましてや造形を変えるという複雑な事はメイジの制御無しには行えない。
「ルイズ、あれ!!」
ユーノが青銅のゴーレムの顔を示す。
もはや人の顔の形はしていないが、それでも額と解る部分にはジュエルシードが見えた。
その色はさっきまでのくすんだ色ではなく、透明感のある青色になっていて宝石自身が光を発している。
「ジュエルシードが発現している。それに暴走も」
暴れ回る青銅のゴーレムは10メイルの体をルイズに向けた。
「ユーノ!」
「うん」
ユーノがルイズの肩から飛び降り、体から光りを出しながら人間に形を変えた。
ルイズはポケットに入れておいたレイジングハートをつまみ出し、宙に投げる。
「レイジングハート、行くわよ!」
「Stand by Ready.Set up」
レイジングハートの光がルイズを包む。
着ている服がほどけ、次いで光の帯がルイズの体に巻き付き服となる。
バリアジャケットを纏ったルイズは杖となったレイジングハートを手にした。


変身を終えたルイズが見たのは、拳を振り上げる青銅のゴーレムだった。
ギーシュの時とは違い、安定した下半身で体をしっかり支えて振り下ろす。
「ルイズ!」
ユーノがルイズと青銅のゴーレムの間に割り込んだ。
右手を突き出すと、そこには回転する光の魔法陣が出てくる。
青銅のゴーレムの拳が光の魔法陣にはばまれる。
ユーノは足を少しかがめて衝撃に耐えて再び手を突き出す。
衝撃を返されたゴーレムは後ろに吹き飛び、倒れた。
「ルイズはもう少し下がって」
後ずさったルイズは柔らかいものを踏んだ。
ギーシュの顔面だった。
足を避けてギーシュをまたいでゴーレムから離れる。
伸びているギーシュはとりあえず放っておくことにした。
「でも、どうしたらいいの?」
「僕が防いでいる間にルイズが封印するんだ」
「ユーノが危ないじゃない」
「大丈夫。防御魔法は得意なんだ」
ユーノは立ち上がろうとするゴーレムに駆けだした。


シエスタを追いかけていたはずのキュルケは全く予想していないものを見た。
「なに、あれ」
10メイルくらいの不格好なゴーレムがいたのだ。
しかもゴーレムと戦っているメイジがいた。
マントの色からして一年生だろう。
その一年生は不思議な防御魔法でゴーレムの手足の攻撃を防いで一歩も引かない。
ゴーレムが弱いのではない。
魔法に弾かれたゴーレムの腕で周りの建物や石畳が次々に残骸になっていく。
「あれは……いくら何でもやりすぎよね」
一年生とゴーレムの戦いはメイジ同士の決闘にも見える。
ゴーレムを操っているのが誰かは建物の陰に隠れて解らないがおそらくライン以上のメイジだろう。
メイジ同士の決闘は禁止されているものの珍しいことではない。
普段なら止めずに観戦を楽しんでもいいのだが、学院の建物を破壊しながらとなると話は違う。
それにゴーレムの腕の振りは杖を落として終わり、と言うような生やさしいものには見えない。
一年生を叩き潰すような勢いで振り回されている。
キュルケは杖を構え、前に出ようとしたが大きな杖を持った青い髪のメイジに止められた。
タバサだ。
「危ない」
タバサはそういうと呪文の詠唱を始めた。
長めの呪文。トライアングルの魔法を使おうとしているのだろう。
タバサが杖を振ると竜巻が生まれる。
さらに杖を振ると竜巻は一年生を迂回してゴーレムを巻き込もうとした。
ゴーレムが腕をぶぅんとふる。
その途端、竜巻は吹き飛んでしまった。
「何やったのよ。あのゴーレム」
いくら何でもトライアングルの魔法をああも無造作に消してしまうのは無茶だ。
「危険。近寄ったらだめ」
タバサは手を広げてキュルケを止めた。
ついでに他のメイジも止めた。


「ふむ……これは」
オールドオスマンとコルベールは「遠見の鏡」でその様子を見ていた。
大きな音を聞いて「遠見の鏡」を使ったのだ。
映っている画像はぼやけている。
「よほど強力な魔法が妨害しておるようじゃな」
オールドオスマンは立ち上がる。
「ミスタ・コルベール。ヴェストリの広場に誰も近づけぬようにするのじゃ」
「止めないのですか?」
「もちろん止める。じゃが、ミスタ・コルベール。解るじゃろう?ゴーレムとあの生徒の戦いは均衡しておる。下手に手を出すと生徒の方が危なくなるぞ」
「オールドオスマンの魔法でも止められないのですか?」
「わからん。だれかがトライアングルの魔法を使ったようじゃがそれはいとも容易く消されておった。スクウェアの魔法でも止まるかどうかは解らんぞ」
「眠りの鐘は?」
学院でなにか起きたときには眠りの鐘が使われることとなっている。
「それもだめじゃ。あのゴーレム、とても人が操っているようには見えん。睡りの鐘であの生徒だけ眠ってしまいゴーレムは動き続けてしまうかもしれんしの」
オールドオスマンは杖を振って、ドアを開けた。
「じゃから急がんとな」
外にはロングビルが待っていた。
「ミス・ロングビルにも手伝ってもらおうかの」


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